必殺技なしでイナズマイレブン??できらぁぁ!!!!!   作:きりきり舞い

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第12話「激闘!新帝国学園! 台風VS氷山!」

狩火庵中学を大差で破った白恋中メンバーは準決勝へ向けて、宿舎にて最終調整へと入っていた

次なる相手は前回大会優勝校。帝国学園

帝国学園VS幸福中学の内容を見てより気合が入っているように見えた。

 

「クソ…もう一回だ!!」

 

「喜多海、焦りすぎだ。お前も必殺シュートは身につけたじゃないか。」

 

「それじゃダメだろ…函田。ぼくはFWを任せてもらっているにも関わらず…アツヤにも、氷上にも、元々MFの士郎にも力量として負けてしまっている。このままじゃダメだ。」

 

「いいじゃねえか。俺はいくらでも付き合うぜ。喜多海。…俺もよ。同じ気持ちだった。ジュニアの時アツヤ達にまるで敵う気がしなかったよ。俺1人ではアイツらに勝てない。そう思っていた。だけど今はお前がいる。アイツらを超えたいなんて気持ちは諦めちまったけど、超えてやるつもりでやってるお前を見て火がついた。俺1人じゃ無理だが」

 

「僕1人じゃ無理だ。でも君となら超えられるかもしれない。」

 

「はぁ…いいだろう。やろうじゃないか」

 

「俺たちで全員の鼻を明かしてやろうじゃないか。アイツらは徹底してマークに付かれるが、俺たちをフリーにしたことを後悔させてやる。」

 

「いいね。それ」

 

「俺たち2人で【フリーズショット】を打つ感じだから名前はどうするよ」

 

「僕はいい感じのを思いついたよ。完成させてからのお楽しみさ」

 

「がっかりさせるなよ?」

 

「俺も…【アイスブロック】以外でど派手な必殺技使ってみてえよ」

 

「お前に似合わないだろそれ」

 

「…すぞ…!」

 

〜〜

俺は一つの壁に差し掛かり始めているのを実感していた。

 

「は、は、は、は…」

 

「キャプテン…は、はぁ…!ペース上がってる…上がってる!」

 

不動明王の加入。流石に予想外にも程がある

以前のままの帝国なら悪いが負ける気がしなかったが…

ここでの不確定要素

そして不動と帝国メンバー間での仲違いによる弱体化は、あの後半戦を見れば期待できそうにない。

どんな帝国になるというワクワク感もあるが、それ以上に、どんな変貌を遂げてくるかがわからない恐ろしさもある。

そしてもう一つ、

 

「【アイスグランド】…改!」

 

「…チッ!?」

 

「天翔君…!取ったよ。君からボールを」

 

遂には彼らに追いつかれ始めたことへの焦燥感が俺を襲っていた。

ドリブルで確かにかわしたと思ったのだが、以前よりも増えた氷柱に阻まれ、ボールの奪取を許してしまった。

 

「嘘だろ…兄貴。マジで真正面から天翔からボールを取りやがったよ。」

 

「…アイスグランドも進化している。流石だな士郎。」

 

「ふふ、僕も君に負けていられないからね」

 

「………」

 

この頃からだろうか。自分のプレイに対しての自信を喪失し始めていたのは

 

帝国学園の不動と鬼道の2軸が揃ったということは予想されるのは強力な必殺タクティクスの存在だ。

対しての俺は未だ、親父の言っていた必殺タクティクスに相当する戦術を編み出せていないし、それに対する足がかりも見出せていなかった。

それがより焦りに繋がっていた。

 

 

全員が全員確かな成長を見せていている中、俺は自身のこの世界において前世の技術で誤魔化し誤魔化しやっているだけに過ぎなかった。泳いでいるのに進まない、溺れているかのような息苦しさを感じることさえある。

確かに俺自身は鍛えられているはずなんだが、今ひとつ何か重要なパーツが欠けているかのような…

 

「…翔君…!」

 

その結果俺はイナズマイレブンGOにおける必殺タクティクス【絶対障壁】をパクリ、実践してみたがいいが、俺自身が発動の中核にはなれず。

【必殺】タクティクスだから使えないのかわからないが、障壁を俺自身が中核になった場合発動しなかった。

親父が言っていた必殺タクティクスに相当する技術とは必殺タクティクスそのものではなく本当に技術という意味なのだろうか…?

 

そして、実際に俺はタイミング等を計る役割を担い、士郎中心、もしくは目深中心にして【絶対障壁】自体は完成はしたものの、これは俺のタクティクスとは到底言えない代物だ。

 

「天翔君ってば!」

 

「…、悪い。なんだったか」

 

「いや、いきなり考え込んでどうしたんだい?」

 

「…あぁ、帝国学園での立ち回りをどうするかを考えていた。俺ら白恋の必殺タクティクスも完成したはいいが過信できるものでもないからな。」

 

「【絶対障壁】ねー。相手の攻めに対して発動できたら強力なタクティクスだけど、あれってこちら側に大勢で突っ込んでくる相手の攻めの必殺タクティクスへのカウンターの面が強いよね。

それ以外だと、基本的に今の僕たちの場合個々人が守る範囲を広げた方が硬いし使い所は考えたいね。1箇所に6人消費は重い。そういうことでしょ?」

 

「確かに常に6人連携が取れてる状況を作れるわけでもないからな試合中。最初から始動前提のフォーメーションがあって使える代物だ」

 

 

「……。あぁそうだな。おっと…今はゆっくりしてる時間はなかった。走ってくる。お前達はクールダウンしっかりしとけよ。俺も後で上がる」

 

話は少し早く切り上げたい。今は1人で考えたい気分だったからだいぶ雑になってしまった。あいつらには悪いが、まだ弱みをキャプテンとして見せるわけにはいかない。大会も優勝してないのに負担はかけられん

 

 

「……。なんかいつもより変だな。天翔君。何か悩んでるなら僕たちを頼ってくれれば良いんだけどね。多分なにかを抱え込んでいる」

 

「まぁ、だろうな。まぁ話してくれるまでは、俺たちはついていくだけさ」

 

 

ーー

【さぁ、この日がやってまいりました。フットボールフロンティア準決勝!昨年優勝を果たした帝国学園、今年も優勝を狙いに準決勝まだ上がって参りました!そして対する白恋中学はここまで無失点かつ、世宇子中学以外で必殺技を使用しておりません。今大会屈指のダークホースといっていいでしょう!今大会1熱い戦いになるのか必見です!さぁ…帝国学園側のキックオフだぁ!!】

 

笛が鳴り響き、ボールは帝国学園からスタートする。

 

「アツヤ。速攻だ」

 

「いいだろう!さぁ、お手なみ拝見と行こうか…帝国学園さんよぉ…!【必殺クマゴロシ縛】」

 

「なにっ…速い」

 

アツヤの必殺技により、ライン高めでボール保持できるのは試合の主導権が取れる。

帝国の寺門からボールを奪い、全員で一気にラインを上げにいく。

 

【おっといきなり白恋仕掛けてきました!ここでなんと必殺技を使用!!!これは早期決着を狙っているのか!帝国学園への警戒度の高さが窺い知れます!】

 

「チッ…流石に仕掛けてくるのが速いな。おい!成神、五条、辺見!中央を塞げ!」

 

「俺たちがそんなんで止まるかよ…!居屋先輩」

 

「その通りだべ【まぼろしドリブル】!!っキャプテン!」

 

「チッ…小賢しい技を!」

 

「なにっ…いつのまに!」

 

アツヤへのマークで薄くなったサイドの真降がカバー

不動を抜き去り、そして開いたスペースに俺が走り込み、真降からパスを受け取る

 

「奴に行かせるな!」

 

「「【ダブルサイクロン】!!」」

 

大野、万丈による連携必殺技か

やはり帝国の守りの面がさらに向上している。

だがここは…突破できる!!

 

「なにっ!?必殺技を受けながらドリブルで強引に突破だと…!?」

 

パワーシールドを誘発させる。…強さはこれでいいだろう!

 

「ただのシュートなど…っなんだその威力は…っ!【パワーシールド】!!」

 

「っ!源田!!それは罠だ!キャッチ技に切り替えろ!!!」

 

マークに付かれているアツヤではない。

パワーシールドでボールを弾かせた場所にはすでに走ってきている士郎!

 

 

 

「【必殺クマゴロシ斬】あぁぁぁ!!!」

 

「なにッ…?!!ぐぁぁあ!!」

 

 

【ゴォォォォオル!!!!白恋早速の1点の先制!!!キャプテン間持も必殺技を受けてもドリブル保持した強靭なフィジカルを見せ!計算されたかのように、帝国キーパー源田の弾いたセカンドボールに吹雪士郎が合わせて必殺シュートを決めました!!】

 

「すまない…お前ら。俺の判断ミスだ。」

 

「チッ…いや…俺があんな必殺技に抜かれたのが間持に繋がった原因だ。」

 

「……。不動。次は俺たちで一気に突破するぞ」

 

「命令されなくてもやってやるよ」

 

「やるのか鬼道。」

 

「あぁ佐久間、寺門達に繋ぐ。そしてやるぞ帝国最高火力を」

 

【さぁ、一点を追いかける帝国学園、鉄壁を誇る白恋を相手にどう立ち回るか!?さぁ、再び帝国ボールでキックオフです!】

 

試合開始直後寺門は即座にバックパスを入れて鬼道へ

 

「もういっぺん食らってみるか…っ!【必殺クマゴロシ縛】!!!」

 

決まるならアツヤで帝国の初動を全て潰す。どう動く帝国

 

 

「不動…やるぞ!」

 

「命令するなと言っただろうが!」

 

不動と鬼道の2人が同時に駆け出す。

この動きは…まさか!!

 

「「【キラーフィールズ】!!!」」

 

「なにっ…!?ぐぁ!」

 

鬼道も不動が同時にボールを逆方向に蹴り付けるとボールに猛スピンがかかり、紫がかった渦を発生させた。その勢いでアツヤの必殺技ごと吹き飛ばされた。

あれは世界編で編み出した必殺技だ。このタイミングでこれを使うというのか

 

 

「俺たちを信じろ。前線まで持っていく!!!五条、大野、万丈!辺見!」

 

「ついてきやがれっ!洞面、成神、寺門、佐久間!」

 

鬼道と不動を中心にして合計10人がかりの集団が形成されていく

間違いない…!これは

 

「「必殺タクティクス!【デュアルタイフーン】」」

 

 

【おっと!!ここで帝国!不動と鬼道の新必殺技で先ほどと同様に初動を潰しにきた吹雪アツヤを突破した!!これは…っ!!まさかの必殺タクティクスだ!!不動、鬼道を中心に10人もの選手が取り囲み、ボールを高速で繋いでおります!!これが帝国の連携の為せる技か!?】

 

GKを除く、全てのフィールドプレイヤーが鬼道と不動を中心にパスを回しながら上がってくる

あの密集地帯でのパス回しに介入するのは無駄足になりかねない

ちょうど拒否する手段ならある。1つの台風を潰すだけなら

 

「士郎中心。フォーメーション!【絶対障壁】!!一方の集団を潰す!」

 

「「「「「「了解!必殺タクティクス【絶対障壁】」」」」」」

 

6人で一カ所に固まり、氷山のような気が立ち込める。

相手の突破を6人で共に動いて防ぎ跳ね返す必殺タクティクス

 

 

「あれが、白恋の必殺タクティクス…なるほど、集団を点で潰すのではなく面でということか。」

 

「持久戦か、パスの速度を上げるぞ!!お前達帝国だろうが!繋ぎつづけろ!!!!」

 

デュアルタイフーンに対するカウンターでもあり、絶対障壁に対するカウンターにもなりうる互いに弱点をつき合えるタクティクス同士の争いになっている

デュアルタイフーンは人数を多く掛けるほど、失敗した時のリスクが高くカウンターに弱い

つまりパス位置を悟られ、絶対障壁で跳ね返された時点でボールがフリーになる

そのためボールのパス回しを高速化することで、絶対障壁側の突撃を防ぎつつ、ボールの位置を悟らせにくくして突破を狙う

 

対する絶対障壁側は破られた時点で、DFがガラ空きになるため、こちらもまた破られた際に取り返す手段が限られてしまう。

そのため、こちら側は慎重に敵のデュアルタイフーンのボールの位置を確認しつつ、相手の出方を見続け、甘えたボール回しになったところに突撃を仕掛ける。デュアルタイフーンを破った時点でこちらの人数有利は確定してるため、残りの人数で攻め込める

 

【な、なんという高度や読み合いでしょうか!?中学サッカー、世界大会でも見られるような必殺タクティクスの応酬です。白恋は出方を伺い動きません!対する帝国、突破を狙うためにボールを高速で回し、隙を狙っております!膠着した試合はどうなるか!】

 

「焦るなよ。まだだ…まだ。」

 

ボールの位置はまだ追えている。ミスが許されない帝国側の方が不利

【デュアルタイフーン】でイナイレGoの【絶対障壁】の破った雷門の必殺タクティクス【ダブルウィング】を再現しようとしているというのがさすがは鬼道といったところ本質は間違っていない。

どう仕掛けてくる

絶対障壁外にいる俺が仕掛けに行ってもあの人数でのパス回しに介入したところでファールをとられる可能性も高い。今は待つしかない

 

そして

 

「行くぞ!」

 

鬼道の掛け声から膠着状態から一変、台風が動き出す。

 

「…背番号8番不動の方だ!!」

 

絶対障壁は俺の指示と共に、ボールの位置に一気に突撃を仕掛ける

 

「チッ…流石に見えてやがるな。ッ!だがもう抜いたぜ…っ俺たちは」

 

「道を作れ!!」

 

「こういう応用を…っ」

 

それは圧倒的数による暴力と一瞬の動きの隙を縫ったものだった。

ボールの位置を把握されたと知った瞬間鬼道側のデュアルタイフーンを意図的に崩して一気に絶対障壁側に突っ込んでくる。

氷山は見事に台風と相殺して砕け散る

まるで山にぶつかった台風が、山肌に沿って雲を広げるように、残った帝国面子が白恋DF陣の進行を妨害する

 

「くっ…!やられた!」

 

「ククク…一瞬だけですが貴方達にはここで止まってもらいましょう!」

 

「行かせねぇ…」

 

「間に合わねえ!!すまん!函田!!頼んだ!!」

 

一瞬であったがそれが致命的。

 

デュアルタイフーンはダブルウィングと最も異なるのはかけている人数。鬼道以外4人の囮を壁にできる…。直接的にボールを触られない限りは、強引にでも人数有利を押し付けることができるタクティクスでもあるということか…!本質を見誤った。

 

【な、なんと!!帝国学園!白恋の必殺タクティクスを攻略して完全にフリーだ!!6人で一気に攻め込んでいきます!!】

 

フリーになった不動達は駆ける。

 

「現帝国最強の技見せてやるぜ…。洞面、成神!並べ!!!」

 

「「おう!」」

 

「「「【トリプルブースト】!!!」」」

 

「鬼道!わかってるな!!!」

 

「帝国側にシュート…なんで…!」

 

不動がトリプルブーストを白恋側ではなく帝国側にシュートしたのは何もミスではないそうあれは、遅れて来る鬼道に合わせたもの

 

【強力な3人必殺技が帝国ゴールにッ…!?ミスキックか!?!こ、これはシュートではない!!鬼道へのパスだ!!まさかこれは…!!?】

 

「あぁ!!佐久間!!寺門!!」

 

「「任せろ!!」」

 

「ぐッ?!!【皇帝ペンギン…!」

 

「「2号】!!!!!」

 

3人の必殺技同士による超高難度シュートチェイン

だ。ゲームではそうではないが、実際に動けば6人の人材でシュートチェインを組むのだ相当な難易度を誇る。さすがは帝国学園なのだ。

カウンターシュート気味に火力と速度を増した。皇帝ペンギン2号がすっ飛んでいく。

俺もカバーできないし、目深も間に合わない。

 

「…止める…止めてやるさ!!!【アイスブロック】!!!!!ぐぅうううう!!あぁぁぁ!!」

 

あの威力は流石に鉄ともいえど、無理だ。

無失点記録は、途絶えたな。 

 

【……………!はっ!!!ゴォォォォオ!!!!ル!!!!なん、なんと!!帝国学園1点を取り返したァァァォァァァ!!!!!!今大会無失点の白恋の守りを打ち砕きました!!!!!強力な3人必殺技と3人必殺技の超高難度シュートチェインを決め!見事なゴールを決めました!!!そしてここで審判のホイッスル!!!前半終了!!!はぁ…はぁ!!なんという、なんという試合だ前半戦の時点で素晴らしい接戦を繰り広げております!!】

 

「す、すまない。止められなかった…」

 

「いや、俺がデュアルタイフーンの戦術的本質を見誤ったのが原因だ。すまなかった鉄。みんな」

 

「なーにしょぼくれてんだよ。天翔。俺がもう一点取れば終わる話じゃねえか!」

 

「その通りさ。君だけのミスじゃない。さぁ気を取り直して、次の後半勝つよ。」

 

「その意気だっぺ!まだまだ試合は始まったばかり」

 

「勝つのは白恋。でしょ?」

 

「あぁ。そうだな。次は取り返す。行くぞ白恋!!」

 

「「「おーー!!!」」」

 

そう、まだ負けてない。デュアルタイフーンの攻略は変わらない。あの人数をかけるだけカウンターに弱いのは変わらない。人数差で押し潰そうとするなら考えがある。

 

 




誤字報告、感想、評価ありがとうございます!励みになります!
タクティクス関係は多分に独自解釈混ざってます。
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