勇者と魔王の遊戯   作:大乃正生

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第二十四話 「予選スタート」

 

闘技場バトロイド

 

そこは、全長百八十メートルもある場所である。戦場は円形で百メートルもある大きさ、その「戦場(演舞場)」の円形を囲むように客席がある。

 

その客席は三階建てであり、観客は約五万人も入る。満席になる時もあるのだが、それは今日のように大きなスポンサーが付き、高額な賞金が出る時だけである。

 

なぜなら、そういう時には強い者たちが多く来るからである。

 

閑話休題

 

Aグループの選手たちが演舞場へ入ってくる。その中にはもちろん、ヴェスタリアもいて、演舞場の真ん中に立つ。

 

観客席は既にほぼ全て埋まっており、観客席の合間の通路には、この大会を見るときのお供として食べるものや、飲みものが売られていた。

 

「ビーラ安いですよ〜」

「一つくれ!」

「どうぞ〜」

「まだ始まんねぇのか!?」

「お前、俺の足さっきから踏んでんだよ!」

「あ”ぁ”!?」

「すいませんすいません!」

 

「今回は勝てよぉ!!」

「前みたいな無様な姿見せんなよ!」

「俺の分まで頑張れ〜!」

「あの人イケメン!!」

「どこ!?」

 

かなりの賑わいを見せ、演舞場では既に沢山の選手が入場しておりやる気を滾らせている。

演舞場に入った選手に対して、声を掛けている観客もいた。

 

そんな中、ヴェスタリアは観客をグルリと見渡した後演舞場を見る。自分が行うことが演舞場内でできるのか、また観客席には被害が出ないのかを見ていた。

 

「...かなり広いな。これなら、被害は出なさそうかな」

 

ヴェスタリアは冷静に判断を下し、始まったと同時に技を出せるように真ん中に移動する。ヴェスタリアに限らず、全ての選手が自分にとって立ち回りやすい場所を陣取っていた。

 

選手たちは皆やる気を滾らせ、試合が始まるのを今かと待っていた。その選手たちのやる気に当てられた観客たちも、先ほどまで騒いでいたのが嘘のように静かになっていた。

皆が静かになった時、場内に声が響き渡る。

 

「えー、皆さんが静かになるまで十分掛かりました。......なんて、冗談は置いておいて、司会進行は私!闘技場バトロイドのアイドルことエミリー・スコットでーす!」

 

エミリーと名乗った女の子が最後にウィンクをした瞬間、観客席から男の雄叫びが聞こえてくる。

 

「エミリーちゃ〜ん!」

「結婚してくれぇぇ!」

「オレだけのエミリー!」

「俺のエミリーだぞ!」

「エミリーが幸せならオーケーです!」

 

多種多様なセリフを男たちが叫んでいた。それに対して、エミリーは頷き満足そうにしていた。

 

「選手たちには説明してますし、今回の大会がどのようなものか皆さん分かっていると思います!しかし!!もう一度説明させていただきます!」

 

「この大会はいつも違うことをテーマにしてますよね!今回は予選でしてもらうのは『とにかく派手なこと!』」

 

「そして、今からはAグループの予選をします!全部で四つのグループで行います!...って、いい加減始めてほしいですよね!では、スタート〜!」

 

矢継ぎ早に語られたエミリーからの説明。既に知っているため、選手たちはエミリーの声には集中せず自身の繰り出す技に集中していた。観客は今回のテーマなど知っていたがエミリーの声を聞きたく静かに聞いていた。

 

そして、エミリーがスタートと言った瞬間に演舞場から何十羽もの真っ白な鳩が飛び立つ。

 

「おぉっと!開幕早々に真っ白なハトが飛び出したぁぁ!!」

 

演舞場内にて、得意気な顔をして両手を空に向けている男。彼が一番最初に魔法を繰り出したのである。

 

予選が始まったーー。

 

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