勇者と魔王の遊戯〜責務から逃げた勇者と魔王の旅ーしかし、その旅は世界の運命を変える始まりであった〜   作:大乃正生

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第四十四話「到着」

 

行き先を〈空島 アリーラピール〉から

〈水の都市 アトランタス〉へと変更したヴェスタリア一行。

 

「水の都市」「花の都市」と、二つの名前を聞いたアレックは既にウキウキとしている。

 

空島も楽しみにしていたが、雲の上にある街と水中の街では水中の方が魅力に感じたのだろうか。

 

「楽しみだなぁ…アトランタス!」

 

アレックはウキウキを、隠そうともせずにキラキラとしている。

 

「アレックは空島よりも水の都市の方が…良いのか?」

 

空島に行くと聞いたときよりも、楽しそうにしているアレックにヴェスタリアは聞く。

 

「…ま、まぁな!」

 

恥ずかしそうに、けれどしっかりと肯定するアレック。

 

「なぁなぁ!アトランタスって、どんなところなんだ?」

 

「う〜ん…綺麗なところ、だな…」

 

「……」

 

ヴェスタリアの言葉に、ジトッとした目を向けるアレックはそのままアルディーナの方へと目線を向ける。

 

「…どんなところなの、アトランタスって」

 

アレックのジト目を受けて、アルディーナは苦笑いを受けつつも答える。

 

「水の都市アトランタス。まず水上に街が広がっている」

 

「ふんふん」

 

「円状…あー、ドーナツのような形の街だ」

 

「ほへぇ…」

 

「そして、真ん中には水があるのだがその中にも街がある」

 

「…それが、水中都市…」

 

「あぁ、そういうことだ」

 

アルディーナの説明を聞いてより一層楽しみになるアレック。

 

それから、三人は他愛無い話をして歩いていた。そんな穏やかな中でアレックはアトランタスではない話を聞く。

 

「次の修行は、どんなことするんだ?」

 

次の修行について聞くアレック。初めての修行ではアルディーナにいきなり実戦させられたのだから、次の修行を聞くのは当然だろう。

 

「ん〜……実戦、魔法講義、模擬戦……やはり、当分は模擬戦かな」

 

アレックの質問に、ヴェスタリアは悩み、今までの修行を思い返してから答えを出す。

 

「模擬戦……これからもヴェスティとか?」

 

「いや、私ともしてもらう」

 

「アルディとも…」

 

「あぁ、一人と戦っていたら戦いの癖ができてしまうからな」

 

アルディーナの言葉に、納得した様子のアレック。

 

修行の話も含めて話しながら歩き続けて、小山を登り、景色を見渡すと視界の端の方に海が見える。

 

「あれって……!」

 

「あぁ、あそこが水の都市アトランタスだな」

 

アレックの小さな声に答えるように、アルディーナが肯定する。

 

「着いたな、アトランタス」

 

ヴェスタリアも微笑みを浮かべ、アレックに伝える。

 

水面がキラキラと輝き、三人を出迎えているように見える。

 

三人を待ち受ける、水の都市アトランタス。

 

そこでは、まだ誰も知らない出来事が始まろうとしていたーー。

 

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