ホロライブライダーズ 不死身の紫牛   作:プロトタイプ・ゼロ

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めっちゃ投稿までの期間長くなったけど、なんとか投稿できた。仕事や普段の生活が忙しかったり、なんか知らんけどデータバグって消えたり戦いながらなんとかここまでこれた……!


第六話「ナンバーワンのはぐれ一匹」

 

「そう言えばさ、お前……名前なんて言うんだ?」

 

「天野迅」

 

「ほぅ……? 坊主、随分と珍しい名前してんな」

 

 仮面ライダーザモナスの襲撃から数日が経ち、白上フブキは迎えに来た大神ミオによって連れて行かれ(本人はとても残りたさそうにしていたが、迅の必死の説得と普段見ることのないミオの怒った顔を見て顔を引き攣らせながら渋々帰っていった)、残ったアマゾンの力を持つ3人は一緒に行動をしていた。

 

「お兄さんはなんていうの?」

 

「俺? 俺は水卜(みうら)ハルカ。なんか知らんけどえげつねぇほど事件が起こる世界に転生した元一般人だ」

 

「そうなんだ……」

 

 アマゾンの時点で元一般人なわけねぇだろと思ったし、なんだえげつねぇほど事件が起こる世界と龍真は思ったが口には出さなかった。同じことを迅も思ったが空気が読める子供なので口には出さなかった。

 

「おじさんは?」

 

「おいおい、おじさんはよしてくれ」

 

 純粋な視線と共に降ってくる言葉に龍真は苦笑する。頭をガシガシと掻き乱し、ため息を吐いた。

 

「さっきも名乗ったが俺は霧島龍真。ただのアマゾンだ」

 

「ただのアマゾンは理性保てない」

 

「奇跡的に理性を保てたからな……運が良かっただけさ。坊主はアマゾンアルファだよな? 俺の記憶が正しけりゃアマゾンアルファの変身者は別人のはずなんだが」

 

 その質問に対して迅は少しだけ驚いた表情を見せる。少し踏み込みすぎたか、と内心冷や汗をかきながらも決してそれを表に出さないように龍真は迅を見つめる。心なしかハルカも興味あり気に見えた。

 

「僕のお父さんは鷹山仁。その遺伝子をそのまま継いだせいか、僕はアマゾンアルファになれるようになった、らしい」

 

「らしい……?」

 

(やはりか……坊主の親父はあのクソ野郎ってことか)

 

 曖昧な答え方に首を傾げるハルカに対して、龍真は納得がいったのか少しだけ顔をしかめる。

 

「うん。黒服さんがそう言ってたから」

 

 二人の心の中で「誰だ黒服って」と思ったが、口に出さないほうが良いと判断した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……またバイトが潰れやがった」

 

 最近圧倒的に運に恵まれていないなと道長は感じるようになった。自分が応募したバイト先でことごとく事件のような事が発生したり、店長が横領をしていたことが発覚して店が潰れたり、新しくできたバイト先で殺人事件が発生して三人組の男たちが事件を解決したり、なんともかわいそうなレベルで運がなかった……あとなぜか事件が起きれば少年が飛び出してきて年の近そうな少年と保護者みたいな男に怒られていたが。

 

「ったく……稼ぐのは苦労するって言うが、世間での苦労ってのはみんなこんなものなのか?」

 

 他の人が聞けば1000%怒るであろう失礼発言をかますほど余裕がなくなっていた。あとそんな頻繁に事件が起こるバイトなんてものは存在しない。

 

「わかる。働くのって全然楽じゃねぇよなー」

 

 そんな道長の愚痴を肯定するかのように隣にドカッたと座った青年がそう言葉をこぼす。適当に地面に生えてた花を取り口に咥えて蜜を吸う。

 

「はぁ……今日のご飯もこれか」

 

「えっ……ちょ、おま……それが……ご飯……?」

 

 青年が手に持つ花を見て道長が驚く。初対面な事とか関係なくなるくらい驚いていた。そんな道長に対して青年は「何をそんなに驚いてんだ?」とでも言うかのように首を傾げた。

 

「見てわかんだろ」

 

「いやわかるけどよ……あー……よかったら食うか?」

 

 自分が食べるために買ってきていたおにぎりを一つ袋から取り出す。それを差し出すが青年は眉を顰めて受け取ろうとはしなかった。

 

「それお前のだろ? いいのかよ」

 

「目の前で腹をすかせて倒れそうなやついたら誰でも渡すだろ」

 

 誰でも渡さないしなんなら普通の人は無視するだろうが、道長は見捨てることができなかった。青年の手を掴み強引におにぎりを持たせる。具は牛肉である。

 

「こんなんしかねぇけど食わねぇよりかはマシだろ」

 

「……そうかよ。まぁ、感謝しといてやるぜ」

 

 地味に上から目線な言い方だが道長は別に苛つくことはなかった。むしろ心配が勝っていた。このまま放っておいたらどこかで野垂れ死ぬのではないかと。

 

「別に。お前がどうなろうと俺の知ったことじゃない。だが、目覚めが悪いだろ」

 

「……いいやつだな、お前」

 

 純粋な感謝の言葉。それはとてもむず痒くなり道長は顔をそらす。青年はよほど腹をすかせていたのか渡されたおにぎりをほぼ二口で平らげた。

 

「ふぅ……うまかったぜ。サンキューな。あ、俺は吠。遠野吠だ」

 

「芙蓉道長だ。別に覚えておかなくていい」

 

「はっ……なんだそりゃ」

 

 お互いに自己紹介を述べそして笑う。なぜかは分からないが、吠とは仲良くなれそうだと感じていた。そんな時だった……二人の耳に悲鳴が聞こえたのは。

 

 悲鳴を聞いた道長と吠はすぐさま行動に移した。即座に地面を蹴り、現場に向かっていく。

 

 暴れているのは人型の怪人だった。頭部にはカブトムシを模した角があり、肩や肘、太ももに膝といった関節部分には筋繊維のようなものが存在し、外骨格に覆われた甲虫らしさが感じられる。目の色は金色でありその体には電撃を模した装飾が施されてあった。

 

 名はゴ・ガドル・バ。グロンギ族のゴ集団最強3人衆の一人でゴ集団のリーダー格とされ、とある世界である戦士と壮絶な戦いを繰り広げた存在である。

 

「なんだあいつ……それに、腰のアレ」

 

 吠の疑問に道長も視線をよこす。ゴ・ガドル・バの腰には見慣れないベルトがあった。鷹のレリーフのような紋章が施されている。道長達の存在に気付いたゴ・ガドル・バが視線を向け、そして一目散にタックルを仕掛けてきた。それに対して二人は同時に両側へ跳びその攻撃を避ける。

 

「はん。なんだか分かんねぇがやるってんなら相手になってやるぜ! エンゲージ!」

 

 吠が黄金の指輪を引き抜き、青い刃のついた手のような武器にセットする。

 

【クラップユアハンズ!】

 

「は……? なんだ、そりゃ……?」

 

 隣で混乱する道長を無視して吠は顔の横で黄金の手のような武器に左手でクラップを2回する。その後足のステップを2回行い、なぜか再び顔の横でクラップを1回行う。

 

 その後、前方に向けて黄金の手のような武器で大きな円を描き、腰の前でクラップを2回行い、頭の上で円を描く様にターンしながら頭の上でクラップを1回行う。

 

【ウォーオオッオー!オー!ゴジュウウルフ!ウォーオオッオー!オー!オー!】

 

 狼を模した赤い姿へと変身した吠の姿に終始頭に「???」が浮かぶ道長。吠――ゴジュウウルフはゴ・ガドル・バに向けて親指と人差し指で円を作って覗き込む。

 

「はぐれ一匹、ゴジュウウルフ! お前は俺の……獲物だ!」

 

 覗き込んだ後握り拳を作って狼のような遠吠えを上げてから向かっていく。飛びかかるようにジャンプしながら黄金の手のような武器――テガソードで斬りつける。 

 

 野生の獣を思わせる荒々しい戦いぶりに、ゴ・ガドル・バも闘志を滾らせ受け止め反撃を行う。だがゴジュウウルフの俊敏な動きでゴ・ガドル・バの拳や蹴りを避け、逆にカウンターをお見舞いする。

 

「すげぇ……って、じゃねぇ! 変身!」

 

 その光景に圧倒されていた道長も戦うためにデザイアドライバーにゾンビバックルをはめ込み変身する。周囲から襲いかかってくる黒いスーツの怪人――ショッカー戦闘員にゾンビブレイカーで斬りつけた。

 

「なっ……お前も変身できるのか!? あ、いてぇ!?」

 

 仮面ライダーバッファに変身した道長に驚き振り向いた隙を突かれ、ゴ・ガドル・バに顔面を殴られる。そのままバク転をしながらバッファの隣に合流した。

 

「んだよ。お前も戦えんなら早く言えよ」

 

「お前が突っ走って行ったんだろうが!!」

 

 ゴジュウウルフのぼやきに若干切れながら油断なくショッカー戦闘員達を倒していく。隣のゴジュウウルフもショッカー戦闘員を倒しながらゴ・ガドル・バの動きに注意を向けていた。

 

「で、アイツどうすんよ?」

 

「あ? んなもん決まってるだろ」

 

 二人の視線がゴ・ガドル・バに向き、闘志を剥き出しにする。

 

「「ぶっ倒す!!」」

 

 それを見てゴ・ガドル・バは少しだけ笑ったような感じがした。

 

 バッファがゾンビブレイカーにあるデッドリーポンプを刃先まで上げることでpoi-zom圧力の向上によりテリブルチェーンの回転数が急速アップし、刃先に毒々しいオーラを纏う。そのまままだ襲いかかってくるショッカー戦闘員達を斬り倒しながらゴ・ガドル・バに近づきゾンビブレイカーを振り下ろした。だが、

 

「なっ……かてぇ!!」

 

 回転数の上がったテリブルチェーンが止まりゴ・ガドル・バの肩から火花が散る。振り下ろされた顔であるゴ・ガドル・バは特に痛がる素振りも見せず、その堅牢な守りで逆にバッファの手が痺れた。

 

【POISON CHARGE TACTICAL BREAK】

 

 だったらとデッドリーポンプをゴ・ガドル・バの肩を利用して上部までスライドして再度ポイズンチャージをし、素早くデッドリーポンプを戻してトリガーを押す。そのまま何度も斬撃を浴びせていく。

 

「ゴンバヂバサゼ ボソゲバギゾパ」

 

「なに!? って、うおぉ!?」

 

 不意に何やら言語を放ちながらゾンビブレイカーを掴みバッファを投げ飛ばす。その後邪魔してくるショッカー戦闘員と戦闘を行っていたゴジュウウルフに向けて電撃を込めた錐揉みドロップキックを放った。

 

「なっ……あぶねぇ!!」

 

 だが間一髪のところでバッファがゴジュウウルフを押しのけ代わりにドロップキックをゾンビの不死性を利用して受け止める。だが、その威力は凄まじく吹き飛ばされたバッファは壁を何重も貫いたあとぐったりと地面に倒れた。

 

「あ、おい……!? ってこの……!! 邪魔すんじゃねぇ!!」

 

 バッファの下へ向かおうとするも無限に湧いてくるショッカー戦闘員に邪魔され、襲ってくるゴ・ガドル・バによる攻撃を避けるのに精一杯だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その光景を遠くのビルの上に立つ、暁の鎧を身に纏った錬金術師が見ていた。

 

「私も動くとするか……この世界の未来のためにも」

 

 そう呟いたあと暁の仮面ライダーはビルから飛び降りた。

 

 

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