勇者と魔王の遊戯   作:大乃正生

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第十一話 「実力と看破」

 

 

「それじゃあ、入団テストを始めるわよ♡」

 

ウインクを二人に飛ばしながら、テキパキと用意をしていくフラン。ヴェスタリアとアルディーナは悪寒が走り身震いしながら準備が整うのを大人しく待っていた。

 

ギルドの中庭はかなり広い。

作りとしては、ギルドの建物自体が少々特殊な作りをしており、四角の建物であり〈口〉のような形をしている。

 

中庭はくり抜いたようになっており、屋根はなく丁度お昼辺りの時間な為、真上から暖かな日差しが差し込んでいた。

鳥の囀りが聞こえてきて、ヴェスタリアとアルディーナは穏やかな気持ちになり二人並んで立っていた。

 

並んでいる二人の背後にフランは周り、二人の間から顔を覗かせた。

 

「ふ・た・り・と・も♡準備出来たわよ♡」

 

「うわぁ!?」

「!?」

 

声を上げながら距離をとるヴェスタリア、静かに驚きながらも攻撃態勢に入るアルディーナ。流石に戦いに身を置いていた年数が違うため差が生まれていた。

 

「あら、そんなに驚かなくて良いじゃない、失礼しちゃうわ♡」

 

「急に背後に回られたら、誰でも驚きますよ」

 

「あぁ...ヴェスティの言う通りだ。それに...」

 

気配を感じさせずに背後に回ったことを言おうとしたアルディーナ。しかし、言い止まる。本来なら気付けるはずが気付けないと言うことは、それだけの実力者と言うこと。

 

そして、その実力者に何か一言でもボロを出すと実力が露見するかもしれないと、咄嗟の判断で口を閉じた。

 

「あそこに藁でできた的があるでしょう?あれをどんな方法でも良いから、撃・ち・抜・い・て♡」

 

またしても悪寒が走り、ブルッと震えながら二人は準備を始める。「どちらが先にするか」をヴェスタリアとアルディーナの二人は話し合い、ヴェスタリアが先に行うことになった。

 

「よし、いくぞ!」

 

その言葉とともに、掌を的に向ける。魔法を習ったばかりの時は弱い魔法しか発動しなかったが五年ほど経ち、上達したヴェスタリア。

 

手を抜かなければ、そんなことを考えながら体外魔力を集め練り始める。ドンドンと魔力が集まりだし、瞬く間に拳の大きさほどの魔力玉を作り上げた。「ハッ!」と言う掛け声とともに打ち出した。

 

「...よし!」

 

ど真ん中に当て、綺麗な穴を作ったヴェスタリア。アルディーナは「やってしまったな」という表情を作りながら眺めていた。的に当てて穴を開ける。

 

そこだけを聞くと、なんてことのないように聞こえるがある一定の経験を積んだ者が見ると一目瞭然。

 

安定した魔力玉、拳ほどの大きさ、ど真ん中に当てる正確性。どれを取っても〈それなり以上の強さ〉を持っていることがバレるものであった。

 

「あら〜ん♡やるじゃない!綺麗な空洞ネ♡」

 

「ど、どうも...」

 

急にハイテンションになったフランに引き気味になりながらアルディーナの場所に向かっていく。

 

「...ヴェスティ、あれはダメだ。悪手っていうやつだな」

 

「え?」

 

「あのやり方では、”魔力操作が上手い”って言ってるようなもんだぞ」

 

アルディーナに魔力操作が上手いということを言われ、嬉しい気持ちを噛み締めながらも「そんなことはない」と言いながら、フランの方を見るとウインクをされ何回目かの悪寒が走ったヴェスタリアであった。

 

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