ぼくのごさんけどこぉ? パルデア新米トレーナーは寝坊したようです   作:ハナワのハナ

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新米トレーナー、最近、失敗ばかりで悩む

「ここのところ失敗続き……おかしい、おかしいぞ……こんなはずではなかったのに……」

 

 マメバッタ達に一方的にボコボコにされ、捨て台詞を吐きすて逃げ帰った後のこと。

 

 いつのまに時間がたっていたのか、茜色の空が大地を照らしていた。

 周辺に他のポケモンがいないのを確認して、近場の芝生にどっさりと腰を下ろし、勢いのままゴロンと仰向けになるように寝転がる。さっきから走りっぱなしで、一秒でも早く休みを取りたいと足が訴えていたからだ。

 

 体にチクチク刺さる芝が気にならない程度には、ポケモントレーナー(笑)の俺はいいとこ無しの現状に打ちのめされていた。

 

「軽く見たつもりは無かったんだけど、やっぱり手持ちがいないのは厳しいかぁ……」

 

 過ぎたことは悩んでも仕方ない、それに今回の失敗にそれはあまり関係は無い。……それでもボヤいてしまうくらいに最初のポケモンというのは惜しかったんだけど。

 

「……ああそうか、焦りが出ちゃってたのか」

 

 最初に躓いてしまったことに焦り、取り戻そうと頭より先に体が行動してしまう……今回だけではない、悲しいことに身に覚えがありすぎる……。

 

「一匹しかいないと、高を括って飛びついたのがマズかったか」

 

 そう、ペラッペラすぎて語るほどもないこれが今回の敗因だ。

 

 芝生から離れ、孤立していたマメバッタを見つけた瞬間、焦ってマメバッタめがけてモンスターボールを投げ、特に躱されることなく明後日の方向へ飛んでいってしまった。

 

 ……まぁ、外してしまったのはいいとして(いや、よくないが)、その後、今度こそはとモンスターボールを取り出そうと腰のほうに目を向ければ、おそらく近くの芝生から様子を伺っていたのだろうマメバッタ達が下手人を取り囲んでいた……というわけだ。

 

「あー、くっそう……凡ミスかぁ……」

 

 そう、マメバッタは群れを作っていることが多いポケモンだということがすっかり頭から抜け落ちていた。

 

 頭を冷やして考えてみれば、そんな都合良く、平原ど真ん中に一匹でいる訳が無い。

 

「……これからは行動するまえに、一回立ち止まるクセをつけよう」

 

 うん、それがいい。

 無理に自分の猪突猛進な性格を直そうとするより、まて、を覚えた方が体に馴染みやすそうだ……いや俺はポチやオラチフじゃないんだぞ……。

 

 疲れがでてきたのか、取り留めのないアホことばかり頭によぎる。

 

「……なんか、いつもよりノリツッコミが寒い」

 

 いつもは、馬鹿なことを言ったらすぐにツッコミ返ってきていたのに……いや、最近は雑に片付けられることも増えてたな。

 ポチとオラチフのくだりを話しても、こちらを生ぬるい目で一瞥するだけだろう。悲しい。

 

「ふ……ふふ、いや、なんだ、変だな。いま、ちょっと……おかしい」

 

 なんでだろう、中身の無い笑いがでてくる。

 

 ふと、なにかしら行動を起こせばいつも反応を返してくれて、背伸びしがちでも、自分と同じ歩幅を歩いていた家族の顔が見えた気がした。

 

そんな、思い出すまでもない見慣れた顔を見たと錯覚したのは……

 

 

……あぁ、一人だからか。

 

 

 そんなことがポツリと頭に浮かぶと、瞬間、笑いも止まり周りが一段と冷えこんだような気がした。

 気づいたらバッグから寝袋を取り出しており、それからの行動も早かった。

 

 眠る時間でも、そんな気にもなれなかったから中に入ることなく自分に被せてたんだと思う。

 

 しばらく体を暖めているうちに、ここまで一連の行動に頭を使っていないことに気づいた。

 

 立ち止まるクセ……すっかり忘れていた。

 

「一朝一夕では、変わらないなぁ……」

 

 まぁ、気長にやっていくとしよう。

 

 旅はまだまだ長いのだ、こんなに早く焦っていたら、ただでさえ自信の無い体力が保たないのは自分が一番良く知っている。

モンスターボールの大暴投で簡単に察せられるだろうが、ウラト君は特別運動ができるわけでもないのだ。

 

 だが、そんな俺でもただ食べて、眠って、歩くことはできる。

 

 ボチボチでも、ノロノロでも、スタスタでも。

 

 一歩歩けば、一歩進むのは確かなのだから。

 

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