【本編完結】旅する物語 異世界探訪 五条悟との邂逅 作:masuda028
世界を越えて、悲劇に抗う物語。
※本作は『呪術廻戦』の世界をベースにした二次創作です。
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。
◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。
●3
試験会場に入ろうとしたところで、一斉に各々の携帯に着信があった。各自確認する。
「全員に、同じ任務の依頼?」
せいらが首を傾げた。
「出現場所が近いからか?」
顎に手をあてて、少し考え込むように傑は言う。
「……いいよ。みんなは試験に集中して」
俺がそう言うと、全員が驚いた表情を向けてくる。
「何か悪いものでも食った?」
硝子がニヤリと笑いながらそう言ったが、
「もし怪我をするようなら、今回だけは特別に治してやるよ」と手をひらひらさせて試験会場に入っていった。
「──悟」
そよかはいつもの表情にほんの少し心配そうな様子で。
「どんな呪霊かわからないけど、俺一人に任せた方がいいでしょ。力を合わせてひとつにーなんてやったら巻き込んじゃうし」
「そう……そうね」
「早く終わらせて試験に間に合わせるからさ」
ニッと笑うと、そよかは小さく頷いてくれた。
そして今、俺は白鷺大学上空にいる。
「なにこれ、なんかもうゴジラ的なやつじゃん……」
呪霊をかろうじて被害が少なくなりそうなエリアに誘導し、移動阻害の帳もおまけしたから大学への被害はそこまで出ないだろうが。
「──俺の呪力に適応すんの早いな」
初撃を受けてからの耐性取得が早すぎる。
「まさかの、コイツ……俺一人じゃ倒せない系!?」
試験が始まったとしても秒で片付けて戻れば俺も試験が受けられるとか思っていたりもしてたけどさ。
──あー。いっそもう、この大学そのものもこいつに壊させちゃうとか!?
そんな考えもちらりとは浮かんだが、髪の毛をガリガリとかいてなかったことにする。
「俺の大事な奴らがさ、未来を見据えて頑張ろうとしてんだわ。応援してやらないと──」
蒼と赫──そこから、それらをひとつにして放つ。
──虚式『茈』
大半を吹き飛ばすが、みるみる元の形に戻っていく。
「くーーー!? この呪力お化けがっ!!」
呪霊は大きな巨体を揺らして、さほど気にもしていない様子。しかし、呪霊が呪力を消耗しているのはわかる。
「だが、ダメージは0じゃないな。このまま回数で押し切ってやるよ!!」
再び身構えた。
そして20分ほど戦い続けただろうか。
「五条さん!」
「悟!」
試験会場から七海とそよかが出てきた。
「お前ら試験は!?」
「悟がなかなか戻ってこないから苦戦してるんじゃないかと思って──試験は一通り回答を済ませてきたから大丈夫よ」
「早く試験を受けに戻ってください」
七海は肩にかけていたケースを置いて、手慣れた手付きで武器を取り出す。
「七海、お前こんな時でも装備持ってきてたんだな……」
「呪術師たるもの常に装備を持ち歩くべしと、五条さんが以前教えてくれたでしょう」
自分が言ったことを覚えてくれていて、実際に気をつけてくれていたことが何故だかとても嬉しく感じた。
「お前ら、こいつはな──」
六眼で見た特徴と、実際戦った様子を手短に話す。
「なるほど、ではそよかさん。私にありったけのブーストをお願いします」
「わかったわ」
「七海は、大丈夫なのか? これで落ちたら俺のせいとか後で言うなよ?」
俺の言葉を聞くと七海は、
「この程度で落ちるようなら、それまでということです」
フッと笑って上着を脱いだ。
●4
「悟!?」
「傑!」
試験会場に入ろうとしたところで、ドアが開いて傑が中から出てきた。簡単に呪霊の特徴を伝える。
「なるほど、それでなかなか帰って来られなかったわけだ」
「そーそー。相性の問題っていうのもあるけど、時間があれば俺だけでも余裕で倒せたけどさ」
「はいはい。そうだね。じゃあ後は私たちに任せて、悟は試験に集中して」
軽く俺の背中を叩いてから、傑は走り出した。
──静かな試験会場。俺のために用意された席は、目をぐるぐるさせたせいらの近くにある。
一瞬、せいらと視線が合って『さ・と・るー』と口パクで名前を呼ばれ、手を小さく振られながらにこりと微笑まれたことでなんだか少しホッとした。
ほどなくして俺の帳に合わせて似たような帳が下ろされた。
……傑だな。
帳を解除して試験に集中する。
呪術師としてではなく、受験生として試験に向き合っていることが何故だか不思議と悪い気はしなかった。
「──なん、ですか。その姿は」
「……変かしら?」
私が凝視しているからか、そよかさんが自身の姿を見下ろして頬を赤らめる。
そよかさんとの共闘はこれが初めてだったから、ここぞという戦闘の時は変身するらしいと聞いていて内心楽しみに思うところもあった──が。
白猫呪霊とのユニゾンし、光と共に現れたそよかさんの姿はなんというか背が縮んでいた。
ひらひらとしたどこか巫女服を連想させるその衣装は、なんというか丈も短くレースも多く……俗に言う"魔法少女"的な。
「この姿になるとね。補助的な役割の呪力操作がしやすくなるのよ──」
少し恥じらいながらも、その姿でいる意味をそよかさんが教えてくれるが、どうもその説明すら頭上を通りすぎるようだ。
「…………」
「建人さん?」
じっと無言で見つめてしまい。ハッとなる。
「いえ、まさかその……背格好まで変わると思っていなかったもので──」
自分が好きになった人の姿が、幼くなって目の前にいることの精神的衝撃は思って以上で……思わず頬を赤らめ視線を外す。
これまでそよかさんの呪力を纏って、呪霊の行動を制限するような牽制攻撃をしていた。
結果そよかさんの呪力に対する耐性はかなり上がったが、私の呪力耐性は未だに0そこに最大火力の呪力をのせる。
「だいぶ身体も温まりました。次でいきます!」
「わかったわ!」
柔らかな光が降り注ぐ。そよかさんの呪力が自分の身体に染み込むようだった。
「…………」
ちらりとそよかさんに視線を向けると、彼女は穏やかに微笑んで頷いてくれた。
「──行きます」
大鉈を持つ手に力を込める。
十劃呪法
相手の長さを10で線分し、7:3の分割点を弱点と化す。そよかさんにも作戦を立てる上で共有しておいた。遠くにいるそよかさんが分割点を光で教えてくれる。私の想定とも一致していた。
跳躍からの全身を使った振り下ろし攻撃。
接触の瞬間、黒い雷撃のような光が視界を埋め尽くす。
空中に──足場が現れていた。
そよかさんが作ってくれた光の支えだ。
足を踏み締め、再び大鉈を振り下ろす。
そよかさんとの連携していることが、こんなにも心強いとは──。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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遷光編の続きもオマケ付きの一気見もあるので、
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