もしもカドックがぐだ子を召喚したら?   作:ぬぬっく

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石を1000個貰えると聞いてなんとなくFGOを始めたらドハマりしてしまった。



プロローグ
プロローグ・1


ある日、人類の滅亡が証明された。

原因は不明。ただ、2016年を最後に人類が滅ぶ。分かっているのはそれだけだった。

 

しかしそれから少しして、滅亡と交点を持つであろう、異常事態が観測される。

それが発生したのは、時間(とき)にして2004年、場所にして日本という島国。

つまり、過去であった。

 

マリスビリー・アニムスフィアは終末を回避する手立てとして、レイシフトによる時間遡行を提唱。

人類滅亡の原因を修復する唯一の方法であると、協議の末に作戦の決行が決定された。

 

僕ことカドック・ゼムルプスは、その作戦に対する卓越した適性能力を買われ、代表であるAチームに配属された。

 

...けど、

 

「...なんで...こんなことにッ!!」

 

視界が、赤一色に染まっている。

それは、灼熱の炎。或いは、血であるのかもしれない。

 

瓦礫や炎といった障害物に囲まれ、前も後ろも、右も左もなく、ただ僕は立ち尽くしていた。

 

突然だった。

人類救済のための初任務...そのレイシフトの直前に、前触れもなく、全てが崩壊した。

 

熱、衝撃...恐らく、爆弾でも仕組まれていたのだろう。

魔術で身体強化をしていたとしても、生身ではまず無事ではすまない。

それほどの規模と威力を持った閃光に、全てが破壊された。

 

当然、そのような爆発に巻き込まれれば、僕も只ではすまない...はずだった。

しかし爆発の直前、コフィンから僕を引っ張り出して、衝撃から庇ってくれた男がいたのだ。

 

それこそ、僕と同じAチームのメンバーであり、謎多き男、ペペロンチーノであった。

 

...男?いや男だ。

 

経歴どころか、出身すら明かさないような奴だったから、正直ペペロンチーノが実名であるかどうかさえ分からない...恐らくは偽名なのだろうが。

 

そんな一見信用ならないような奴だったけど...それでも僕は、その人柄と実力を尊敬していた。

僕にはない、特別な力を持っていた。

 

そんな男が、僕なんかを庇って...

 

「...はは、せっかくペペロンチーノに助けて貰ったってのに...これじゃ、アイツも報われないな....」

 

自嘲の笑みがこぼれる。

Aチームの生き残りは、僕だけだ。

いやAチームどころか、この組織全体の生き残りは、最早僕だけかもしれない。

ペペロンチーノに助けられ、必死に外へ逃げ出そうとしたが...もう、瓦礫と炎に阻まれてそれは叶わない。

 

つまり、最後の希望であった僕は、その役目を果たせずに、詰んだのだ。

 

...何が最後の希望だよ。

分かってた...僕にそんな役目は務まらない。

 

「あぁ、ペペロンチーノ...アンタは何を思って僕を...僕なんかを助けたんだ...」

 

せめてキリシュタリアやデイビッドを...いや、きっと僕以外なら皆なんとか出来たんだろう。

 

「...クソ...クソォッ!!」

 

炎に囲まれ、酸素が消費され...呼吸がどんどん苦しくなる。

嫌でも理解してしまう...僕という生命の終わりを。

 

このまま、何も為せずに死ぬのか?

嫌だ。

 

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!

 

終わりたくない!

こんなところで、何も出来ずに!!

 

Aチームに選ばれた時、舞い上がったさ!

こんな僕にも、何か為せることがあるんだって!

そして入った直後に打ちのめされた!

周りはみんな、僕よりも遥かに優秀な人間ばかりだった。魔術も、精神も、何もかも!

 

それでも必死に足掻いた!

追いつけないって分かってても、足掻かずにはいられなかった!

腐っても僕は選ばれた人間だったから!

彼らと同じ土俵に選ばれてたから!!

 

証明したかったんだ...こんな僕でも...世界を救えるんだって.....

 

「.......」

 

力が抜ける。

僕は、その場にへたり込んだ。

 

焼死は...苦しいらしいな。

そんなに苦しい思いをするのなら...いっそ....

 

『...コフィン内のマスターのバイタル、基準値に達していません』

 

瞬間、無機質な声が聞こえる。

 

まだシステムが生きていたのか?

 

『レイシフト定員に達していません。該当マスターを検索中・・・発見しました』

 

『適応番号6、カドック・ゼムルプス。予定通りレイシフトを開始します』

 

「...な...に?」

 

『アンサモンプログラムをスタート。霊子変換を開始します』

 

『レイシフト開始まであと3』

 

『2』

 

『1』

 

...あぁ、良かった。

まだ、終わりじゃないんだ。

 

『全工程クリア。ファーストオーダー実証を開始します』

 

そうして僕の意識は、遥か時空の彼方へと飛んでいくみたいに、消失したのだった。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

「...ォゥ...フォウフォウ!!」

 

...声が...鳴き声が聞こえた。

何処かで聞いたような...でも何処で?

 

「ん...んぅ...あぁ?」

 

意識が覚醒する。

 

「...なんだ、ここ...ってお前は...」

 

仰向けに倒れる僕の腹の上で、奇妙な生命体が跳び跳ねていた。

 

「...マシュと一緒にいた謎の動物か」

 

「フォウ!フォウフォウ!」

 

「あ、あぁ落ち着け。この通り僕は無事だよ」

 

「フォウ?」

 

「なんで言ってることが分かるかって?...なんとなくだ。一応これでも対獣魔術の家系だからな...動物の言いたいこと、そのニュアンスをなんとなく感じ取れるだけだ」

 

「フォウ」

 

...と言っても、こいつが特段賢いからってのが大きいだろう。

本当に、こいつはなんなんだろうな。

数多の生物に対する資料の宝庫、そう言える程度には色々とあった実家でも、こんな生物見たことがない。

 

...いや待て、そんなことより。

 

「...これは一体どういう状況だ?」

 

辺りを見渡すと、ここはどうやら、崩壊した都市であると分かった。

 

まるでそう、終末だ。

 

火の手はそこらそこらに立ち上ぼり、建物という建物は半壊し、人の気配は欠片もない。

 

...極めつけは、

 

「...異臭...魔獣がいるのか」

 

所感の通り、かなりの危険性を秘めた土地のようだ。

 

「そうか僕は...レイシフトでここに来たのか。つまりここが日本。特異点F、か...と言うか、フォウだったな...どうしてお前までここに?」

 

「フォウ、フォウ!」

 

「...あぁ、マシュが気になるか?...そうだな...あまり言いたくはないが、彼女の安否に対して期待は出来ないだろう。なんせあの爆発だ。いくら彼女の中に英霊が宿っていたとしても、生身の彼女じゃ──」

 

〔ピピッ〕

 

...その瞬間、装備していた通信機器に、変化が現れる。

 

砂嵐のような雑音が鳴って、酷く途絶え途絶えの不安定なホログラムが、宙に投影された。

 

ホログラムに移っていたのは、僕もよく知る男だった。

 

『あぁやっと繋がった!もしもし!こちらカルデア管制室だ、聞こえるかい!?』

 

「ッ!?ロマニか!こちらAチームメンバーカドック・ゼムルプス。現在、恐らく特異点Fにシフトしている」

 

『カドック君!?無事だったのか!それは僥倖だ!...不幸中の幸いってやつだね』

 

「状況を教えてくれ。Aチーム...いや、カルデアに何が起きた?」

 

『すぐにでも説明したいところだがすまない、どうやら通信がかなり不安定らしい。予備の電源に切り替えたばかりでシバの出力が安定していないんだ。そこから二キロほど移動した先に、霊脈の強いポイントがある。なんとかそこへ移動して欲しい』

 

「二キロ...分かった、詳しい座標をくれ」

 

『色々不安な中で申し訳ない...今は君だけが頼りだ、どうか無事で──』

 

...そこで、通信は途絶えた。

 

「...僕だけが頼り...か」

 

ため息がこぼれる。

 

僕なんかに何が出来るだろうか...

奇跡が起こらなければ、とっくに命潰えていたであろう二流魔術師に.....

 

「いや、何を考えてるんだ僕は。今はそれどころじゃないだろう...目の前の問題に集中しろ」

 

ため息を呑み込んで、僕は顔を上げる。

 

...このミッションをクリアするためには、まず。

 

「...そう、サーヴァントの召喚が必須だ」

 

サーヴァント、それは人理を守護する影法師。

実在するしない関係なく、フィクションであれノンフィクションであれ、地球に記録されていれば召喚することが出来る。

サーヴァントは強力な兵器だ。

下手すれば個人で一国に匹敵するような...地雷のような存在。

使役しようとしても、人によっては召喚者を殺すこともあるという。

...しかし、背に腹は代えられない。

 

「...フォウ?」

 

「...あぁ、危険だから離れておいた方がいい。何が出てくるか...僕にも分からないんだからな」

 

触媒はない。

本来なら、個人に合ったサーヴァントを召喚できるよう渡されていたものがあるのだが、爆発と共に塵になってしまった。

だから、そもそもこの召喚が成功するかどうかは分からない。

 

ダメ元でやってみるのもいいだろう。

ここは霊脈がそう強くもないし、むしろ失敗する確率の方が高い。

一度やってみて、無理ならロマニから貰った座標に向かってもう一度やってみればいいのだ。

 

...目を閉じる。

 

危険は伴うが...どの道サーヴァントに頼らなければ特異点は攻略できるものじゃない。

遅かれ早かれ、という話かもしれない。

なら...リスクを犯すことになろうと、やるべきなのだ。

 

「──告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よッ!」

 

魔力が迸る。

光に包まれる。

しかし魔獣たちが寄ってくる気配はない。

そもそもの魔力濃度が凄まじい空間であるが故、気取られることはないようだ。

 

(...頼む、成功しろ!)

 

少しして、光は収束を開始する。

その収束する光の中に...人影を見た。

...手の甲に、令呪が刻まれる。

 

...そして、

そして、そして、

 

「...サーヴァント、キャスター。真名、藤丸立香。召喚に応じ参上した」

 

...光が収まったとき、僕はそこに、可憐な少女を認めた。

 

「問おう...貴方が私のマスターか?」

 

「...あ、あぁ...そうだ」

 

「...って...あれ?カドック?」

 

「...え?」

 

かくして、僕の波乱万丈な旅は幕を開けたのだった。




色々噛み合って召喚できてしまった(白目)
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