勇者と魔王の遊戯〜責務から逃げた勇者と魔王の旅ーしかし、その旅は世界の運命を変える始まりであった〜 作:大乃正生
ヴェスタリア、アルディーナ、アレックの三人が合流してから少し経ち
集められた人たちが水中都市へと入った。
水中都市の入口の近くにある広場に人々は集められていた。広場にある高台のような場所に兵士は立ち説明を始める。
「今から、王城に行く。王様と会ってもらう!」
兵士の言葉に、ざわざわとした声が聞こえてくる。
「王様と会う?」
「どういうこと!?」
「王様が呼んだとは言ってたけど…」
「王様に謁見…?」
色々な話し声が聞こえてくる。
「静まれ!早急に行く!着いてこい!」
人々は戸惑いながらも、先頭を歩く兵士についていく。ヴェスタリアたち三人も着いていく。
「わぁ…!」
水中都市を歩いている中、アレックは周りをキョロキョロと見ており目がキラキラしている。
まるで海の中にいるような感覚になる。
ドーム状の外側には魚が泳いでおり、魚が空を飛んでいるようだ。
建物の脇には側溝があるのだが、そこに流れる水すらもキラキラと輝いている。
水中都市独自の技術により、側溝に流れる前に洗浄、浄化される。そのおかげで、輝いて見えるのだ。
街に見とれながら歩いていると王城に着いた。
兵士たちに案内され、ヴェスタリアたちは王城の中を歩いていた。
豪華な装飾が施された壁に、磨き上げられた床。
廊下の両側には壺などの高級そうなインテリアが飾られている。
「すっげぇ…!」
あまりの豪華さに圧倒されながらも、好奇心が強くずっと辺りを忙しなく見ているアレック。
しかし、アルディーナは周囲を見ながら呟く。
「……随分と厳重だな」
アルディーナが見ているのは、廊下の両端に鎧を身に着けた兵士たち。
ずらりと立ち並び、訪れる者を厳重に警戒している。
「王様がいるし、王城なんだからこれくらい普通じゃないの?」
アルディーナの呟きに、目を輝かせていたアレックが不思議そうに聞く。
「いいや、兵士の数が多い。アストレアは平和な国なのにだ」
「そうなの?」
アルディーナの話に、首を傾げるアレック。
「あぁ、危険な国ならば理解できるのだがな…」
「ふぅ~ん…」
興味があるのかないのか分からない返事をしたアレックは、また王城内のあちこちを見ている。
「…兵士たち、それなりの実力を持ってるな」
廊下に立ち並んで、鎧を身に着けている兵士を見ながらヴェスタリアが呟く。
「あぁ、並んでいる兵士は隊長クラスばかりだな」
「一体、なにがあるって言うんだ…」
アルディーナとヴェスタリアは、鎧兵士や王城内を見ながら話している。
そう話しているうちに、一行は大きな扉の前へと到着した。
「この扉の向こうで、国王様がお待ちだ」
兵士が声を張り上げて話す兵士。
ついに、国王との謁見。なぜ呼ばれたのか、理由を知っているのは扉の向こうの国王だけだ。