【本編完結】旅する物語 異世界探訪 五条悟との邂逅   作:masuda028

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【呪術廻戦/五条悟/煉獄杏寿郎】
世界を越えて、悲劇に抗う物語。

※本作は『呪術廻戦』の世界をベースにした二次創作です。
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。

◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。


58煌宴編 5・6:黄金の宮殿と愛着の収集家、男子三人の密談と悟の秘蔵データ

●5

 

 一向が案内される邸宅は、想像の遥か上を行く規模感。

せいら「えっ、ちょっとちょっと……さっき意外に小さいなーとか思ったあれってただの門だったの!?」

 後ろを何度も振り返り混乱中。

傑「せいら、気持ちはわかる。とりあえずちょっと落ち着こう」

 敷地は緑と水盤と建築が混じり合い、最新設備と古典的な美術が溶け合った異様な美しさ。『招待』の演出が尋常ではない。

せいら「家じゃないよ! もうこれお城だよ! 完全にファンタジーじゃん! スケールが違いすぎない!?」

 はわわとかつてないほどに取り乱している。

七海「そよかさん……大丈夫ですか?」

そよか「なんだか、お腹が痛くなってきたわ……」

 顔色の悪いそよかを心配する七海。

 

 黒髪に赫い瞳。まるで五条悟の“色違い”のような存在感を放つ男、サーミル・アール=ラシード。

 流暢な日本語で、しかしどこか砂漠の風を帯びた口調で挨拶する。

サーミル(柔らかく、しかし断定的に):
「私はサーミル。君たちの『猫人形』は、私の収集の基準を大きく揺るがした。金で言えば手に入るものは多い。しかし、愛──人の心の痕跡を宿すものは、買えども生み出せない。君たちの手は、真の価値を生んだのだ」

 その視線はせいらとそよかへとゆっくり移る。まるで"作品"だけでなく"創り手"そのものを品定めしているようだった。

 

せいら:「ふにゃっ! なんかドキドキする!?」(一歩前に出た傑の後ろに隠れるせいら)


そよか:「…………」(僅かに頬を赤らめるそよかの前に出て、後ろに庇う悟と七海)

 

 冥冥は少し離れた場所から微笑みを浮かべ、全体を観察していた。

 

 ──

 


 サーミルは邸内のコレクションルームに一行を案内する。壁一面に並ぶいくつもの箱、台座、ガラスケース。そして中央の純金台座に鎮座するせいらとそよか作成の猫人形たち。照明が当たり、ゆらりと影が揺れる。

 

そよか:「……なんか、雰囲気が──」


せいら:「うにゃ……(ぶるぶる)」

 せいらとそよかが身を寄せ合う。どことなく鎮座している猫人形と似た雰囲気になった。


冥冥:「ふふ……どうやら、この場所での出来事はとても思い出深いものになりそうだね」

 

 サーミルは猫人形を指差し、低く、熱を帯びた声で語る。

「この人形に宿るのは"愛情"という呪力だ。人が誰かや何かに注ぐ無償の感情──それは金よりも強く、永遠に近い。私はそれを収集し、保存し、時には世界に分け与えたい。量産という名の普及は、私の美学の一環だ」

 彼がせいらやそよかに提示する“対価”は際限なく豪華だった。資金援助、研究施設、製造ラインの整備、さらには「望むものすら与える」とまで含意する、過度に強引な約束。

 冥冥は見るからに狂喜しているが、そよかと七海は顔を曇らせる。

七海(ぼそり):「これは財力と価値観による呪いです」

 その一言が場の空気を鋭く締める。サーミルは笑みを崩さず、小休止を挟むこととなった。

「──失礼、長旅でお疲れでしょう。この場所で生活しやすい服をご用意しますので、良ければご入浴の上、お着替えを。明日の夜には宴席を設けます。今夜はどうぞごゆっくりお過ごしください」

 

 

●6

 

 客室に案内されたせいら。

「ほえー? 扉も大きいし、部屋も豪華で広いー」

 ふんふんと鼻を鳴らす。とても良い香りがする。

「せいら様」

「身の回りのお世話をさせていただきます」

 二人の女性がせいらに丁寧にお辞儀をしてみせた。

「おっ、お世話!?」

「まずはお部屋をご案内しても宜しいですか?」

 にこりと微笑み片手を上げる。

「ひえっ!? おおお、お願いしますぅ」

 緊張しまくりのせいらが深くお辞儀を返した。

 

「ほにゃー」

 金粉と白薔薇の花びらが湯に浮かび、香が静かに漂う。壁には微かな旋律が流れ、心拍を穏やかに整える音が隠されていた。

「まるで別世界だー」

 遠く沈んでゆく夕陽を眺めていると、

「せいら様、ご入浴のお手伝いは」

「いかがでしょうか?」

「にゃっ!? えっいや、大丈夫です」

「──ではマッサージの準備をしてお待ちしております」

「マママ、マッサージぃ!?」

 せいらが驚いている間にお世話係の女性たちは気配を消した。

「うにゃー」

 ぶくぶくと湯船に浸かるせいら。

 湯船すらいつも暮らしてる部屋より大きくて既にキャパオーバーしているのだった。

 

 ──

 

 先に部屋に案内されたせいらの歓声を背景に、

「……私たちは三人一部屋で構いません」

「はぁ? いきなり何を──」

 傑に肩を掴まれて悟も黙り込む。

「かしこまりました。ではこちらのお部屋をご使用ください」

 案内された部屋は、比較的見覚えのあるような内装をした落ち着いた部屋だった。

 室内の案内も断り、部屋に三人きりになったことを確認してから七海が周囲を見回してから口を開く。

「といっても、日本ではスイートルーム相当の部屋ですね」

 窓際の重厚なカーテンや磨かれた木製家具を一瞥した。

「──おそらくここは、付き添いで訪れた人用の部屋なんだろうな。まさに私たち向きだね」

 浮かれたせいらの声が遠くに聞こえて、傑は目を細めている。

 悟がサングラスを外すと、六眼が光っていた。

「オッケー。この部屋はグリーン。はじめてくれ」

 七海は背負っていた鞄からパーソナルコンピューターを取り出す。

「五条さん、携帯を貸してください」

「えぇ!? なんでだよ」

「国外使用の許可が取れてるのは、五条さんの携帯だけなので」

「仕方ねぇなぁ──ほれ! 写真データは見るなよ!」

「見られちゃまずいものでも入っているのかい?」

 傑に尋ねられ、悟は不機嫌そうにそっぽ向いた。

「そよかさんの品位を損なうような画像は削除させていただきます」

「消すなよ!! そもそも見るなってば!!」




ここまでご覧いただきありがとうございました。

●メインはpixivで活動しています。
 煌宴編の続きがあるので、
 もし少しでも気に入った方がいれば見にきてください。
https://www.pixiv.net/users/2225877
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