ギヴォトスに秩序を   作:パーヴェル

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皆様、少し遅いですが、新年明けましておめでとうございます。
寒くなってきているので体調管理にはお気を付けて。


オルディナに封印されし物

 

オルディナに戻ったカルシオは執務室で一息ついていた。

カルシオ(予算が足りんな……)

カルシオ(懲戒局もオルディナの監獄も人が随分と減ってしまった…代わりに得られたものは雷帝の遺産だけだ…)

かつての部下の顔がカルシオの脳内で浮かび上がる。

カルシオ(そう言えばラブに話をするんだったな…)

カルシオは内線をかけた。内線は直ぐに繋がった。

カルシオ「河駒風ラブを俺の執務室に呼んでくれ、アイツに話がある」

獄卒「承知しました、直ぐに向わせます」

 

しばらくしてラブが執務室に入ってきた。

ラブ「話があるって聞いたけど…何の話なの?」

ラブは緊張した顔でカルシオに話しかけた。

カルシオ「…来たか、とりあえず座ってくれ、何か飲み物はいるか?」

ラブ「紅茶をお願いするわ」

カルシオ「わかった」

紅茶を入れながらカルシオは今回なぜ呼び出したのかについて話し始めた。

カルシオ「最近随分と活躍しているようだな」

ラブ「え、まあ頑張ってはいるけど……それがどうかしたの?」

カルシオ「そう緊張するな、別に咎めている訳じゃない」

カルシオ「あの頃のチンピラから随分と成長したな、俺に喧嘩をふっかけてボコボコにされたあの小娘が成長したものだ、まあ瓶の蓋も開けられないのは驚いたが」

昔を懐かしむように言うカルシオを横にラブはトマトのようになった顔をカルシオに向けた。

ラブ「昔の恥ずかしい事を言わないでよ、もうあんなチンピラじゃないから!!…でもそれが懲戒局に入るきっかけだったのは結果的にいい事だったかもしれないわ」

カルシオ「ふっ、すまんな、話を戻そう」

 

カルシオは真剣な口調でラブに話した。

カルシオ「懲戒局は功績を残した者には報酬を与える、そこでだ、どうだ?俺の副官にならないか?」

ラブ「ふ、副官?」

カルシオ「ああ、副官だ、もちろん手当てと権限も増えるぞ」

ラブ「本当に?それなら…」

カルシオ「だが、副官になったら仕事も増える、それとお前の背負う責任と義務も必然的に大きくなる、どうするのかはお前次第だ」

 

カルシオの誘いに対してラブはしばらく考え込んだ。

カルシオ「時間はいくらでもある、じっくり考えてくれても構わん」

ラブに時間が必要だと判断したカルシオは帰そうとしたがラブは覚悟を決めた顔をカルシオに向けた。

ラブ「………いや、ここで決める」

カルシオ「ほう?ではお前の選択はなんだ?」

ラブ「この私、河駒風ラブは懲戒局の副官として誠心誠意尽くし、そしてこのギヴォトスを守る存在になる事を誓うわ!」

ラブの決意を目の当たりにしたカルシオは満足そうな視線をラブに向ける。その眼差しはまるで成長した娘を見る父親のようだった。

カルシオ「ははっ!いい意気込みだ、今後の活躍に期待しているぞ、我が副官殿?」

 

カルシオは思い出したかのように後ろの棚を探しながら言った。

カルシオ「そうだ、副官になったプレゼントとして新しい武器を授けよう、そのショットガンを使ってもいいが火力不足な筈だ」

そう言ってカルシオは近くの棚から布に包まれた物を取り出した。布を取ると黄金の薔薇の模様が刻まれたSVDと警棒を取り出した。

カルシオ「この武器はだ、古臭い銃だと思うかもしれんが現代改修はしてある、そしてオルディナの技術によってこの銃には特殊な改造を施している」

ラブ「なんかゴツイわね…それで特殊な改造って?」

カルシオ「本来どの銃も銃弾を必要とするがこの銃は弾が無くても神秘という物を使って攻撃出来る。威力は高いが使い過ぎると悪影響が出る。あとフルオートで打てるように改造しておいた。ただ反動は高いがな」

ラブ「こんな銃あんまり使う機会なさそうだけど........その警棒は?」

カルシオ「ただの警棒だがヴォルフスエック鋼鉄で出来ている。よほどのことがない限り壊れることは無いだろうな」

 

カルシオ「さて、銃の話はここまでにしておこう、いい機会だ、副官となったお前に知ってもらいたい事がある、そしてこれは決して口外してはならない。これだけは約束してくれ」

警告するようにカルシオは言った。

ラブ「........わかったわ、それで?どんな事なの?」

カルシオは立ち上がり執務室の本棚を押した。本棚は横にずれて階段が現れた。

カルシオ「着いてこい」

薄暗くはあったが電気を付けると埃はあったが思いの外綺麗な階段だった。

ラブ「こんな所に通路が.........」

2人は階段を降り始め、カルシオは降りながら物語を語るように言った。

カルシオ「これから知ってもらうのはこのオルディナの秘密だ、そしてお前に守ってもらいたいものでもある」

秘密という言葉に首を傾げつつ、ラブはまるで底のない階段に困惑していた。

ラブ「秘密?......それにしても階段長いわね.......」

カルシオ「長いのは当たり前だ、この階段は地下2階まで繋がっている。通路はここと既に封鎖された通路しかない、通路は近々整備する予定だが今は我慢してくれ」

ラブはオルディナには地下1階までしかないと思っていた。それ故オルディナに地下2階があると知った時、思わず声を張り上げてしまった。

ラブ「地下2階!?オルディナにはディシプリナまでしかないんじゃないの?」

カルシオ「誰も知らないからな、雷帝の件の動乱の最中に作った、だから誰も此処に何があるのか、そして存在すらも知らない」

カルシオ「オルディナ第3区画、極秘の中の極秘であり連邦生徒会長も知らなかった存在、それがここだ」

カルシオ「さて、着いたぞ、この扉を開ければ着く」

カルシオは手袋を取り指紋認証をした後ポケットの中からキーカードを取り出しスキャンした。すると重い音を出しながら扉は空いた。2人はその中へと入っていった。

 

中に入ったラブは観覧車を初めて見た子供のような表情をしていた。

ラブ「凄いわね…!なんか色々あるわ…」

そんな興奮したラブの目にパネルが映りこんだ。

ラブ「何このパネル?なんかの装置なの?」

カルシオ「それか?それは衛星の制御パネルだ、そして戦略兵器でもある、偵察としても使えるが一撃で辺り一帯を消し飛ばすことも出来るぞ」

しれっとやばい事を言うカルシオにラブは若干引き気味だった。

ラブ「それそんな恐ろしい物だったんだ…⋯ねぇ、これって雷帝の物?」

カルシオ「そうだ、実は雷帝の件が終わった後雷帝の持っていた兵器のほとんどがこのオルディナが受け継いだ、中には巡航ミサイルとかもあったりするぞ」

ラブ「えぇ…こんな物、連邦生徒会が持ってても大問題になりそうなんだけど…」

カルシオ「確かにな、こんなものを持っている事が知られたらタダじゃすまない」

カルシオ「その為の口外禁止だ、ただこれを使用するつもりは毛頭ない、だがまた雷帝の件に似たことが起こったのならば使用する」

カルシオ「我々はこの兵器が秩序を守る為の矛となってくれるように守らなければならない、お前に知らせたのもこの為だ」

そうカルシオが言ってから2人は辺りを歩き回った。

 

そんな最中、ラブの目にある物がとまった。

ラブ「なにこれ…この棺も雷帝の物なの?」

何色なのか言い難い棺の周りには棘が着いていた。棺には謎の穴が数個空いていた。どこをどう見てもただの棺にしか見えないがどこか不気味な雰囲気を醸し出していた。

カルシオ「…それは俺も知らんぞ、正直使い道は分からん、だが何かしらのオーパーツであるとは予想している、ただ使い道は無さそうだが」

カルシオはその棺に近くと手で棺の表面に触れた。すると一瞬眩い光がカルシオを包み込んだ。それに驚いたカルシオは手を棺の棘で切ってしまった。それに伴い棺に血が数滴穴に垂れていく。

カルシオ「っ!!…なんだっ!?」

ラブ「だ、大丈夫?なんで急に光出したの……?」

カルシオ「相変わらず気味が悪いな....」

ラブ「血が出てるじゃない…何かいる?」

カルシオ「心配するな、軽く切っただけだ、直ぐに塞がる」

気味が悪くなった2人はすぐにそこから離れた。

ラブ「前にもこんなことあったの?」

カルシオ「いや、光出したのは初めてだ、以前は特に何も異常性は見られなかった」

カルシオ「そろそろ、戻るぞ、あまりここに居すぎるのも良くない」

ラブ「ええ、行きましょう」

 

入り口の扉を閉め、2人は階段を上がりながら話していた

ラブ「そう言えば、私が副官になるんだったらエデン条約にも関わらないと行けないわよね?ていうか副官っていつからなの?」

カルシオ「それについては考えてなかったな、一応お前も警護に入れることは可能だ、副官昇格は予定では連邦生徒会長の失踪の混乱が一段落してからだな、時間で言うとあと1、2週間くらいだな」

ラブ「わかったわ」

カルシオ「それで?どうだ?せっかくの機会だ、お前も母校を見れるチャンスだぞ?まあ自由時間はあまり取れんがな」

ラブ「それもそうね……まあそれでも行けるんだったら行くわ!」

カルシオ「わかった、後で俺が報告しておこう」

 

2人はそんな話をしていたら執務室に着いた。

ラブ「私はそろそろ見張りの交代あるから行くわ」

カルシオ「ああ、またな、お前の活躍を期待しているぞ」

ラブ「ええ!ちゃんと見てよね!」

そう言い残しラブはカルシオの執務室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、例の棺の小さい窓空いていた、その中は本来空の筈だが中には古い紙が入っていた。

その紙には血が付着しており、文字でこう書かれていた。

 

“By blood, the contract with Kuroba Carcio is sealed.”

 






告知となりますが私生活が忙しくなり投稿が長い期間出来なくなります。
応援して頂いてる人達には申し訳ないです……
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