マリー、俺と付き合って下さい。   作:カブトムシの相棒

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☆サクタロウへのアレコレ(風紀委員会+おまけ)。



・空崎ヒナ :心の底から心配。感情が無くて、人間性が欠如しているのは理解している。自分では彼の深すぎる闇を払拭する事が出来なかったのが想い残り。もっと見てやればよかったと非常に後悔している。彼のお陰で自分の仕事が楽になれて、前に彼に向け『ありがとうね』と面と向かって伝えた事があった。でも、彼に『あぁ』と淡白に返されたのを忘れられない。どう見ても彼に響いている感じはなかった。それが未だに、自分の心の中に在ってキュっと心臓が苦しくなる。


・天雨アコ :能面の様な表情で、常に冷静で、印象は悪けれど、最高峰のサポートを組織の為に徹してくれる非常に頼りになる後輩だと思っていた。だけどヒナに破壊工作と隠密技巧の技術を説明している時、なんか距離が近くね?と思っていた。そこから少しずつ彼に対し鞭を打つようになった。彼からすれば何でもない事だったので、どんな厳しい事でも涼しい顔で過ごして居た。元々は嫌い寄りの好きではあったが、勝手にあんな辞め方をされ大嫌いになった。今も連れ戻す為に探している。


・銀鏡イオリ:無を極めた変な奴だが友人としてずっと接していた。故に、こんな裏切りに近い辞め方をされて凄くやるせない気持ちに成っている。風紀委員会でも活躍する場が違くとも、いつかは2人で肩を並べる日を夢に見ていた。彼のお陰で風紀委員会の戦力をUPできたのは誇張じゃないと分かっている。あんなモモトークの連絡で勝手に風紀委員会を辞めて、しかも何日も既読が付かなくて、段々と嫌いになっている。内心、戻ってきてほしいと願っている。


・火宮チナツ:未だに信じられないでいる。自分と同じ位の真面目で、仕事に隙を見せない唯一無二の先輩。正直彼には憧れを胸中に抱いていた。彼の破壊工作や隠密作戦で幾多もの盤面を引っ繰り返してきた。しかもその己が持つ技術を満遍なく1年生を中心に風紀委員全員に浸透させた存在だ。才能が大きく出る治安維持の戦場で、彼は【縁の下の力持ち】の楽しさを教えたのだ。彼は委員たちとは一線を引いて接していたが、全員が、自分が、彼を憧れていた。なのに彼は辞めた。あんな…………あんなふざけた辞め方でだ。暇さえあれば彼の所在を探している。そして見つけ次第、小1時間は詰めるつもりでいる。








☆おまけ


・聖園ミカ :ブチ殺す。ぶっ殺す。グチャグチャに引き摺り殺す。殺意100000%。






・伊落マリー:とても優しい人。でも、どこか放っておけない人。誰も彼を考えないのなら、誰も
サクタロウさんを支えようとしないのなら、私が彼を全霊で支えます。





では、本編です。


心の罅に、溶け始める凍えた心。

 

 

 

 

▽ゲヘナ自治区、朝の7時:郊外区域────自宅

 

 

 

 

 

 

 

 

────この身体になってから、正に粉骨砕身の日々を送っていた。

 

血を吐き、肉を断ち、骨を砕き、身体をボロ雑巾の様に扱って……いつのまにか痛覚を亡くしてしまった。

 

だが、ガキの頃から心に在った【強く成りたい】と云う意思があったから、挫けなかった。戦闘の幅が広がるから、不死の肉体とに亡くした痛覚は相性が良かったと感じていた。全身にダイナマイトを巻き付け特攻できたり、肉壁となって敵軍に動揺を誘えたりと、色々と幅が広がっていた。

 

悪くない、そう思っていた。そうだ、当時はそう思っていたんだ。

 

────【味覚】すらも失うのは、どうなんだ。

 

俺は食事が好きだった。不死身なのに腹は空くのかと疑問に思うかもしれないが、正直な話、食事は摂らなくてもいい。俺の趣味の一つだ。この肉体は不思議だ。俺の気分次第で空く時があるし、空いても気を逸らせば飯を食わなくて良い。意外と、コレが便利なのだ。

 

そんな肉体でも、俺は食事が楽しみの一つだった。ガキの時は満足に食えなかった反動なのだろう、色んな自治区へ行って食べる食事は好きだった。

 

キヴォトスの自治区にも列記とした歴史がある。食文化を学ぶのは、楽しかったんだと思う。

 

そんな時だ。数ヶ月前……俺は味覚を失った。理由は、不死身の肉体の代償と判断された。

黒服の親父でも余りよく分かっていない様子だった。代償と決定付けるしかなかったんだ。

 

多分、ここからなんだろう……全てが────()()()()()()()()()()()()()のは。

 

俺の心は空っぽになった。強く成った自分じゃ、治せない心の罅。

ソレがトリガーだったのだろう。ぽっくり折れてしまったのかもしれない、俺の心は。

 

俺は黒服の親父に育てられた。でも結局、其処には愛なんて無かった。

不死身の肉体に、強く成った戦闘力。でも結局それは、只の自己満足の淡い終着点。

 

俺は生きる目的を、失ったんだ。

滑稽が過ぎる。こんな肉体でよくもまぁ、そんな戯言ほざいたモノだ。

 

 

 

「別の選択肢を選んでいたら、変わっていたのか。そう思えばまた別の話になるのか」

 

 

 

ボロい寂れたアパートの一室で一人、そう呟く。

ゲヘナでも治安が悪い区域に分類される此処は、最早俺ぐらいしか住んでいない。

後は荒くれ者が入って来て、直ぐに出て行ったりを繰り返している。偶に深夜でもドンパチが激しいのは割愛だ。

 

 

 

「黒服の親父の下を離れて、風紀委員会も辞めて、普通の学生か……普通って何なんだろうな。今になって考えてる俺は……どうしようもない馬鹿なんだろうな」

 

 

 

1年以上、風紀委員会の組織下で働いていた。悪くない日々だった。辞めたのは数日前……気落ちしてたのもあったが、俺が居て良い場所では無かったから自主的に辞めたんだ。

あそこはもう十分過ぎるほど強固になった。空崎さんだけの組織では、もうない。銀鏡も火宮もずっとずっと強く成った。その他の委員も個人の戦闘力、組織的なチームワーク、そして盤上を引っ繰り返す工作技術。全てがステータスに入った治安維持組織に成っていた。空崎さん、天雨さんも少し休める環境に成った。

 

俺の役割は無くなった。やる事もない、もう恩は返せただろう。

 

 

 

「そう言えば通知………おぉ、凄いな。めっちゃ溜まってる」

 

 

 

ふと、暫く触っていなかったモモトークを開く。

 

気付けば凄まじい量の通知が届いていた。天雨さんに、銀鏡、火宮、etc………あの辞め方、そんなにダメだったのか。既読付けたら見てるって思うだろうし、無視しよう。

 

 

 

「………伊落マリー、か」

 

 

 

唯一、初めて、モモトークの名簿欄にピン留めしている存在が居た。

 

それは────少し前に知り合った、トリニティのシスター。

 

名を『伊落マリー』……簡単に言えば善性の具現化の様な女だ。

俺は……アイツが少し、苦手だ。嫌いじゃない。だけど、アイツと居ると…少し自分が分からなくなる。こうして少し思い出していると動悸が激しく高鳴るし。

 

 

 

「本当に、なんなんだろうな………何か言ってみよう、かな」

 

 

 

上手く表現できなくて伝えられないが、本当に…伊落マリーを想うと、身体だけじゃなく脳も変な感じになるんだ。

ただ、本当に……何でかこの感覚が嫌じゃない。寧ろ……もっと、こう…なんだ?何て言えば良いんだ、もうウゼェ。

 

 

 

「……〈いま、忙しいか?〉…って送っちまった」

 

 

 

なに送ってんだ俺。ヤバいな……痛覚と味覚に加え、脳味噌まで麻痺したのか。一応不死身なんだが。

 

 

 

「ふぅ……やっぱ送信取り消しに────え、既読付いた。はや」

 

 

 

送って10秒くらいしか経ってないのに、もう既読が付いた。

偶々スマホ触ってた、のか…きっとそうだろう。

 

数秒後、直ぐに返信が返って来た。俺も、返信……会話しよう。

 

 

 

☆モモトークタイム☆

 

 

 

〈おはよう御座いますサクタロウさん。今は特に忙しくはありませんよ、丁度お祈りの時間も終えたところですので〉

〈サクタロウさんはいかがお過ごしですか?〉

 

〈ごめん言ってなかった、おはようございます〉

〈お祈りしてたのか。いいな、それ。お前にピッタリだ〉

〈俺は暇してる〉

 

〈ありがとう御座います。そういっていただけて、嬉しいです〉

〈お暇なのですね。そういった時間も大切なので、どうかごゆっくりお過ごし下さい〉

 

〈あぁ。お前は、今日はこれから何かあるのか〉

 

〈そうですね……〉

〈午後は3時から礼拝とお悩みの相談の用事がありますね〉

〈逆に午前中は特に用事はないですね。空いた時間に大聖堂のお掃除くらい、でしょうか〉

 

〈そうなのか。頑張ってくれ〉

〈あの〉

 

〈ありがとう御座います!〉

〈すみません遮ってしまいました。なんでしょう?〉

 

〈いや、なんでもない〉

〈ごめん〉

 

〈そうですか?聞きたい事がありましたら、どんな些細な事でもお聞きしますよ?〉

 

〈……分かった。言う〉

〈お前に会いたい。変装してそっち行っても良いだろうか〉

〈絶対に迷惑かけない。無理だったら、無理って言ってくれ〉

 

〈もろちちんだいzz〉

〈すみません。もちろん大丈夫ですよ〉

〈大聖堂で待ち合わせしますか?〉

 

〈いいのか、ありがとう。お話したかったんだ〉

〈そうしよう。10時に大聖堂に行く〉

〈急にごめん、ありがとう〉

〈あと、一応名前も伏した方が良いよな。適当にタロウって言うわ〉

 

〈はい、分かりました。タロウさんですね〉

〈いいえ、私もお会いできるのが今から楽しみです〉

〈大聖堂までかなり距離が御座いますので、来る時はどうかお気を付けて〉

〈それでは、また〉

 

〈あぁ、また〉

〈もろちんってどういう事だ?〉

 

〈も・ち・ろ・ん!ですから!〉

〈もう………〉

 

 

 

 

☆モモトークタイム・終了☆

 

 

 

 

 

「……会う約束出来ちまった」

 

 

 

まさか俺があの女と会うなんて、しかもモモトークで連絡しあって。

こんな事、初めての経験だ。マジか、こういう時って何か持ってった方がいいんだよな。

 

……ゲヘナと云えば、アレか、温泉饅頭とかで良いのかな。

 

 

 

「す、直ぐ買いに行かなければ。こっからトリニティって遠いしな。あ、変装も……顔隠すヤツとフードと…────」

 

 

 

そうして俺は、10時に大聖堂へ行く前の準備を始めた。

 

……この感情の正体は分からない。でも、きっと、アイツと居たら何か分かると思うんだ。

 

 

 

 

 

 

「……あれ、そういえば変装用の道具、風紀委員会に置きっぱじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────おや、大聖堂のお掃除ですか。ありがとう御座います。流石マリーですね」

()()()()様!いえ、少し汚れが目立っていたので、綺麗にしようと思い立っただけです」

「そういった点は中々できる事ではありません。いつも貴女には感謝していますよ、マリー」

「あ、ありがとう御座います」

 

 

 

9時30分過ぎの大聖堂。その玄関付近でマリーは掃除をしていた。

本日の午前はオフ日。だがそんな日でもマリーは礼拝堂に訪れお祈りを行い、大聖堂の掃除に取り掛かっている。

 

それを見守っているのはトリニティ総合学園3年の『歌住サクラコ』……トリニティでも巨大な組織の一角である【シスターフッド】の長である。

 

彼女はマリーを高く評価している。

自己向上の精神が凄まじいのだ。まだ1年だと云うのに、本当によくできた後輩であると。

 

 

 

「それにしても、今日は少しご機嫌な様子ですね。何か良い事でもありましたか?」

「あっ……わ、分かりますか?えへへ……実は、この後私の友人が大聖堂に来訪なさるのです。10時に此処へ到着すると言っていたので、それも含めてのお掃除だったり」

「おや、そうなのですね。どういった御友人なのですか?」

「そ、そうですね~………とても御優しい殿方ですね。特徴的なのは身長が凄く大きい事、でしょうか。あはは……」

 

 

 

サクラコは別にゲヘナ嫌いと云う訳ではない。だが、この場でゲヘナの生徒で、しかも彼の『榊サクタロウ』と公表するのは非常にマズいので少し隠して告げた。

 

サクラコは少し疑問符を浮かべたが、そういう人が来るのか―と云った感じで完結した。

 

 

 

「ふふっ、教えて頂きありがとう御座います。御友人は大切にもてなすのですよ、マリー」

「はい、承知しました。此方こそありがとう御座います。サクラコ様」

「いいえ、それ程でも御座いません……────おや?」

「どうしました?」

「もっ……もしかして、あの方ではありませんか?マリーが言っていた殿方と云うのは…い、いや、流石に違いますよね……?」

「え?」

 

 

 

サクラコの視線の先、それはマリーの後ろ側。

まさか……そう思い、マリーは彼女の視線の先……後ろに振り替える。

すると、其処には────

 

 

 

「────……来たぞ」

「え、えっと~……()()()さん、ですよね?」

「あ?……あぁ、俺だ。()()()だ」

「あ、すぅ~…………」

 

 

 

間違いなくサクタロウ。だが、一瞬分からなかった。

何故か、それは────この間とは全く違う服装で、余りにも凝った変装だからだ。

 

・服装はゲヘナの制服からシンプルな男性用の黒いテーパードパンツに灰色のフード付きのパーカー。

・背中には〈RPG-7〉を背負っている。

・顔には何故か【ペストマスク】を装着している。

 

傍から見たら超絶不審者だ。サクラコですら動揺を隠せていない。

 

仕方なかった。身長は2m近く、それなりに筋肉もあり、普通の私服に何故かペストマスク。見る人がいたら泣いても可笑しくないほどメチャクチャ怖い。

 

 

 

「と、とても個性的なお友達ですね。マリー……」

「(さ、サクラコ様……!)」

「貴女は確かシスターフッドの長、歌住さんですね。俺は伊落マリーの友人の『タロウ』と申します。コイツには前に良くして頂いて、交流をしております」

「あ、これはこれは御丁寧にどうも……そうですね、マリーは本当によく出来た後輩でして、自慢の生徒の一人です」

「そうですか、やはり本当に良い女なのですね。コイツ」

「そ………そう、ですね」

 

 

 

彼の荒い口調に、サクラコは僅かに表情が歪む。

本当にこの不審者がマリーの友人なのか?この格好、この口調で?

余り人を疑いたくはないサクラコでも、流石にコレは疑ってしまう。まさか……何かに騙されているのではないか?そう思ってしまう程に。

 

胃がキリキリしてきたマリーは、我慢の限界が来たのか、彼の手を握り引き連れる行動をとる。

 

 

 

「サ、クっ…………た、タロウさん!い、一度中でお話しましょうか!で、ではサクラコ様!私達はこれで失礼しますね!」

「ま、マリー!?」

「むっ…あぁ、分かっ。では失礼する」

「え、ちょっ……」

 

 

 

”バタンッ……”

 

 

 

「行ってしまいましたね……」

 

 

 

二人は大聖堂の中へと入っていった。今日は大聖堂には誰も居ないが、大丈夫だろうか……少し心配だが、マリーなら大丈夫だろうと思い、サクラコはそっとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽────大聖堂:応接間。

 

 

 

 

大聖堂の応接間に、マリーはサクタロウを招いた。

 

トリニティ産の紅茶を入れ、彼と自分様に用意する。香ばしい匂いが辺りを充満させる。

 

 

 

「────ま、まさかこんな行動を取るとは思いませんでしたよ、サクタロウさん」

「すまない。俺も少しヤバいとは思っていた」

「でっ、では何故、この様な個性的な変装を……?」

「変装の道具の大半を【風紀委員会】の装備室に8割くらい置いていたのを忘れていたんだ。俺の家には、その、これ位しか無くてな……ごめん」

「い、いえ!そのような理由があったのでしたら致し方ないですよ!どうか御謝りにならないで下さい……」

 

 

 

マリーは彼の奇抜過ぎる変装に流石に言及した。

そしたら、まぁまぁ仕方のない理由があって、言うに言えない。

 

だが……。

 

 

 

”……ガヤガヤ………ガヤガヤ────”

 

 

 

「……その、多分ですけど」

「もしかして通報されたか?」

「恐らくですが、はい……」

 

 

 

外が少し騒がしい。多分と云うか普通に通報されたのだろう。

此処に来るまでにその恰好だったら、通報されても可笑しくはない。

 

マリーは少し頭が痛くなった。まさか、彼がこんな大胆な行動に出るとは思っていなかったからだ。

変装してくると云えば、こう……フードを被り、マスクとサングラスだったり。もっと凝るならメイクとかもあっただろう。

 

マリーはそっとスマホを取り出し、モモトークで〈サクラコ様、申し訳ないのですが……私の御友人が勘違いで通報されているみたいです。もし何か聞かれても此処には居ないと、そう仰って下さいませんか?〉と、サクラコに連絡を入れる。直ぐに既読が付いて〈勘違いは可哀想ですね。承りました〉と返って来た。恐らくこれで大丈夫。マリーはサクタロウに告げる。

 

 

 

「まぁ、恐らく此処には来ないと思われます。サクラコ様にも連絡いたしましたし、それに今日の午前中は私くらいしか此処には居ません。なのでそのマスクは着脱して大丈夫ですよ、サクタロウさん」

「あぁ、分かった」

「わっ…………(そういえばこのマスク、意外と顔の判別が出来ないのですね。怪しさは満点ですが、正体を隠すのには向いてるのですね)」

 

 

 

マリーがそう言うと、サクタロウはペストマスクを着脱する。

彼が着けるマスクの構造に少し感心する。かなり怖いが、正体を隠すのには持ってこいのマスクだと、そう思って。

 

 

 

「────ふぅッ、初めて変装として使った」

「随分と大胆な博打を……体調は大丈夫ですか?息苦しくはなかったですか?」

「大丈夫だ、お前に心配される程ではない」

「そうですか……なら良かったです」

 

 

 

顔を露出させた彼の顔は、いつも通りの無表情。

なんだか、少し安心している自分がいる。マリーはそう思ってしまう位、このマスクのインパクトは強かった。

 

 

 

「おい、お前にコレをやる。買ってきた」

「え?あ、コレって……もしかしてゲヘナ産の〈温泉饅頭〉ですか?」

「そうだ。一応名物ではあるから、良かったら……食ってくれ」

「……っ!ありがとう御座います!とても嬉しいです!」

「────……ふんッ」

 

 

 

マリーはサクタロウのお土産に、とても喜色の表情で応えた。

ゲヘナの名物製菓である温泉饅頭。犬猿の仲であるトリニティじゃ中々手に入らない代物だ。

それに加え、ゲヘナ産のお菓子を食べる行為がトリニティでは好ましく捉えられない。マリーは全く気にしていないのだが、シスターフッドの立場的にもかなりそう言った行為が難しくなってしまった。

 

なので、誇張抜きで彼のお土産は本当に嬉しかったのだ。

 

 

 

「俺は腹を空かしていない。それ全部お前が食え」

「宜しいのですか?」

「あぁ、いま食ってもいい。美味しいかどうかは分からんが、お前の食ってる所を見たい」

「サクタロウさん……ふふっ、ありがとう御座います。では、お言葉に甘えさせて頂きます……────んぅっ!おいしい!」

「ッ!そうか」

 

 

 

マリーは箱を開け、中に入っていた饅頭を一齧り。

割と大きいサイズの饅頭では、マリーの小さな口では一口で食べれない。あんこが詰まった饅頭をモグモグと咀嚼し、食す。

 

 

 

「喜んでもらえたんなら、良かったよ」

「はい!本当にありがとう御座います、サクタロウさん!」

「ッ、良いから……喉に詰まらせんなよ」

 

 

 

自分でもよく分からない感情を前に、何故か素直に成れないサクタロウ。

見るに、彼はツンツン系らしい。

 

 

 

「(……この紅茶の味は、匂いは何だろうか。色相的にはレモン風だが)」

「このお饅頭、紅茶とも合って本当に美味しいです。サクタロウさんも良ければこの紅茶、お飲み下さい」

「あぁ、頂く…………あぁ、美味いな」

「そうですか!それは良かったです」

 

 

 

サクタロウは危険を冒さなかった。マリーに嘘を付くのは本当に気が引けた。この能面の様な顔立ちが役に立つ日が来るとは、最高に皮肉が効いている。

味覚が分れば、嗅覚が鈍くなければ、もっと良い食の感想を云えたのに。本当につくづく、困った現実だと、サクタロウは心の中で想った。

 

 

サクタロウとマリーは対面に座り、最近の出来事の話をした。

 

どんな任務をこなしたのか、どんな人が相談に来るのか……各々が違う職種の中、話は広がった。

 

 

 

「────…なんて事もあったな。40人のヘルメット団に囲まれた時は流石にマズいと思ったが、何とか煙玉とか音響爆弾を用いて逃げる事が出来たんだ」

「そんな凄い体験が……平和の為に尽力するのは本当に大変だと思います。そんな中でも頑張れたのは、サクタロウさんの努力の結晶なのでしょうね」

「……また褒める。別に俺は、俺の仕事をしただけだ」

「ふふっ、気に障ってしまったのなら謝りますよ?」

「………………勝手にしろ」

「ふふふふっ、えぇ、そうさせて頂きますね」

 

 

 

どうやらマリーの方がサクタロウよりも上手のようだ。

 

沸々と、彼の胸中に感情が膨れ上がる。

長きに渡って、能動的に消してしまっていた心の情。

それが、たった一人の女の子によって、微量ながら……出て来ている。

 

 

 

「────そうだ。なぁ、少し見てほしい」

「ん?はい、なんですか?」

「あれから、お前のやり方を復習してたんだ。こう……”にこ~”って笑顔を」

「っ!!」

 

 

 

サクタロウはマリーに向け、指を使って笑顔を作る。

唇の端部分をクイッと上に抓らせる。前にマリーと練習していた時よりも、少し…ほんの少しだけスムーズにできている。

 

 

一種の感動をマリーは覚える。彼も彼なりに、笑顔の練習をしていたんだ。

 

 

 

「上手、とても…とっても御上手ですよ!サクタロウさんっ!」

「そうか?本音を言えばあん時との違いが分からねぇんだが」

「いいえ!私にはわかりますよ!以前よりも凄く笑顔が出来ています!」

 

 

 

────ジワァ……と、心が、温かくなる。

 

 

 

「……?」

 

 

 

サクタロウは、また体が熱くなる。

もう、永久に変わらない負の肉体を持った青年の、凍えた心が、溶け始める。

ジワリと、ゆっくり、少しずつ……確実に。

 

 

 

「……お前って、不思議な女だよな」

「へ?不思議?」

「あぁ。普通、俺と会ったり話すなんて嫌だろ。なのにそんな様子を一切見せねぇし、裏の無い笑顔をみせて来る。なんつうか…………お前と話したりすると、俺にもよく分からない感情が此処()に渦巻く感じがして、不思議な感覚になる」

 

 

 

サクタロウは至って真面目に、感じた事の想いをマリーに言い放った。

 

そんな事を言うサクタロウに、マリーは告げる。

 

 

 

「サクタロウさん。私は貴方とお話したり、会ったりするのは楽しくて好きですよ。全く嫌なんかじゃありません」

「それは分かってる。だから不思議で、なんか、その……ムズムズするんだ。あと……」

「あと…?」

 

 

 

マリーの問いに、サクタロウが……目を合わせ、低いトーンで告げる。

 

 

 

「────俺は……何の悪意も無く、こうして誰かと過ごすのは初めてなんだ。気が楽で、知らない自分も発掘できて、妙に落ち着く……こういうのを、楽しいっていうのか。お前と居るこの瞬間は、なんだか俺は好きなんだ」

「ぁ、っ……~~~~~~っっ!?」

 

 

 

ブワっと、マリーの顔が赤く染まる。

 

無表情で、彼特有の雰囲気で突如告げられた、聞く人が聞けば恥ずかしい言葉の数々。

 

全くの本音。嘘の何もない、純粋な想いなのだろう。

 

 

 

「そ、うっ!そう、ですか……」

「あぁ、そうだ……俺と関わって怖がらないだけでも珍しいのに、それに加えて、こうして接してくれるんだ。嫌でも理解できる感情だ。嬉しいよ」

「サクタロウさん………(────じゃあ、なんで貴方は、そんなに……)」

 

 

 

この言葉に嘘はないのだろう。

彼の表情は能面の仮面を被っても遜色のない、それ程のポーカーフェイスだ。

それでも、彼は嘘を言う性格ではない。それは、マリーでも分かる……分かるのに。

 

 

 

────そんなに言ってくれるのに、なんで、サクタロウは【抱える闇】を見せないのだろう。

 

 

 

見習いといえ、マリーは優秀な部類のシスターだ。彼が抱えている深い闇くらい感知している。

ただそれが何なのかは分からない。ここだけの話、彼は謎が多すぎる。シスターフッドの情報網でも彼の正体は掴めないと言われたほどだ。

 

雰囲気から察せるのだ。彼は……自分では到底抱えきれない闇を抱えている。

 

 

 

「(サクタロウさん……貴方は一体、何を抱えているのですか?)」

 

 

 

聞けない。どうしようもなく聞きたいのに、それを聞いたら……もう元の関係には戻れなくなる気がして、怖くなってしまう。

 

 

 

「……どうした。なんか顔色が悪いぞ、お前」

「あ、いえっ……大丈夫です」

「あ?本当だろうな」

「ほ、本当です!私は大丈夫で……ひゃっ!?」

「お前みたいな人間は自分を棚に上げる、悪いが確認させて貰うぞ。こういうのはデコ触れば分かる。失礼する」

「さくっ、サクタロウさんっ!?ちょ、あのっ……はうぅ…っ!」

 

 

 

サクタロウの長い腕が伸び、対面に座るマリーの額まで掌が向かう。

そのまま、ベールを掻い潜りサクタロウはマリーの額にピトっ……と、数秒触れる。

 

 

 

「っ……~~っ!!」

「うむ………熱は無いようだな。本当に無理はしていないと判断する。疑って悪かったな」

「ぃぇ……だいじょうぶ、です…っ」

「でも汗が凄いな。ほら、お前のデコの汗。俺の右手にちょっと付いた」

「ふ、拭いてくださいっ!そんな、恥ずかしい……っ!」

「あぁ、悪い。拭く」

 

 

 

サクタロウは胸当たりのパーカーにサッサっと拭いた。

 

 

 

「そっ!そこじゃなくてーっ!」

「なんだ急に。なんでそんなに汗に拘る」

「拘ってる訳じゃなくて、え、えっとですねっ……私の汗が貴方に付着するのが、恥ずかしいのですよぉ…!」

「恥ずかしい?なんでだ」

「だ、だって、汗ですよ!?に、臭いとか、色々と不衛生で、その………」

「別に臭くない。気にするなよ」

「いやですよっ!サクタロウさんが気にしなくっても私が気にしますっ!」

「そうか。分かった、次からは気を付ける」

「うぅ………ホントですか?」

「多分」

「もう!」

 

 

 

マリーはサクタロウのパーカーに常備している消毒スプレーをサッと掛ける為に隣に座る。

……移動して、行動して気付いたが、今…普通に自分はサクタロウに触れている事にハッと気づいた。

 

拭き終わって、直ぐに離す。彼を見ればじっと見ていた。

 

 

 

「あ、あの!す、すみません!普通に触れてしまいましたが、イヤではありませんでしたか?」

「嫌じゃない。俺が触ったらイヤか?」

「え!?ま、また難しい事を………じょ、状況によるかも、です…」

「そうか。じゃあ、もう無暗に触らない方が良いな。デコ触って悪かった」

「い、いえ!そういった状況では良いという事ですので!さ、触って下さい!(?)」

「……余り男にそういう事言わない方が良いぞ。勘違いする」

「あぅ……すみません、気を付けます……」

「そうしてくれ。俺以外の前で言うなよ。それ……何か嫌だから」

「はい…………え?」

 

 

 

表情に差は無いモノの、サクタロウがマリーに対して告げた発言は、中々な言葉だった。

 

でも、マリーは気付いた。

 

 

 

「(────ちょっとだけ、目に感情が……)」

 

 

 

少し、ほんの少しだけ……彼の左目に、僅かな【怒気】が宿ったように見えた。

 

それはマリーに対しての怒気だった。自分以外にそういった発言をするなと釘を刺す時の、ジト目に近い、そんな感情が僅かに現れていた……そんな、気がしたのだ。

 

 

 

「ん?どうした」

「あ、いえっ………ふふっ、いいえ、なんでもありません」

「……またデコ触るか」

「ほ、本当に大丈夫ですからっ!も、もうおでこは御勘弁をぉ……っ!」

「ふん」

 

 

 

そうして、二人は饅頭と紅茶を嗜み、楽しそうに11時30分過ぎまで話し合いをした。

 

マリー有利に終わると思っていた2回目のお茶会は、まさかの最後にサクタロウの天然でサクタロウ有利で終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────今日はありがとう。お前のお陰で、楽しかった」

「それは何よりです。私も、凄く楽しい時間を過ごせました。今日はありがとう御座いました、サクタロウさん」

 

 

 

11時30分過ぎ、応接間でサクタロウが身支度をしながらマリーと会話する。

とはいっても、ペストマスクを装着するだけだが。それに加えてRPG-7。

 

そこで、マリーはとあることを聞く。

 

 

 

「その、あと30分程でお昼になりますが、一緒にお昼ご飯とかは……」

「有難い話だが、遠慮する。俺は通報されている身だし、そろそろシスターフッドも活動する人間が来る頃合いだろ?お前に迷惑を掛ける訳にはいかない」

「そう、ですか……分かりました。また次の機会にしましょうか」

「あぁ、そうしよう…………おい」

「ん?はい、なんでしょう?」

 

 

 

身支度を終え、後はマスクを被るだけに成ったサクタロウがマリーに問いを掛ける。

マリーは何だろうと思い、彼の言葉を待つ。

 

 

 

「また、一緒にお茶したい。次いつ空いてるとか、分かるか?」

「っ!!……そうですね。予定を見るに次の水曜日と木曜日が特に大きな用事がない日ですね」

「次の水曜日と木曜日……じゃ、じゃあ。そのどっちか、またお茶しよう……その、良いだろうか?」

「ふふっ!えぇ、勿論です!その日に貴方と遊ぶ予定を入れておきますね」

「んっ……ありがとう」

 

 

 

なんとも、まぁ、見る分には面白い二人の仲だ。

 

ゲヘナの狂人とトリニティの聖女。学園も性別も何もかも違うのに、不思議な関係性だ。禁断の仲とも云える。

 

 

 

「じゃあ、また連絡する。今日はありがとうな」

「はい、ありがとう御座いました。私からも連絡させて頂きますね!それと、どうか帰り道にはお気を付けて…何かあったら直ぐに連絡してくださいね?」

「あぁ、分かった。頼みにしてる」

 

 

 

そう言って、彼はペストマスクを被り変装する。

こうして見れば、最初よくサクタロウだと分かったモノだと思う。

顔だけとはいえ、普通に分からない。普通の不審者だ。

 

 

大聖堂の玄関まで来たマリー。そこで、彼が立ち去ろうとして……数歩歩いて、止まる。

 

 

 

「?……何か忘れ物が?」

 

 

 

マリーが素朴な疑問を投げると、首を横に振るサクタロウ。

 

後ろを振り返り、数秒の間……彼が、問う。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前って言うのも、違うよな」

「え…?」

「────これからは()()()って呼んでも、いいか?」

「────っっ!!」

 

 

 

なにかが、マリーの中で弾ける音がした。

 

それは、本当に……心から嬉しい衝撃で。

別に彼が自分の事を『お前』と云うのは気にしていなかった。

 

でも……こうして『マリー』と呼んでくれるのは、心から、嬉しかった。

 

 

 

「はいっ!どうぞこれからはマリーと、気軽にお呼び下さい!サクタロウさん!」

「……分かった。そうする。じゃあ………またな、マリー」

「はい!また、次に会う日まで!」

 

 

 

それを最後に、サクタロウは去った。

 

 

マリーは、どうしようもなく嬉しい気持ちに成った。

まさか、あの人から名前を呼ばれる何て、思ってもいなかったから。

 

 

その日のマリーは、他のシスターから見ても凄まじい働きをしたとか。

 

 

では最後に、その日の晩のマリーとサクタロウのモモトークの内容をお見せして終わろうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

☆モモトークタイム:22時☆

 

 

 

 

〈今日はありがとう、マリー〉

〈来週の水曜日と木曜日の事なんだが、マリーはどっとだと都合がいい?〉

 

〈此方こそありがとう御座いました!とても充実した日になりました〉

〈先ほど日程を確認したのですが………すみません、水曜日は午後に少し用事がありました〉

〈ですが木曜日は完全オフ日でした!〉

〈木曜日お茶会をする予定でいきますか?水曜日でも午前中でしたらお時間取れますが……〉

 

〈分かった。木曜日はマリーとずっと居たいから、その予定でいこう〉

〈水曜日は余り無理はさせたくないが、会えるなら会いたい。そこはマリーに任せる〉

 

〈わかりますたん〉

〈失礼しました。承知しました。では木曜日は一日お茶会をしましょう〉

〈水曜日は今日みたいに午前中でしたらずっと空いているので、お会いしましょうか〉

 

〈分かった。じゃあそういう方向でいこう〉

〈マリーはもう寝る時間か?〉

 

〈いつも11時位に寝てますが……〉

〈もしかしなくても私お子様として扱われてます?〉

 

〈そうなのか。意外だ〉

〈マリーは肌が綺麗で、健康体な身体つきしてるから10時か早くて9時に寝てるかと思ってた〉

 

〈あ、ありがとう御座います〉

〈割と嬉しい意味で勘違いされてて嬉しい気持ちです……ちょっと複雑ですが〉

〈逆にサクタロウさんは何時に寝るのですか?〉

 

〈そうだな〉

〈あんま決まってない気がする〉

〈寝なくても良いしな〉

 

〈え?〉

〈寝なくても良い、というのは…?〉

 

〈あ〉

〈間違えた〉

〈なんでもない、忘れてくれ〉

 

〈はぁ……〉

〈……お伺いしても?〉

 

〈ダメだ〉

〈マリーの様なお子様にはまだ早い〉

〈もう寝んねの時間だ。おやすみ〉

 

〈サクタロウさん!?〉

〈ちょっと小バカにしてません!?〉

〈11時に寝るって言いましたよ私!それにまだ未熟とはいえ私は高校生です!〉

〈もう……偶にイジワルですよね〉

〈………〉

〈……あの、もう寝ました?〉

〈サクタロウさーん〉

〈………〉

〈おやすみなさい〉

 

〈あぁ、おやすみ〉

 

〈もうっ!〉

 

〈悪かったよ。今日はありがとうな、おやすみマリー〉

 

〈いじわるなサクタロウさん、おやすみなさい〉

 

〈なんだ、拗ねたのか?〉

 

〈拗ねてません。おやすみです〉

 

〈にこー(写真付き)〉

 

〈悔しい…!〉

〈笑っちゃいました…!〉

〈遂に片手で笑顔の練習が出来るようになったのですね。流石です〉

 

〈明日も練習する〉

〈マリーに教わった事だからな。大事にしたい〉

〈マリーはずっと笑ってる方が可愛いと思う〉

〈明日も何か連絡し合おうなマリー。おやすみ〉

 

〈ほんとにずるいですよ、もう……〉

〈でも、凄く嬉しいです。ありがとう御座います!〉

〈そうですね、何気ない事でも、お話ししましょう!〉

〈おやすみなさい、サクタロウさん〉

 

 

 

 

 

☆モモトークタイム・終了☆

 

 

 

 

 

二人の仲は、現代の子供らしく、対面やモモトークで着実に仲良くなっていった。

 

 

 

 

 

 






次回はお茶会と云うの名のデート回ですね。場所は未定です。

早くバラしたい早くバラしたい早くバラしたい早くバラしたい。
戦闘によってサクタロウがバラバラになるシーンをマリーに見せたい。
今すぐマリーの泣き顔を書きたい。
自分の最初の出会いから彼を苦しめてたって察させたい。


ふぅ………………誤字感想、何時でもお待ちしております。
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