【本編完結】旅する物語 異世界探訪 五条悟との邂逅 作:masuda028
世界を越えて、悲劇に抗う物語。
※本作は『呪術廻戦』の世界をベースにした二次創作です。
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。
◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。
●3
家庭科室の片隅で、スケッチブックを構えた前田まること夜蛾正道に見守られながら、せいらとそよかがちくちくぬいぬい……。
「はい、これで完成!」
そよかが針を抜き取り、黒猫のぬいぐるみをそっと持ち上げた。その隣で、せいらがクリーム色のふわふわ猫をころころ並べて微笑む。
夜蛾先生の指導のもと、二人が初めて作った手作りの猫人形。
──見た目も性格も、どこか“かつての自分たち”に似ていた。
せいらの猫は、ちんまり可愛いくて甘えんぼ。
そよかの猫は、すまし顔なのに、触ると妙に癒される。
冥冥「これ、売れるよ」
せいら「え、そんな〜!」
そよか「冗談でしょ……」
冥冥「いや、本気さ。マーケティングは任せて」
──数日後。
各保護者のもとに、猫人形が“貰われていった”。
◽️せいら猫6匹の行方
「すぐるー! これ作ったのー!! 貰ってー!!」
お手製のせいら猫人形をふたつ、手のひらに乗せて傑に突撃するせいら。
「わ! これはこれは……可愛いね。ありがとう」
受け取った二匹の猫人形を手のひらに乗せて撫でる傑。猫人形達も嬉しそう。
・その後2匹は傑の部屋のベッド横の棚に、並んでちょこん。よく撫でてもらって嬉しそうにしている。 ・残り4匹は冥冥さんが回収。
◽️そよか猫3匹の行方
「さて、じゃあひとつずつ梱包して……」
建人さん、悟、冥さんと書かれた紙袋を用意していると。
「!?」
そよか猫人形は三匹共、七海建人行きの袋に入ろうとしていた。
「こらっ!! 貴方達!?」
一匹二匹と袋から取り出すが、取り出された二匹は不満そうにしている。
そしてそのまま悟行きの袋と、冥さん行きの袋に入れられた。
冥冥はさっそくネットオークションを開催。 「限定制作・魂入り(かもしれない)」──そのキャッチコピーが爆裂ヒットした。
◽️冥冥コレクション販売記録
1匹目:地元の男子学生が購入。文化祭でせいらにゃんのファンになり、数年分のバイト代とお年玉を犠牲に落札。
2匹目:そこそこ裕福な家庭に迎えられ、幸運を招くリビングのインテリアとして大人気?
3匹目:せいらファンのライバルとして(?)その学生を密かにウォッチしていた禪院直哉が、噂を聞きつけかなりの高値で購入。
4匹目:そよか猫との“セット販売”で、アラビアの大富豪が驚きの高値で落札。
──
一方、悟の部屋では。
さっそく届いたそよか猫人形を満喫中の悟。
悟「よしよし……そよかもこんな風に甘えてくれたらいいのになー」(手つきは妙に優しい)
最初は「悟のところには行きたくない」と言っていたそよか猫も、いざ嫁入りしてみると覚悟を決めたのか、意外と懐いていた。
チャッピー:アプリ内から観測。そよか自身も同じように感じる可能性90パーセント。
──
冥冥「なかなか良い取引ができたよ。人形作りを今後も趣味にしたらどうかな? 手数料は前回の倍出すよ?」
せいら「うにゃー?(疑いの眼差し)」
そよか「流石に量産するほどの時間はないの(プイ)」
冥冥「ふふふ……残念だよ」
──
そしてある日、ポストに届いたのは──金色の封筒。
中には、金の箔押しで書かれた文面。
『素晴らしい猫人形を作成された方と、そのお友達にお会いしたい。 我が国の王宮にて、おもてなしを準備しております』
冥冥「……これは、冗談じゃ済まされない相手だよ」
●4
シェアハウスに届いたのは、金箔が施された厚手の封筒。
差出人はサーミル・アール=ラシード──世界有数の石油財閥の一族であり、怪しいほどの「コレクター」嗜好を持つ人物だと調べてみてわかった。
会議室に全員集い、七海が調べた資料がプロジェクターで投影されている。
「冗談では済まされない相手、という言葉の意味がわかったかな? コネクション相手としてはかなりのランクとも言える」
冥冥はニヤリと笑った。
「タダで招待してくれるっていうなら、まぁいいんじゃないの?」
悟の気の抜けた発言に、七海は呆れたような視線を送る。
「私はパース」
家入が立ち上がった。
「いいのか?」
「仮にそいつがやばい奴だったら、私まで捕まったら詰むだろ? せいらとそよかが行く事は確定してるなら、あとは何人同行するか考えれば早くない?」
「夜蛾先生は本職が忙しいだろうから、保護者枠としては私が同行しよう」
腕を組んだ冥冥が、どこか自信ありげな様子で発言する。
「俺も行く!」
そよかに視線を送りながら挙手する悟。
「私だって、せいらがそんなよくわからない奴のところに行くなら同行したい」
真面目な口調で傑が続く、うるうると感動の涙目になるせいら。
七海は「はぁ」とため息をついて、
「──私も行きます」
かなり嫌々といった感じだったが、最後に七海も同行を決意した。
「よーし! じゃあこの六人で決まりだな。返事して相手の反応みようぜ! それから外泊許可貰ってこないとな」
「本当に行くんですか?」
七海はそよかをちらりと見る。
「……タダなら行ってもいい」
「タダほど高いものはありませんが……」
と七海は小声で突っ込んだ。
──
(イントロ:ドローンの羽音、アラビア風のファンファーレ、ダンサー達が取り囲むようにざざーっと登場)
悟:「な、なんだなんだ?」
せいら:「ふにゃっ!?」(大きな音にびくっ!)
そよかも大きい音に驚いて、せいらと二人身を寄せ合う。
体格の良い黒服の男が高らかに歌い始める。
空を舞う 白銀の翼
プライベートジェットが静かに降り立つ
迎えの車列は 漆黒の列
ドローンタクシーが空を舞う!
突如始まる航空ショー。
ドローンが一斉に上昇し、金粉を散らす。
ダンサーたちが砂漠色の衣装を翻しながら隊列を組み、情熱的な踊りがスタート「ア◯ジンのア◯王子入場」ばりの盛大な歓迎ショーが始まった。
せいら:「えっ……えっ!? 私たちこんな歓迎される立場だっけ!?」 そよか:「……悟、あなた何送ったの?」
悟「え? それはチャッピーが適当に──」
チャッピー:アプリ内から報告。プロフィール欄に“猫人形の創造主”って書いただけです。
傑:「流石フラグ建築士……」
さぁ見よ! サーミル様のおなりだ
黒曜の髪に 赫の瞳
砂の王国の 若き支配者
熱狂の渦に お迎えしよう 我らが王!
ラクダに乗った黒服の群れの先頭、煌びやかな黄金の刺繍を施したローブを纏い、サーミル・アール=ラシードが登場する。
人々が一斉に傅いた。
サーミル:「ようこそ、私の愛しき“芸術たち”……!」
両腕を広げると、背後で打ち上がる花火、空に浮かぶ投影ドローンが巨大な文字を描く。
“WELCOME, MAKERS OF MIRACLE CATS.”
悟:「おぉぉ……これ……完全に何かのアトラクションだろ」
冥冥:「これは……命懸けの商談が始まるかもしれないね」
せいら:「なんだかさとるに似てる! 色違いみたい!(興味津々)」
そよか:「そんなに似てるかしら?(少しそわそわ)」
悟:「お前がサーミルか。俺に似てるってよく言われるだろ?」
サーミル:「──あなたに似ている、というよりは、あなたが私に似ている。この世の『完璧』な美は、時として形を違えて現れるものだ」
サーミルが片手を胸に当て、微笑む。金糸の袖口から香るのは、スパイスと薔薇油の混じった甘い香気──。
傑(小声で悟に):「悟、気をつけろ、相手の方が一枚上手だぞ」
ここまでご覧いただきありがとうございました。
●メインはpixivで活動しています。
煌宴編の続きがあるので、
もし少しでも気に入った方がいれば見にきてください。
https://www.pixiv.net/users/2225877