勇者と魔王の遊戯〜責務から逃げた勇者と魔王の旅ーしかし、その旅は世界の運命を変える始まりであった〜 作:大乃正生
大きな扉の前で、扉が開くのを待っているヴェスタリア一行。
そして、開く扉。ゆっくりと開く。
扉の中の部屋はかなり広かった。
玉座の間だ。玉座の間には小さな滝が流れている。それと、床はところどころガラスになっており、海が見える。魚が泳いでいるのも見える。
「……あれが、国王か」
アルディーナが小さく呟く。
「…だろうな。玉座に座ってるし」
少し笑いながら話すヴェスタリア。ヴェスタリアもアルディーナも、国王から目を逸らさない。
「わぁ…すごい…」
一方で、アレックは部屋を見渡して目を輝かさせている。
「お、王様…」
「ホントに王様が…!」
「…な、なんで…」
「なにもしてねぇよ」
一緒に来ている他の者たちもざわざわと話している。
「静粛に!」
兵士の声が、玉座の間に響く。
ざわついていた人々が静まり返ると、王がゆっくりと口を開いた。
「よく来てくれた。私は、このアトランタスを治める国王、アレクリオン・フォスティード・ニーナ・ライオット・ド・アトランタスである」
王の自己紹介に、集められた人々は頭を下げたり、軽く会釈したりと、それぞれの反応を見せている。
「突然の招集となったこと、まずは詫びよう」
王はそう言うと、一度周囲を見渡した。
「当然ながら、諸君らを呼んだのには理由がある」
その言葉に、人々の視線が王へと集まる。
「…ここに、王城に来てもらったのは……他でもない」
王が、ゆっくりと話していく。
緊張が走っている。
「歓迎会をする!!」
王の言葉に、兵士たちは盛り上がっている。
けれど、集められた人々は呆気にとられている。
「か、歓迎会…?」
「はぁ?」
「……どういうこと?」
「そんな訳が…」
色々な声が、ざわざわとし始めている。
「歓迎会!?」
アレックは嬉しそうにしている。
「どう思う…?」
アルディーナが、ヴェスタリアに話しかける。
「…流石に違うだろう。水路の停止を始めとして謎が多い…」
ヴェスタリアは冷静に話す。
「では、準備のため少し待っていただきたい」
先ほどまでの重たい空気が嘘のように、朗らかな空気が流れている。
「ねぇ、歓迎会ってなにするのかな!?」
アレックは興奮気味に、アルディーナとヴェスタリアに話しかける。
「…本当なら、豪華かもしれないけど…」
ヴェスタリアが、アレックの質問に答える。
「豪華……!」
ヴェスタリアの言葉に、キラキラとした目になる。玉座の間を見たときよりも輝いているように見える。
目で楽しむよりも、腹を満たしたい子であるらしい。
閑話休題
「注意深く見ておけよ」
「あぁ」
アルディーナの言葉に、ヴェスタリアは返事をする。
着々と準備がされている。
「…ん?」
兵士が食事を運んでいる。
その様子をヴェスタリアとアルディーナは目を細めて見ている。
給仕係ではない。その答えは、まだ分からないーー。