必殺技なしでイナズマイレブン??できらぁぁ!!!!! 作:きりきり舞い
「【マジンザハンド】…。円堂ついにお前もアレに挑戦を始めたか。」
「監督はできた!?」
「いや。…俺はマスターできなかった。だが大介さんの孫のお前なら…できるかもしれないな」
「あ…ああ!任せろ!!絶対にマスター……」
「どうした。お前らしくもないな。」
「うん…」
「監督。【マジンザハンド】を覚えたら円堂は白恋のシュートを止められると思う?」
「あぁ、そうなんだ。じいちゃんの最強の必殺技といっても【ゴッドハンド】も破られちゃったし、俺が、あのシュートを止められるか…」
脳裏に蘇る光景は帝国の源田が止めた【エターナルブリザード】、【必殺クマゴロシ斬】や破られた【アイシクルロード】という強力な必殺技たち
あれらの威力はとてもじゃないが【ゴッドハンド】などでは止められないと確信できるものだった。
「…。まぁ止められるかどうかはわからないと言っておこう。大介さんが血の滲むような努力の上で完成させたマジンザハンドだが、円堂、お前と中学生の頃の大介さんではそもそもの能力差がどれくらいあったかは定かじゃない。同じ必殺技を扱うにしても能力差があればまた全く違うものになる。
大介さんがマジンザハンドを使っているところを見て破られたことはないが、お前が扱って止められるかもまた別の話だ。」
「炎の風見鶏もクロスドライブもイナズマイレブン時代から年代は経っている必殺技だ。確かにお前達の強化に繋がると思って一部を伝授はしたが、あの時代だからこそ通用したところもあるかもしれない。円堂。お前自身の必殺技を覚える時かもしれないな」
「俺だけの必殺技…」
俺は今まで【熱血パンチ】にしても【爆裂パンチ】にしても【ゴッドハンド】にしても俺のというより、じいちゃんの必殺技を習得することに熱中していた。
自分自身の必殺技を考えたことがなかったんだ
「円堂。俺が言ったのも悪いけどよ、やっぱり時間的にも【マジンザハンド】の習得に集中するのがいいと思うぜ俺は。今から完全新技の開発なんて試合に間に合わせられねえよ」
「染岡の言う通りだ。円堂。俺も【ファイアートルネード】だけでは白恋の守りには通用しないと思っている。ダブルウィングの習得だけじゃなく、ギリギリまで足掻く。お前は最低でもマジンザハンドの習得を目指すんだ。そして今回お前が前線に出なくていいように…俺たちは円堂の攻撃参加を前提に考えない立ち回りをすべきだと思っている。」
「円堂なし…か。【ザ・フェニックス】、【イナズマブレイク】、【イナズマ1号落とし】どれも円堂が加わってこその強力な必殺技が使えないとなるのは確かにかなりしんどい戦いになるだろうね」
「それだけじゃない。俺も白恋のDFみたいにブロック必殺技を習得しなきゃあいつらの攻撃を許すことになる…吹雪士郎。俺より速いかもしれない俊足でのブロックや攻撃できてる奴がいた…!俺は今のままじゃあいつの劣化でしかないんだ…」
「円堂に対して絶対的に信頼を置きすぎておざなりになってる守りは風丸だけじゃない。僕たちも含めて課題だよ。」
「じゃあ風丸とマックスは俺と練習するか?俺もシュートブロックに使えそうな必殺技を考えているんだ。一之瀬もどうだ?」
「あぁ。俺もチームの守りの大切さは理解してるつもりさ。俺も参加するよ」
「お前達。今日はゆっくり休め。今日の疲れを明日に残さないようにしておけ。明日お前達は地獄の特訓になるだろう。白恋に勝つつもりなら覚悟しておくんだな」
目標は決まった。
そう監督の言葉に従い、俺たちはその後帰路についたのだった。
そして次の朝、俺たちが練習を始めようとしていたところ、監督によって集合がかけられたのだった
「監督?何かある感じですか?」
「木野さん達も知らされてない感じなのかしら?」
「夏美さんもなんですか?」
「何するんだろ」
響木監督はマネージャーにも俺たちにも何も告げずに、ただひたすら待ってろとだけ言った。
そして
「来たな。」
そう監督が呟くと、凄まじい轟音が辺りに響き渡る。
この音にはものすごく聞き覚えがある。
巨大な装甲車が雷門校門前に止まる
「あれは!帝国の装甲車じゃないッスか!?」
「もしかして…監督が言ってた地獄の特訓って」
装甲車からレッドカーペットと帝国生徒が規則正しく立ち並ぶ
この光景はそう、初めての帝国学園との試合の時のまさしく再現
「久しぶりだな。円堂」
「鬼道…っ!!」
「今日は、帝国学園との練習試合を行う。帝国が一番白恋を知っているチームであり、帝国自身のレベルアップも兼ねている。お前達は胸を借りるつもりで全力で挑むように」
「成程。合理的ね。」
響木監督はどうやら昨日の時点で帝国に話をつけているようだった。
また帝国と戦える…ワクワクしてきたぜ!
「ふぅーん。これが帝国を破った雷門ねぇ」
「俺もだが、油断はするなよ。不動。俺たちは全力で雷門を叩き潰す。そのつもりだ」
「そういうことだ。俺たちに勝てないようではお前達は白恋に到底勝てない。もうすでにお前達が知っての通りだろうがな。」
「お兄ちゃん…」
「やれなかった再戦ということじゃねえか!やろうぜ円堂」
「あぁ!!帝国学園が勝ってたとしても!俺たちは負けなかったって証明するぞ!みんな!!っ!勝負だ!!鬼道!!」
ーー
白恋メンバーは宿舎にて、各自の特訓メニューをこなしていた。
「いくべ!【フローズンスティール】!!」
「やるねっ荒谷さん…っ!ぐっ」
「行かせないべ。荒谷ちゃん…っ!【アイスグランド】!」
ペナルティ前での実践形式のディフェンス特訓や必殺技の特訓。
「き、きつぅ…!速いな氷上…」
「目深も、居屋も…は、はぁ…はあ!後2周!」
「氷上くんもだいぶ…仕上がってきてるなぁ…はぁはぁ…」
単純なフィジカルトレーニングとして、重りをつけたまま坂路ダッシュ周回や浜辺に出てタイヤ引きダッシュなど足腰のトレーニングを中心に行っていた。
個々人で足りないトレーニングをしつつ、調整をしている中、俺は
「…っ!!」
「真【オーロラカーテン】!」
親父の助言から、練習は続けてはいるがあれから進捗はなし
俺のシュートはあっさりと鉄に止められる。
「鉄。俺のシュートはなんか変化あったか?」
「ん…んーないと思うぞ」
「天翔はまたシュート練習か。やっぱりお前って変だよな。あんだけのキック力あんのに、函田先輩の【オーロラカーテン】ごとき破れねえの」
「おい。【オーロラカーテン】ごときって言いやがったなお前」
「烈斗と流とアツヤと士郎のシュートを見てても参考にならんな。」
「キャプテンのフォームとか別におかしくないけどね。本当に手を抜いてないの?」
「烈斗には手を抜いてるように見えるか?」
「うーんわかんねぇな。演技ならすげえけど」
やはりこいつらに見てもらっても特に改善はなしなのが痛いな。何が悪いのかわからないのが致命的だ。改善のしようがない
「天翔くん頑張ってるね。僕たちも再開するよ。アツヤ。練習の続き」
「戻ってきたか。よっしゃ完成させんぞ」
アツヤ達がいるなら俺自身が得点源に関わる必要はないが…この問題は俺の根幹に関わってるそんな気がする
だからこそやらなくちゃならねえ…明らかにパフォーマンスにわかりやすく悪影響が出ているんだからな
「続きだ。鉄頼むぞ」
「来い。天翔」
ーーー
「いよいよですね。旦那様。」
「えぇ…。あぁ憎たらしい世界。そして財前宗助…。我々との取引を断るとは…全くなっていません。」
「全く面倒な男が総理に選出されたものです。吉良財閥との前総理まで続いてきた裏取引を全て断ち切ろうと動くとは。」
「まぁ良いのです。彼はどのみち我々の要求を受け入れざる得ない状況へと置かれる事でしょう。
断れない状況を今から作るのですから。彼の好きなサッカーによってそれが創り出されるのです。いやはや皮肉、芸術と言えるでしょう。ジェネシス計画は必ず完遂されるでしょう。」
「はい。旦那様のおっしゃるとおりに」
「研崎、調整の方はどうですか?」
「はい。順調に進んでおります。エイリア石を施したダイヤモンドダスト、プロミネンス、イプシロン、ジェミニストームとの戦闘結果によりガイアの成長が現在では突出して伸びている状況にあります。」
研崎は手に持つタブレットに表示されているパラメータを吟味しつつ、長年強化プログラムを施してきたガイアチームとエイリア石による強化を受けた他のチームとの比較データを確認していた。
「ふふ。よろしい。さあ、どちらに最初の楔を打ち込むかこの大会の結末が実に楽しみですね。雷門、白恋。所詮は茶番にすぎません。どちらが優勝しようともこの世で一番強いサッカーチームによって蹂躙される運命にあるのですから」
モニターに表示されている雷門中、白恋中上空映像を見ながら、吉良星二郎は微笑んでいた。
その目は優しさではなく狂気が渦巻いていた。
「えぇ…その通りです。旦那様。では、データ収集に参ります。」
研崎はモニタールームを後にして、向かう先は自身の研究ルームへと向かう
目的は違うが
「……えぇ。わかっておりますとも。ガルシルド殿。研究データはこちらに。ええ。人員をお待ちしておりますよ。水面下にて吉良星二郎に悟られないように進めなくてはなりませんからね。えぇ。あのお方はわかっておりませんからね。エイリア石の真価を。私の計画の支援くれぐれもよろしくお願いしますよ。」
USBを差し込み、データの送信を行なってタブレットを閉じる。
この無駄極まりない「ジェネシス計画」にエイリア石を無駄遣いさせはしない
そう考えて、彼はエイリア石のデータを極秘でガルシルドと共有しながら、解析を進めるのだった。
ーー
そして…その日はやってくる。
フットボールフロンティア決勝大会
中学生大会とは思えない熱気に包まれていた。
フットボールスタジアムは満員、観客は皆今か今かと決勝戦の開始を待ち望んでいた。
40年ぶりでもはや無名校とまで言えるほどに弱体化して大会で見ることもなかった雷門中学が前年優勝者、因縁の帝国学園を討ち果たし、全国へそして、その決勝へと駒を進め
そしてもう一方は完全なる無名校から一転、多くのジュニア優勝者を携え、帝国学園戦まで圧倒的な実力差で敵をねじ伏せ、強くなったであろう帝国学園をも討ち果たし、決勝へと駒を進めた白恋中学校だ。
どちらが勝つかわからない試合を観にこようと人が集まったのだった。
【さぁ…雷門イレブン、40年ぶりの出場でついに決勝戦まで登り詰めた!!果たして悲願のフットボールフロンティア優勝をもぎ取ることができるのでしょうか!!そしてこの大会最も注目を集めている白恋イレブンだ!決勝戦まで強烈な試合を見せつけてきた大本命!!この決勝でもその力を見せつけるのでしょうか!!?さぁ…まもなく試合開始です!!】
「ついにここまで来たべ…!緊張してきた!」
「ま、いつも通りいつも通り。俺たちの特訓は俺たちを裏切らない。これまでの試合がそうだったでしょ、荒谷先輩。な、天翔」
「…あぁ。初戦の時点で言っていただろう。お前達はすでに全国に通用すると。そしてお前達は俺が予想外だった帝国の強さを見事に跳ね除けた。その時点で確信をした。お前達が最強だと。それを証明するときだ。」
「じゃ、そんな予測をしてくれたキャプテンに恥をかかせちゃダメだね。行こう!」
努力が結果につながるとは限らないのが世の常だが、俺たちの体に刻まれた傷、経験は俺たちのプレイの背を押してくれるのは確かだ。
俺たちは優勝できるチームだ。
試合前の整列で見据えるは俺が最も知っているチーム。雷門中
一之瀬も加わり、前であった時よりもはるかに鍛え上げられている様がよくわかる
作品の主人公達であり、最後の最後まで油断できない相手だ
だが勝つのは俺たちだ
「間持。俺たちは負けないぜ。白恋中がすげえ強え奴らなのはわかる。でも俺らもあの時よりもはるかに強くなっているんだぜ」
「……。いや勝つのは俺たち白恋。依然変わりなくだ。試合が全てを決める」
俺らは握手を交わし、両陣のコートへ分かれていく。
ボールは雷門中スタートだ。
さぁ、最後の試合へ
誤字報告、感想、評価ありがとうございます!!励みになります!!
ちょっと短いですがギリギリ年末前に間に合った。
おそらく明日にも更新できるかもです