ハイスクールD×D ― 禁断の契約   作:ハーレム人気者

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第1.5話理由?

ふと、グレイフィアが声を上げた。

「ヴァルト様。例の部屋ですが、無事に確保することができました」

 

それを聞いたヴァルトは、ゆっくりと頷いた。

「そうか。ご苦労」

 

その様子を見ていたリアスが、少し首をかしげる。

「そういえば、グレイフィア。あなたは?」

 

「私?」とグレイフィアは小さく笑う。

「そうね……ここに残るわ。この森に囲まれた空気、落ち着けるから」

 

柔らかく微笑む彼女を横目に、ヴァルトは懐から財布を取り出した。

「すまんが、リアス。今日の晩飯のおかずを買ってきてくれ」

そう言って札を数枚、彼女に手渡す。

 

「私が作るけど?」とグレイフィアが少し意外そうに言う。

しかしヴァルトは首を横に振った。

「いや、いい。……人間界の“弁当”というものを食べてみたいからな」

 

「そう? 残念だわ」

グレイフィアは肩をすくめ、冗談めかして微笑んだ。

 

「リアス、頼むぞ」

ヴァルトの言葉に、リアスは小さく頷く。

「わかりました」

 

その時、グレイフィアがふと口を開いた。

「待って、リアス。あなた、スーパーの場所わかるの?」

 

リアスは一瞬だけ考えたが、すぐにスマートフォンを取り出す。

「知らないわ。でも今はこれがあるから」

彼女は画面を見せて、にっと笑った。

 

「なるほど。なら心配ないわね」

グレイフィアも安心したように頷く。

 

「ええ。それじゃ――ヴァルト様、失礼します」

リアスは軽く頭を下げ、玄関の方へ向かった。

 

「ああ」

ヴァルトは短く答え、その背中を静かに見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスが外に出て、扉が静かに閉まる音が屋敷に響いた。

しばらくの沈黙のあと――その静けさを破るように、グレイフィアが声を上げた。

 

「……それで、どういうこと?」

低く、しかし怒りを押し殺した声だった。

 

ヴァルトは、机に手を置いたまま目を逸らさずに答える。

「どういうこと、とは?」

 

「とぼけるつもり?」

グレイフィアの瞳が鋭く光る。

「あれ、本気で言ってるの? ……ならいいわ。私から言う」

 

彼女は一歩、ヴァルトへと近づいた。

「――どうして、あの子を追い出したのかしら?」

その声には、怒りと同時に確信が混ざっていた。

 

「まさか、あの子に聞かれたらまずい内容でもあるの?」

 

ヴァルトは沈黙したまま、視線を外さない。

「いったい、あなたはあの子にどれだけのことを隠しているの?」

その言葉には、長年仕えてきた者としての痛みが滲んでいた。

 

「さぁ、どうかな」

曖昧に返すヴァルト。

 

「……そう。あなた、サーゼクスが怖いのね」

グレイフィアの声が低くなる。

「だから――サーゼクスから、すべてを奪ったのよ」

 

ヴァルトの瞳が鋭く光った。

「俺が? 奴から奪った? 勘違いするな……いったい、俺がいつ奪った?」

その声には、抑えきれない怒気が混ざっていた。

 

しかし、グレイフィアは怯まなかった。

「私、知ってるのよ」

「あなたが、魔界で誰よりもサーゼクスを恐れていることを」

 

二人の距離がわずかに縮まる。

空気が重く張りつめ、時間の流れが遅く感じられた。

一分か、いや三十秒ほど――永遠にも思える沈黙。

 

やがて、ヴァルトが重く口を開いた。

「……確かに。俺はリアスを利用した。それがどうした?」

その顔には感情がなかった。まるで自分自身を切り離したように。

 

グレイフィアは小さく息を呑み、かすかに笑った。

「あなた……最低ね」

そして、俯きながら続ける。

「でも――一番最低なのは私よ。そんなあなたに、惚れてるのだから」

 

その言葉は、涙とともに零れ落ちた。

「ねぇ、ヴァルト……一つだけ、お願いがあるわ」

「私を――殺して」

 

彼女の声は震え、目には涙が光っていた。

それは怒りでも悲しみでもない。

ただ、愛という名の絶望だった。

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