勇者と魔王の遊戯〜責務から逃げた勇者と魔王の旅ーしかし、その旅は世界の運命を変える始まりであった〜   作:大乃正生

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第四十五話「水の都市 アトランタス」

 

ヴェスタリア、アルディーナ、アレック。三人はアトランタスへと到着した。

 

アトランタスの門の前に来ており、入国のための手続きをするために長い列に並んでいた。門にある入国手続き場だ。

 

「…ファーミラ王国よりも厳重だね」

 

入国審査があまりにも厳しいために、アレックが小さく呟く。

 

「あぁ…前は、ここまでではなかったのだが…」

 

「アルディ、来たことあるの?」

 

アレックは、上目遣いのようにしながらアルディーナに問いかける。

 

「あぁ、一度だけな」

 

「へぇ〜…ヴェスティは来たことないの?」

 

アルディーナの返答に興味なさそうに返し、ヴェスタリアへと向き直る。

 

「うん、僕は来たことないかな」

 

「ふぅーん、そっか」

 

しかし、アルディーナと同じく興味の無さそうな反応をするアレック。そんなアレックにヴェスタリアは苦笑いしてしまう。

 

「お、ようやく順番か」

 

ヴェスタリアが言ったように、アレック、アルディーナ、ヴェスタリアが雑談している間に順番が回ってきた。

 

「君たちは何しにこの街に?」

 

「観光です。あとは、冒険者としての仕事もですね」

 

門にいる、受付人から質問され素直に答えるヴェスタリア。

 

「……観光と、仕事ね……」

 

ヴェスタリアの答えに、受付人が記入しながら一人ずつヴェスタリアたちの顔を見ていた。

 

「……それじゃあ、楽しんでいって」

 

「ありがとう!」

 

受付人がアトランタスへと通してくれた。ヴェスタリアは、爽やかな笑顔でお礼を言う。

 

「先行くよ!」

 

アレックはそう言うと、走り出す。

 

「アイツ…」

 

「それだけ楽しみなんだろうな」

 

ヴェスタリアはアレックの様子に呆れており、アルディーナは微笑んでいる。

 

門を通り過ぎ、アトランタスに入る。

 

「わぁ……!」

 

アレックは目をキラキラとさせている。その目に飛び込んできたのは、キラキラとした水面と色鮮やかな花々である。

 

門からアトランタスに入ると、道が左右と前の三方向に分かれている。

 

真っ直ぐ行くと水中都市アトランタス。左右に分かれて伸びて、輪っかになっている街が水上都市アトランタスである。

 

水上都市に様々な花が咲いている。

 

「…綺麗だろう?アレック」

 

「あぁ!すっごく綺麗だ!」

 

変わらずキラキラしたまま、アルディーナの言葉に返事をする。

 

「まずは、ぐるっと周るか。その後、水中都市に行こう」

 

「分かった!!」

 

ヴェスタリアの提案に、アレックは興奮して声が大きくなっている。

 

三人は、右側に向かって歩き出す。

 

右側に向かって歩いて行ったヴェスタリア一行の背中を、受付人が見続けていたーー。

 

 

 

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