必殺技なしでイナズマイレブン??できらぁぁ!!!!!   作:きりきり舞い

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第9話 白恋VS世宇子 その果て!

個人的にも白恋中の成長を大いに感じられた前半戦となった。

必殺技と戦術が上手く噛み合い、2-0であの世宇子相手に終始ボール支配できている。

 

アニメにあったような【ダッシュストーム】や【メガクエイク】こちらに対してのハラスメントを抑えられたのも、攻めるタイミングや、守りのタイミングで無策で突っ込むことがなかったのが大きいだろう。

 

「キャプテン、ぼくたち全国で戦えてるべ!」

 

「そりゃそうだろ。真降。お前たちがどれだけ頑張ったと思っているんだ。ここまでやれると思ってたさ」

 

「鬼キャプテンのきついしごきにも意味があって良かったべ!」

 

「俺もお前らも強くなれてるんだ。自信を持て」

 

 

実際に俺ら自身に課した特訓は、技術方面は俺が教えて、フィジカルトレーニングで効果的なものは、俺の世界でのものと、イナイレ世界のものを両方を採用している。

世界への挑戦編のラスボス、あのリトルギガントと同等の負荷にまでは及んでいないと思うが1年でイナビカリ修練場よりもきつい特訓を皆に課してる自信はある

間違いなく基礎の部分は鍛え上げられてるはずだ。

必殺技特訓は大体士郎とアツヤと烈斗に一任してしまってはいるが

 

「…天翔君の動き……。気のせいかな」

 

「どうした士郎。」

 

「いや…。あぁ。きっと気のせいさ。気にしないで。」

 

「アフロディって奴のヘブンズタイムに関しては、俺もやってみてえことがあるんだ。次は俺が止めてやるよ。喜多海先輩と氷上先輩は俺がわざわざ守りに入るチャンスに感謝してくださいよ。兄貴見てろよ。兄貴が攻撃もできるなら俺もDFもできちまうってとこ見せてやる。」

 

「まじか。できるのかよ?アツヤ」

 

「あの世宇子キャプテンの使ってる【ヘブンズタイム】はすごい威力だから下手すれば怪我する。アツヤの攻撃力も大事なんだから気をつけてくれよ」

 

「士郎とアツヤは視えてはいるんだろ?」

 

「うん。流石にあの速さに対応するのは慣れが必要だけどね。アツヤの秘策期待してるよ。」

 

実際ヘヴンズタイム自体に士郎も反応ができるだろう。あの速さがあるんだし、エイリア学園の速度にもついていけるのだから

 

「策は。変わらず。ガチガチに固めて勝つ。敵の必殺技には二人以上の必殺技で対処だ。俺はちょっとだけトイレで抜ける。後半の試合には間に合わせて戻ってくる。」

 

後半での策は変更なしで十分いけるだろう。

ハーフタイムでは少し用がある。

あの人との合流だ。

 

フットボールフロンティア会場の一角に、目的の人物は待っていた。

 

「間持。待っていたぞ。」

 

「ハーフタイムは短い。手短にしましょう鬼瓦刑事」

 

鬼瓦刑事。

イナズマイレブンの主人公円堂守の祖父、円堂大介の親友であり、元スポーツ記者

40年前円堂大介を乗せたバスが何者かによって細工が為され、事故にあい、当時のイナズマイレブンと呼ばれた伝説の雷門選手を怪我させ、監督円堂大介を死亡させた事件を追い、当時の首謀者と思われる影山を追い続けるためにスポーツ記者から刑事に転職した人だ。

鉄骨落としによって骨折するだけで済むバケモン鉄人刑事でもある

 

「神のアクアは確かにこちらで確認した。配給班を取り押さえたし、物もバッチリだ。これは決定的証拠になるだろう。本当に未来を見通していたな君は」

 

「ならこれで。信じてもらえるでしょうか?ガルシルドの件も」

 

「そうだな…。事がここまで大きなことになっているとは…。影山だけの力で…中学生の時点であれだけのことができるはずもない。辻褄も合う。これは持ち帰るべきもので。そして影山の身柄も」

 

「ええ。消される可能性を考慮すべきかと。そして世宇子についてですが」

 

「あぁ。本当ならこんなサッカーに唾を吐くような行為は公にすべき案件だ。彼らは2度とサッカーのプレイをまともに見てもらえなくなるだろう」

 

「今回の影山逮捕はガルシルドへの対策も兼ねて、秘密裏にそして世宇子の選手たちのドーピングは試合後の確認を実施して秘密裏に処理してください。公になれば、それはもう顔も割れている分、世間からのバッシングが止まらないでしょう。彼らは影山の指示で飲まされた被害者でもある。だから俺たちは世宇子に圧倒して勝つ必要性もある。」

 

実際にアウターコードにて、世宇子の面子は全員スポーツ雑誌に総叩きにあっていた。まぁ当然の報いではあるのだが

全員ドーピングしたのに、試合出場禁止にはなっていないから、影山による行為ということで情状酌量もあったのだろうが、裏で描かれてない部分でおそらく常に色眼鏡で見られることになるのは中学生にとってはきついものだろう。

 

 

「あぁ。わかっている。元スポーツ記者としてそうなることは重々承知だ。ある意味裏取引のようなものだが」

 

「ここまで協力してくださり、ありがとうございました。鬼瓦刑事」

 

「あぁ。君の協力も感謝する。これで…40年間の闇も多少晴れることになる。ガルシルド、影山なんとも壮大な話になっちまった。」

 

「俺は影山零治とイタリアで偶然出会った時、約束してたんです。必殺技がなくてもやれるんだと証明すると。彼の中にあるサッカー熱を取り戻して見せます」

 

「ははは!!そんなこと、そんなことあるのかっ!ぶははは!!やってみろ!あの影山に対してそんなことを言う奴が大介さん以外にいるとは!!あの人は今でもわしの教え子とでも言いそうだ!」

 

そう。影山の闇を俺が払えるかどうかはわからない。だけど、出来たらいいな。サッカーの闇に飲まれていなければ、彼の指導力は実際高いのだ。これまでの犯罪が許される訳がないが、サッカーを最後まで恨んでいないでほしい。それだけが願いだ。

俺にとってイナズマイレブン という作品でも嫌いになれないキャラなのだ。影山零治というキャラは

 

ーー

「ぼくたちは…このまま負けるのか…」

 

神のアクアが届かないという報告があったようだ。何か、何かが起きている

ぼくたちは見放されたのか…?総帥に

 

「よぉ。自称神。」

 

「君は…っ間持…君」

 

配給班の人から最悪の報告を受けて、絶望した皆の空気から抜けようとトイレで一息ついて気持ちを落ち着けようとチームから少し抜けてきた僕に話しかけてきたのは敵キャプテンの間持くんだ。

 

「神のアクア。ドーピングしたんだな。お前達」

 

「ッ!?!なにを」

 

「別に大会側に言いふらすことはしねえよ。今頃影山総帥とやらは捕まっているかもな。」

 

「なんッ」

 

「お前達はそれで良いのか?ドーピングの汚名を浴びたまま、俺たちに惨敗するんだが?」

 

立て続けに、彼は僕に向かって浴びせてくる言葉は理解できないものだった。

なぜ彼が神のアクアを知っている。なぜ影山総帥が逮捕に、なぜドーピングを言いふらさないと言っているのか

何もかもが理解できなかった。

 

「お前達の必殺技はどれも完成された素晴らしいものだ。だけど、神のアクアによる肉体強化による威力増強任せで技術が伴っていない。だから俺に止められるんだよ。お前の【ヘブンズタイム】だってな。それで満足してるのか?お前らは。神のアクアで完成し切った気になって」

 

そして僕たちの、神のアクアが関係ないところを誉めている。本当に、本当に意味がわからない

 

「君は僕たちのドーピングを理解してるならなぜ報告しない。こんなの…すぐに勝敗がつくだろう。」

 

だから言ってしまった。ドーピングしてるという自白だ

そして後半など戦う必要性もない。本来なら体力温存のために僕たちなんて相手にしてる場合じゃないんだ

 

「あ?何を言ってる。俺たちは後半でも、本気でお前達を叩き潰す。神のアクアなり、他のドーピングでも試してみろよ。お前達の生き恥を晒させてやりてえんだ。悔しかったら素のお前達でかかってこい。」

 

「そう、まだやり直せる。それだけだ」

 

彼からの挑発と、そしてやり直せるそれは僕たちの核心をついていた。

 

「まだ…やり直せる。…まだやり直せる。そうか…。……そういうことか。ありがとう。間持君。君に挑戦して良いんだ。そして、君たちサッカー選手を侮辱したことを謝罪する…!すまなかった」

 

彼はこんなズルをした僕たちのことを知っておきながら、僕たちの再挑戦を認めたのだった。

それは救いと言っても良かった。

 

「来いよ。白恋はお前達に負けない。じゃあな」

 

「あぁ…」

 

その後、彼と僕はそのまま、チームメイトの元へと戻った。

世宇子ベンチの元に戻っても空気は重いままだった。

僕は伝えなくてはならない。

 

「皆聞いてくれ。僕たちは後半、神のアクアなしで戦う。」

 

彼らの空気はより重くなった。ただでさえ勝てない相手だ。

神のアクアなしでどう勝つというのかという、そもそも僕たちはピッチ立つことすら許されない立場でどう勝利するかどうかを考えてしまっている

故に言わなくてはならない。

 

「僕たちの罪は暴かれた。神のアクアというドーピングに頼っていたというね。」

 

「っ!!?それは!!」

 

僕たちの、いや本来は僕一人の罪だ。皆が特訓の成果への不安につけ込み神のアクアを手にさせたのは

 

「あぁ…本来なら僕たちのサッカー人生の終わりさ。」

 

「どういうことだ。アフロディ…」

 

「彼、白恋の間持君に先ほど出会った。彼は僕たちがドーピングをしていることを知っていた。」

 

それには全員が息を呑むしかなかった。

それはそうだろう。敵チームであり、こんなことを知っている上で、先ほどの報告通り、神のアクアをすでに抑えているなら後半すら戦う必要性などないのだから

 

「本来なら許されないんだ。僕たちにピッチに立つ資格はない。ただ彼は、僕が、僕たちが挑戦することを許してくれたんだ。やり直すことを…」

 

「そして、僕は君たちに謝罪しなくてはならない。君たちを罪に巻き込んでしまったことを。すまない。本当に…済まない。君たちの為にはまるでなっていない。君たちの強さを信じきれなかった。僕の…僕のせいだ。」

 

視界が滲む。しかし泣くことすら許されてはならない。泣きたいのは彼らなのだから

これがラストの試合になるかもしれないのだ。

これから有望だった彼らの未来を摘んでしまったそれがあまりに愚かしい

 

「何言ってんですか!キャプテンは俺たちのことを第一に考えて、強くなれるように特訓したんでしょ!キャプテンを信じさせてあげられなかったんだ。俺にも罪があるんですから勝手に一人で背負わないでくださいよ!」

 

「アポロ…」

 

「そう…だな。俺の力が足りなかったのは事実だ。そして現に神のアクアに頼ってまで白恋にシュートの一つも決められていない。アフロディの疑心を育てたのは間違いなく俺だ。だから俺も背負わせてくれアフロディ」

 

「デメテル…」

 

他の世宇子の面々も同じように罪を背負うと言ってくれたのだった。

 

「済まない…そしてありがとうみんな。後半。本気でぶつかろう!」

 

「「おお!!!!」」

 

杯はいらない。僕たちは普通のスポーツドリンクを飲み干し、ピッチへと向かう

先ほどまであった皆へ伝えることへの恐怖、そして足の震えはいつのまにかなくなっていた。

 

 

ーー

「済まない遅くなったな!」

 

「長いよ。天翔君。もう始まるよ」

 

士郎に急かされ、俺もピッチへと入る。

世宇子の様子を見るにだいぶ吹っ切れたようだな。

さてこっからだ。純粋なサッカー勝負が一番楽しいだからな。

 

【さあ!フットボールフロンティア全国大会にふさわしい白熱した試合だ。お互いの必殺技も高水準なものばかり!試合が決勝レベルと言っても差し支えがありません!!その状況下、白恋が圧倒的な防御力と攻撃力によって世宇子を2点突き放している状況!さぁ、世宇子反撃なるか!!ボールは白恋中からスタートです!】

 

審判の笛により、後半戦が始まる。

ボールは喜多海から展開する

 

「俺もFWだ…!燻ってはいられない!」

 

【喜多海!ボールを保持して、白恋中全員ラインを上げていきます。早速試合展開が速いぞ!まっすぐ切り込みにいった!しかしそこに!世宇子亜風炉!猛スピードでいきなりスライディングで突っ込んできた!!前半とは打って変わって気迫のプレイだ!!】

 

「行かせるかッ!!!」

 

「ッ!渡さない!このボールは!」

 

「なに!」

 

「氷上頼む!!!」

 

「やはりダメなのか…っ」

 

「【ホワイトブレード】…これが俺の新必殺技だ!」

 

「「なに…っ」」

 

流は体重移動でアフロディを誘い、フェイントで華麗に躱し、烈斗にパス

アフロディのフォローに突っ込んできたアルテミス、ヘルメス

その二人を烈斗が自分を軸にボールを勢いよく空中で円を描くように回し、氷のリングを生成。

指を鳴らすことでその氷のリングが刃となり、アルテミス、ヘルメスの二人に襲いかかった。

烈斗のドリブル新必殺技だ。

ホワイトブレードにて世宇子二人を弾き飛ばし

ボールは烈斗が保持しつつ、さらに前へ

いつでもフォローに入れるようにアツヤも俺たちも上がる

 

「キャプテン…に繋ぐっ…【さばきのてっつい!】!!!」

 

しかしそれでも世宇子の目は死んでいない。

アポロが必殺技で後ろへの退路を塞ぎつつ、烈斗のボールを奪いにくる

 

「ぐっ…!技が間に合わないッ!すまん!カウンター!!くるぞ!」

 

 

【喜多海から氷上へ!パスがつながり、おっと!ここで経目、在手!素早くチェック!!進路を塞ぎつつ、ボールを奪取に動きました!だがこれはっ!氷上の新必殺技だッ!!!二人をなんと躱してしまいました!!

白恋あがる!また追加点かっ!?おっとここで阿保露!!執念で食らいついてきたぞ!!必殺技で氷上を吹き飛ばした!!!世宇子!このボールは大事にしたい!】

 

ボールをアポロが保持しつつ、上がってくる。警戒すべきはアフロディ、デメテル。

白恋も全力で進路をブロックしにいく 

 

「くっ…そうだ…諦めない!僕は負けていられないんだ…っ!体力配分なんて考えていられるか!!」

 

そんなマークを強引に剥がしにいくアフロディたち

 

「キャプテンッ!!」

 

ボールは中継まで走って戻ったアフロディへとパスが渡される

 

「っはぁっはぁっ!ゴールへ!!【ヘブンズタイム】!」

 

アフロディはボールを受け取り、またもや前線へと向かう

ボール保持のためになりふり構わず体力任せに必殺技を発動する。

 

「行かせねえぜ。視えている!…兄貴に守ってもらってばかりじゃ男としては格好がつかないってもんだよなぁ!!完璧とは俺みたいになんでもできる男だッ!!【必殺クマゴロシ 縛】!!」

 

赤黒いオーラを纏いながら、オーラの檻を作り出し、そのオーラをアフロディへとぶつける。

いつのまにか、習得していたアツヤの新必殺技

 

「何っ!ヘブンズタイムにッ!!しまっ!!」

 

【一進一退の攻防です!!亜風炉ボールを保持したまま必殺技で高速移動!しかし!ここで速い!白恋!吹雪アツヤが止めに来た…っ!これは新必殺技か!!!亜風炉!必殺技を破られ吹き飛ばされた!!】

 

「やるねアツヤ。僕の技からヒントを得たんだ」

 

「一気に上がるぜ!!!おらぁ!邪魔だぁ!!どけえ!!」

 

「ぐっ!なんて強さだっ」

 

アツヤがボールを保持して強引に突っ込んでいく。チャージに来たヘルメスを弾き飛ばす。

し 前までならアツヤに反応できなかったかもしれない。しかし今の世宇子も変わった

アレスとディオが二人がかりでアツヤを見ていた。

 

「【さばきのてっつい】!!」

 

「そんな甘っちょろい技…っ」

 

「行かせるかぁ【メガクエイク】」

 

「ちっ!!クソっ二つの必殺技のタイミングをッ」

 

【あっと!凄いフィジカルです。相手のチャージをもろともしません!吹雪アツヤ完全にフリーだぁあ!!!世宇子ゴールへと迫る!!!しかしこれは、!DF手魚、荒須の二人がかりの必殺技をタイミングをずらして発動!!吹雪アツヤの退路を防いでボールを奪取!!!ボールは再び世宇子へ!!ボールの支配率も変わってきたか?世宇子中再び攻撃へ!!ボールは再び阿保露へ!】

 

「何度だって…いきますよ!キャプテン!!」

 

ボールを保持したまま、アポロが走る。

 

「行かせないべ…っ!」

 

「渡さないっ…【ダッシュストーム】!!」

 

「なっ!この人もダッシュストームだべっ!?」

 

真降の反応が速いが、アポロは必殺技にで強引に真降を弾き、突破していく。

 

「ここまで隠してきたんだっ!このパスは絶対に通す!!キャプテン!!!」

 

アポロは天高くへとボールを蹴り出す。あれはミスキックではない。

アフロディへのパスだ。

 

「宗司!!鉄!!来るぞ!!」

 

「ありがとう。アポロ…っ!うおおおおお!!!」

 

アフロディは飛んだ。皆はアフロディの背中に羽根が生えたかのように幻視する。

空でボールを受け取りそのまま、必殺技へと移行する。

 

「僕が決める…決めるんだ。【ゴッドノウズ】」

 

神だけが天使の羽ばたきの音を知っている。まさに神のみぞ知る必殺シュート

6枚の翼を羽ばたかせボールにエネルギーを注ぎ込み、勢いよく蹴り出された。

今大会においておそらく最上位クラスの必殺シュート

 

【阿保露がボールを必殺技で保持しきり、ボールを亜風炉へとパスっ?これはミスキックか!?いや違うこれは!!凄いジャンプ力だ!!亜風炉!!ボールを空中で受け取り!これは…っ!なんだこの必殺技はぁ!?】

 

唸りを上げつつ、エネルギー弾が、白恋ゴールへと迫る

 

「…これはっ凄いシュートだ。でも【スピニングカット】!!!」

 

宗司のスピニングカットだけでは当然止まらないだろう。

だが、勢いは確実に落ちた。鉄はアツヤや士郎のシュートを散々受けてきた今大会でマジンザハンドがない現状は円堂を超えるキーパーだ。

 

「ありがとう宗司!後は…っ任せろ!はっ…【アイスブロック】!!!!!」

 

拳に氷を一点に纏わせ、一瞬でボールを氷結させる必殺技、基礎を極めて、フィジカルを育てた上での重い拳を叩き込んだ。

それはゴッドノウズの勢いを完全に封じ切る

 

「なにっ…!!」

 

【な…な。なんと!!あの強力な必殺技を二人がかりで完全に封じ込めました!!なんと、なんという!硬さだ白恋中!!!死角が、ないのか!?このチームには!!】

 

「いけ 真都路!!」

 

ボールは鉄から珠香へ。カウンターだ。

 

「アフロディのシュートが通じないなんて…なんてチームだ…だけどまだ試合は終わってない…っ!」

 

ヘラが珠香にチャージを仕掛ける。女子のフィジカルではチャージを受けてボールを維持するのは確かに難しいかもしれない。しかし、そんなことは想定済みだ。

これはすでにカウンターだ。

 

「あぁ!女の子相手に強引なプレーだべ。でも私は負けるわけにはいかないんだべ!このボールは繋ぐ!【オーロラドリブル】!!!キャプテン!!」

 

「な、なに…」

 

珠香は美しいオーロラのカーテンを発生させる。そのカーテンの光は相手の視界を奪う。

完全に抜き去った。

 

【ボールは 真都路へ!!そこに世宇子の平貞!チャージを仕掛けにいく!フィジカル差がでるがこれを…ここで真都路!必殺技を展開!相手の思惑を読み切っている!!そしてボールは素早く、キャプテンの間持へ!!白恋のカウンターです!】

 

「いくぞ。」

 

ボールを蹴り出す。視界良好、体力十分、いける。やるか

 

ーー

「…なんだ…これは…この動きは」

 

「あぁ彼自身の動きではないだろうな。影山東吾。間違いなくあの男のボール回しだ」

 

フットボールフロンティアの一角で私は、このしつこい刑事と対峙していた。

いつのまにか神のアクアを嗅ぎつけ、私に逮捕を突きつけてきたのだ。

そして、奴が、勧めてきたのは世宇子と白恋の試合だ。何を言っているのか分からなかった

そして今流れる試合映像では、あの子供、間持天翔が世宇子に潰されることなく、一人でドリブルをしていた。

それはあの子供自身のテクニックではない。

まるで、そう私の父影山東吾を模したような動き

完璧なテクニックの持ち主だからこそ、再現しているのだあれは。

 

「……あぁそうだろうな。だが…何故だ。」

 

「影山。お前は、これまで多くの悪事を重ねてきている。だが、それはお前1人でできる範疇は明らかに超えている。それは協力者の存在がある。」

 

 

「……」

 

「ガルシルド。それがお前の協力者だな。」

 

「…っなに」

 

あの猪突猛進の刑事からはとんでもない名前が出てきた。それはガルシルドだ。この刑事はどこまでつき止めたのだ。あり得ない。あのお方は全くと言って日本にも痕跡を残していないはずだ

 

「あの少年。間持天翔は未来を見ていた。影山零治が神のアクアに手を出すこと、そしてそれはガルシルドの存在さえも」

 

「…な…どういうことだ」

 

だがそんなことを吹き飛ばす。そう、とんでもない事実を突きつけられたのだった

ここで間持天翔が関わるのか。その正体が

 

「そして見たのだろう彼は。お前がガルシルドによって消されることを。だからこの逮捕は公表されないものになる。」

 

私が消される…まぁそうだろう。あのお方からしたら余計な事を喋られる前に消しに来るはずだ。

 

 

「…あの子は言っていたよ。影山零治はサッカーを憎みつつもサッカーが好きなのだと。でなければあれほどサッカーに対して詳しくあろうとできない。そしていい選手を育てられないと。だからサッカーへの情熱を取り戻してほしい。そんなことを言っていたよ。」

 

「……。間持天翔。どうやらあの子供は自殺志願者らしいな。そしてそれを止めないお前はなんだ鬼瓦」

 

私の配下にもあのお方と繋がっているのだ。それがリスク以外の何者でもない。ガルシルドが裏にいてどれほどの存在かを知っておきながらこれだ。

 

「本来協力者の名前を明かすことなどあり得ない。お前が言うように彼が危険になってしまう。だが…交換条件だった。間持自身がそれを分かった上でその望んだんだ。」

 

「……。なるほどイタリアの時点で私のことを知っていたのか彼は。そしてあのプレイは」

 

「…お前に対する贈り物かもしれないな。そして俺も思い出したよ。50年前の影山東吾の強さを」

 

「………。…鬼瓦。お前に一つ伝えておく。あの子供に言伝だ。お前の前半のプレイはお上品すぎる。チームプレイだけがサッカーではない。得た力を活かせないようならこれから先やっていけないとな」

 

「…あぁ。伝えておくよ。…やはりお前は見えているんだな。影山」

 

「フン。」

 

確かにこれまでサッカーを私は憎んできた。そのはずだ。同時にそして…愛していたのだと理解した。理解させられたのだ。

 

ーー

【間持、居屋、空野、吹雪士郎!世宇子陣営で、強烈なパスワークを展開!速い!速すぎるぞ!世宇子!ポジションが間に合っていません!あっという間にペナルティエリアに人、人、人!密集しております!白恋!追加点のチャンス!世宇子どう切り抜ける!!】

 

「…ゴールは…これ以上!!」

 

「!吹雪士郎とFW陣を徹底マーク!!!ゴールを死守するんだ!!!」

 

世宇子も無茶な動きが祟り、全員息が上がり始めている。それでも動きを止めない。

2点ビハインドでも最後の最後まで彼らは諦めていない。

なら答えるまでだ。

 

「真降!俺にパスだ!!」

 

「キャプテン!!」

 

真降からの高速パス、これを

 

「何……間持くんか!ポセイドン!!」

 

ワンタッチで狙うのは

 

「…ハズレだ!ゴールの枠外!」

 

ゴールのクロスバー。こういう必殺技持ちには真正面から無理。不意打ちしかない。

 

「ま、まさか!ポセイドン!!油断するな!」

 

クロスバーの跳ね返りは完璧。もう俺は飛んですでに体勢を翻している。

後はやるだけだ!そのボールをバイシクルで!打つ!

 

「なにッ…?!!」

 

間に合わない。これには

ボールはポセイドンの反応外でゴールネットを揺らした。

 

「あ、…あはは。負けたか…そうか」

 

そして同時に笛がなった。

 

【……はっ!ゴォォォォオール!!!!!!!ここで必殺技なしでまさかのクロスバー当てからのバイシクルシュートだ!!!!これにはキーパー歩星反応できません!!狙ったのでしょうか!?間持まさかの技ありゴール!!!…ッ!そしてここで、笛が鳴りました!!!ここで試合終了!!!フットボールフロンティア全国大会1回戦!!勝ったのは白恋!!3VS0という結果ですが!後半どちらも一進一退の高レベルで非常に熱い試合が繰り広げられました!!!!名勝負の系譜に刻まれる事間違い無いでしょう!】

 

「…。アフロディ」

 

「…間持君。負けたよ。まさか最後にあんな事までできてしまうなんて…。そして…ありがとう。本当に…本当のサッカーを楽しめたそんな気がするよ。」

 

「次。来年。俺たちはまだ3年だ。リベンジなら待ってるぞ。まぁ来年も俺たちは優勝するけどな」

 

「…ふふ、うん。ありがとう。来年か…来年。そうだね。また…試合しよう!今度は正々堂々前半からね。強くなるよ1から始める」 

 

他の世宇子選手もどこか、晴れやかな顔で試合を終えていた。

これからどうなるかは彼ら次第だが悪くはならない。そう信じている。

 

「やったぁぁぁあ!!全国大会1回戦突破だべ!!」

 

「こっからだよね。天翔君。」

 

「当たり前だろ?兄貴。俺たちが目指すのは優勝なんだからよ!帝国も雷門もぶっ潰して俺たちが最強になるんだから!!」

 

「あぁ。俺たちは優勝を目指す。それは変わらない」

世宇子に勝てたのだ。俺たちはいける。

 

「……影山に届いたのかわからない。だけど、そうあってほしいな」




誤字報告、感想、評価ありがとうございます!励みになります!
アイスブロック地味だけど好き
次回はちょっと主人公視点以外が結構増えるかもです。読みづらくならないように頑張ります
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