ちょっと色々あって前書いてたやつを書き直すことにしました。色々変わる予定なので、もしかしたら前書いてたやつで登場したものがいなくなったりしますがご了承ください。
それでは本編をどうぞ
仮面ライダーは正義の味方である。それは誰もが知る常識である。小さな子供が一度は憧れ、その姿を真似をする。世界共通の正義のヒーロー。だが、もしもそのヒーローが世界に牙を剥いたら……?
様々な種族が手を取り合い、仲良く暮らす……そんな夢のような世界が実現した唯一の街――ホロライブシティ。世界の中心に存在するホロライブシティのさらに中央には、近未来感溢れるどのビルよりも未来構造になり、雲を貫くほど高いビルが存在している。この世界で暮らす全ての種族達は、そのビルの事をホロライブタワーと呼んでいる。
あらゆる世界、あらゆる次元から少女たちが集まり、始まりの少女によるたった一人のアイドル――ホロライブが夢と希望を人々に与えていた。
そんな今、ホロライブシティは……
「さぁさぁ、怯えろ!! 恐怖しろ!!」
別世界からやってきた転生者が変身する仮面ライダー達によって蹂躙され支配されていた。数年前に始まったデザイアグランプリ……人類史上最悪と言ってもいい祭りが開催されたことで、あらゆる場所から現れた転生者達がデザイアポイント――通称「DP」を稼ぐため、主催者がその時その時適当に決めたルールを参加者はできるだけ守りながら暴れている。
今回決められたルールはただ一つ……"参加者以外に被害をできる限り加えずに恐怖心を与える"ことである。仮面ライダーの力というのは強大であり、少し殴っただけで人を殺せるほどのパワーを持つ。そのためやり方さえ間違えなければ簡単に人々に恐怖心を植え付けることができてしまう。
今暴れているこの転生者の頭の中にはそんなルールを守ることなど微塵も入っていないが、現在参加者以外を無闇に傷つけていないため一応ルール違反ではない。
「ひひ……合法的に暴れられるって最高だわぁ!! 元の世界だとこういうことすると捕まるからなぁ!!」
元の世界で犯罪を犯すことの快楽に魅入られ殺人や窃盗を繰り返し何度も刑務所に入れられたこの転生者は、自ら命を絶ち罪を償う機会を手放してこの世界に転生してきた。そしてとある神により仮面ライダーの力を与えられ、デザイアグランプリに参加することで暴れられる機会を伺っていた。
ルール上転生者のやりたい放題できるものが時々訪れる。それを辛抱強く待ち続けたこの転生者は、今がその時だと感じたのだ。
「あん……? おぉ、おぉ……こんなところにかわい子ちゃんいるじゃねぇのさ」
転生者の視線は瓦礫の間に脚が挟まり動けなくなっている一人の少女を射止める。その視線には
白い髪から覗く大きな獣耳とお尻から生えている五芒星の入った尻尾が特徴的な少女の名は白上フブキ。ホロライブで活躍するアイドルの一人だ。
仮面ライダーがホロライブシティで暴れていると聞きつけ、他の住人達を逃がしていた彼女は上から降ってきた瓦礫の下敷きになってしまいこうして動けなくなっていた。
「ひっ……こ、来ないでください!!」
「へへっ! いいねいいねぇ!! その怯えよう最高だぜぇ」
カチャリ、カチャリ……
転生者は瓦礫に挟まっているフブキに近づく。わざわざ変身を解除しニタニタとゲスい笑みを浮かべながら。
カチャリ、カチャリ……
そうしてフブキの目の前で転生者が立ち止まる。その場にしゃがみこみ、フブキの顎を掴む。
「なぁ、助かりたいか? 助かりたいよなぁ? だが残念、お前は助からな〜い」
腹を抱えてフブキを指差し、口を大きく開けて嘲笑う。それにフブキは拳を強く握りキッと睨みつける。このホロライブシティには自分から犯罪を犯そうなどと考える輩は一人もいない。世界唯一の平和な街であることがこのホロライブシティを表すものだからだ。それを平気な顔で壊そうとし、なおかつ楽しんでいる存在にフブキは何もできないとわかっていながらも怒りが湧き上がってきていた。
「それじゃあ、お遊びはこれくらいにしようかなぁ〜」
「そうか? もっと遊んでいけよ」
「あ……?」
邪悪な笑みをいっぱいに広げフブキに手を伸ばそうとした男は、突然後ろから声をかけられたことに唖然とし後ろを振り向く。そして飛んできたのは誰かの拳だった。
「ぐひゃ!?」
「……ふん」
吹き飛ぶ男に鼻を鳴らしフブキを助けたのは自分と年の近い少年だった。仏頂面な表情をした少年を眉を寄せしわを作っていて、見るからに苛ついていることがフブキにはわかった。
「な、なんだテメェ!!」
「うるせぇよ。お前みたいなクズに名乗ってやる気なんかねぇ……どうせここで倒されるんだ」
少年の言葉に転生者が怒り狂うように地団駄を踏むと、その転生者の腰にベルトが出現する。そのベルトを見た少年は目を細くしフブキは驚いたように見開く。
「てめぇ、許さねぇからなぁ!! この俺様をバカにしやがってぇ!!」
転生者がベルトの右側にあるスイッチを押すとその姿を徐々に変えていく。それは赤を基調としたクワガタをモチーフとした仮面ライダーだった。だがどこか歪んだような形をしている。強いて言うなら現実的な生物に近づけた、と言ってもいいだろう。
その名は仮面ライダークウガ・マイティフォーム(S.I.C)である。その姿を見た少年は一つ舌打ちをすると、懐から牛のマークがついたコアがはめられたデザイアドライバーを取り出し腰に装着させる。そして肋骨と門を合わせたような形状のバックル――ゾンビレイズバックルをデザイアドライバーにセットさせる。
『SET』
左手で右腕を払うような動作をしたあと小指と親指を突き出しながら胸をなぞり、上半身をわすかに後ろへ反らしてから左手を掲げる。
「変身!!」
そしてサイドに頭蓋骨を模した「ウェイキングキー」を回し、ウェイキングキーを回すことにより扉が開き中からゾンビの手を模した「インベードハンド」が飛び出す。
『ZOMBIE』
少年の体が黒い素体姿――エントリーフォームになると、デザイアドライバーから「ZOMBIE」と表示されたエフェクトが紫色のまるで肋骨状の模様が浮かぶ装甲「アンデッドチェスター」に変化し、エントリーフォームの上半身に装着される。それと同時に左腕には毒を作り出す「ポイズンチェンバーアーム」が実装され、そこから更にオレンジ色の鋭い爪のような見た目をした「バーサークロー」が延びている。
『READY FIGHT』
紫色の闘牛を模したマスク――バッファヘッドの複眼が一瞬だけオレンジ色に光り、仮面ライダーバッファへと変身した少年は右手に装備したチェンソー型の剣――ゾンビブレイカーを肩に担ぐ。
「なっ……てめぇ、まさか……不死身のバッファ!?」
「なんだ、俺のこと知ってるじゃねぇか」
驚愕するS.I.Cクウガに鼻で笑ったあと後ろにいるフブキに視線を向け、視線を向けられたフブキは一瞬だけ身構える。
「危ねえからそこから動くなよ。まぁ、動けねぇと思うがな」
フブキの方から視線を戻したバッファはゆっくりと歩き出しながら左手でちょいちょいと相手を煽るように指を動かす。それにより頭に血が上がり頭をかきむしるような動作をしたS.I.Cクウガは「調子乗るんじゃねぇぞぉゴラァ!!」と走り出す。
S.I.Cクウガの勢いに乗った拳を胸で受け止め、その胴を蹴るとゾンビブレイカーで斬り上げる。宙に浮いたS.I.Cクウガを振り下ろしたゾンビブレイカーで地面に叩きつけ、そして動けないように踏みつける。
もう一度ゾンビブレイカーを肩に担ぎゆっくりと動かしてデッドリーポンプを刃先まで上げることで、ゾンビブレイカーを必殺待機状態へと移行させる。
【POISON CHARGE】
poi-zom圧力の向上によりテリブルチェーンの回転数が大幅に上昇し、高速回転する刃先に毒々しいオーラを纏っていく。ゾンビブレイカーを何度も何度もS.I.Cクウガに叩きつけるように斬り裂く。毒が体内に注入され続け苦しそうにうめき声を上げるS.I.Cクウガだが、バッファにより踏みつけられているため動けずどんどんゾンビブレイカーの斬撃を食らっていく。
「これで終わりだ」
踏みつけていた足をどかしS.I.Cクウガの襟を掴んで無理やり立たせるとバッファヘッドで思いっきり頭突きをし、そしてもう一度ポイズンチャージを行ってデッドリーポンプを戻す。
【POISON CHARGE】
【TACTICAL BREAK】
更に回転率が上昇し威力が底上げされたゾンビブレイカーの刃先をS.I.Cクウガの腹に押し当て、上空へと吹き飛ばす。そしてゾンビブレイカーの刃先が回転をやめるのを確認すると後ろを振り向き歩き出す。その背後で落ちてきたS.I.Cクウガが爆発した。
「つ、強い……見たことない仮面ライダー、だ」
一連の流れを見ていたフブキがそう呟く。その声が聞こえたのかバッファがフブキの方へ顔を向ける。フブキは突然視線を向けられたことに驚き萎縮する。
バッファはそんな事お構い無しにフブキの元へ近づくと。ゾンビブレイカーを地面に突き刺し瓦礫を持ち上げ放り投げる。
「あ、ありがとう……」
助けられたことにお礼を言うがバッファはその言葉を無視するようにゾンビブレイカーを手にして去ろうとする。
「あ、待って!!」
それを見てフブキは咄嗟にバッファを呼び止めてしまう。だが幸いにもバッファは足を止めてフブキの方を見ている。フブキは意を決して口を開いた
「あ、あの……お名前は!?」
なぜそんな事を聞いてしまったのか、そう考えて恥ずかしくなるフブキは自分の服を掴む。
「……バッファ。仮面ライダーバッファだ」
だがバッファは小さくそう答えると今度こそ足を止めることなく歩き出した。
残されたフブキは心臓を掴むように手を添えると、
「……バッファ」
嬉しそうにその名前を呟いた。
〜〜〜〜〜〜
仮面ライダーバッファとS.I.Cクウガが戦闘を行っていたホロライブシティの上空に存在する天空都市メサイア。空に浮かぶ巨大な都市の中央に建てられたデザイア神殿。その頂上に一人の青年が立っていた。
黒を基調とした民族衣装のような格好をした青年は、黒いキツネのお面の下からフッと笑みを零した。
「どうやら祭りは順調のようだな」
人類史上最悪な祭りであるデザイアグランプリを開催した主催者である青年――浮世英寿はあらゆる世界中で繰り広げられている戦いを嘲笑する。
自らの欲望のために戦う彼ら。自分の敵にもならない存在でしかないのに、別世界の神が寄越した決壊品。
「せめてこの俺を倒せるくらい強いやつだったら良かったがな」
「だったら俺が相手になろうか?」
ありとあらゆる戦いを見ていた英寿に声を掛ける存在が現れる。その声に英寿が振り返れば、どこかお人好しな気配を感じさせる茶髪の青年が立っていた。
人の良さそうな柔和を笑みを浮かべていながら、まるで魔王の如き鋭さを併せ持った瞳。
それは王の風格。ただそこに立っているだけで威厳があり堂々としていて、その雰囲気に英寿は呑まれかけるほどであった。
「ふっ……まさか、魔王様直々にやってくるとはな? だが忘れたのか? あの時、お前は俺に手を出さなかった。いや、出せなかったはずだぜ?」
「それは未来の俺のほうでしょ? 確かに未来の俺は色々やることも多いし、守らなきゃいけない……でも俺は違うよ」
青年――常磐ソウゴは柔らかい笑みを消しジクウドライバーを取り出すと腰に装着する。
「俺とやろうって? はっ! 未来のお前ならともかく現代のお前じゃ俺の相手にもならねぇよ」
同じように英寿もデザイアドライバーを腰に装着する。
「どうかな? やってみないと分からないと思うけど」
ソウゴはジオウライドウォッチを取り出しウォッチをウェイクベゼルを回して起動させる。
\ジオウ!/
それをジクウドライバーの左側にセットし、ベルト天面のボタン「ライドオンリューザー」を押して回転待機状態に移行させる。その後ソウゴの背後に半透明の大きな時計エフェクトが現れると、
「変身!」
変身待機音が流れる中覚悟を決めた掛け声とともにベルト本体「ジクウサーキュラー」を反時計周りに360度回転させる。その瞬間ベルトを中心に世界が1回転する。
時計の針がジオウの頭にあるそれと同じ10:10を指し、時計の文字盤に「ライダー」の文字が出現。直後、ソウゴの周囲を無数の金属製腕時計のバンドの輪の様なエフェクトが回転してジオウのスーツを装着され、背後の「ライダー」の文字がジオウの顔にセットされ変身が完了する。
英寿は取り出したⅩギーツレイズバックルを二つに分離し、デザイアドライバーの両側にセット。その後両手をクロスさせフィンガースナップをした後、バックルを操作する。
「……ふっ、変身」
ブーストスロットルレバーを引くとバックルからは禍々しい紫の炎と黒い霧が吹き出し、それと同時に円盤状のエフェクトが「ⅩGEATS」のロゴへと展開、更に黒いレジェンドキュウビが現れ、黒狐の周りに9本の紫の炎を光の柱として立ち上がらせながら駆け上がると共に「ⅩGEATS」のロゴが一瞬だけ「ブーストフォームマークⅢ」の様なアーマーに展開され、すぐさま下半身アーマーとなって移動する。
『DARKNESS BOOST』
『X GEATS』
黒いレジェンドキュウビは黒狐の周りを駆け上がり、上半身のアーマーとマスクに変化し、紫色の光の柱達がねじるように黒狐を囲みと同時にアーマーが装着され、目が開かれるように紫色の複眼が現れる。その後地面から現れたエネルギーが「黒いギーツテールナイン」となり背後から黒狐を覆い被さる様にアーマーが装着される事で変身が完了する。
ジオウとクロスギーツ、二人の複眼が一瞬だけ輝くと、
『READY FIGHT!!!!』
その拳を思いっきりぶつけたのだった。
どうだったでしょうか?
変わった部分もあれば変わってない部分もありますが、楽しんで読んでいただければ嬉しいです!!
感想や誤字報告などお待ちしております!
それではまた次回でお会いしましょう!