もしもカドックがぐだ子を召喚したら?   作:ぬぬっく

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立香さんの宝具、良い名前が思いつかない問題。
真名解放的なことしたいよね!

活動報告?ってとこでなんか募集でもしようかしら。

追記
活動報告?ってやつをしました!
そこでかっちょいい真名募集します!
来なかったらもうなんかジェネレータ使います!


第一節『ロールプレイ』

「...困ったわね」

 

思わず、そんな言葉がこぼれ出す。

それは現状の不可解さへの苦言であり、自らの運命に対する嘲笑だった。

 

サーヴァントとはそういうものだ...と言われれば、そ、そうなのね...と頷くしかないのだけど。

 

ほんと...なんなの?これ。

召喚とはまた違うわよね。

 

「おぉ、おぉ!!ジャンヌ!!お目覚めになられましたかッ!私のことが、お分かりになられますかな?」

 

横たわるは、棺の中。

 

そう...そういうこと。

大体、察しがついたわ。

 

私を見下ろす...ジルの姿。

あの時と同じ目覚め。

つまりこれは、私の始まり。

 

「えぇ、分かりますよ、ジル」

 

「あぁ!なんという奇跡!なんという天のお導き...ッ!再びこの地に、救いの聖女が舞い戻った!」

 

私は確か、あの黒女と一緒に焼き尽くされて、退去した筈だった。

けど、何故かここ(フランス)にて目覚めてしまった。

 

ここは、第一特異点...私という贋作が生まれた歪み。

時間が巻き戻った、とは考えにくい。

そして単純に過去の世界に召喚された、も違う。私は今、ジルの持つ聖杯によって生まれたわけだから。

これは、召喚ではなく生成。

 

では、どうしてこの私がサーヴァントの記憶を所持して生まれたのか。

 

考えられるのは、忘却補正が引き起こした不具合(バグ)ね。

立香(マスターちゃん)が、私の存在が確定する前の世界に、私を召喚してしまったこと。

それによって、私というサーヴァントがこの世界に認知されてしまった。

故にここで生まれた私にも忘却補正の効果が適用されることになった。

 

ざっと、こんなものじゃないかしら。

 

「さぁジャンヌ!如何しましょう。再び現界したこの地で、貴女様は何を求めるのです?」

 

「そうね...そんなもの、決まっています」

 

「おぉ!おぉ!!それは、一体!?」

 

「聖杯」

 

「聖杯!!...聖杯?」

 

「えぇ。出しなさい、ジル。持ってるんでしょ?聖杯」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、みんな揃ったようだね」

 

ロマニが、ニコリと微笑みながら、全員を一瞥する。

 

腕を組ながら少しだけ不機嫌そうにそっぽを向いているオルガマリーに対しては、特に強く微笑んでいた。

それは安心と不安が入り混ざったような表情にも思えた。

 

「...その、このまま僕が指揮を取っちゃっていいんですか?」

 

「別に、構いません。これからの私は、現場に出向く人間。なら、指揮を取れるのは貴方しかいないでしょ?」

 

「お、おぉ。落ち着いた所長はやっぱり安心感が違うね。いつもより二割増しで頼もしく見えるよ」

 

「どういう意味ですかそれは!」

 

「まぁまぁ、微笑ましい掛け合いはそのくらいに...ではロマンに代わって、私からこの作戦の概要を説明しようか」

 

ダ・ヴィンチが場の空気を引き締めるように、一つ咳払いをする。

 

「さて、カドック・ゼムルプス。オルガマリー・アニムスフィア。これは、君たちの初任務にあたる...いや、特異点Fを考慮に入れれば、二度目ではあるのかな?」

 

「任務というか...まぁ似たようなものか」

 

正直、能動的に解決しようとしたわけではなく、流れに身を任せて動いていただけだったからな。

任務ってよりサバイバルだった。

 

「今回は、七つの特異点の中で比較的時空の乱れの小さいものを選んだよ。そして、この特異点へレイシフトを行えるサーヴァントは、キャスター藤丸立香。君だけだ」

 

「サーヴァントになってもレイシフト適性があって良かったよ」

 

「うーん君とはまた時間があるときにゆっくり話がしたいものだぁ...未来の英霊と出会う機会は滅多にないからね。っと、話が逸れてしまった。とにもかくにも、君たちの第一目的は特異点の調査及び修復だ。時代がどのように歪曲してしまったのかを突き止め、正しい方向へと矯正するってことだね」

 

「難題だな」

 

「そうだね...けれど、君たちならきっと成し遂げられる筈さ。万能の天才が保証しよう」

 

ダ・ヴィンチはパチッとウィンクを一つ。

愛嬌以上に、人類を代表する美の象徴から放たれたそれはもはや芸術であった。

 

「そして、第二目的についてだね...特異点生成には確実に聖杯が関わっている。逆説的に言えば、聖杯くらいないと歴史改変なんて出来っこないからね。立香ちゃんの世界でもそうだったようだから、まず間違いないだろう。君たちには、可能な限り聖杯の調査及び回収もやって貰いたい...と、作戦に関しては以上だ。質問はあるかな?」

 

「十分に把握したわ」

 

「右に同じく」

 

「以下同文!」

 

「ふふ、気合い十分だね...さて、ロマン。君からこの若人たちに、何か言葉はあるかな?」

 

「うん、じゃあ一つだけ...怪我だけはしないように!」

 

何処か締まりのない言葉に苦笑しつつも...僕たちはレイシフトへと移行するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると...そこは見渡す限り草の生い茂った、草原のような土地だった。

 

「うん、みんないるね。良かったぁ、ちゃんと同じ座標にレイシフト出来たみたい」

 

その声の方へ視線を向けると...そこに、オルガマリーと立香の姿が見える。

ホッと胸を撫で下ろした。

 

「二人とも、時間軸の座標が確認できたわよ。ここは1431年みたいね」

 

「立香の話の通りみたいだな...つまり、この特異点で打倒すべきはジャンヌ・ダルク...もとい、その別側面であるジャンヌ・ダルク・オルタ。そして、ジル・ド・レェか」

 

「本当に、私の世界と同じならね...」

 

「ふ、不穏なこと言わないでよ」

 

「取り敢えず召喚サークルの設置だな...霊脈の強いポイントをさが...ん?」

 

とその時。

ふと、この場所に騒音が満ちていることに気づく。

 

「そう言えばうるさいわね...何かしら」

 

「...ッ!?お、おい!上見ろ、上!」

 

頭上、数十メートル。

僕は、信じられないものを目にした。

 

僕の叫声に、二人も釣られて上を見る。

 

「あ、あれは何なの!?」

 

「鳥だ!飛行機だ!」

 

「いやワイバーンだ!しかも大群...嘘だろ?ワイバーンがあんな数で群れてるだなんて、聞いたことがない!」

 

「そもそもこの時代にワイバーンがいるわけないじゃない!どうなってるのよ、これも特異点の影響なの!?」

 

これはまずい。

もしあの数が一挙に襲いかかってきたりしたら...満足に英霊召喚の出来ない僕たちは全滅してしまう。

 

サーヴァントである立香だけなら、逃げる...いや、かなり無理をすれば撃退も可能かもしれない。

 

見つかるのは時間の問題だろうし...クソ、こんな序盤から死戦の開幕か。

 

『あー、あー。よし、通信が繋がったぞ。みんな無事かな...って!?な、なんだいこの敵性反応の数は!?四十や五十じゃきかないぞ!?』

 

「頭上で大量のワイバーンが舞ってるのよ。なんてところに転送してくれるのロマニ!」

 

『ぼ、僕に言われましても!?...と、とにかく逃げるんだ!もしまだ見つかってないのなら、何とかなるかもしれn....』

 

〔キエェェェェェェェェッ!!〕

 

その瞬間...ワイバーンの一頭が金切り(ごえ)を上げる。

 

間違いない。

周囲の仲間に異常を知らせるための、獣のそれだ。

 

「あ...ごめん、目、合っちゃったみたい」

 

「立香ぁ!?」

 

...やるしかないのか?

僕の対獣魔術が、ワイバーンに通用するかどうか...

 

「ごめん、逃げよう...責任取って、殿は私がするから」

 

「逃げるったって何処に...」

 

「なら、私が先導します...私の魔術なら、この包囲網からの活路を見つけられるわ」

 

『そ、それは僕の仕事じゃ!?い、いや確かに現場にいない以上、正確な誘導は出来ないけど....』

 

「とにかく、やれることをやるしかない...」

 

...ちゃんと逃げ切れるだろうか。

四方八方から降り注ぐ即死級(人間に対して)の攻撃を防ぎながら、この大群を撒ききれるだろうか。

もしかしたら...誰かが酷い傷を負うかもしれない。

死ぬかもしれない。

 

何かないのか...確実に被害を出さず、この場を乗り切る方法が。

せめて、立香がワイバーンの撃退だけに集中出来るよう...もう一人サーヴァントがいれば.....

 

「...仕方ない、ここは令呪で.....」

 

「...すみません、そこの方々。もし宜しければ、手助けをさせて貰えませんか?」

 

「ッ!」

 

その瞬間、僕たちに歩み寄る人影を見つける。

 

「あ、貴女は?」

 

「サーヴァントだ...しかも、見覚えがあるぞ.....」

 

「はい。サーヴァントルーラー。真名をジャンヌ・ダルクと申します。貴方がたが何者なのかは存じ上げませんが...どうか、今は共に力を合わせましょう」

 

「ジャンヌ!」

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

「...な、なんとか逃げ切れたな」

 

ジャンヌ・ダルクの助力により...僕らはなんとかワイバーンたちの包囲を突破することが出来た。

 

追い掛けてくるワイバーンの攻撃を立香が引き受け。

前と左右からのブレスや爪をジャンヌ・ダルクが防ぐ。

オルガマリーが的確なルートを見つけて、ある程度距離が取れたら僕が痕跡を隠す。

 

ジャンヌ・ダルクのお陰で、安定した退路となった。

 

「ありがとう、助かったわ...えっと、ジャンヌ・ダルク?」

 

「はい、皆さんがご無事なようで何よりです...しかし驚きました。サーヴァントを召喚するサーヴァントなんて...初めて見ます」

 

ジャンヌ・ダルクは、立香を興味深そうに見つめる。

 

「あはは...自分で言うのもなんだけど、私って結構特殊な生い立ちで....」

 

「そのようですね」

 

...ジャンヌ・ダルクが協力者として存在することは、立香より事前に聞いていた。

だからそこまで驚きはない。

 

なんなら、その他の協力者...現地サーヴァントである、マリー・アントワネットやアマデウス・モーツァルト等。

敵で言えば、ジャンヌ・ダルク・オルタによって召喚されるサーヴァントたちの情報も入っている。

 

「自己紹介をしておこう。僕はカドック・ゼムルプス。魔術師であり、このキャスターのサーヴァント、藤丸立香のマスターだ」

 

「私は、オルガマリー・アニムスフィア...同じく魔術師。契約サーヴァントはまだいないわ」

 

「サーヴァントの藤丸立香です、よろしくね」

 

「はい、改めまして...ジャンヌ・ダルクと申します。えっと、その...貴方がたは、この聖杯戦争の参加者...なのですか?」

 

「いえ、部外者よ...事情を話すと長くなるけど...」

 

 

 

 

───

 

 

 

「なるほど、私にとって突拍子もない話ではありますが...信じましょう」

 

「話がスムーズで助かるよ」

 

ジャンヌ・ダルクへの説明では、ジャンヌ・ダルク・オルタ等、立香しか知り得ないような情報は省いた。

その知識がこの世界にも適用されるのか分からないし、ややこしくするのも面倒だからな。

 

「ところで...この特異点の史実から逸脱したところについて、何か知ってることはあるかしら?」

 

「例えば、だけど...その、シャルル七世が死んじゃったとか」

 

「ッ、...はい。えっと...そう、です。その通りです」

 

「何があったのかは分かるか?」

 

「.......」

 

ジャンヌ・ダルクは指を弄びながら、どこか後ろめたそうな様子を見せる。

 

「言いにくかったら、無理に答えてなくてもいいよ?」

 

「い、いえ。大丈夫です。申し訳ありません...私も風の噂で聞いただけなのですが...王は、焼かれてしまったのです...ジャンヌ・ダルクを名乗る何者かによって」

 

...これも、立香から聞いた通りだ。

 

「そのジャンヌ・ダルクを名乗る者はオルレアンを占拠し...この国を滅ぼすと宣言しているようです。あのワイバーンも、その者によって放たれ...多大な被害を各地で作り出しています」

 

『なるほど、シャルル七世が死にオルレアンが占拠された...それはつまり、フランスという国家の崩壊を意味する』

 

「なッ!?何処かから声が...魔術の一種でしょうか?」

 

『あぁ、申し訳ない。声だけで大変失礼ですが、自己紹介を。僕はロマニ・アーキマン、みんなからはロマンと呼ばれています。主に物資送ったり、彼らのサポートを担当しています』

 

「ロマン、ですか。よろしくお願いします」

 

『恐らく、この特異点の歪みは貴方の言ったもので当たりでしょう。歴史上、フランスは自由と平和を謳った最初の国であり、多くの国がそれに追随した。それが遅れれば遅れるほど、文明は停滞してしまう。まさに、人類史のターニングポイントが書き換えられたわけだ』

 

「これで、よりやるべきことが明白になってきたわけね」

 

ここまで来れば、もうこの特異点は立香の記憶と差違ないだろう。

ここから何をするべきか。

何処に行くべきか。

誰に協力を得るべきか。

立香の記憶を元に最善手を取っていくことが出来る。

 

「......」

 

しかし、立香はどうにも顔色が悪いようだった。

 

「...どうした?何か引っ掛かることでも?」

 

「い、いや、その...何だか言葉にするのは難しいけど...妙に歯に物が挟まったような気分っていうか...うーん」

 

「歯磨きはしたの?」

 

「いや、ほんとに挟まってるわけじゃ...え、挟まってないよね?」

 

「僕に聞かれても....」

 

「...ふふ」

 

ジャンヌ・ダルクが、不意に笑った。

 

「あ、すみません...その、とても微笑ましいというか...見ていて、素敵な気持ちになれる関係だなと」

 

「そ、そうか?」

 

まぁ、状況に見合わない緩んだ会話をしてしまったか。

 

「とにかく、さっさと召喚サークルを設置しよう。幸い、この近くには霊脈の反応があるみたいだしな」

 

そうして僕たちは...暫しの談笑を終え、再び立ち上がるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...憎い...あぁ、憎い憎い。全てが憎い」

 

「この国が憎い。民が憎い」

 

「全て全て、消えてしまえばいい」

 

「全て全て、滅んでしまえばいい」

 

「私を裏切ったもの全て...私がこの手で、殺してあげましょう」

 

「...さぁ...お行きなさい?ジル...私を邪魔する全てを...塵にして頂戴?」

 

「...はい...ジャンヌ・ダルクの、ためなれば」




おや?
ジャンヌ・オルタの様子が?
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