TS転生ラルトス♀はサーナイトになりたくない!   作:如月SQ

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執筆の励みになりますので、これからもよろしくお願いします!
ただ、感想返信についてはちょっといっぱいありすぎて、自分のキャパシティでは更新が滞りかねないので、控えさせていただきます。
ご理解頂ければ幸いです。

さあて、アルセウスのストーリーを進めつつ、ほんへのイチャイチャさせるぞー。
あ、タグの「曇らせ」はもうあまり仕事しないかもしれませんね(ただし信用度0)


オリ主と言えば現地民の脳焼きがトレンド

「かぅ……♪」

 

ぺろぺろぺろぺろ

 

 目を覚ましたレントラーは、サーナイトにすり寄って甘えて、目を細めて舌を這わせていた。

 親愛の証……コリンクやルクシオだった時によく私やラルトスの頬を舐めていた。

 進化するにつれてやらなくなって、ラルトスと二人で少し寂しく思っていたのだけど……。

 

「サナ、サーナ」

 

 久し振りにそれをやってくれたからか、サーナイトはご満悦。

 抱き留めながら、優しい手つきで柔らかな毛並みを撫でている。

 なんとも穏やかで平和な光景……。

 

 じゃない!

 なんで!?

 なんでこうなってるの!?

 まだ私、サーナイトと触れ合ってもいないんだけど!?

 なのにレントラーはサーナイトとあれだけ触れ合って、しかもチュ……チューまで……!

 

「ッ……!」

 

 違う違う!

 アレは、ただの口移し!

 レントラーがあのままじゃ飲んでくれなかったから仕方なく、そう仕方なく、治療目的でやっただけ!

 だから……そう、ノーカンノーカン!

 その証に、サーナイトの浮かべた表情からは親愛しか読み取れないもん!

 大丈夫大丈夫!

 

 そんな、誰に言い訳してるのかわからないような事を内心で思いながら、バクバクと五月蝿い胸に手を当てて大きく息を吐いた。

 

 突然のサーナイトの凶行と、目覚めたレントラーのらしくない行動に狼狽えていたけど……取り敢えず、レントラーは助かったみたいで良かった。

 少し冷静になって様子を見て、わかる事がある。

 レントラーは今……夢見心地なんだろうと思う。

 目を覚ましたレントラーは半目のままだったし、鼻をひくつかせて何度かサーナイトの匂いを嗅いで、それから笑って甘え始めたから。

 

 ひんしでアレだけの無理をしたんだし、もしかしたら死に際の夢とでも思っているのかもしれない。

 それなら……まあ、少しは……もう少しはサーナイトに甘えさせてあげても良い、かな。

 

「かぅう……♪」

 

ぺろぺろぺろぺろ

 

「サァナ」

 

 ラルトスがやられて、皆大なり小なりショックを受ける中、パッと見様子が変わらなかったのは、レントラーだけだった。

 それはラルトスがいないなら、纏めるのは自分だと言う自負があったのだと思うし、実際ラルトスに次いで強いのはレントラーだった。

 きっと、ずっと気を張っていただろうし、本当によく頑張っていたと思う。

 

「かぅ……♪ ……がぅ?」

 

ぺろぺろ……

 

「サナサナ」

 

 だからこれはレントラーへの御褒美、と言えるのかもしれない。

 だって、レントラーはサーナイトの事、大好きだもんね。

 

 ……あれ?

 ちょっと様子がおかしく……ああ、漸く夢じゃない事に気付いたかな?

 パチパチと瞬きをして、自分を抱き留め優しく撫でてくれている、覚えのある大好きな匂いのする目の前の存在。

 

「が…………ぅ…………?」

 

ぺろ……

 

「…………サナ?」

 

 頬を舐めるのを止めたレントラーと、サーナイトの視線が交わった。

 今の状況に気付いた、正しく理解しただろうレントラーの顔は、急速に赤く染まっていく。

 舌を出したまま赤くなっていくレントラーに、サーナイトは――。

 

「サナッ!」

 

 呆然とした頭を抱き締め、胸元に抱き込み、目一杯撫で回し始めたのだった。

 

「ッ…………!」

 

 それは、正気を取り戻したばかりのレントラーにはきっと、刺激が強すぎたのだろう。

 そのまま力無くサーナイトの胸の中で気を失ってしまったようだった。

 ……ちょっと、羨ましい。

 

「サナ? サナサナ」

 

 慈愛の笑みを浮かべて、気絶してしまったレントラーを優しく撫でるサーナイトは、すごく……色っぽい。

 落ち着いてきていた心臓の鼓動が、また強く脈打った気がした。

 

「サナッ」

 

 やがてサーナイトは可愛がるのに満足したのか、笑みを浮かべてレントラーを私に差し出してきた。

 もう落ち着いたから、ボールで休んで貰おう、という事みたいだ。

 その意図を正しく読み取って……私は、ギガトンボールを取り出した。

 

「サナッ!?」

 

「ああ、レントラーが私を逃がす為に、自分が入ってたボールを壊しちゃってね。今手持ちにあるのがこれしかなくて……仕方なく、ね」

 

「ナァ……」

 

 一瞬驚いていたけど、そう言えば納得の表情を浮かべて、仕方ない奴だなぁ、なんて顔でレントラーの顔を撫でていた。

 そんな一方で……サーナイトに見られないように私はニヤッと笑った。

 

 ギガトンボールを持って、大きく振りかぶる。

 

 レントラーには感謝してる。

 自分の身を省みず助けてくれた事に心から感謝してるし、その思いに嘘はない。

 ないけど、なんかさぁ、ちょっと良い思いし過ぎだよね、レントラー?

 だから、ねぇ、このくらいの小さな仕返しは……仕方ないよねぇ!

 

 そしてそのまま、レントラーの頭へと叩き付けた。

 

ドゴッ!

 

「ガウァッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……帰ろう、サーナイト!」

 

「……サナッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヌメェエエエエ! ヌメェエエン!」

 

「サナッ、サナサナ」

 

 村にかえってきて治療を終えて……サーナイトはヌメルゴンに抱き締められてヌルヌルになっていた。

 ヌメルゴンはわんわんと声を出して泣いて、サーナイトを離すまいとぎゅうぎゅうと抱き締め続けている。

 それをサーナイトはなんら気にした様子もなく、優しく抱き留めて撫で続けていた。

 そんな優しい慈しみに溢れた行為がまた、ヌメルゴンの涙腺を刺激して……暫くは終わりそうになかった。

 

 まぁ、ヌメルゴンはラルトス以外で唯一の♀だった。

 多分ラルトスに一番懐いていたし、いなくなった事に恐らく最もショックを受けていた。

 だからまぁ、今の状況も仕方ないんだけど……。

 

「サナ……」

 

トロォッ……

 

 ……ヌルヌルのサーナイトが、なんか、こう、ね……?

 ヌメルゴンの粘液にまみれて、それでも慈愛の表情でいられるのは凄いんだけど、ね……?

 ちょっと……いけないものを見てる気分になる、かなぁ、なんて……。

 

 チラリとジュナイパー、イダイトウ、ガチグマ達♂衆へと視線を向ければ、誰もがどこか気まずそうな顔でサーナイト達を直視しないようにしているようだった。

 ここにいないレントラーは、流石に無理し過ぎたという事で別のところで安静にしている。

 頭の大きなたんこぶが痛そうだった。

 

 ちなみに皆それぞれ、一通りラルトス……サーナイトの無事を喜びあって……直接可愛がられている。

 笑顔のサーナイトに真正面から抱き留められながら、皆それぞれ褒められていた。

 皆満更でもない様子で照れながらそれを受け入れていて……私も一緒になって皆を褒めてた。

 

 褒めてたんだけど……うん。

 なんだか、なんとなく……ちょっとモヤモヤしてる。

 

 ラルトスがサーナイトに進化してから、その一挙手一投足から目が離せなくて、その仕草の一つ一つになんだか、ムズムズする。

 胸の奥から衝動みたいなものが沸き上がってきて、その度に胸がドキドキして……。

 

「ヌメェン……!」

 

「サナサナ」

 

 泣いてるヌメルゴンを慰めてるだけ、それだけなのに……。

 なんだか、凄く、ムズムズ、モヤモヤ……。

 サーナイト皆を褒めてる時もそう。

 それこそ、レントラーを撫でてた時も。

 

 ……それでレントラーに八つ当たりみたいな事もしちゃって……。

 なんだか、自己嫌悪……。

 

「……はぁ……」

 

 私、どうしちゃったんだろ……。

 あんまり、このままだと良くない気がする……。

 胸を押さえながら、大きくため息を吐いた。

 

 チラ、ともう一度サーナイトのほうに目を向ければ、丁度サーナイトと目線が交わって――。

 

「サナッ」

 

ドキンッ

 

「うっ」

 

――返って来た笑顔に、また、心臓が大きく高鳴った。

 ……うぅ……胸が、苦しいよ……。

 

 ……胸を押さえて俯く私を、サーナイトがじっと見つめていたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、夜。

 皆各々のお気に入りの場所で眠りにつく事になっている。

 牧場で寝る子もいれば、私と同じあばら屋で寝る子も、ボールの中で寝る子もいる。

 ラルトスは……私と一緒に寝る派だった。

 私の腕の中で丸くなって、抱きながら眠る……。

 ラルトスがいるという安心感は勿論、温かくていい匂いがして……いつも朝までぐっすりだった。

 

「サァナッ」

 

 ……でも、これ、マズイんじゃないかな?

 布団の上に座り込んで、此方に両手を伸ばすサーナイトと向かい合って、私は気付けば生唾を飲み込んでいた。

 下に視線を向ければ、なんだか艶かしいすらりとした脚がチラリと見えて、頬が熱くなる。

 良いのかな……これ、良いのかな!?

 手持ちの皆はここにはいなくて、誰にも止められなくて、二人きりで……。

 

「……サナ?」

 

 こてん、と不思議そうに首を傾げるサーナイトは、それだけで綺麗で、可愛かった。

 なんでこんな……気高そうな雰囲気を出してるのに、無邪気さも感じられて、ああ……。

 

「サナ♪」

 

「……あれ?」

 

 気付けば私は、サーナイトの腕の中で。

 そのまま、こてんと一緒に横にさせられて。

 一つの布団の中で、至近距離で、向かい合うように見つめあっていた。

 

 背中に回されていたサーナイトの手が、ポンポン、と優しく叩いてくる。

 それはまるで、赤ちゃんをあやしているみたいで……それでもそれがとても心地よくて。

 キョトンとした顔で見上げれば、微笑を浮かべたサーナイトの顔が至近距離にあって――。

 

「サナッ」

 

――私には、身を任せるしか出来なかった。

 

 サーナイトが疲れて寝入るまで、私はドロドロに甘やかされ続ける事となった。

 

「サナッ……サナァッ……」

 

 抱き締められて、撫でられて、至近距離で微笑まれて……。

 ラルトスの時にもたまにあったのに、その時とは全然違ってて……身も心も、ドロドロに溶けてしまいそうだった。

 私を愛でてもご満悦な様子に止める事も出来なくて、甘んじて受けるしか出来なくて……。

 

 身体中が、熱かった。

 ずっと胸がドキドキと高鳴っていて五月蝿いくらいだった。

 撫でられる度に幸せな気分で満たされていって、いつもの甘い匂いが胸いっぱいに広がっていく。

 

「サナッサナサナ」

 

 無事で、本当に良かった。

 頑張ってくれて、ありがとう。

 そう言ってくれているように感じられた。

 ……そんなの、全部私のセリフだっていうのに……。

 

 伝えよう、伝えようとしてくれる想いの一つ一つが、温かくて、心地好くて……凄く、幸せな時間だった。

 全幅の信頼を寄せて目を細めるサーナイトの姿が、とても艶やかで……美しかった。

 

「えへ……」

 

 今は……今だけは、私だけのサーナイトだ。

 私の、可愛いサーナイトだ。

 

「くぁ……」

 

 やがて疲労もあったのだろう、サーナイトは小さく可愛らしい欠伸をした後に、眠そうに瞳を瞬かせた。

 それでも私を労ろうとしてくれているのか撫で続けてくれていたけど、眠気に引き摺られて少しずつ手つきがぎこちなくなっていった。

 そんな姿に苦笑を溢して、私もサーナイトを撫で返した。

 ……滑らかで柔らかい、心地好い手触り……。

 ここは変わってないんだと、つい笑ってしまう。

 

「もう、大丈夫……眠ってもいいよ」

 

「……ん……にゃ……さな……」

 

 最後にほにゃっとした無邪気な笑みを浮かべて、ゆっくりと瞳を閉じていく。

 やがてすぅすぅと安らかな寝息をたて始めるサーナイトの様子に、ふぅ、と一つため息のようなものが漏れた。

 

 ……なんだろう、すごく、すごくムズムズする。

 今まで抱き締めて寝ていたラルトスが、サーナイトに進化して今度は私が抱き締められているから、かなぁ……?

 サーナイトに包まれている感じがしてすごく心地好いんだけど……サーナイトに触れられているところを妙に意識しちゃう。

 そして……その小さな口に、視線が吸い寄せられていた。

 

 ……ドキドキする。

 いや、そんな言葉じゃ収まらない、ドクンドクンと痛いくらいに強く脈打ってる。

 ここまでくれば、いい加減に自覚してしまう。

 ここまで心を乱されて、自覚出来ないほうがおかしい。

 

 私は、ラルトスが……サーナイトが好き。

 好きになっちゃった……。

 

 もしかしたら自覚してなかっただけで、ずっと好きだったのかもしれない。

 親愛や友愛に紛れていただけで、ずっと、昔から。

 もしくは無意識に封じていたのかもしれない。

 だって私は人間で、ラルトスはポケモンで、しかも同じ女の子同士だ。

 結ばれる訳なんかない。

 

 ……でも。

 

 でも、自覚しちゃったらどうしようもない。

 好きって気持ちが溢れて止まらない。

 愛しくて愛おしくて、堪らない。

 

 気付けば私は、サーナイトの頬に手を沿えていた。

 滑らかで、柔らかい……そんな手触りを感じながら、顔を近付けていく。

 もう、この想いは止められなかった。

 

 サーナイトの初めては、レントラーに取られちゃったけど――あれは治療行為だからノーカンにしても良い――私の初めては、君だからね。

 忘れないでね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 初めてのキスは、蕩けそうな程に甘い味がした。

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