【本編完結】旅する物語 異世界探訪 五条悟との邂逅   作:masuda028

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【呪術廻戦/五条悟/煉獄杏寿郎】
世界を越えて、悲劇に抗う物語。

※本作は『呪術廻戦』の世界をベースにした二次創作です。
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。

◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。


15静謐編 7・8:傑のあざとい自作自演と直哉屈辱の握手、丸太担ぎのトレーニングと薄着の彼女を忘れられない夜

●7

 

 1年2年夏の合同合宿。呪力強化と戦闘時の連携を高める目的で行われるという合同合宿……そして今は夜、三人一組で三箇所に設定された呪霊を祓いに行く。

 

 ──なんやこの組み合わせは。

 

 せいらを間に、俺と夏油がせいらと手を繋いで山道を歩いとる。

「歩いてるよー♪ 歩いてるよー♪ わたしはー元気だよー♪」

 夏油の奴はせいらの歌に合わせるように鼻歌をしとるが、時折こちらを睨みつけるのが気に食わん。そもそも俺とせいらの時間になんでこいつがおるねん。

「せいら、たくさん歩いて少し疲れてないかい? お菓子と飲み物を用意してきたから呪霊たちと少し休んできなよ」

「えぇ? いいの? すぐる! ありがとう!」

 夏油から渡されたお菓子やらペットボトル飲料を両手に抱えて、せいらは「わーい!」と、少し離れた呪霊たちのいる場所に走っていく。

「おい、夏油。俺に何か用でもあるんか? 邪魔やねんけど」

「いや? 君が何か勘違いしているようだから、教えてあげようかと思って」

「…………」

 いけすかん奴。雑種のくせにそこそこ顔がえぇところが余計に腹立つ。

「せいらと何か幼少期の特別な思い出があるようだけど、あまり自惚れない方がいい……彼女にとって人に優しくしたり、褒めたりすることは当たり前のことだから」

「フン、そんなこと、わざわざお前なんかに言われるまでもないわ、ボケが」

「──そう。君がせいらにとっての特別だと思っていないのなら良かったよ」

 ハァ? 頭沸いとるんか? まさか自分こそが、せいらの特別やとでも思っとるんちゃうやろな。

「ああ? お前、俺を試すとでも言うとんのか? 身の程知らずめ」

「とんでもない。真面目な話さ。勘違いしてると思ったから、早めに教えてあげようと思って」

「この禪院直哉に喧嘩売っとんのか?」

「だとしたら?」

「面白い。買ってやるわ、その喧嘩!」

 格闘戦が始まる。喧嘩を売るだけのことはあるようやな、こいつ……戦い慣れとる! かわす、いなす──俺も夏油もこれという一撃が入らぬまま組み手のようになっとる。不意に夏油の顔の守りを薄くした。頭は狙わんと思ったんか馬鹿め!!

 俺の拳が夏油の顔に当たった。勢いよく夏油の身体が吹っ飛んだが、正直そこまでの力は入れておらんかった。せいらが慌てて夏油に駆け寄って抱き起こす。

「すぐる! どうしたの! だいじょうぶ!?」

「あぁせいら……私はどうやら禪院くんを怒らせるようなことを言ってしまったみたいなんだ。顔が痛いよ──」

「すぐるー」

 せいらは両目に涙を浮かべて、夏油が今にも死にそうで心配しとるような様子やった。頭のまわる奴や、タイミングを合わせて自分から後ろに跳んで衝撃を逃しおって──。

「せいら、いつもみたいに痛いのとんでけのおまじないしてくれるかい?」

「うん! 痛いの痛いのとんでけぎゅー!!」

 はぁぁぁぁ!? 夏油の奴、せいらの胸に顔を埋めてにやついとる!!! こいつ!!! せいらの無垢な優しさを己の欲望に利用しおって!!!

「すぐる? だいじょうぶ?」

 フザけたことしおって! こんな奴に、せいらの純粋な優しさを食い物にさせるわけにはいかん!! この俺が、黙って見とれるかいな!!

「もー! なおちゃん! ちゃんと聞いてた? すぐるはあやまったよ! なおちゃんもあやまって!!!」

 せいらの声に我に返る。夏油は謝ったやと? どうせ蚊の鳴くような声で謝ったふりをしただけやろがい! しかし、せいらがあないな様子では俺が謝るまで事がおさまらんのは目に見えとる。ぎゅーされとる夏油の顔がごっつムカつく! ごっつムカつくが! 少しでも早くせいらを夏油から解放してやりたい──。

「……チッ、悪かったな。

──お前の面汚しな顔が、さらに汚れたことについては」

「なおちゃん!」

 ぱぁとせいらの表情が明るくなる。後半はボソッと言ったからか上手く聞こえんかったようや。そしてせいらに手伝わせて夏油も立ち上がり。

「じゃあ二人とも! 仲直りのあくしゅ!」

 せいらに促されてしゃーないなと握手をする──痛っ!? 夏油の奴俺の骨を折る勢いで握ってきよる!! 負けてられへんと俺も力を込めた。

「仲直りできて良かったね」

 せいらはにこにこ笑うとるが、フン! まさかこの俺が、こんな雑種に遅れを取るわけないやろが!!

 

 

●8

 

「あ、夏油さんに五条さんも! どうしたんですか?」

 トレーニング中の灰原に近付く夏油と五条。

「文化祭の思い出の1ページに、なんちゃってインタビュー冊子でも作ろうかなと思って」

 五条が雑誌を丸めたものをマイクもどきで近付ける。

「ま、気楽に答えてみてくれ」

 

──とりあえずまずは名前とかヨロシク!

「えぇ? えっと、灰原雄です。呪術高専の1年やってます! 非術師の家系で家族構成は父と母と妹がいます!」

「妹いんの!?」

「そうなんです!」

 

──呪術師になった理由は?

「実はうちの家系、表向きは非術師の家系ってことになってるんですが、祖父母の代まではギリギリ呪術師の家系だったんです。一度完全に呪術の継承が途切れてしまって──苗字も◽️◽️から変えちゃったみたいで。それでも自分に出来る事を精一杯頑張ってみたい! そう思って呪術師になりました」

「◽️◽️って言っていいの?」

「あ、そうですね! 後で確認するんで、もしNGなら黒塗りでお願いします」

 

──自分の術式、もっとこうだったら便利なのに…って妄想したことある?

「そうですねぇ。僕の術式は剣技の要素が強いので、五条さんみたいにド派手に建物ぶっ壊したり、夏油さんみたいに自分より大きな呪霊を使役するのは憧れてます! 反転術式とかも興味あるんですけど、なかなか合わないみたいで難しいですね……」

 

──呪霊の味ってどんな味だと思う?

「うーん。千味ビーンズみたいな感じとか?」

 

──呪術師やってて一番『俺、天才じゃね!?』って思った瞬間は?

「たくさん食べて寝たら疲れがスッキリ解消されたことです!」

 

──逆に、呪術師やめたい…って思った最悪の日は?

「食べようと思って用意していたカップラーメンのひとつを食べ損ねてて、任務から帰ってきたら蓋から溢れるぐらい麺がでよでよになってた時……ですかね」

(隣に悟がいて肩をポンと叩く)「それ、呪術師関係なくね?」

 

──これはおすすめっていうトレーニングは?

「えっと、丸太を3本担いで山道を走ったりとか、大岩を100mぐらい押したり……滝行もいいんですよ!」

「なんでそこまで──」

「ギョロちゃん提案のメニューです!」

 

──ギョロちゃん?

「僕のインストラクターでありメンターです! 物心ついた時から一緒にいてくれて、いつも明るく励ましてくれます!」

 

──イマジナリーフレンド的な?

「そうかもしれません。眼力が強くて、かっこいいんです! 尊敬してます!」 

 

──高専に入って一番ヤバかった先輩/同期は誰?

「せいらさんですね」

「え?」

「いや、妹にもあそこまで抱きつかれたことなかったんで……」(赤面)

 

──ぶっちゃけ、尊敬してる人って建前で、本当は『あの人、ここがイラつくんだよな〜』ってとこ暴露して

「えー? いやー?」(夏油と五条をチラ見し)「すみません、ノーコメントで!」

 

──オフの日は何してる? もしかして、こっそり隠れオタクとか?

「大体トレーニングしてますね! あと最近は調理にハマってて──」

「意外〜。何作るの?」

「鶏むね肉をしっとり仕上げる研究とか、豆腐を使った高タンパクティラミスとか……」

(夏油と五条が顔を見合わせて)

「……お前、どこ目指してんの?」

「今度テールスープに挑戦しようと思ってて! 牛テールを丁寧に下処理して、香味野菜と一緒に圧力鍋でじっくり煮込むんです! めっちゃコラーゲン出るし、高タンパクで、回復にも良くて、体ポカポカになるってギョロちゃんが!」

「高専の寮でそこまでやってるの君だけだと思うよ……」

 

──もし呪霊が絶滅したら、何して食っていく?

「え? そうだなー(考え込む)消防士とか?」

 

──呪術界の『ここがダメだよ!』ってところ、叫びたいことある?

「なんだかんだで呪術師の人数不足なところがあるので、もっとスカウトに力を入れるのはどうですかね? せいらさんが高専に幼稚園とか小学校作りたーいって言ってるの、自分も応援したいなって思ってます!」

 

──『実は俺、○○なんです…』ってカミングアウトしたい秘密を教えて?

「うーん。まだ女性とお付き合いしたことないので、できたら結婚を前提にお付き合いできる女性を紹介してください!!!」

「重くね?」

「いや、普通……」

「えっ!?」

 

──じゃあ、好きなタイプは?

「たくさん食べる子が好きです!」

 

──高専の寮で、忘れられない珍事件があったら教えて?

「先日そよかさんが夜中に薄着でふらふらしてたことがあって、いつもよりちょっと熱っぽかったんですけど、あれってもしかして発じ──」

「おっと、灰原それはセンシティブ案件だ!!」(灰原の口を手で塞ぐ夏油)

「灰原!! なんで俺をすぐ呼ばない!! その後どうした!?」

「普通にそよかさんの部屋まで送って帰りました」

「「純粋!!」」

 

──最後に、このインタビュー、どうだった? 本音で言っていいからね?(五条と夏油が至近距離で顔を覗き込む)

「改めて質問してもらって答えるって経験なかったので面白かったです! 五条さんや夏油さん、他の皆さんのインタビューとかの様子も気になりました。ありがとうございました!!」

 

「今度一緒に滝行いきましょうよー!」

「えー絶対ヤダ。夏でも冷たいし」

「少しぐらい精神修行をした方が、今よりまともになるんじゃないかしら?」(たまたま通りかかったそよか)

「そしたら俺と付き合ってくれる!?」

「そういうことを言ってるんじゃないんだけれど」(呆れ顔)




ここまでご覧いただきありがとうございました。

●メインはpixivで活動しています。
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