「呪術界の変化」
人外魔境新宿決戦にて宿儺が敗れてから1年。世界は何事もなかったかのように回り、人々は何食わぬ顔で生きている。それでも両面宿儺が消えた事によって、正確にはまだいるのだが、両面宿儺と言う『脅威』が消えた事によって世界は平和へと1歩、近づいている。
『行くぞ宿儺』
『足を引っ張るでないぞ小僧』
彩の呪言によって強制的に虎杖の体へと戻された宿儺は思いのほか、暴れずに大人しくしていた。付け加え、とある条件を前に技術の提供と術式の補助と言う協力をしてくれている程だ。決戦から1年経った今でもなお、新宿には呪霊が湧き続けている。両面宿儺と五条悟、最強同士の戦いが故、強力な残穢が今も残り続けているとの事だ。実際は五条悟を模倣した彩と言う術師が戦っていたのだが、上層部はその存在を隠すべく、彩の活躍を歴史から抹消している。
『こうして酒を交わしたのはいつぶりかの』
『数年⋯⋯いや、数十年。今や楽巌寺嘉伸殿も私も、忙しい立場にあられるものですから』
上層部と言えば一番大きく変わったのは楽巌寺嘉伸と夜蛾正道だ。学長をやめた楽巌寺嘉伸は代わりに上層部の立場を埋めるべく、呪霊の出現や呪詛師の通達などなど、全国の呪術的事象の情報を部下に収集させ、まとめあげ、任務として資料を制作し、校内に建てられた『任務資料室』なる物に提示させる仕事を行っている。対して夜蛾正道は学生としての職務を継ぎ、日々、呪術界隈の進歩の加速を促すばかりだ。
『こうして東京と京都が手を交えるのも、夢にも描いた事か』
『交流戦とは名ばかりで、互いに争いあっていましたからね』
そして大きく変わったのは新しく創設された呪術組織【静岡県立呪術高等専門学校】の存在だ。集まりと交流を重視し、東京と京都にもっとも近い静岡県に作られた高専では東京と京都とでは比較できぬ程のマンモス校として有名で、裏では呪術師を育成し、管理する組織の重要な部分を担っている。これにより、京都と東京の関係は改良され、京都出身の呪術師と東京出身の呪術師が共に任務へと向かう事も頻繁に起こるようになった。
『あんたこれないの!? 式よ式!!! 普通は来るでしょうが!!』
『だから悪りぃと思ってるって!
『いいよ虎杖。都合は合わせる』
それぞれ1級呪術師へと上り詰めた1年ズは虎杖の多忙が故、伏黒の結婚式が永遠に訪れないという問題が起きている。対して釘崎野薔薇は任務へは頻繁に行かず、東京のとある場所にいる友人へと顔を合わせに行っているそうだ。彼らの関係はこの1年ではなんの変化もなく、昔のままだと言える。
『その日なら行ける!!』
『でも僕、その日はインドのよく分かんない呪霊ヤりにいくから行けないよ』
『じゃあその日に決まりで』
『問題なーし』
『え、僕は行けないって!!! あれ、もしかして聞こえてない!? もしもーし!!! 伏黒さぁーん!?』
特級である五条悟が忙しいのは以前変わりなく、こちらも予定が合わずに結婚式に参加出来ないまま、無視される冗談の後に行われる再度のスケジュール合わせで悩みの種をいくつも作るのもまた、以前から変わっていない。呪術界と、大きな目で見ては変化が訪れている現状であるが、そんな中でも口を揃えて言われる問題が一つある。それは──、
『柊陽彩を探せ』
────疑問を多く持ち合わせた術師、その行方であった。
────続編の可能性あり。なんて前書きと後書きを使って大層な事をしましたが、アンケートで好評であれば続編を書かせていただきたいと思います。その内容は変化した1年ズの日常を元に行方不明となった術師の捜索を続ける物語。今のところ、固まっているストーリーはその程度なので書き始めた際に固めていきます。そも、アンケートで決まる事なので続編を書くのは確定ではありません。
追記。個人的な関係上、続編は途中での打ち切りとなります。申し訳ありません。