必殺技なしでイナズマイレブン??できらぁぁ!!!!!   作:きりきり舞い

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第14話 最後の試合へ!!!前編!!

帝国学園戦を終えた俺たち白恋中メンバーはバスに揺られ、宿舎へと向かっていた。

それから…それから…

 

「…ここは…どこだ?」

 

俺が目を開けるといつのまにか白恋の皆はいないバスの中でさえない。ただ何もないまっさらな空間にいた。

 

「夢でも見てるのか…俺は…いてっ」

 

意識がはっきりしている。そして体も動く。

俺は一体どこにいるかもわからなかった。

 

こんな状況で焦るはずだがどこか,現実離れしているせいかどこか落ち着いている俺が居た。

奥にどこかぼんやりとした光が白い空間だというのに見える。そんな不思議な光景に目を奪われ、俺はその光の方向へと向かっていた。

 

そしてそこには

 

『…さすがは神の子と言ったところか。すでにこれほどの力を持ち、すでに遠く離れた我々を知覚できるまでになっているとはな。肉体の仕上がりも問題はない。』

 

天使がいた。それは文字通りの

 

「お前は…セイン…?」

 

イナズマイレブン世界への挑戦編では、なんとイナイレ世界におけるマジモンの天使、そして悪魔と出会うことになる。

彼らはマグニード山という世界への挑戦編の舞台にて、天使はヘブンズゲート、悪魔はデモンズゲートに住まう存在となっている。

彼らはその地で天界、魔界から力を受け継いでいるだけの人間のはずだが…

そして俺に今話しかけているのは姿はその力を受けた人間の姿だった。

 

『ほぉ。私の真名を知っているのか。これが『脚本』を魂に宿した者の性質か。改めて驚かされるばかりだ。』

 

「!?」

 

そしてこのセイン。俺が転生者であることを知っているのだ。驚かざるえない。脚本ってことは…これが作り物の世界だと知っている神がいるのか

 

『そんなことはどうでもいい。お前が私を知覚できることが把握できたそれだけで十分だ。……ふむ。どうやら1つは未だ…』

 

「なにを…」

 

『お前自身はいまだで…ていないようだな。そのザマでは。いや…できているできていない以前か。まぁ良い。神の脚本による…貴様はいずれ…』

 

 

『…お前は…強…続け、…を果たすのだ。神の子でありながら、【罪人】のお前に課された誓約だ。いずれ…2…魂魄を……し…知覚…思い出すだろう。…力を振るい…いずれ……………を。』

 

「おい何を言って」

 

『覚えておらずとも…が覚えているだろう。逃げられはしない。向き合う時がくる』

 

急激にセインの声が遠さがり、何を言っているのかわからない。そして俺の意識は急激に浮上していく感覚に襲われる

 

ーー

 

決勝戦の相手が雷門中学と確定して、会場を後にした白恋中メンバーは宿舎へと戻る専用バスに乗り、各々がバス内で会話に花を咲かせていた。

 

「おら達優勝したら、副賞でアメリカ旅行がついているだっぺ?気が早いけど皆んなはなにするべ?」

 

「優勝してないのに気が早いな居屋」

 

「いいじゃない。夢は見るだけ無料だべ目深」

 

「え?!アメリカ旅行できるの?!すごいべ!いつか行ってみたい国ランキング私的4位だべ!」

 

「4位なんだ…。多分ニューヨークだろうけどタイムズスクエアは行ってみたいかもなぁ。」

 

「空野は本当は美味いニシン食えるアラスカの方が良かったんじゃねえの」

 

「そりゃもう。でもそれは個人的に行くかな。いつか」

 

「サッカーの遠征って話だし、ヤンキースタジアムでもいくのかな。アメリカのプロの試合見られるかもね。アツヤも当然見るでしょ?」

 

「当たり前だろ。海外の選手のプレイを生で見れることなんて滅多にねえしな!」

 

「アメリカは自国の人気的にサッカーはそこまでなのにめちゃくちゃ強いよな」

 

「氷上くん。流石にバスケアメフト野球,アイスホッケーに負けるだけでサッカーも人気がないわけではないよ。女子サッカーは間違いなく世界最強だしね」

 

「そういえばあれから全く聞いてなかったけどよ。イタリアのサッカーはどうだったんだよ天翔。」

 

「………………………」

 

「おい天翔聞いてるのか?」

 

「あぁすまん…聞いてなかった。…なんだって?」

 

アツヤからの声に現実に引き戻される。

どうやらずっと何か寝ていたのだろうか。

いつのまにか意識が飛んでいた。疲れだろうか

 

「天翔がイタリアのサッカーで何か学んだことあったりしたのかって話だよ」

 

「…あぁ。それは…何から話そうか」

 

イタリアの現役プロ選手との交流や、クラブでの試合、ヒデナカタという男について…将来対峙するであろうオルフェウスの一部メンバーとの交流など話すことはある

 

そんなこんなで俺たちは宿舎に着くまで海外への話に思いを馳せていた。

 

〜〜

「親父。俺の帝国戦どうだった。」

 

宿舎に着いた俺は真っ先に今日の試合について、親父に連絡を取った。

これは試合後の日課となっていた。

俺自身が路線からずれているかどうか、俺自身のプレイがこの世界からどう見られているのかが重要だと思ったからだった。

 

「あぁ。とりあえずは、おめでとう。準決勝に勝つなんて、商店街でも話題になっているよ。お前達の活躍で学校でも盛り上がっているし、誇らしい限りだ。」

 

「あぁ。ありがとう。」

 

「お前のプレイについてだが……。お前のプレイから積極性がないな。お前は自覚しているのかわからないが、お前の鍛え方なら、必殺技に頼るまでもなく、今のレベルで自力でドリブルをして、ディフェンス技など無視して、点数に絡むことだったできるはずだ。なぜ力を抜いている。」

 

「力を抜いてるだって…?そんなバカな」

 

「お前の前後のプレイで、必殺シュートチェインを止めるシーンがあるが、あの時蹴り勝ててるほどのパワーはあるんだ。あのレベルなら十分なはずだ。」

 

「あれはたまたま…俺も無我夢中だったからよくわかってない。力を入れた感覚は…あれ」

 

そう、あの場面、佐久間不動のシュートを止めようと飛び込み、自身の体重を全部乗せ、蹴りつけた時、いつのまにか蹴り返していた。恐ろしいことにその時のシュートの感覚等は記憶はない。

 

「………。無自覚なのか本当に。お前自身の手抜き癖かと思っていたが。お前自身の成長は見させてもらっているが、肉体の鍛え方も技術の向上もちゃんと見ている。その力が制御できていないならいずれ振り回されることになるだろう。肉体の成長に精神が追いついていないのか…?」

 

親父はしばらく考えながら、一つの提案をするのだった。

 

「お前はこれから、ドリブル練習はしなくていい。ひたすらシュート練習だ。お前のことだ。お前はシュートなんてどうせ入らないから練習なんて二の次だと思っていただろうが。ずっとそれでいい。鉄くんからゴールを奪いなさい。それも力を入れて本気で蹴りなさい。この際コントロールはいい」

 

「…わかった。そうしてみるよ。ありがとう親父。また戻ったらサッカーやろう」

 

親父には見透かされていたが、この世界のキーパーから真正面からのノーマルシュートで必殺技を破るなぞよっぽどの実力差が離れてなければ不可能。だが,親父ができると言っているのだからやるしかない。

 

「おう。優勝カップを持ち帰るのと…無事を祈っている。がんばれよ!」

 

「あぁ。ありがとう」

 

そう締めくくり、電話をきった。

ドリブルすらも簡単に破られ始めてきている俺がこれからやっていけるか不安だったが、親父の言葉に少しの元気をもらい、これからの練習へ思いを馳せる。

 

「ふぅ…。やるか。おーい。鉄、付き合え。シュート練習だ。課題は終えただろ」

 

「今からかよ?!まぁいいよ。俺もちょっと気晴らししたかったんだ。お前のシュートを俺の進化した必殺技で完璧に封殺してやるからな」

 

その後練習をしたものの、鉄からゴールを奪うことはなかった。

 

ーー

「まさか、帝国が負けるなんて………」

 

俺たちが木戸川清州を破り無事に決勝戦へと、駒を進めた後のことだった。

音無が鬼道の試合から戻ってきて一言。

 

「どうだった!!帝国は勝ったか!?」

 

「いえ…帝国は2VS1で敗北しました。兄は本当にすごい、凄い試合をしたんです。それも雷門と戦った時よりも苛烈に感じるほどに…」

 

「帝国の全部を出し切るって…それでも…」

 

音無が映像データを流し出す。

その映像には新しい不動という帝国メンバーが増えて、今までとは全く違うものとなっていた。

さらに洗練され、【トリプルブースト】といった強力なシュート

さらに硬くなった帝国のディフェンス陣による【シグマゾーン】

俺が使える【ゴッドハンド】よりも遥かに強力に感じた源田の【ハイビーストファング】

そして不動と鬼道を中心にした戦国伊賀島の【偃月の陣】のような必殺タクティクス【デュアルタイフーン】

そして3人の必殺技と3人の必殺技をシュートチェインしてしまう技術の高さ

俺ら雷門と戦った時とは比較にならないほどに強くなっていたのだった。

 

そしてその帝国の攻めと守備を凌駕した白恋の圧倒的ディフェンス力と攻撃力に俺たちはしばらく言葉を失うしかなかった。

 

俺にはあのシュートを止められるそんな光景が浮かばなかったし、俺たちが完成させた【イナズマブレイク】すらも通用するのかわからなかった。

それだけレベルの高さを感じさせられたのだった。

 

「これ、本当に俺たち勝てるでヤンスか…?」

 

「間持の野郎。皇帝ペンギン2号を1人で蹴り返しやがったぞ…どうなってんだあいつは」

 

「【エターナルブリザード】…。【必殺クマゴロシ斬】…凄まじいシュートだ。…さらに強くなった源田…そしてそれを破る【アイシクルロード】…」

 

「【トライアングルZ】もあんなに強かったのに…あんなシュート止められる自信がないっス…」

 

そんな俺たちを見兼ねたのか

 

「そんなに悲観的になるだけ無駄でなくて?」

 

夏美は喝を入れるのだった。

 

「どうせ、すぐ試合はくるのだもの。今やれることはなにかわかってるわよね?」

 

それは今の俺たちに必要なものだった。

 

「…!そうだ。そうだな!ありがとう夏美!!俺たちが必要なのはどう勝つかだ!」

 

「ふん。それでいいのよ。」

 

「夏美さん…そうよね。」

 

それから俺たちは試合映像を見直しながら、白恋中学と帝国学園の動きの分析をすることになった。

特に注目していたのは一之瀬と土門だった。

 

「自分たちの必殺タクティクスが破れても、次に食らうときには敵の弱点を速攻でつきにいくなんてすごいな」

 

「この【絶対障壁】は選手単体で抜くのは中々難易度が高いな。決定的場面では確実にテンポを崩される。俺たちも鬼道と同じように必殺タクティクスで対抗しないと守備を崩すことすらままならないかもな」

 

「一之瀬ならどうする。この必殺タクティクス」

 

「鬼道のデュアルタイフーン内の高速パス回し自体は難易度が高いし。連携も取るのは難しいと思うよ。俺ならそうだな。デュアルタイフーンみたいに2組に別れて、2人だけでパスを高速で出し合ってボールをどっちの組が持ってるかわからないようにして2分の1を仕掛けるかな」

 

「デュアルタイフーンよりは人数を減らす代わりに、確率は2分の1か。デュアルタイフーンよりはカウンターの心配も少なくていいだろうな」

 

「おぉ!!それならパスを出し合うのは誰になるんスかね!一之瀬さんと豪炎寺さんスか?」

 

「いや俺よりは染岡だろうな。豪炎寺とのパスは慣れているだろうし、そこまで強いパスを出し合うにはキック力も必要だ。キープ力含めて染岡、豪炎寺が相応しいだろうね」

 

「2人のウィングプレイヤーがボールを渡しながら駆け上がる様…フフ見えましたよ。名付けて【ダブルウィング】でどうでしょうか!」

 

「【ダブルウィング】か…いい名前じゃないかじゃあ練習といこうじゃないか。」

 

「へ、いいぜ。必殺スフィンクスだか、必殺タクティカルだか知らねえけど俄然燃えてきた。やるぞ豪炎寺」

 

「必殺タクティクスだ。染岡。それもいいが、俺も少し別で練習したいことがある。それにも付き合ってくれ」

 

 

全員が全員各々が必要な特訓をする為に、グラウンドに散らばっていく。今は夏美が言うように俺たちは練習に打ち込むそれしかないのだから

 

「染岡、風丸、円堂、一之瀬、土門、半田、マックス、お前達に相談がある。この練習の後頼む。」

 

「豪炎寺が相談?いいぜ。」

 

「なんだよ。豪炎寺が珍しいな」

 

「なんだい?」

 

豪炎寺が珍しく相談というのだから、個人練習後に俺たちは追加練習も兼ねて全員で鉄塔広場へと向かっていた。

 

そして豪炎寺は語る

 

「俺は現状のままで白恋中学相手に勝てるとは到底思っていない。」

 

「…!」

 

「白恋中学の必殺シュート技を見てそう確信した。そしてあのディフェンスの硬さもな。」

 

「豪炎寺…。いやそうだな。俺も今のままじゃ無理だと思う」

 

1年生の前ということもあり先程はごまかされたが、俺たちは全員同じ気持ちだった。

 

「俺たちはこれまで勝ち上がってきたが、円堂の攻撃参加という本来なら諸刃の剣になりかねない戦法で勝ち進むことが多かった。【イナズマブレイク】、【ザ・フェニックス】【イナズマ1号落とし】、【イナズマ1号】どれも強力な必殺技だが、これはゴールを確実に決められるならばいい。だが、これが帝国の源田だったら?これが白恋の函田なら?…止められるかもしれない。止められたら雷門のゴールは円堂が全速力で戻るにしてもがら空きだ。」

 

「あぁ…。確かにそうだろうね。【トライペガサス】を西垣に破られた時もたまたまカットされたときにボールがラインを割ったから助かっただけで、あのままでは相当シビアだった」

 

俺と土門、一之瀬の【トライペガサス】を木戸川清州の西垣の【スピニングカット】により阻止されたとき、それは雷門の負けに直結しかねないシーンだったのは間違いない。

 

「俺達の根本的問題は円堂が攻撃参加しない場合の攻撃力の低さになるということかい?確かに僕のクロスドライブでは到底入る未来は…見えないかな。」

 

「…そうだな。俺の【ドラゴンクラッシュ】もこのままじゃ通用するとは思えねえ…。現にあいつは俺たちの【ドラゴントルネード】をトラップしやがったんだ…!」

 

マックス、染岡自身にも白恋の守備を崩せる確信はない。

 

「例え、必殺タクティクスの【ダブルウィング】でチャンスを作れたとして、ゴールできなきゃ何の意味もないってことだよな。」

 

「俺達のサッカー…それだけでは突破の糸口が見えない。」

 

「円堂に頼らない攻撃…確かに必要なことだろうな。そして俺がDFとしてしっかりしていれば…」

 

土門,半田、風丸も現状を把握して、悩んでいた。

 

そして俺自身も同じ悩みを抱えていたんだ。

 

壁山、栗松のおかげでようやっと止められた【トライアングルZ】。それを遥かに凌駕する必殺技なのだ。とてもじゃないが【ゴッドハンド】では止められる気がしなかった。

 

「…俺も…俺の【ゴッドハンド】がこのまま通用するとは思ってないんだ。止められる気がしないんだ。あいつらの、白恋のシュートを…」

 

「円堂…。」

 

「白恋戦は今までにないぐらい激しい試合になる。もしかしたら一方的に負けてしまうかもしれない。栗松や壁山がいてくれたから止められたトライアングルZだけど、あいつらだって常に俺のフォローにばかり入ってはいられないよ。」

 

「キーパーに常に3人いるわけにもいかないしな…。【無限の壁】も千羽山DFの身体能力の高さがあってこその連携だろうし…」

 

「このままじゃ、キャプテンとしても…キーパーとしてもダメだ…!」

 

「円堂。【ゴッドハンド】を超える必殺技とかはノートに書かれてないのか?」

 

土門が言うノートはじいちゃんの特訓ノート

それにはじいちゃんが残してくれた多くの必殺技が書かれている。

そしてそこには

 

「うわきたな…読めない…けど何て書いてあるんだ?」

 

「円堂はこの文章が解読できるんだ。」

 

「ゴッドハンドよりすごいキーパー技。【マジンザハンド】じいちゃんによると最強のキーパー技を生み出したんだって」

 

「おー?なんかすごそうじゃん!」

 

「でもよぉ。円堂のじいさんの必殺技はゴッドハンドが凄いようにわかるけどよ。そのゴッドハンドも鬼道達が攻略しちまったんだぜ?マジンザハンドだからと言って通用するのか?できた必殺技といっても40年前だしよ」

 

確かに染岡の言う通り、【マジンザハンド】だけで白恋のシュートを止められる保証はない

 

「円堂の爺さんが今も生きていたら【マジンザハンド】を超える必殺技を習得していてもおかしくはないが…まぁ仮定の話に過ぎないだろう。響木監督に聞いてみるのが一番かもな」

 

「向かうは雷雷軒か…俺もラーメン久しぶり食いたかったしいくか。」

 

そうとなれば雷雷軒へ善は急げだ。

と監督へ相談が決定したのだった

 




誤字報告,感想、評価いつもありがとうございます。励みになります。
ちょっとした主人公の情報開示…?

雷門は鬼道がいないことによる攻撃力不足がさらに目立っているのと、音無の映像データによる白恋と帝国の本気を見ている為自分たちの位置をある程度正確に掴んでいる状態になります。
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