火の鳥ですが、なにか?   作:GGO好きの幸村

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1 プロローグ

 あれ、いつの間に寝たんだ、オレ❓

 

 釈然としないまままぶたを開くと、そこには闇があった。いや闇というか、全身が何かに包まれていた。…ナニコレ❓

 麻袋かなにかか…❓え、オレ授業中に誘拐されたの⁉️何で⁉️てか指先の感触無いし、なんか声も出せない…ヤバくね❓

 

 ウオォ‼️出せー‼️何が目的か知らないけど出しやがれー‼️

 あ、なんかパキってなったぞこの変なの‼️頭の方だ、光が見える‼️

 ウオオオオヘドバンじゃああ‼️なんか口先が変な気がするけどそれは後‼️デトロ‼️開けろイト市警だ‼️開けゴマぁー‼️

 

 やがてヒビは亀裂となり、亀裂は穴となり、そして包んでいたモノは破裂した。

 そう…マグマに極近い陸地に、オレは出ることが出来たのだ。

 

 …ん、マグマ❓

 アイエエ⁉️マグマ⁉️マグマナンデ⁉️

 うわぁぁ腕も変だ、いやこれ腕じゃなくて翼だ!

 え、翼⁉️飛べるの俺⁉️キャンアイフライ⁉️

 

 …とりあえず落ち着いて状況を整理しよう。

 

 俺は一般男子高校生・不知火陽翔(しらぬい はると)。古文の教師の岡ちゃん先生の授業を受けていたら、腑に落ちないが睡魔に負けてしまった。

 多分ぐっすりと眠っていた俺は、(恐らくあった筈の)体の異変に気づかなかった。

 全くもって納得してないが俺はそのまま爆睡してしまい、目が覚めたら…鳥になっていた‼️

 

 見た目は雛鳥、頭脳は大人‼️その名は…今の俺って名前なんだ❓

 親から貰った大切な名前とはいえ、この姿(雛鳥)で名乗るのはおかしいよな…どうしよう

 

 頭を落ち着かせる為に若干ふざけながら纏めたけど…うん、ますますもって意味がわからないな、コレ⁉️

 

 とりあえずオレが授業中に寝たのは…うん、納得できない、納得できないが理解は出来る。

 

 問題はその後だ。いつの間にかオレは鳥になって卵に入り、マグマのすぐ側に産み落とされた。こんなに近いのに全然熱くない、どころか危険だとも思わないから、ワンチャンマグマの中でも生活出来る鳥なのかもしれない。

 …マグマで生活する鳥ってなんだ…❓

 

 マグマで生活する鳥とか現実だと有り得ないし、これってひょっとしてあれだろうか。クラスでちょいちょい話のタネになってた、異世界転生とかいうやつ。

 オレはラノベとかに興味が無かったから詳しくは無いけど、冒険者になってチートスキルで無双とかなんとか言ってた気がする。

 

 …よりにもよってオレがかぁ…こういう時の定石とか知らないし、新しい人生を楽しむとかより先に両親より先に(推定)死んでしまった事への罪悪感がなぁ…いや、賽の河原に落ちたかったとか他の人が死んだ方が良いだろとかは思わないけど、異世界転生という幸運❓を無駄遣いしてるような気がしてならない。

 

 てか、なんでオレは死んだんだ❓

 死因に全く心当たりがないぞ。

 

 まず考えられるのは、病による突然死。でも特に持病を持ってたり不健康な生活はしてないしなぁ…

 朝5時に起きて軽く散歩、夜は10時前には寝る。実に健康的な生活習慣だ。

 忍からは「定年退職した爺さんみたいな生活してるな」なんてからかわれもしたが、全く失礼な話だ。

 だからと言って病死の線が消えた訳じゃないが、なんの前兆もなく即死するとは考えにくい。

 

 他に考えられるのは学校に不審者の類が入ってきて、そいつに殺されたとかか❓

 …これも無いだろう。あの学校にそんな身分の高い人物や殺意を買う程の問題児は居なかった筈だ。

 強いて言えば夏目くらいか❓でもアイツの家は裕福だが比較的の枕詞が付くレベルだ。性格も傲慢な1面もあるが、面倒見のいいガキ大将としての側面が強い。

 後は…若葉姫色か。アイツも高貴というかミステリアスというか、深窓の令嬢というイメージがある。

 

 けどなぁ…若葉姫色の場合、どちらかと言うと異質感の方が強いんだよなぁ…なんというか、世界観が違うと言うか。

 実は高度に発達した惑星からやって来た宇宙人、なんて言われても驚かない自信がある。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『集中LV1』を獲得しました》

 

 あっ、そうですか。

 話を戻して、死因についてだ。

 最後に考えられる死因が、何らかの天災による死。

 例えば大地震なんかで学校が崩落、そのまま圧死とか。

 個人的にはこれが1番可能性が高くて、同時に最も外れて欲しい予想だ。

 

 確かにコレなら理由なく起こり、気をつけていても避けようがない。今のオレが抱える疑問全てに納得がいくものだ。

 …だがそれは同時に、オレ以外のクラスメイトや教師、先輩や後輩も死んでしまった、という事になる。

 転生したのがオレだけの可能性もあるのだ。友人や好きな女の子も死んでしまった、というのは…考えたくもない。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『予測LV1』を獲得しました》

 

 あ、またですか。

 とりあえず親鳥が来る様子もないし、そろそろご飯を探すか。

 オレがマグマ遊泳出来そうだし、多分他にもマグマで生活出来る生物も居るだろう。

 

 オレは意を決してマグマに飛び込み、本格的にこの地に生を享けたのだった。

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