ネクイが運転するトラック
ネクイ「物資は結構積めたけど現金はどう?」
フシミ「駄目だ、思ったより持ってなかったが弾薬をこれだけ持って帰れれば上等。」
ネクイ「SRTにいたとき習わなかった?こういうグループが現金をどれだけ持ってるかでどんな組織か想像がつくって。」
フシミ「それぐらい私にもわかるさ、電子マネーや銀行で口座を作ると犯罪組織だとバレたときに簡単に差し押さえられる、だから小悪党ほど現金を持つ、だろ?」
ネクイ「正解、あの規模でこんだけ現金が見つからないとなると確実にバックにでかい組織がついてるんだろうね。」
フシミ「おそらくカイザーグループだろ、あのいけ好かないチビと組んで失敗したっつう組織だがこりてねぇのかもな、名前なんだったか、あいつらと組んでたやつ。」
ネクイ「…もしかしてカヤ?クーデター失敗したあの。」
フシミ「そうだよ!!思い出したあの胡散臭いチビ!!あんなのと組んだカイザーグループもそうだがfox小隊も切羽つまってたとはいえどあんなのと心中するなんてなぁ?」豪快に笑いとばしながら足をばたつかせる。
ネクイ「たしかにね、でもカイザーだってどうして思ったの?」
フシミ「なんとなく勘だがな、一時期カイザーのやつと関わりがあったんだがそいつらと似てる気がする。」
フシミ「それにどんなやつが相手だろうが私が相手してやるよ、あいつら如きに負ける気がしねぇしな。」
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カンナはミマサのもとに向かっている、重要情報を漏らしたことは調べがついている。
優秀な部下であるがそれとこれとは別、白状させるなり更生させる必要がある。
カンナ「忙しいところ失礼、先日の件で調べなければいけないことがある。」
屋上で絵を描いているミマサに声をかける。
ミマサは振り返ることも絵を描く手を止めもせず返事をする。
ミマサ「だいたい察しがつくわよ。私がフシミに追ってる犯人の情報を流した件でしょ、それなら私が教えたのよ。」悪びれる様子もなく落ち着いている、描いている白黒の絵からも特に焦りは感じない。
カンナ「なぜあなたは情報を流そうと思ったのですか?」
ミマサ「私が正しいと思ったの、自分の正義を信じたからこそ彼女に教えた。あの件はカイザーグループが絡んでたからなかなか逮捕に踏み切れなかった、だからこそ私が捕まえれるよう手助けしてあげた、それだけ。」
ミマサは6Bの鉛筆を取ろうとしたが悩んだ末に隣の5Bの鉛筆で描き続ける。
カンナは初めてミマサの絵を見た、絵の素人ではあるがその凄さはわかる、写真のように正確で白黒だけで濃淡を表しているのは神業としか言いようがない。
カンナ「たしかに当のフシミが踏み込んで1時間後に近くにいた生徒達が現場に到着し逮捕に成功しました、それ自体は褒められるはずです。しかし重要情報を指名手配犯に流すなんてもってのほか、あなたは悪いことだと知っているはずです。なのになぜ悪いことだたとさえ思わないのですか?」カンナの声は終盤にかけて低く、重くなっていく。
数秒の沈黙ののちミマサは口を開く。
ミマサ「正義というものは見方によって、結果的に変わる。局長、あなたはカヤがクーデターを起こした時にカイザーグループの元につき命令に従うように指示されたのよね?だけど命令を無視しあまつさえ拘束されていた先生を救出し、その後も計画をくじくのに大きく貢献した。」
ミマサ「私は素晴らしいと思うわ、でももし失敗していたら?局長は悪の立場になる。局長の想像通り、もしかしたら今頃フシミと入れ替わりで矯正局にいたかもね。」
ミマサ「成功したからこそ正義の立場でいられた、言い方を変えればカヤが正義を振るう立場にいたのかもしれない。私は"結果的な正義"を信じてる、杓子定規な正義はいらないけど失敗さえしなければどんな行動も貫ける信念さえあれば無法でさえ正義と認める。」
ミマサ「大罪人だろうが小悪党が相手だろうが私の放った弾丸は私が正義であるという結果を作る、この銃と私が正義を作れると信じてる。」左手で愛銃であるTac-50を撫でながら語る。
カンナ「確かにあなたの言うことは間違っていません。ですがそれは過去の私の行動の話だけです、銃と弾丸では正義は作れません。」
カンナ「正義とは一人の想いや行動だけで作られるべきではないと考えています。」
カンナ「世の中は嫌になるほどたくさんの悪が存在しています、しかし同じく正義も溢れています。」
カンナ「だから私の理想は悪はいなくとも皆が同じ正義を信じてる。」
カンナ「無理に同じ考えを持ってほしいとは思っていません、しかし悪が存在する以上正義は手を取り合うべきです、フシミは必ず逮捕します、協力してくれませんか?」
鉛筆を置き、カンナに向き合い、出された手を軽く握る、カンナはそれよりもやや強い力で握り返す。
カンナ「フシミを逮捕するにはあなたの協力が必要不可欠です、今回の件は不問にしますが外部に情報を漏らさないでください、そしてこれからも協力お願いします。」
カンナは丁寧に頭を下げたあと業務に戻った。
そしてミマサは色の見えない瞳で遠くと絵を見つめ、また絵の続きを書き出す
ミマサ(はぁ……気が乗らないなぁ……)