勇者と魔王の遊戯〜責務から逃げた勇者と魔王の旅ーしかし、その旅は世界の運命を変える始まりであった〜   作:大乃正生

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第四十八話「西の地区 観光地」

西の地区へと入った三人。

 

そこには、南地区とは全く違う景色が広がっていた。

 

色鮮やかな花、水路を利用した店や、出店に屋台。水上に作られた遊歩道。

観光客も多く、南の地区とは違い活気がある。

 

その光景を見たアレックは、一気にテンションが上がる。

 

「スゲェスゲェ!!これが…観光地!!アレはなんだ、ヴェスティ!?アルディ!アレは!?」

 

興奮気味に捲し立てているアレック。

 

気になる店を見つけては立ち止まり、花を見て笑顔になり、食べ物の匂いに誘われて…。止まらないアレック。

 

ヴェスタリアは、そんなアレックを微笑ましく見ている。アルディーナもまた、離れた位置から静かにその様子を見ている。

 

「…アルディは、はしゃがないんだな?」

 

王国にて、美少女を見て騒いでいたアルディーナを思い出しているヴェスタリア。

 

「ふ…子どもじゃないからな」

 

「ま、近くに美少女いないもんな」

 

「……」

 

ヴェスタリアの言葉に、無言になってしまうアルディーナであった。

閑話休題

 

「わぁ…これ乗れるのか!?」

 

ヴェスタリアとアルディーナが話していると、アレックの一際大きな声が聞こえてくる。

 

声のした方を向くと、アレックが水路に浮かぶ船を見ていた。

 

アレックは船の上にいる人に聞いていたのだ。

 

「…いや、今は乗れねぇ…」

 

「えぇー!」

 

今は乗れないと聞き、残念そうなアレック。

そこへ、ヴェスタリアとアルディーナが歩いて来る。

 

「仕方ないだろ、アレック」

 

「でもぉ…」

 

アレックの相手をするヴェスタリア。二人が船から少し離れた時に、アルディーナが船乗りに聞く。

 

「今は、ってのは…水路が止まっているのと関係があるのか?」

 

「…あぁ、俺も詳しくは知らねぇが…ったく、商売上がったりだぜ」

 

「なんで、水路が止まってるんだ?」

 

「さぁな、王様が決めたことだからよ。俺ら庶民にゃ、王様の崇高な考えなんて分かんねぇよ」

 

「…だが、水上都市としておかしすぎるな」

 

「ま、俺は知らねぇからよ。ギルドか、酒場か…情報の集まる所に行けよ」

 

「あぁ、ありがとな」

 

「いいってことよ。…あぁ、それと、今は観光客が少ないからな。目立つだろうし、カモられる可能性がある。せいぜい気を付けろよ」

 

船乗りのおじさんに、片手を上げるだけの挨拶をして別れたアルディーナ。

 

「…見るだけなのかよ」

 

不貞腐れたアレック。苦笑いしながら、機嫌をとっているヴェスタリア。

そんな二人のもとへ、アルディーナが合流する。

 

「これだけおかしなことが起きてるのは、王様が何か関係しているみたいだな」

 

「王様が…?」

 

ヴェスタリアとアルディーナの話しているのを、下から覗き盗み聞きしている。

 

「王様が…殴ってやる!」

 

「やめとこうな」

 

フンス、と意気込むアレックを落ち着かせる。

 

「…まぁ、殴るにせよ殴らないにせよ、情報が必要だな」

 

「うんっ!」

 

「殴らないからな?」

 

ヴェスタリアの声が聞こえないのか、アレックはシャドーボクシングをしている。

 

「…まぁ、情報なら…アトランタスのギルドか、酒場か…」

 

「…ギルドに行こう。アレックの登録もしないとダメだろ」

 

「それもそうか」

 

「登録?」

 

ヴェスタリアとアルディーナが話に付いていけないアレックは不思議そうにしている。

 

次の目的地を決めたヴェスタリア一行。

アトランタスの王様の不可解な行動の真意を知るために、ギルドへ行くことにーー。

 

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