もう本当に終わります。
あと一話です!
お待たせして申し訳ありません。
あと本当にもう少し作者の駄文にお付き合いください。
崩れ落ちたタイラント級の巨体の傍ら。
砂煙の中で、紅蓮はただ一人、立ち尽くしていた。
刀はまだ抜き放たれたまま。
切っ先からは、黒い機械油が雫となって滴り落ちている。
だが――その姿には、勝者の気配など欠片もなかった。
ただ、空っぽだった。
そこに立っているのは、戦士ではない。
復讐を果たした者でもない。
何もかもを喪い、最後に残った感情すら焼き切れてしまった亡霊のようだった。
赤く染まった瞳は虚ろに揺れ、焦点はどこにも定まっていない。
刀を握る手は、小刻みに震えている。
まるで――自分が今ここにいる理由さえ、分からなくなっているかのように。
吹き荒れる風が、紅蓮の白い髪を揺らした。
その姿を見つめながら、ラプンツェルはゆっくりと一歩前へ出る。
「紅蓮?さぁ、終わりましたよ?刀を納めましょう」
その声は、どこまでも優しかった。
幼子を寝かしつける母親のように。
傷ついた友を安心させるように。
決して刺激しないよう、慎重に。
壊れてしまいそうな硝子細工へ触れるような声音だった。
紅蓮は反応しない。
ただ、ゆっくりと首だけを動かし、ラプンツェルを見る。
その瞳に、認識の光は薄い。
だが、完全に失われているわけでもない。
だからこそ、恐ろしかった。
スノーホワイトは、ラプンツェルとは反対側から静かに接近していた。
呼吸を殺し。
足音を消し。
白い外套を風に揺らしながら。
その手には、指揮官から渡された一本の注射器。
ニケを強制的にシャットダウンさせるための薬剤。
これを打ち込めば、紅蓮は眠る。
そして、思考転換を止められる。
――逆に言えば。
紅蓮は、記憶を失うことになる。
だが、今、この瞬間を逃せば、もう二度と止められないかもしれない。
スノーホワイトは歯を食いしばる。
『すまない、紅蓮』
胸の内で、静かに詫びた。
彼女は知っている。
百年。
百年以上だ。
紅蓮がどれだけ、その男を想い続けていたのかを。
どれだけ孤独に耐えてきたのかを。
どれだけ、再会を願っていたのかを。
ようやく届きそうだったその願いを、目の前で踏み潰された。
壊れない方が、おかしい。
だがーーだからといって。
ここで彼女を、人類の敵にするわけにはいかなかった。
ーー紅蓮の大切な記憶が無くなろうとも。
ラプンツェルはなおも優しく語りかける。
「紅蓮? 私の声が聞こえますか? 私が分かりますか?」
一歩。
「もう大丈夫です」
一歩。
「戦いは終わりました」
一歩。
「だから――帰りましょう」
紅蓮の肩が、ぴくりと震える。
その反応を見たラプンツェルの瞳に、僅かな希望が灯る。
届いている。
まだ、完全には壊れていない。
紅蓮の唇が、微かに動いた。
「……マス、ター……?」
か細い声。
消え入りそうな、壊れた音。
「どこ、に……?」
その瞬間。
ラプンツェルは息を呑んだ。
胸が締め付けられる。
思考転換を起こしかけ、人格が崩壊し始めているその最中でさえ。
彼女はまだ。
まだ、マスターを探している。
愛した人を。
百年待ち続けた人を。
ラプンツェルの瞳に、涙が滲む。
「……紅蓮」
声が震える。
それでも、彼女は微笑もうとした。
「さぁ、一緒に……マスターを探しましょう?」
その言葉に。
紅蓮の瞳が、僅かに揺れる。
「……さが、す?」
その瞬間だった。
スノーホワイトが跳躍する。
地を砕く勢いで踏み込み、一気に距離を詰める。
狙いは首筋。
一瞬で終わらせる。
「許せ、紅蓮!!」
叫びと共に、注射器が突き出される。
だが。
「――な?」
スノーホワイトの目が見開かれる。
刺さらない。
いや――止められていた。
紅蓮は、後ろを見てすらいなかった。
それなのに。
彼女は片手で、スノーホワイトの手首を掴み止めていた。
まるで最初から、そこへ来ると分かっていたかのように。
ギリッ、と。
握力だけで金属が軋む。
スノーホワイトの背筋を冷たいものが走る。
紅蓮が、ゆっくりと振り返る。
その瞳には。
先程まで残っていた僅かな迷いすら、消え始めていた。
「……キサマも」
低い声。
彼女の声とは思えないほど冷たい響き。
「……ウバウのか?」
瞳の奥で、憎悪が膨れ上がる。
「……ワタシから」
その瞬間。
ラプンツェルが叫んだ。
「スノーホワイト!! 離れてください!!」
反射だった。
スノーホワイトは即座に身を引く。
次の瞬間。
紅蓮の刀が振るわれる。
キィィィン
甲高い斬撃音。
空間そのものが裂けたような一閃。
スノーホワイトの白い腹部に、細い裂傷が走る。
ほんの紙一重。
あと数センチ深ければ、胴体ごと断たれていた。
スノーホワイトの額から冷や汗が流れる。
紅蓮は刀を下ろしたまま、低く呟く。
「ワタシから、うばうモノは……」
瞳が赤く濁っていく。
「……ミナ、シヌがいい」
その声には、もう理性の温度が無かった。
ラプンツェルの顔が青ざめる。
「……だめ……!」
もう呼びかけが届かない。
もう、時間が無い。
スノーホワイトは静かに構えを取る。
「……分かったよ、紅蓮」
苦しげに。
本当に苦しげに。
「やりたくはないが……力づくだ」
次の瞬間。
三人の姿が同時に消えた。
――轟音と共に空気が爆ぜる。
紅蓮とスノーホワイトが正面衝突する寸前、ラプンツェルが横から飛び込み、紅蓮を羽交い締めにする。
「紅蓮!! 目を覚ましてください!!」
だが。
紅蓮は止まらない。
その細身からは想像もできない力で、ラプンツェルの身体を背負い投げのように叩きつける。
「ぐっ……!」
そこへスノーホワイトが踏み込む。
注射器を打ち込むため、最短距離で接近する。
しかし。
紅蓮の肘打ちが、先に入った。
鈍い衝撃音と共にスノーホワイトの身体が吹き飛ぶ。
倒れ込んだラプンツェルが起き上がり、再びタックルのように飛び込む。
紅蓮は地面へ倒れ込むが、その瞬間。
脚を捻り、反動で跳ね起きる。
そのまま回転蹴りで、ラプンツェルの身体が宙を舞う。
そして次の瞬間には、接近してきたスノーホワイトの顔面へ拳が叩き込まれていた。
全て、一瞬。
あまりにも速い。
カウンターズですら、その動きを完全には追えない。
「な……」
アニスが息を呑む。
「これが……」
ラピも絶句する。
伝説。
かつて地上を戦い抜いた最強の部隊。
ゴッデス。
その部隊にいた、三人の戦闘。
それはもはや、“戦い”ではなかった。
人智を超えた怪物同士の衝突だった。
ーーーーーー
衝撃音が、止まらない。
紅蓮。
スノーホワイト。
ラプンツェル。
三人の戦闘は、もはや視認すら困難だった。
衝突のたびに空気が裂け、瓦礫が弾け飛び、衝撃波が地面を抉る。
その中心にいる紅蓮は、既に人の域を超えていた。
刀が振るわれるたび、白銀の軌跡が夜空を裂く。
その斬撃には、技術も理性も存在していた。
だからこそ恐ろしい。
暴走ではない。
ただ狂っているだけでもない。
怒りと憎悪だけで、なお完璧な剣技を振るっている。
「ど、どうする!? 指揮官様! 失敗しちゃったわよ!」
アニスの悲鳴のような声が響く。
その顔は青ざめていた。
無理もない。
誰もが、成功すると信じていたのだ。
ラプンツェルの呼びかけ。
スノーホワイトの奇襲。
タイミングも距離も完璧だった。
それを、紅蓮は真正面から凌駕した。
指揮官は歯を食いしばる。
奥歯が軋む。
嫌な汗が背中を伝っていた。
『失敗した』
その事実だけが、重く胸に沈む。
「私達も加勢しますか?」
ラピが低く問う。
その声は冷静だった。
だが、瞳の奥には覚悟が宿っている。
ネオンは顔を引き攣らせながら、戦場を見た。
「あれに……割って入るんですか?」
恐怖を隠しきれない声。
当然だった。
目の前で繰り広げられているのは、通常の戦闘ではない。
最強クラス同士の殺し合いだ。
そこへ飛び込めば、余波だけでただでは済まない。
「指揮官! いきましょう! 早くしないと!」
マリアンの声だけが切迫していた。
今にも泣き出しそうな顔で、紅蓮を見つめている。
彼女には分かるのだ。
紅蓮が、もう崖際に立っていることを。
あと一歩で、本当に戻れなくなることを。
指揮官は答えられない。
苦悩する。
視線の先では、紅蓮の刀が再び閃いていた。
スノーホワイトが弾き飛ばされ、ラプンツェルが瓦礫へ叩き込まれる。
『もはや、思考転換したと考えるべきだ』
冷徹な判断が脳裏を過る。
ニケは、人類を守る兵器。
そのニケが人類へ牙を向けるなら。
――破壊するしかない。
それが現実。
それが指揮官という立場。
だが。
指揮官の脳裏に浮かぶのは、マスターの姿だった。
自らを犠牲にしてまで、皆を守ろうとした男。
再会のためだけに、ここまで来た男。
その想い人を。
自分が撃つのか。
喉が焼けるように痛む。
それでも。
指揮官は、震える声で命令を下した。
「……分隊。攻撃準備だ」
空気が凍る。
ラピが静かに目を伏せる。
アニスは唇を噛む。
ネオンは拳を握り締める。
マリアンは、絶望したように指揮官を見る。
だが、誰も反論できない。
これしか方法がないと、理解してしまったから。
指揮官は、苦しげに続ける。
「こうなった以上……彼女を、破壊するしかない」
その瞬間だった。
何かが、こちらへ飛来する。
ヒュン――と風を裂き、地面へと転がった。
それは、注射器だった。
「……ッ!?」
全員の視線が前方へ向く。
ラプンツェルは地面へ倒れ伏し。
スノーホワイトは膝をつき。
その首筋へ、紅蓮の刀が添えられていた。
勝敗は決していた。
「マズイ!! 分隊、攻撃――」
指揮官が叫びかける。
だが。
その言葉は最後まで紡がれなかった。
何故なら。
注射器を拾い上げた“男”がいたからだ。
ーーーーーー
「――……ゴホッ!! ガハッ!!」
激しい咳き込みと共に、男は目を覚ました。
砂が舞う。
肺の奥に入り込んだ砂塵を吐き出すたび、焼け付くような痛みが喉を裂く。
マスターは、崩れるように砂地へ片膝をついていた。
荒野の端。
タイラント級の一撃によって吹き飛ばされ、戦場から遥か離れた場所まで叩き飛ばされていたのだ。
本来なら即死だった。
あの質量。
あの衝撃。
人間が耐えられるものではない。
直撃を免れたとはいえ、衝撃波だけで肉体など容易く粉砕されるはずだった。
だが。
彼の肉体は、常人ではなかった。
幾度もの戦場を生き抜くために強化された身体。
義肢によって補われた肉体。
そして何より――落下地点が砂地だったこと。
柔らかな砂が、わずかに衝撃を吸収した。
その幾つもの偶然が重なった結果。
奇跡的に。
本当に奇跡的に。
彼は、まだ生きていた。
だが――
「……っ、ぁ……!!」
全身が痛い。
いや、“痛い”などという言葉では到底足りなかった。
焼けるような痛み。
裂けるような痛み。
骨の軋み。
内臓を掻き回されるような不快感。
呼吸をするだけで激痛が走る。
今まで生きてきた中で、一度も経験したことのない苦痛だった。
「……う、が……ぁ……!」
声にならない。
喉がうまく動かない。
視界も霞む。
『……なにが、起こった……?』
意識が混濁する。
思考がまとまらない。
だが、次の瞬間。
身体を襲う激痛が、無理やり記憶を呼び覚ました。
「……クソッ!……吹き飛ばされたのか……!」
タイラント級。
戦闘。
轟音。
そして、振り下ろされた巨腕。
記憶が繋がる。
「戦闘は……どうなってる……!」
マリアンたちは。
カウンターズは。
そこで。
マスターの脳裏に、一瞬の光景が蘇る。
後退しようとした、その瞬間。
こちらへ駆けてくる、一人の女。
「……紅蓮?!」
そうだ。
彼女がいた。
もう、すぐ目の前まで来ていた。
やっと。
やっと会えたのだ。
では、彼女は今――。
マスターは慌てて顔を上げ、周囲を見渡す。
遠方。
爆炎が上がっていた。
タイラント級が、まだ戦闘を続けている。
だが。
その光景を凝視した瞬間。
マスターの表情が凍りつく。
「……紅蓮、一人で戦っているのか……? 何故だ……」
異様だった。
タイラント級と斬り結ぶ紅蓮の姿。
速い。
強い。
圧倒的だった。
だが。
それ以上に、危うかった。
彼女は、自分の損傷を一切気にしていない。
被弾を避けるのではなく、最小限で受け流し、前へ出る。
無理矢理に距離を詰める。
ただ殺すためだけに動いている。
まるで。
“何か”に囚われたように。
「……ッ」
マスターの背筋に悪寒が走る。
知っている。
あの戦い方を。
あの目を。
あの壊れ方を。
『待て……』
脳裏に過る。
戦場で見てきた、壊れたニケたち。
自我を失い。
怒りと破壊衝動だけで動くようになった者たち。
紅蓮の今の姿は、それに酷似していた。
『やめろ……紅蓮。それ以上は……いけない』
マスターは、歯を食いしばりながら身体を起こそうとする。
立たなければ。
止めなければ。
だが。
その瞬間。
足元が崩れる。
「あ……?」
身体が傾き、無意識に手をつく。
だが、支えられない。
そのまま、顔面から砂地へ倒れ込んだ。
ドサリ、と鈍い音が響く。
「……なにが……?」
困惑する。
理解できない。
自分の身体なのに、まるで動かない。
そこで初めて。
マスターは、自分自身の身体を見た。
そして。
思考が止まる。
「――は?」
右腕。
義手だったはずの腕が。
上腕から先ごと、消えていた。
千切れていた。
断面から火花と血が混じり、異様な臭いを放っている。
さらに。
左足。
生身だった足首が、あり得ない方向へ折れ曲がっていた。
骨が皮膚を突き破りかけている。
そして。
腹部。
そこには。
一本の鉄パイプが、生えていた。
瓦礫に混じっていたのだろう。
吹き飛ばされた衝撃で、身体を貫通したのだ。
人間は。
あまりにも突然の損傷を受けると、脳が痛みを理解できないことがある。
だが。
視覚によって“理解”した瞬間。
遅れていた痛覚が、一気に襲いかかる。
「――ガ、ァ……」
呼吸が止まる。
冷や汗が噴き出す。
震えが止まらない。
「ガァァアアアアアァァァーーーーッ!!!?」
絶叫。
腹の奥から絞り出された悲鳴が、荒野へ響く。
視界が白く染まる。
吐き気が込み上げる。
意識が飛びそうになる。
だが。
その中でも。
マスターは、紅蓮を見た。
彼女は、まだ戦っていた。
憎悪を滲ませた顔で。
タイラント級を、狂ったように斬り刻んでいた。
その姿を見た瞬間。
マスターの中から、痛み以外の全てが消える。
止めなければ。
彼女を。
彼女を、もう失ってたまるか。
マスターは歯を食いしばる。
腹を貫く鉄パイプ。
抜けば、大量出血で終わる。
だから、抜かない。
代わりに。
震える手で両端を掴む。
そして――
力任せに、捻じ切った。
「……ッ!!」
激痛。
だが止まらない。
短くなった鉄パイプを残したまま。
彼は、立ち上がる。
折れた足首など、そんなもの、関係ないと言わんばかりに。
骨が軋む。
肉が裂ける。
それでも、一歩踏み出す。
ズルリ、と血が砂へ落ちる。
「待ってろ……! 紅蓮……! 今行く!」
声は掠れていた。
それでも。
確かな意志が宿っていた。
愛した女を救うために。
もう二度と失わないために。
男は。
その命を削りながら。
最後の歩みを始めた。
ーーーーーー
誰も、息を呑む。
ボロボロだった。
いや――そんな言葉では足りない。
片腕は上腕から失われ。
足首は折れ曲がり、骨が突き出している。
腹部には鉄パイプが貫通したまま。
血が、砂へ滴り落ちる。
立っていること自体が奇跡。
なのに。
その男は歩いていた。
一歩ずつ。
足を引きずりながら。
痛みを噛み殺しながら。
「……マスター」
マリアンが呆然と呟く。
誰も声をかけられない。
何故、生きているのか。
何故、歩けるのか。
理解できなかった。
だが。
マスターは止まらない。
止まれない。
その目は、ただ一人だけを見ていた。
紅蓮。
百年待たせた、最愛の人を。
「マスター!? 生きて……!? ま、待て!! 今彼女に近づいては!」
指揮官が必死に叫ぶ。
だが、マスターは振り返りもしない。
ただ進む。
足を引きずり。
血を流し。
それでも前へ。
ラプンツェルは目を見開き。
スノーホワイトは荒い呼吸の中、何も言えなかった。
紅蓮だけが。
ゆっくりと、その男を見る。
「……紅蓮」
マスターの声。
優しかった。
あまりにも優しくて。
まるで、全てを許すような声だった。
紅蓮の瞳が揺れる。
だが、なお憎悪は消えない。
「だれ、だ……キサマは」
声が震えている。
「……キサマも、また……ウバウノカ」
刀が持ち上がる。
しかし。
その刃は、微かに震えていた。
今まで、一度たりとも揺らがなかったその刀が。
震えている。
マスターは、微笑む。
煤と血に塗れた顔で。
静かに。
本当に静かに。
「……待たせた。紅蓮」
その言葉。
その一言だけで。
紅蓮の瞳から、大粒の涙が溢れた。
堰を切ったように。
止まらなくなる。
ずっと。
ずっと待っていた。
百年。
夢の中で何度も聞きたかった言葉。
もう二度と聞けないと思っていた声。
紅蓮の刀が、ゆっくりと下がる。
カラン――と。
刀が地面へ落ちた。
マスターは歩み寄る。
一歩。
また一歩。
やがて。
紅蓮の目の前へ立つ。
残された片腕を、ゆっくりと伸ばす。
そして。
優しく。
壊れ物へ触れるように。
紅蓮を抱き締めた。
「……マスター?」
紅蓮の声は、幼子のように弱かった。
マスターは微笑む。
「あぁ」
その声は、昔と何も変わらない。
「紅蓮。俺だ」
その瞬間。
紅蓮の身体から、力が抜けた。
安堵したように。
ようやく帰る場所を見つけたように。
マスターは、静かに注射器を持ち上げる。
そして。
紅蓮の首筋へ。
そっと、突き立てた。
もし次するなら 基本1話完結で考えてます
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D(リメイク)
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ルドミラ(続き)
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アイラ(続き)
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メアリー(続き)
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ジャッカル(続き)
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デルタ(続き)
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クロウ
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エード
-
ヘルム
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マクスウェル
-
この中に無い!笑