【本編完結】旅する物語 異世界探訪 五条悟との邂逅   作:masuda028

57 / 126
【呪術廻戦/五条悟/煉獄杏寿郎】
世界を越えて、悲劇に抗う物語。

※本作は『呪術廻戦』の世界をベースにした二次創作です。
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。

◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。


57煌宴編 3・4:魂入りの猫人形オークションと、砂の王国サーミル王の盛大なる歓迎

●3

 

 家庭科室の片隅で、スケッチブックを構えた前田まること夜蛾正道に見守られながら、せいらとそよかがちくちくぬいぬい……。

「はい、これで完成!」


 そよかが針を抜き取り、黒猫のぬいぐるみをそっと持ち上げた。その隣で、せいらがクリーム色のふわふわ猫をころころ並べて微笑む。

 

 夜蛾先生の指導のもと、二人が初めて作った手作りの猫人形。


 ──見た目も性格も、どこか“かつての自分たち”に似ていた。

 

 せいらの猫は、ちんまり可愛いくて甘えんぼ。


 そよかの猫は、すまし顔なのに、触ると妙に癒される。

 

冥冥「これ、売れるよ」


せいら「え、そんな〜!」


そよか「冗談でしょ……」


冥冥「いや、本気さ。マーケティングは任せて」

 

 ──数日後。

 各保護者のもとに、猫人形が“貰われていった”。

 

◽️せいら猫6匹の行方

「すぐるー! これ作ったのー!! 貰ってー!!」

 お手製のせいら猫人形をふたつ、手のひらに乗せて傑に突撃するせいら。

「わ! これはこれは……可愛いね。ありがとう」

 受け取った二匹の猫人形を手のひらに乗せて撫でる傑。猫人形達も嬉しそう。


・その後2匹は傑の部屋のベッド横の棚に、並んでちょこん。よく撫でてもらって嬉しそうにしている。
・残り4匹は冥冥さんが回収。

 

◽️そよか猫3匹の行方

「さて、じゃあひとつずつ梱包して……」

 建人さん、悟、冥さんと書かれた紙袋を用意していると。

「!?」

 そよか猫人形は三匹共、七海建人行きの袋に入ろうとしていた。

「こらっ!! 貴方達!?」

 一匹二匹と袋から取り出すが、取り出された二匹は不満そうにしている。

 そしてそのまま悟行きの袋と、冥さん行きの袋に入れられた。

 

 冥冥はさっそくネットオークションを開催。
「限定制作・魂入り(かもしれない)」──そのキャッチコピーが爆裂ヒットした。

 

◽️冥冥コレクション販売記録


 1匹目:地元の男子学生が購入。文化祭でせいらにゃんのファンになり、数年分のバイト代とお年玉を犠牲に落札。


 2匹目:そこそこ裕福な家庭に迎えられ、幸運を招くリビングのインテリアとして大人気?

 
3匹目:せいらファンのライバルとして(?)その学生を密かにウォッチしていた禪院直哉が、噂を聞きつけかなりの高値で購入。

 
4匹目:そよか猫との“セット販売”で、アラビアの大富豪が驚きの高値で落札。

 

 ──

 

 一方、悟の部屋では。

 さっそく届いたそよか猫人形を満喫中の悟。

悟「よしよし……そよかもこんな風に甘えてくれたらいいのになー」(手つきは妙に優しい)

 最初は「悟のところには行きたくない」と言っていたそよか猫も、いざ嫁入りしてみると覚悟を決めたのか、意外と懐いていた。



 

チャッピー:アプリ内から観測。そよか自身も同じように感じる可能性90パーセント。

 

 ──

 

冥冥「なかなか良い取引ができたよ。人形作りを今後も趣味にしたらどうかな? 手数料は前回の倍出すよ?」


せいら「うにゃー?(疑いの眼差し)」


そよか「流石に量産するほどの時間はないの(プイ)」


冥冥「ふふふ……残念だよ」

 

 ──

 

 そしてある日、ポストに届いたのは──金色の封筒。

 中には、金の箔押しで書かれた文面。

 

『素晴らしい猫人形を作成された方と、そのお友達にお会いしたい。
我が国の王宮にて、おもてなしを準備しております』

 

冥冥「……これは、冗談じゃ済まされない相手だよ」

 

 

●4

 

 シェアハウスに届いたのは、金箔が施された厚手の封筒。


 差出人はサーミル・アール=ラシード──世界有数の石油財閥の一族であり、怪しいほどの「コレクター」嗜好を持つ人物だと調べてみてわかった。

 

 会議室に全員集い、七海が調べた資料がプロジェクターで投影されている。

「冗談では済まされない相手、という言葉の意味がわかったかな? コネクション相手としてはかなりのランクとも言える」

 冥冥はニヤリと笑った。

「タダで招待してくれるっていうなら、まぁいいんじゃないの?」

 悟の気の抜けた発言に、七海は呆れたような視線を送る。

「私はパース」

 家入が立ち上がった。

「いいのか?」

「仮にそいつがやばい奴だったら、私まで捕まったら詰むだろ? せいらとそよかが行く事は確定してるなら、あとは何人同行するか考えれば早くない?」

「夜蛾先生は本職が忙しいだろうから、保護者枠としては私が同行しよう」

 腕を組んだ冥冥が、どこか自信ありげな様子で発言する。

「俺も行く!」

 そよかに視線を送りながら挙手する悟。

「私だって、せいらがそんなよくわからない奴のところに行くなら同行したい」

 真面目な口調で傑が続く、うるうると感動の涙目になるせいら。

 七海は「はぁ」とため息をついて、

「──私も行きます」

 かなり嫌々といった感じだったが、最後に七海も同行を決意した。

「よーし! じゃあこの六人で決まりだな。返事して相手の反応みようぜ! それから外泊許可貰ってこないとな」

「本当に行くんですか?」

 七海はそよかをちらりと見る。

「……タダなら行ってもいい」

「タダほど高いものはありませんが……」

 と七海は小声で突っ込んだ。

 

 ──


(イントロ:ドローンの羽音、アラビア風のファンファーレ、ダンサー達が取り囲むようにざざーっと登場)

 

悟:「な、なんだなんだ?」


せいら:「ふにゃっ!?」(大きな音にびくっ!)

 そよかも大きい音に驚いて、せいらと二人身を寄せ合う。

 

 体格の良い黒服の男が高らかに歌い始める。

 

 空を舞う 白銀の翼


 プライベートジェットが静かに降り立つ


 迎えの車列は 漆黒の列


 ドローンタクシーが空を舞う!

 

 突如始まる航空ショー。


 ドローンが一斉に上昇し、金粉を散らす。


 ダンサーたちが砂漠色の衣装を翻しながら隊列を組み、情熱的な踊りがスタート「ア◯ジンのア◯王子入場」ばりの盛大な歓迎ショーが始まった。

 

せいら:「えっ……えっ!? 私たちこんな歓迎される立場だっけ!?」
そよか:「……悟、あなた何送ったの?」

悟「え? それはチャッピーが適当に──」


チャッピー:アプリ内から報告。プロフィール欄に“猫人形の創造主”って書いただけです。


傑:「流石フラグ建築士……」

 

 さぁ見よ! サーミル様のおなりだ


 黒曜の髪に 赫の瞳


 砂の王国の 若き支配者


 熱狂の渦に お迎えしよう 我らが王!



 

 ラクダに乗った黒服の群れの先頭、煌びやかな黄金の刺繍を施したローブを纏い、サーミル・アール=ラシードが登場する。

 人々が一斉に傅いた。

 

サーミル:「ようこそ、私の愛しき“芸術たち”……!」


 両腕を広げると、背後で打ち上がる花火、空に浮かぶ投影ドローンが巨大な文字を描く。


“WELCOME, MAKERS OF MIRACLE CATS.”

 

悟:「おぉぉ……これ……完全に何かのアトラクションだろ」


冥冥:「これは……命懸けの商談が始まるかもしれないね」


せいら:「なんだかさとるに似てる! 色違いみたい!(興味津々)」


そよか:「そんなに似てるかしら?(少しそわそわ)」

 

悟:「お前がサーミルか。俺に似てるってよく言われるだろ?」


サーミル:「──あなたに似ている、というよりは、あなたが私に似ている。この世の『完璧』な美は、時として形を違えて現れるものだ」

 サーミルが片手を胸に当て、微笑む。金糸の袖口から香るのは、スパイスと薔薇油の混じった甘い香気──。


傑(小声で悟に):「悟、気をつけろ、相手の方が一枚上手だぞ」





ここまでご覧いただきありがとうございました。

●メインはpixivで活動しています。
 煌宴編の続きがあるので、
 もし少しでも気に入った方がいれば見にきてください。
https://www.pixiv.net/users/2225877
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。