必殺技なしでイナズマイレブン??できらぁぁ!!!!! 作:きりきり舞い
【 ここで試合終了!!!フットボールフロンティア全国大会1回戦!!勝ったのは白恋!!3VS0という結果ですが!後半どちらも一進一退の高レベルで非常に熱い試合が繰り広げられました!!!!名勝負の系譜に刻まれる事間違い無いでしょう!】
俺たちの目前で行われた試合は驚異的な結末を辿ることとなった。
3点差という大差での敗北とはいえ、世宇子の選手の繰り出す必殺技はこれまで見たことのない威力を誇り、その場にいなくてもわかる強さがあった。
【ダッシュストーム】【ヘヴンズタイム】【メガクエイク】【さばきのてっつい】というフィールドを支配するかのような必殺技。そして亜風炉の【ゴッドノウズ】も俺たちが形にしたどのシュート技よりも強力なものだった。
しかしそれを白恋は全てをテクニックを用いた上で強力な必殺技を携え、封殺し切ってしまった
そしてあの歩星というキーパーも強力な必殺技を繰り出したにも関わらず白恋の吹雪兄弟は平然と打ち破っていた。その光景には源田も息を呑むしかなかった。
俺たちがあの負けた世宇子に勝てたかと問われれば、勿論とは到底言えないものだった。
「ジュニア優勝者の間持達だけじゃない。チーム全員のレベルが非常に高水準に仕上がっていやがる…」
「クククク…このままでは我々に勝ち目はありませんね。間違いなく」
辺見と五条の分析は実際に間違いはないだろう。
あれはダメだ。今の帝国では到底及ばない領域で試合をしている
「…………。俺には、わからない。止められるのか?あの技を…」
「鬼道、俺たちのシュートは…」
帝国の守護神も参謀の焦燥感はとても見ていられるものではない状態だった。
だからこそ少しでも可能性を作らなくてはならない。
「……お前達。帰るぞ。俺たちに残された猶予は少ない。白恋のディフェンスを突き崩せなければ、俺たちに勝機はない。そのためのタクティクスを編み出す。」
雷門戦で負った俺の足の負傷は完治した。
次戦で疲労を残さず、白恋に全力で望まなくてはならない。
鬼道財閥の為でもあり、そして俺達帝国の意地だ。
俺たちに2度の負けは、許されない。
「鬼道。俺はあの技を解禁すべきだと思っている…。【皇帝ペンギン1号】なら…!」
「ダメだ。勝利のために、お前の足を犠牲にする選択肢などない。そんなもの、影山と同じだ!!」
「鬼道。俺も佐久間と同じだ。俺の【フルパワーシールド】では奴らのシュートを止めるのもままならないだろう。試合にすらならない…【ビーストファング】ならば…っ」
「……。話はそれだけか?俺は意見を曲げるつもりはないぞ。絶対にダメだ。お前達に禁断の技を使用させるぐらいなら俺は試合の棄権を選ぶ」
「鬼道…。」
影山考案の禁断の必殺技など使わせてはならない。あれは使用者に多大な負担を強いる必殺技、あんなもの必殺技と呼んでいいものではない
こんな一大会で一生分に値する選手生命を削るなど愚の骨頂だ
「…おやおや鬼道くんともあろう者がここまでヒヨっちまってるとは泣けるねぇ…全く」
「…誰だ。お前は」
いつのまにか1人の少年が俺たちの背後に立っていた。
どこか皮肉げにその少年は語る
「帝国学園連中が首揃えて試合観戦してるって言うから、わざわざ観に来たらこのザマとは…おっと、紹介が遅れたな。影山総帥から推薦を受けて帝国学園に転入した不動明王だヨロシク。」
「影山だと…?奴はもう逮捕されたはず…」
「あぁそれ?まぁ確かに逮捕されたが、その前に俺に連絡が来た訳。帝国に行けとな?全くもってわからないね。(全く何考えてんのかわかんねぇ。救出しろとも言われてねえし。エイリア石を使ってあのお方に認めさせる計画もパー。どうなってやがる。おまけに帝国に入って勝ちへ導けだと…?)」
「鬼道。こいつのレギュラー入りを認める気か?強さもわからない上に、影山が寄越した奴だぞ…どう考えても信用に値しない」
「あぁ。奴が何を考えてこの不動を帝国に入れたかがわからない限りは不確定要素を減らすべきだ」
「おいおい、嫌われちまってるみたいだなぁ?影山の奴は。安心しな。俺があいつから言われてるのは帝国を勝利に導けだけさ。よっぽど俺抜きではお前達が勝てないと見ているらしいな?あれでもサッカーを見る目はあるらしい。」
「なんだと…こいつ…っ!」
「やめろ。寺門。確かに、今の俺たちでは到底白恋中に勝つことは無理だろう。」
白恋に現状の俺たちの戦力で通じるとは思えない。通常の帝国ならわざわざ変数を許すことなどはあり得ないが
「捕まった奴が帝国をどうしたいかもわからない。そして不動が言ってること自体がどこまで本当かもわからない。不動が影山と同じ盤外戦術を用いるつもりならば俺たちは雷門には一度譲って貰ったが、今度こそ俺たちは棄権をする。」
「フン。」
「あの影山が勝ちを導ける人材として送ったのならば精々利用させてもらう。不動。お前の転入、そしてサッカー部への入部を歓迎しよう。次の試合、お前をスタメンで起用する。そこで見せてもらおうじゃないか」
「おいおい、鬼道くん。好き勝手言ってくれるじゃないか。精々自分達の心配をするんだな。ポジションを奪われないようになぁ」
そうして不動明王は帝国学園サッカー部へと入部したのだった。
それから、
【おっと、帝国学園に新たなメンバーが追加されているようです。この全国大会2回戦で新しい戦力追加かぁ…?!帝国学園にどのような変化があったのか期待です。さぁ!始まりますフットボールフロンティア全国大会2回戦!帝国学園VS幸福中学の一戦!!全国大会優勝者の意地を見せるか!ここまでの苦戦を乗り越えてきた幸福中学か!!今キックオフです!!】
「不動…の野郎…っ!?どんなパスを出してやがる!!」
そして始まった帝国学園VS幸福中学の試合
不動がスタメンに入りはじまったのだが、不動と、帝国メンバーとのパスが通らない
「下手くそが!!それでも帝国学園か…ッ…!クソが…!」
【新メンバー不動と連携が取れておりません!!帝国学園っ!ボールは幸福中学へ!】
「役立たずどもが…俺1人で持ち込む…っ!」
「なにっ!?不動の奴っ!」
挙げ句の果てが味方からのボールを強引に奪ってのドリブル
全て味方との連携を崩すかのような動き
「邪魔だクソども!!」
あいつの動き自体は到底、受け入れ難いものだ。
帝国学園として勝てる試合を落としかねないものだ
だが、あいつ自体が負けさせようと動いてるわけではないことがわかる
負けさせるだけなら周りくどいことをせずになにもせずに白恋で負ける可能性に賭けた方がいい
あいつが言っていた。勝たせろが本当のことならば。
【あっと…!不動。味方から強引にボールを奪い、相手ゴールへと1人で持ち込んだ!!素晴らしいドリブルですが…!あっとゴールならず!!】
「鬼道。あいつをいい加減下げた方がいい。これ以上帝国の連携を乱されれば、勝てる試合も落としかねないぞ…やはり影山の」
「そうですよ。キャプテン!あいつ連携のレの字もまともにできないんですよ!」
全国でもトップレベルの選手が集う帝国において重視されているチームプレイできないようではこれから先さらに強固な守りと連携を持つ白恋に通用するわけがない。
それは影山が推薦したであろう不動が一番理解していることだ。影山自身も勝たせることが目的ならば、理解しているだろう。
「…俺はあいつを信頼はしていない。だが、信用はできると思っている」
「どういうことだ。」
あいつがただ、無意味にプレイをしていないのならば、そう、あり得ることだ。
「不動。」
「説教でもする気かい?鬼道くん。生憎聞くつもりはないけど」
「お前は下げない。さっきの通りプレイをしろ。力を抜く必要はない。全力だ」
「……。」
「どうなっても知りませんよ。鬼道さん…」
「問題はない。さぁ行くぞ」
【さぁ、前半まさかの帝国には珍しい連携のズレにより、今大会初の0点スタートの帝国、対する幸福中も負けじと相手の攻めを的確にブロックで応戦しております!さぁ後半どんな試合が繰り広げられるでしょうか!】
試合開始直後から、即座に不動は相手からボールを奪取。
だが前半、散々なプレイをしている不動はパスが通っていない。ならばここで潰しにいけばどのみちボールは保持できると踏んだ幸福中学の3人でプレスを仕掛ける。
「チッ…!」
「不動!」
不動は流石に手詰まりだと即座に判断してパスを選択。
「あいつ!ッまた」
そのパスの勢いは相当強いものだ。先ほどの仲間達が取れなかったパス
だが。
「パスが通った…!」
「さすが鬼道さんだ!あんなパスを受け取るなんて」
やはりそうだ。不動。わかったぞ。
「不動!手加減は不要と言ったはずだ。もっと強く速いパスで構わない!」
不動に戻し再度、ドリブル再開。
そうだそれでいい。
俺も応える。
「……ッ!こいつならどうだ!!」
フ、やはりな。こいつのパスは計算されている。自分1人で持ち込んでいたのも、敵の動きと味方の動きを観察を兼ねてか
「また通った…!!」
「…あんな強いパス…そういうことか…っ鬼道さんはわかっていたんだ。あのパスになら届くはずだと…!なら俺たちも…!」
【おっと途端に、不動のパスが、味方に通り出した!!攻撃テンポが急激に速くなったぞ!!?これが新しい帝国でしょうか!!】
「直列に並べ!!鬼道!佐久間!俺のシュートに合わせろ!!」
「良いだろう…!」「おう!」
不動が起点になってシュートを開始
それに合わせて佐久間、そして俺が最後にそのシュートにブーストをかける
【トリプルブースト】
ツインブーストをより強めた必殺シュートへと昇華させた。
そのシュートは幸福中学のゴールへと突き刺さる
【ゴォォォォオール!!!なんと、ここで帝国新必殺技発動!!ツインブーストがさらに進化したのか!?強力な必殺技がゴールへと突き刺さる!!!】
「はぁ…はぁ…。どうだ。クソども…」
「不動。お前の勝ちたい思い、確かなものだとわかった。これからよろしく頼む。」
「……フン。ヨロシク」
その後、試合を4-0で幸福中学を下し、帝国は準決勝へと駒を進めたのだった。
白恋中との試合まで俺たち新、帝国学園チームは新たな必殺技の習得や、新しいタクティクスの考案など短い時間でできることを全てやり通すことになった。
そして、その日が来る。
【…!!!ここでホイッスル!!な、なんという試合だ…っ!!?全国大会でもまた、白恋中学!必殺技を縛って狩火庵中学を5-0で完封してしまった!?こ、これが全国大会であり得ていいのでしょうか!?】
「あまりに舐め切っているな…。世宇子から一転してまた必殺技を使わないとは…」
「使わないで勝てるなら、使わないのは合理的だからな…必殺技を使用することは相手に手の内を明かすことと、体力を浪費する。隠すに越したことはない。そしてそもそもの話、相手の力を引き出せないチームが悪い」
「雷門まで温存しようと思っていたが…相手が相手だ。俺たちは出し惜しみはしていられない。俺たちは勝ちにいく。」
ここまで短い期間でやれることはやり通した。
「お兄ちゃん…!」
「春奈。なぜお前が…雷門はいいのか?」
「いいんです!それに帝国の情報を知ることもマネージャーの仕事なんだから!」
「ふ、敵情視察なら、隠れてやることだな」
「お兄ちゃん達の対戦相手、あの間持っていう人がいるチームなんだよね」
「あぁ。…間持を知っているのか。おそらく…今大会における最強のイレブンだろう。」
「えっ…?」
「春奈。この試合で今持てる帝国の全てをぶつけるつもりだ。しっかり目に焼き付けておくんだな。」
この試合、おそらく雷門と戦ったあの時よりも過酷なものとなるだろう。フフ…なんだろうなこの感覚は。
「鬼道…ここにいたのか。そろそろ、それに…雷門の」
「あぁ。佐久間か。今行く。」
俺たちの全力を持ってして、互角に戦えるかどうかもわからない相手。いや明確に格上か。これまでで初めてだった。だがこれが普通なのだ。
雷門はそんな相手を全てねじ伏せてきた。ならば、俺たちは
「さぁ、帝国のサッカーを始めようじゃないか。」
誤字報告、感想、評価ありがとうございます!!励みになります!
すいません。結構難産で短くなりました。
今回は完全に帝国視点になります。影山が改心したことで生じた形になります。
次回はすぐ上げられると思います