勇者と魔王の遊戯〜責務から逃げた勇者と魔王の旅ーしかし、その旅は世界の運命を変える始まりであった〜   作:大乃正生

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第五十四話「アトランタス国王」

 

大きな扉の前で、扉が開くのを待っているヴェスタリア一行。

 

そして、開く扉。ゆっくりと開く。

 

扉の中の部屋はかなり広かった。

玉座の間だ。玉座の間には小さな滝が流れている。それと、床はところどころガラスになっており、海が見える。魚が泳いでいるのも見える。

 

「……あれが、国王か」

 

アルディーナが小さく呟く。

 

「…だろうな。玉座に座ってるし」

 

少し笑いながら話すヴェスタリア。ヴェスタリアもアルディーナも、国王から目を逸らさない。

 

「わぁ…すごい…」

 

一方で、アレックは部屋を見渡して目を輝かさせている。

 

「お、王様…」

「ホントに王様が…!」

「…な、なんで…」

「なにもしてねぇよ」

 

一緒に来ている他の者たちもざわざわと話している。

 

「静粛に!」

 

兵士の声が、玉座の間に響く。

ざわついていた人々が静まり返ると、王がゆっくりと口を開いた。

 

「よく来てくれた。私は、このアトランタスを治める国王、アレクリオン・フォスティード・ニーナ・ライオット・ド・アトランタスである」

 

王の自己紹介に、集められた人々は頭を下げたり、軽く会釈したりと、それぞれの反応を見せている。

 

「突然の招集となったこと、まずは詫びよう」

 

王はそう言うと、一度周囲を見渡した。

 

「当然ながら、諸君らを呼んだのには理由がある」

 

その言葉に、人々の視線が王へと集まる。

 

「…ここに、王城に来てもらったのは……他でもない」

 

王が、ゆっくりと話していく。

緊張が走っている。

 

「歓迎会をする!!」

 

王の言葉に、兵士たちは盛り上がっている。

けれど、集められた人々は呆気にとられている。

 

「か、歓迎会…?」

「はぁ?」

「……どういうこと?」

「そんな訳が…」

 

色々な声が、ざわざわとし始めている。

 

「歓迎会!?」

 

アレックは嬉しそうにしている。

 

「どう思う…?」

 

アルディーナが、ヴェスタリアに話しかける。

 

「…流石に違うだろう。水路の停止を始めとして謎が多い…」

 

ヴェスタリアは冷静に話す。

 

「では、準備のため少し待っていただきたい」

 

先ほどまでの重たい空気が嘘のように、朗らかな空気が流れている。

 

「ねぇ、歓迎会ってなにするのかな!?」

 

アレックは興奮気味に、アルディーナとヴェスタリアに話しかける。

 

「…本当なら、豪華かもしれないけど…」

 

ヴェスタリアが、アレックの質問に答える。

 

「豪華……!」

 

ヴェスタリアの言葉に、キラキラとした目になる。玉座の間を見たときよりも輝いているように見える。

目で楽しむよりも、腹を満たしたい子であるらしい。

 

閑話休題

 

「注意深く見ておけよ」

 

「あぁ」

 

アルディーナの言葉に、ヴェスタリアは返事をする。

 

着々と準備がされている。

 

「…ん?」

 

兵士が食事を運んでいる。

その様子をヴェスタリアとアルディーナは目を細めて見ている。

 

給仕係ではない。その答えは、まだ分からないーー。

 

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