必殺技なしでイナズマイレブン??できらぁぁ!!!!!   作:きりきり舞い

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第2話 よみがえった天才!!

暗い水底から急激に引き上げられていく感覚がある

そうして俺の意識が完全に覚醒した。 

 

目に入る久しぶりの光の感覚

 

まさか。まさか…俺が目を覚ませるなんて思ってもみなかった。

生きてる…俺は生きてるのか

かけられていた布団を剥がし、起き上がる。

 

「ここは…俺の家…?病室じゃ…」

 

辺りを見渡せば…俺はいつのまにかもうだいぶ前に出た北海道の実家の自室に帰っていた。

 

まだ夢を見ているのだろうか…?

体の気だるさや息苦しさなく、胸の鋭い痛みもない。

病室にいた頃とはまるで違い体もピンピンしている。

そして

 

「なんだ…これ体が…縮んでる…??どうなって」

 

家に備え付けられた姿見に写っている俺は何故か幼くなっていた。意味がわからない

いや。そんなことはどうでもいい

俺は真っ先に、リビングへと走った

 

そこには親父とお袋がいた

親不孝ものとして2度と会えないと思っていたのに…

また会えたんだ。

 

「おお、天翔おはよう。えらいな早起きできるなんて」

 

「もうご飯できるから顔洗ってきてね」

 

どこか懐かしいまだ若々しい二人に出会えた。少し涙もでてきた。

こんなに優しい夢があっていいのか?

 

親父とお袋がどうしたんだと慌てふためくのはちょっと面白かったが、また会えた嬉しさもあって涙が止まらなかった。

 

「この子どうしちゃったのかしら」

 

「おい天翔お漏らししたのか!?」

 

親父は最低だった。

 

夢で怖い夢を見たことにして恥ずかしさもあったが、それで誤魔化すことにした。

 

それからわかったことがある

3歳の子供になっちゃったが神様の優しさかもしれない。これでは体は子供、頭脳は…子供かもしれん。まぁいい

 

俺の体が完全に健康体そのものであるということ。そして親父とお袋にまた会えたそれだけで帳消しだ

 

そして朝のニュースを見てこの世界が色々おかしいことにも気づいた。

 

【おおっと!!!ここでセカンドボールが渡ったのはイタリア!イタリアの黒い彗星ネロ=アルデナにボールが渡りそのままドリブル!!必殺技エコーボールV3でドイツの壁アイデン=ポラックを切り抜けたぞ!!!完全にフリーだ!!!!】

 

何故かイナズマイレブンの世界観になってるということだ。

???????????????

 

「いや、おかしいだろ」

 

「ほら天翔、あなた幼稚園あるんだから、早くお着替えしなきゃ!貴方!もう準備終わったの?」

 

「あー!もう先出るわ!サッカー協会に今日行かなきゃ行けねえから。いってきます!」

 

「試合解説頑張って。天翔!ほらはやく!」

 

 

俺3歳。イナズマイレブンの世界の幼稚園児になったようだった。

 

その後、幼稚園に登園したが

俺も精神年齢ガキみたいなもんだけど普通に幼稚園生活はきついとただただそう思った。

イナイレ世界とはいえ、ほぼ普通の世界と変わらないから仕方ない

音読の時間!お歌の時間!お遊戯の時間!読み聞かせの時間!音楽の時間!

きついきついきつい!今更やるのきつい。クソガキが暴れる中よくこの年齢の子教育できるわ先生ってすげえんだなぁ

 

唯一の救いは外での遊びの時間だった

一人でゆっくりできる

 

外での遊びの時間にサッカーボールを見つけ、また少し泣いてしまった。

泣いてばかりで情けないが、またサッカーができることに改めて気づいたのだ。いや超次元だけども

たまたま通りがかった先生もオロオロさせてしまって申し訳ない。

 

そんな折、一人の男の子に話しかけられた。

 

「ねぇ、きみもサッカーすきなの?」

 

「…?!君は…」

 

「ぼく?…あっふぶきしろうだよ?きみは?」

 

「俺は、間持天翔だよろしく」

 

「あ、ごめん。サッカー??勿論大好きさ!」

 

「じゃ!じゃ!いっしょにサッカーしようよ!ぼくもサッカーすきなんだ!」

 

「いいよ。やろうか俺もサッカーは得意なんだ」

 

…まさか、まさかこんなところで原作キャラと遭遇することになるとは。いやまぁ北海道だけどいやでもそんなことある?

 

そんなこんなで幼稚園の外で遊ぶ時間はサッカーで決まった。

 

そして

「はぁ…はぁ…すごいね。てんしょうくん…ぜんぜんボールとれないや…はぁはぁ…」

 

なにをむきに幼稚園生相手に本気のドリブルしてるんだこのバカは

 

俺だ。

 

「いや…士郎くん。君凄いよ。凄いプレッシャーの掛け方がうまい…。ボールを何度も取られそうになったし」

 

「…?」

 

さすがDFとしての才能が評価されてたというべきか本当に上手いのだ。彼のお父さんって別にサッカー選手とかではなかったはずだから純粋なうまさなのだろう。

俺もしばらく闘病生活があったからなのか感覚を取り戻す必要があることもわかった

 

「また、サッカーやろうよ。一緒に強くならなろう士郎くん。君は最高のDFになれる。勿論FWにもね」

 

「ほんと!?てんしょうくんが言うってことはほんとうかもね!またいっしょにサッカーしようね!ぼくのおとうとのアツヤも誘ってさ」

 

「…!うん。そうやろう!」

 

そうか、今は吹雪アツヤも生存してるのか…

彼の家族は士郎を除いて全員雪崩の事故で亡くなってしまったんだったな…

おい、どうするんだ彼と知り合って、守ることができるかもしれないのにそのまま放置できるのか…?記憶もあるのに

しかしいつのタイミングかもわからない…けどジュニアチームの試合の帰り道のいつか巻き込まれてしまう。

…大会に一緒に参加してできる限り吹雪一家を遅延させる…ぐらいしかできねえけど…やるだけやってみるしかないか…。俺もサッカーしたいしそうだな。やろう!

 

「あ、なかにもどらないとだ。てんしょうくんまたそとであそぶときはサッカーしようね!」

 

「!そうだね!戻ろうか」

 

 

ーー

「あらーおかえり。楽しかったかしら」

 

「うん。士郎君って友達ができたよ今度一緒にサッカーするんだ」

 

「あら、よかったわねー天翔もお父さんと同じでサッカー好きなの?血は争えないわねー」

 

 

幼稚園バス送迎が終わり、お袋と合流して帰る道すがら考える

 

あの吹雪士郎と出会って、改めて俺がイナズマイレブンの世界に来てしまったことを実感した

 

 

だけど、全然悪いことばかりじゃない…。俺はこの通りピンピンしてるし、この世界にはいろんな特訓方法があってそのどれもがサッカーに通じるちょっと頭のおかし…最高の世界だからな。いくらでも俺は自分を追い込んで強くなれる…。前よりもずっと強くなれる

そんな可能性が俺をワクワクさせてくる

 

そして何よりこのイナズマイレブンの世界で最も象徴的なのが"必殺技"だ。あの誰もが一度はやってみたい必殺技の数々をできるかもしれないんだ。これ以上興奮はあるか?

 

俺の目標はこの世界でもプロになり、ワールドカップで優勝する。一度は生き返った命だ。俺はこの機会を無駄にはしない

そしてお袋たちに最高の恩返しをしてみせるさ

 

「まずは感覚を取り戻す。そっからだな」

 

ーー

結局幼稚園では士郎以外とはまぁ仲良くすることが難しいというより結構話を合わせることができなかったから友達は増えなかったとだけ言っておこう。すまんゲームも好きなんだが…サッカーが楽しすぎてやってないんだ

 

「はぁ…はぁてんしょうくんからボールとれたよは、は、はやったよ!!」

 

「まさか取られるなんて…すごいな」

 

大人気ないから流石に本気でやってたわけではないが、俺のドリブルの甘えを的確に取ってくるなんて、さすが士郎だなと取られた悔しさより、先に賞賛していた

 

「次はぼくのばんだよ!とめてみて!」

 

「行くよ。士郎君」

 

そして普通にブロックして普通に取り返した

大人気ない?

そうだね。俺は悔しかったんだね…

友達なくすわこんなん

士郎君ごめん。

 

ーー

 

幼稚園が終わってからは母さんに出かけてくることを伝えて、暇さえあれば体力作りのための走り込みが日課となった。いくら必殺技が強力なものであっても基礎が無ければ意味がないと思っているからだ。

まだ幼稚園児ではあるが子供の無限とも言えるような体力は心地よさすら感じる。何も己を縛るものはない。

 

「は、は、はぁ…は、はっ、はぁ…!」

 

階段を走って上り下りする、走って、ゆっくり速度を落として、また走ってと負荷を上げた走り込みをしても、呼吸で肺が痛くなることなんてない。走るのが楽しい。これが、こんなにも素晴らしいなんて思ってもみなかったことだ。

いずれロココみたく、おもりを増やして負荷を上げていくのがこの世界では有効だろう

 

冬になればスノボ特訓でバランス力とスピードになれることができるように鍛えていこうか

エイリア編っていいよね

 

ーー

幼稚園がお休みの時は、親父もちょうど休みが重なる

やることは決まってる

 

「おお!!!天翔もサッカーする気になったのか!!いいぞ。お父さんいくらでも付き合ってやる」

休日に疲れてる親父の休みを使ってしまうのは申し訳なかったが、前と同じく一緒に特訓することにした。

親父との1VS1なんてほんといつぶりか

 

「…っ天翔うまいな!本当に最近始めたのか!これは…才能の塊だ」

 

「お父さんを超えるサッカープレイヤーになるよ。俺は」

 

「はは、頼もしいけどまだまだだ!天翔!!」

 

親父との体格差もあるし、足のリーチ差もある。だけど抜ける!

 

「本当にうまいな…!そして速い!けどまだまだだな天翔」

 

「あ、取られた。大人気ない!!」

 

本当に普通に大人気ない

体格差を活かして普通にボールと引き剥がしてきたぞこの人

 

「大人気ないなんてどこで覚えてきたんだお前は。ハハハまだまだお父さんには天翔は敵わないってことさ」

 

「次は負けないよ。お父さんと競り合う前に抜くから」

 

だけどこの時間も懐かしいし楽しかった

そして親父に聞いてみることにした。

この世界においての必殺技について

これが厨二病じゃないってのが驚きだ

 

「俺はどんな必殺技ができると思う?お父さん」

 

軽い気持ちで、聞いてみた

「あびせげり」とか「スーパーエラシコ」とか俺はあのかっこいい必殺技を習得したいそんな気持ちがあったんだ

だって男なら…そりゃ憧れるだろあんなの

 

「天翔はもしかしたら、…必殺技ができないかもしれないな。」

 

「え…それは?どういう」

 

「お前には、必殺技を習得する才能がないかもしれない。厳しいことを言うが、これは言っておかなきゃいけないかもしれない」

 

何を言ってるのか全くわからなかった。必殺技の才能とは…?

 

「天翔、お前とサッカーして感じたことを正直に言おう。これからこの必殺技の面でまだ才能が伸びる可能性はあるとは思う。ただ今のお前からできる雰囲気を感じない。これは必殺技を多用してガス欠した奴の雰囲気によく似ている。これは秘宝堂の親父も似たことを言うかもしれない」

 

え?え?え…?つまりどういう

 

俺ってゲームで言うTP0ってこと?????

 

ってことは?イナイレ世界で必殺技なし!?

バーニングフェイズでざんぞう使えるだけ義座句布夫(クフ)より酷いってこと?!

 

「そう…なんだ」

 

「だけど天翔、お前のプレイヤースキルの資質は間違いなく本物だ。お前はそのスキルを磨き続けるんだ。必殺技なしでもお前は間違いなくやれる。お前のその才能は無駄にしたくないし、お前がサッカーを好きでいてくれるなら父さんはお前といくらでもサッカーして必殺技以外での強みを伸ばしてやれる」

 

ハハハ、やっぱり親父には前と変わらないし、敵わないな。必殺技なしか…でも、俺は

 

「ありがとう。お父さん。うん!俺はやるよ!お父さんも俺の特訓に付き合ってよね」

 

サッカーが好きなんだ。いいぜこの超次元サッカーを普通のサッカーで超えてこそ天才だ

前のハンデよりだいぶマシさ

この世界で俺は世界を取ると改めて心に宣言した

 

「さぁ止めてみろ…いくぞ!!天翔!!"スーパーエラシコ"Z!!」

 

普通に親父がこの世界でもだいぶやばいのではないかと思い始めた。いやプロだから当たり前なんだけども。あと普通にスーパーエラシコできるのずるいだろ

 

その日親父の必殺技を打ち破るなんてことは当然できなかった。空中でフェイントをかけながら敵そのもの強引に抜ける。あり得ない…これが…超次元サッカーか




例のあの人の権力強過ぎてどうするか悩み中です
いろんなところで暗躍するな馬鹿野郎
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