ダンジョンで"救護"するのは間違っているだろうか 作:救護騎士団オラリオ支部
そしてユズも来た。
問題はエイミを引くかどうかだ。
ミドモモの可能性が残っている以上、慎重にならねば。
あ、ウチはテルミットピンクが悲鳴を上げながら現在長期間連勤中でD1凸してます。
宇沢、お前を天井してまで迎え入れててよかったよ。
ダンまち6期も決まって今からワクワクしてます。
「異端児……ですか」
ミネは静かにそう呟いた。
竈火の館の一室。
アストレアとアリーゼ、ミネが腰を下ろし、向かい側にはヘスティア、ベル、リリたちが並んでいる。
部屋の空気は重く、けれど逃げ場のない真剣さを帯びていた。
「……私たちが不在の間に、そんなことが起きていたなんて」
アストレアは目を伏せ、胸の前でそっと指を組む。
「ねぇ、アストレア。君はウィーネ君達をどう見る?」
ヘスティアの問いかけは、穏やかだが核心を突いていた。
アストレアは少しの間、沈黙する。
まるで“正義”という言葉の重さを、手のひらで量るかのように。
「……モンスターね」
その言葉に、ベルの肩が僅かに強張る。
「でも同時に――」
アストレアは目を上げ、ベルたちを見渡した。
「怯え、迷い、助けを求める存在でもある」
彼女は真剣な目でベルを見る。
「確かに聞いた話だけなら、そこらの人間の子供と変わらないわね」
その言葉を受けて、アリーゼが腕を組んだまま口を開く。
「モンスターだから。それを理由に“殺していい”って言うなら、私は自分の正義を貫けないと思う。知ってしまった以上ね」
ベルは、思わず息を呑む。
アリーゼの言葉は、感情論を全面的に表に出した言葉だった。
自分が信じる正義を感情のままに進み続けるアリーゼらしい言葉だった。
「ミネさんは、どう思います?」
問いかけたのは、ベルだった。
室内の視線が、一斉にミネへ集まる。
ミネはすぐには答えなかった。
指先を組み、わずかに視線を落とす。
「……率直に言いましょう」
やがて、静かな声が落ちた。
「私にとって、人間かモンスターかという区別は、あまり重要ではありません」
一瞬、空気が張りつめる。
「助けを必要としているかどうか。
それだけです」
ミネは顔を上げ、ベルを真っ直ぐに見た。
「私は、助けを乞われたなら――
たとえ相手がモンスターであろうと、救います」
ベルの目が、わずかに見開かれる。
その言葉は、熱を帯びてはいなかった。
正義を叫ぶでもなく、情に訴えるでもない。
ただ、淡々とした“事実”のように語られていた。
「それは……」
リリルカが言葉を探す。
「何というか、ミネ様らしい答えですね」
リリルカの言葉に、ミネは小さく息を吐いた。
「そうでしょうか」
「はい。善悪じゃなくて、“行動基準”だけで語るところが」
皮肉でも揶揄でもない、どこか安心したような声だった。
ヘスティアは腕を組み、じっとミネを見つめてから、ぽつりと言う。
「……ミネ君。異端児を守るってことは、オラリオそのものを敵に回す可能性があるんだよ?」
その言葉に、部屋の温度が一段下がった。
有力ファミリア。
そして――冒険者たちの、人間たちの“常識”。
異端児の存在は、それらすべてを揺るがす爆弾だ。
「場合によっては、オラリオ中の冒険者が、刃を向けてくる」
ヘスティアは珍しく、冗談を交えなかった。
「それでも?」
問いかけに、ミネは一瞬も迷わなかった。
「それでも、です」
短く、はっきりと。
「救える命を見捨てる理由にはなりません」
アストレアはその言葉を聞き、静かに目を閉じた。
「……変わらないのね、ミネ」
微笑みとも、諦観ともつかない表情で、彼女は言う。
「どれほど世界が歪んでいようと、“助けを求める声”に背を向けない」
アリーゼが、ふっと口角を上げた。
「いいじゃない。私はそういうの、嫌いじゃないわ」
「え、アリーゼさん……?」
「正義が何かなんて、結局は自分で決めるしかないのよ」
彼女はベルを見る。
「ベル。貴方が守りたいと思ったなら、それで十分でしょ?」
ベルは、ぎゅっと拳を握った。
「……はい」
震える声だったが、確かに前を向いていた。
「僕は、ウィーネ達を守りたいです」
その一言が、部屋の空気を決定づけた。
ヘスティアは深く息を吸い――そして、にっと笑う。
「ミネ君が敵に回るのが一番の懸念だったけど…味方になってくれるなら、もう何も心配ないね」
その言葉に、ベルは胸の奥が熱くなるのを感じた。
自分の選択を、否定しないどころか誇ってくれる主神。
それだけで、どれほど救われるか。
「さて、ウィーネ君達の事はこれで決まりだね。僕たちはあの子たちを受け入れる。モンスターとか関係なくね」
にかっと笑いながら、ベルは胸を張る。
「……ありがとうございます、神様」
小さく頭を下げるベルに、ヘスティアは手を振る。
「礼なんていらないよ。君が選んだ道は、ボクの道でもあるんだから」
その言葉は、神としてではなく――家族としての響きを持っていた。
「で、次の話題なんだけど…」
場の空気は決意で固まった。ならば次は――現実だ。
「ギルドから強制任務が来てるんだよね。これどうしようか…」
探索系ファミリアはギルドから一定の成果を求められる。
未探索エリアの発見や探索階層の更新などがあるが、本来は結成3か月のファミリアに課されるものではない。
しかしヘスティア・ファミリアはアポロンとの戦争遊戯やイシュタルとの抗争等で一部の眷属を改宗しておりDランクに達していた。
そのため強制任務を行う必要が出てきたのだが――。
「…ミネ君がねぇ」
59階層。
それがミネが持っている到達階層だ。
ぶっちゃけ、これを報告するだけで今回の強制任務が終わるレベルの到達域だ。
しかし、これに納得しないのがミネを除いた眷属達。
ミネにおんぶにだっこでは納得できない。
ベルは真っ直ぐに顔を上げた。
「……僕たちだけで、やれませんか」
その言葉に、部屋が静まり返る。
ヘスティアも一瞬きょとんとした顔をしたが、すぐに察した。
「……ミネ君に頼らず、ってこと?」
「はい」
拳を握るベルの声は、まだ未熟で、それでも揺るがなかった。
「ミネさんがいるからって、全部任せるのは違うと思うんです」
59階層。
その数字は重い。
自分たちが今立っている中層とは、比べ物にならない深さ。
「僕は、強くなりたいです。追いつきたい」
それは焦りではない。
覚悟だ。
アリーゼが、ふっと笑う。
「いい顔するじゃない」
アストレアも静かに頷いた。
「自立を望むのは、良いことね」
幾度となくベルの覚悟を見てきたミネも微笑む。
「それなら、私は今回、同行はしません。フレイヤ様の元で皆さんの帰りを待っていますね」
そう言い、ミネは立ち上がった。
最近のごたごたで顔を出せていないフレイヤ・ファミリアで、そろそろヘイズが限界かもしれない。
数日間、フレイヤ・ファミリアで過ごすことを決めた。
部屋の窓から差し込む光が、ベルたちの背中を照らす。
新たな決意と、揺るぎない覚悟を胸に、彼らは次の一歩を踏み出すのだった。
ベル君達は基本、リリルカ、ヴェルフ、タケミカヅチ・ファミリアと組んで探索しています。
なので探索メンバー的には原作と変わっていません。
相も変わらずフレイヤ様の所でバイトに勤しむ気のミネですが、この時期フレイヤ様の所にはあの子がいるんですよね。
あと、原作や外伝を読み直して時系列調整や構成を組んでいるので投稿が遅くなります。
このSSは「第2次クノッソス編」→「???編」→「派閥対戦編」で完結予定になります。
これが終わったらアリス編を書くかミネの過去編を書くかミネがフレイヤ様に拾われた場合の話を書くかタケミカヅチ・ファミリアのイズナ編を書くかアストレア・ファミリアのツルギ編を書くか迷ってます。
このSSが完結したら
-
アリス編を書け
-
過去編を書け
-
フレイヤ様に拾われたミネ編を書け
-
イズナ編を書け
-
ツルギ編を書け
-
いつまでかかっても良いから全部書け