TS転生ラルトス♀はサーナイトになりたくない! 作:如月SQ
もう少しで終わりになるかと思いますので、それまでお付き合いいただければと思います。
ちなみに、前話のウォロ、頭こそ下げてますが謝罪の言葉は一切口にしていなかったりします。
みみっちぃですねぇ~。
ところで今話セーフですかねぇ……?
「……ふ、ふふふ……まさか、サーナイト以外で、たった一匹にやられるとは思いませんでしたよ……」
「ガゥウウ……」
ウォロさんの最後の手持ち、トゲキッスがボールの中へと戻っていく。
六匹全員を、レントラーだけで倒しきった……!
達成感に、思わず拳を握り締めた。
サーナイトのようにほぼ無傷という訳ではないし、レントラーもギリギリだ……。
だけど、私達は強くなっている……そう強く自覚出来た。
これで、私達の勝ちだ!
「ふぅ……やったね、レントラー!」
「ガゥ! ガゥ! グルルルルルル……!」
「……レントラー?」
……けれど、レントラーの様子がおかしい。
ウォロさんを……いや、ウォロさんの背後の空間を睨み付けて……!
「ふふ……気付きますか……言った筈です! ワタクシはギラティナの力を使って次元の裂け目を作り出したと! これが、ワタクシの、奥の手!」
バリバリバリバリ!
空間が裂け、闇がうまれ、何かが此方へと現れようとしている。
ドシン、ドシンと地響きをたてて、凄まじい圧力を醸し出しながら……。
「っ……! これは……!」
この尋常じゃない迫力は……覚えがある……!
ディアルガとパルキアと同じ……つまり……!
そこにいたのは、黒の金で縁取られたような、異形のドラゴン。
太い四肢を踏み締め、シンオウ最後の伝説、ギラティナが現れた……!
「打破せよ! ギラティナ!」
「ビシャーーーンッ!」
「サナッ!」
「待って!」
「サナッ!?」
「大丈夫、皆を……私達を信じて」
「…………」
「君をついでになんて欲しがってるウォロさんには、絶対に渡さない。絶対に、勝つ。……約束だよっ!」
「……サナ……サナッ」
「うんっ! 私の格好いいところ、しっかり見てて!」
「っ……! ヌメルゴン、そこだぁっ!」
力業!
「ヌメェエエエエエエ!」
「りゅうのはどう!」
四肢を失くし、不気味な翼を生やし、宙を飛び交う姿へと変貌したギラティナ。
更には影を纏いその姿すら隠して、翻弄され続けていた中で。
私の手持ちは後ヌメルゴンしか残されていない中で、見極めた一瞬の隙。
そこを見事に私の指示の通りに動いてくれたヌメルゴンが、撃ち抜いた。
ドォッ!!!
溢れんばかりの凝縮されたドラゴンのエネルギーが、ギラティナへと炸裂した。
「ビシャァアアンッ!?」
悲鳴をあげて吹き飛んだギラティナはウォロさんの横を通り過ぎ、地面に倒れた。
そして数度身動ぎをして……力尽きたように動かなくなった。
…………終わった……?
一度倒したものの立ち上がり、ガチグマとジュナイパーをそのまま倒された事が脳裏に過り、警戒を緩めずに倒れたギラティナを眺めていたけど……どうやら今回は本当に終わりのようだった。
「……やった」
言葉に出せば、一気に実感がわきはじめる。
ウォロさんを下し、伝説のポケモンギラティナを退けた……。
それはまるで夢のようで……信じがたくて……けれど、確かな現実として存在していた。
「やった、やったよヌメルゴン! よく頑張ったね!」
「ヌメェ! ヌメェエエエエエエ!」
勝利の雄叫びをあげて、ヌメルゴンは私を見て満面の笑みを浮かべた。
そして……そのまま両手を広げて私に抱き着いてきた。
ぬるぅ
顔を私に擦り付けて、全身で喜びを表現するヌメルゴンは……本当に可愛い!
「よしよし! 本当に頑張ったね!」
ぬるぬるぬめぬめとした感触を感じながらも、私は精一杯ヌメルゴンを褒めて撫でて愛で続けた。
そうしていると、そこにもう一つ……ずっと私達を見守ってくれたいたサーナイトが、駆け寄ってきていた。
躊躇いなく此方に飛び込んできたサーナイトは、私とヌメルゴンを合わせて抱き寄せた。
「サナ、サーナ!」
「やったよ、サーナイト!」
「ヌメェエン!」
ぬめぇ
そして皆でぬるぬるになるのもお構い無しに、身を寄せあった。
私とサーナイトに順に頬を擦り付けるヌメルゴンを撫で続けて、全身ぬるぬるになるまで、そんなやり取りを続けていた。
「……まさか、ギラティナまでもが……」
そこで不意に、呆然としたウォロさんの声が響いた。
瞬間、サーナイトは柔らかく細めていた瞳を開き、私達の前に立ちはだかった。
……そんなサーナイトの後ろ姿が格好よくて、守られている立場にも関わらず、キュンとしちゃった……。
ぬめぬめでも滅茶苦茶格好良いよ、サーナイト!
「悔しいですが……負けを認めましょう。これが、最後のプレート、もののけプレートです」
……っと、話が進んでたみたい。
ウォロさんは悔しげに表情を歪めながらも、最後のプレートを差し出してきた。
それを私はぬとぬとの手で、避けようとしないサーナイトの脇から伸ばして受けとった。
「さて……本来ならば約束通り帰還の手伝いの為に……ギラティナに協力を仰ぐつもりだったのですが……」
そこでウォロさんは言葉を切り、辺りを見回した。
さっきまで倒れふしていたはずのギラティナは何処にも見当たらず、影も形もなかった。
「……逃げ出してしまったようですね。なんとも、情けない……仕方ありません。ギラティナはワタクシのほうで捜索させていただきます。ディアルガ、パルキアにギラティナも揃えば、ショウさんを帰す事くらいは出来るでしょう。もっとも……」
パアッ……!
「あっ……!」
今まで幾度も世話になっていたカミナギのふえ。
それがプレートを揃えた事によってか、不思議な形のふえへと姿を変えていた。
「……やはり。その笛……てんかいのふえで、アルセウスに会えれば……もしかするとそのまま帰れるかもしれませんが、ね」
ウォロさんはそう吐き捨てるように言うと、くるりと踵を返した。
そのまま歩きだす姿には、微塵の未練もないように見えた。
その後ろ姿に、私は思わず声をかけていた。
「あのっ……! い、一緒にアルセウスに――」
ピンッ、と、ウォロさんの人差し指が立てられた……いつもみたいに。
私の言葉を止めるように、けれど振り返らずに……いつもとは違って。
「ショウさん! ジブン、施しはしますが簡単には受けとりません! 何せこれでも商人の端くれですから! ……この先何年、何十年、何百年かかろうと、ヒスイの歴史を調べあげ、自力でアルセウスへと辿り着いて見せます。そのような貴方の
ウォロさんは歩みを止めなかった。
「……約束は果たします。いずれまたお会いしましょう」
「ふぅうー……なんだか、疲れちゃったね……」
「サナァ……」
ウォロさんとの戦いを終えて、私達はコトブキ村に帰ってきて家の中で寛いでいた。
皆傷付いていたのもあるし、私も疲れ果てていたし、何より……もしも本当にアルセウスに出会えて元の時代に帰れちゃったら、もうこの時代の人達には会えないって思っちゃったから。
それに、私の事を守ってくれる人達ではなかったけれど、気にはかけてくれていた人達に、別れの挨拶もなく帰るっていうのは、流石に不義理だと思ったから。
だから、形の変わってしまった笛を吹くのは後回しにして……一度休む事にしたのだった。
身体中ぬめぬめだったから、温泉に寄ってきたけど、相変わらず気持ちよかったなぁ……。
……そう言えば、入浴中なんだかいつもより視線を感じた気がする。
他に入りに来てた人もポケモンもいなかったんだけど……おかしいな。
そんな事を思って天井を眺めていると、ふと同質の視線を横から感じた。
なんというか……じっとりとした、視線。
……今この家にいるのは、私ともう一匹だけ。
「…………」
ちら、と慎重に横目で確認すれば、その視線の主であるサーナイトが、私をじっと見つめていた。
仄かに頬を染めて、熱っぽい視線で……。
……かーわいいなぁ……。
胸がキュンキュンする。
私が気付いてないと思ってるのかな?
そういう所も可愛い……。
……このままでも悪くはないけど……ここらで一歩、ステップアップの時だと思うんだよね。
ウォロさんに打ち勝って、伝説のポケモンギラティナをサーナイトに頼らずに撃破して……サーナイトの隣に立つに相応しい存在になれたと思うから。
だから、ここでまた一歩……私は踏み出そうと思う。
「サーナイト」
「サニャッ!?」
バッと顔を向ければ、サーナイトは分かりやすく驚いて肩を跳ねさせた。
その華奢なほっそりとした肩に手を乗せて、私は真っ直ぐサーナイトの目を覗き込んだ。
赤い綺麗な瞳が揺れているのが見えた。
「私、君が好き。大好き。人だとかポケモンだとか、そんな事関係なく、君とずっと生きていきたい。この先もずっと、私と生きて行って欲しい」
「サ、サナァ……」
「関係ないって言ったよ? 私はもう、君以外考えられない……。君が、これまでもずっと、格好よくて、可愛くて、そばにいるだけで安心出来て、そばにいるだけで愛しさが溢れてきて……なのに無防備で、自覚なく煽ってきて……」
サーナイトが戸惑っている間に、私は体を密着させた。
肩に手を乗せながら、その膝に跨がるようにして。
全身で温もりを感じて、ドキドキと胸が高鳴っていく。
そして、それはサーナイトも同じ。
頬は赤く染まっていて、サーナイトの鼓動も高鳴っているのを感じる。
「サ……ナ……」
私から視線を反らして呟く言葉は、きっとみんなただの弱音。
こんな分かりやすい態度をとっておいて……思わせ振りな態度で、私を拒絶なんてさせない。
「君のせいなんだから……責任……とってよ」
肩から腕へと、腕から手首へと……。
戸惑ったままのサーナイトを見つめて、手首を握って……そのまま布団の上に押し倒した。
ぎょっ、と目を見開いたサーナイトの、らしくない、か細い抵抗に微笑みを浮かべる。
私の腕の中で、私の下で……サーナイトが私を見上げている。
頬を真っ赤に染めて、視線を忙しなく動かして、時折ピクリと震えて……。
もう、たまらなかった。
大好き、大好き大好き大好き大好き大好き!
サーナイトの胸に顔を擦り寄せて、強く、強く思った。
「サ、ナッ……!」
好きで好きでたまらない。
君がいない人生が考えられない。
ずっと一緒にいて欲しい。
大好き、大好き、大好き、大好き!
「サッ…………!」
私をずっと守ろうとしてくれる姿が、格好よくて大好き。
甘いものを食べる時フニャッとした笑みを浮かべるのも大好き。
私を褒めてくれる優しい手つきが大好き。
手持ちの皆にも優しい慈母みたいな君が大好き。
大好きだよ、何があってもずっと君を好きでい続けるよ。
「サナ……サナァ…………!」
強くなろうと努力し続けた努力家な君が大好き。
強くなっても変わらなく可愛くて格好いい君が大好き。
進化したくないって足掻いていた君が大好き。
それでも私の為に進化してくれた君が、言葉に出来ない程に大好き!
「サナァ……!」
ふぅ、と胸に息を吹き掛ければ、ビクン、とサーナイトの体が跳ねた。
「サナッ!」
目を見開いたサーナイトに構わずに、私は更に胸に顔を近付けた。
その折れて歪な形となった胸の突起に、舌を這わせた。
ぺろっ
……なんだか、甘い。
ドキドキする味……♡
「サナァッ!?」
更に体を震わせて身を捩るサーナイトに覆い被さって手首を押さえたまま、私は行為を続けた。
悲鳴じみた声をあげるサーナイトへと、心の底から溢れる愛の言葉を囁き続けて。
愛しさを込めて、サーナイトの胸を優しく愛撫し続けた。
滑かな感触と、サーナイトの匂いに包まれて……舌がぞり、と突起を撫でる度に跳ねる体を押さえ込んで。
「サナァ……サナ…………ァッ……♡」
やがてサーナイトの声に、甘いものが混じり始めた。
舌を這わせ、唇を落とし、息を吹き掛けて、頬を擦り付けて……。
思うがままにサーナイトを味わってから、ゆっくりと、顔をあげた。
「サ…………ナァ…………♡」
その先で、サーナイトは、潤んだ瞳で此方を見返していた。
口はだらしなく弛んで、よだれすら垂らして。
頬を真っ赤に染めて、時折ピクリと体を跳ねさせて、脚をもじもじと擦り合わせて。
掴んでいた手首からの抵抗がない事に気付いて離してみれば、その手は自然と私の頬に添えられていた。
「……サナ…………♡」
小さく、そう呟いてサーナイトは目を閉じた……。
美しく、綺麗で、可愛くて……閉じた瞳から滴が垂れて、頬を伝っていった。
もう、堪らなかった。
キスをしない選択肢はなかった。
「大好き……いや……サーナイト……愛してる……♡」
「サナ……♡」
そのキスは……たまらなく……人生で一番、気持ちよかった……♡
私とサーナイトは、結ばれた。
心で、体で、一番深い所で……。
何度も、何度も重ねて、重ね続けた。
愛欲と快楽のままに、互いの体を貪り続けた。
そして――――
「サナ♡」
―――翌朝、サーナイトはタマゴを抱いていた。
慈愛の表情でタマゴを撫でるサーナイトは、私を見て、とても愛らしく笑った。
誤字報告ありがとうございます!