【本編完結】旅する物語 異世界探訪 五条悟との邂逅 作:masuda028
世界を越えて、悲劇に抗う物語。
※本作は『呪術廻戦』の世界をベースにした二次創作です。
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。
◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。
●19
シェアハウス談話室。
居酒屋ゆうちゃん開店!
「ゆっくりしていってくださいね!!」
厨房から灰原がにっこり顔を覗かせる。そんな灰原に、にこにこと「おーい」と手を振るせいら。
「わー。みんなで飲み会なんて久しぶりだねぇ。メニューまである〜。本格的ぃ」
ご機嫌せいらお座敷席に着席。
すっと傑も隣に着席。
「何飲む?」
「わたしが好きそうなのいっぱいあるねー。すぐるが用意してくれたんでしょ?」
「そうだよ」
「嬉しー!! じゃあカシオレからー!」
「作ってくるね」
微笑みを残して立ち上がる傑。
「そよかー! こっちこっち! そよかの好きそうな日本酒仕入れといたからー!!」
ハイテンションで手招きする悟。呆れ顔で悟の隣に着席するそよか。その隣に素知らぬ顔で着席する七海。
「七海ぃ。他にも席空いてるぞ?」
「この席に座りたいので大丈夫です」
「伊地知〜他の奴らは?」
「任務などの都合で欠席です……」
「おいおい、ちゃんと躾けとけよ!」
「すみません!」
「悟!」
キッと悟を睨みつけるそよか。伊地知が少し嬉しそうにしている。
「すみません!」
平謝りする悟。
「お通しの枝豆なのじゃー」
ウェイトレス風の衣装で登場する理子。
「ありがとう」
微笑みあうそよかと理子。
「硝子は?」
「現場で怪我人が出たとかで、そっちに行ってから来るってー」
「マジかー。了解〜」
一時間後。
日本酒の酒瓶を抱きながら泣いているそよか。
「怪我しないで……みんな元気に……長生きしてほしいの……」
「……」
さすがの悟も茶化せなくて、しんみり。
「……そよか」
普段はこんな時にからかうけど、この時ばかりは真面目な表情でそよかの頭を撫でる傑。
「泣いてるそよかもカワイイね! ちゅー!」
そよかに抱きついて頬にちゅーするせいら。
「遅れてきた硝子にもちゅー!! にゃははは!!」
「お前ら……ペース配分って言葉を知ってっか?」
抱きついてちゅーちゅーするせいらの腰を支えながらキレる硝子。
「「すみません」」
「そよか! もうお酒はやめとこ! ね? やめよ!?」
「いや〜。もっと飲むー」
「そよかさん、ほらこっちのコップをそよかさん用に用意しました。飲んでみてください」
「建人さん……これは?」
「水のように飲みやすい飲み物です」
「…………」
ちびっと飲むそよか。
「本当……お水みたい。美味しい……」
「ほら、酒瓶は一旦預かるから」
「ん……」
悟に酒瓶を手渡すそよか──悟の身体が近付いてふんふんと鼻を鳴らす。
「お、そろそろくるかー?」
嬉しそうに匂いを嗅がれる悟。
「いいにおい……」
「そよかさん」
そっとそよかに呼びかける七海。
「こら! 七海! 邪魔するな!」
注意が七海に向いて、七海の匂いを嗅ぐそよか。
「ふんふん……建人さんのにおいも好き」
頬を赤くする七海。
「それで宗教法人の方は?」
「まぁまぁ順調かな。もう少しで形になりそう」
「すごいじゃん」
「結構頑張ったからね」
更に一時間後。
薄着で伊地知や七海にちゅーを迫るせいら。
「せいら、ちょっとこっちおいで」
せいらを手招きする傑。
「ふにゃ? なぁにー」
てとてとと近付くせいら、ガッチリホールドされると傑の容赦ないディープキスで足腰立たなくなった。
「……はわー」
せいらは傑の膝の上で溶けてしまい、そのまま撫でられている。
「そろそろお開きかな」
「だなー」
「久しぶりにゆっくり話せた気がする」
「禁煙は続いてる?」
「まぁね。前より致命的やつの出動要請が減ってるから、そこまでストレスに感じないよ」
「それは良かった」
「では、そよかさんは私が送っていきます」
そよかをお姫様抱っこで抱き上げる七海。
「いや、ちょっと待て七海。なんのために俺が今日ノンアルだけで過ごしたと思ってるの」
「お酒が飲めないからですよね?」
「違う! 酒が飲めないのはそうなんだけどさ! 今日はそよかを部屋まで送る役やるつもりでいたのー!!」
「……送り狼にでもなるつもりだったんですか?」
「しないよ!! そよかの同意なくそんなこと絶対にしない!!」
「どうせ部屋に送ってすぐ戻ってきてここの片付けなんですから、誰が連れて行っても同じですよ」
「それじゃー譲れよーぉぉぉ!!!」
「あ、誰がそよかさんを送っていくかで揉めてるんですか? じゃあ僕が」
すっと七海からそよかを奪い取る。
「「灰原!?」」
「はーい。じゃあ送ってきまーす」
スキップの足取りで歩き出す。
「待ちやがれーーー!!!」
術式のポーズに入る悟、冷静に悟の片腕を掴む七海。
「五条さん、家が壊れます」
──最終的にじゃんけんで誰が送っていくか決めることになった。
「……私も参戦していいんでしょうか?」
伊地知が控えめにじゃんけんに混ざろうとする。
「駄目に決まってんだろが!!」
ギロリと睨みつける悟。
「ヒィ──」
●20
今まさに8番出口から出ようとしているところで、
「わかったーーー!!!」
せいらが大声で言った。
「どうしたぁ?」
「……!!」
今にも聞いてほしそうに目をキラキラさせとる。しゃーないな。
「何を思い付いたんか、言うてみぃ」
「あのね! ゲームにすればいいんだよ!」
「はぁ?」
「この呪霊はね"異変を見てもらいたい"とか"興味を持ってもらいたい"と思っているみたいだからさ。そういうゲームを作ってそっちに移ってもらうの!!」
「なんやそれ、そんなん聞いたことないぞ?」
「たとえば……ほら! 呪力の強い呪霊をさ。神様みたいに社に祀ったりするでしょ? そんな感じ!!」
「あぁ、まぁ──それならわからんでもない……か」
「でしょー? まーくんもいいアイデアだと思うよね?」
頭上の猫に声をかける。しっかりわかってますと言わんばかりに気持ち悪く長い声で鳴いた。
「うん! だから大丈夫。もう少しだけ待っていてね」
せいらは振り返り、薄暗い通路に向かって言い聞かせるように静かに言う。
「とりあえず俺たちの任務は人命優先やったからな。これにてお開きでえぇやろ」
「そうだね。お疲れ様」
「──お前もな」
ぽんとせいらの肩に手を置いたが、頭の上にいた猫のしっぽに振り払われた……こいつ!!
外に出ると、
「あっ! すぐるーー!!」
補助監督が夏油を連れて立っていた。
「任務お疲れ様」
片手を上げてにこやかに微笑んだ夏油に、せいらは思い切り飛び付いていく。
「直哉もお疲れ。せいらを守ってくれてありがとう」
ちらりと俺を見て夏油はそう言った。
「お前に礼を言われる筋合いはあらへん」
「それはそうだけどさ……任務、楽しかったかい?」
「うん! 楽しかったよ! ねー! なおちゃん!」
『すぐるの幸せがわたしの幸せ──』
そう言いきることの出来る女やって、こいつは知っとるんかな……なんかムカつくから、今は黙っとこ。
──夏油に抱きしめられてせいらが笑うとる。
その時はなんも思うてへんつもりやった。
……けど後になって“良かった”みたいに思うとった自分に気付いて、少し腹立った気がした。
──
「まーくん! あと一人ちゃんとぺっして! わかってるんだからね!」
「んなーーーうぅぅぅ」
不満そうにぺっ。
「えらい! えらいよまーくん!! よしよしよしー!!」
せいらは猫の姿をした真人をめっちゃ撫で撫でした。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
●メインはpixivで活動しています。
遷光編の続きもオマケ付きの一気見もあるので、
もし少しでも気に入った方がいれば見にきてください。
https://www.pixiv.net/users/2225877