どうか、あなたの物語が見つかりますように。
フェアベルゲンから追放された僕達と虎の亜人であるギルとリチャードは、本来であれば別れるはすだった。
しかし今回は話が変わってきた。その発端は、フェアベルゲンを抜け出してからのギルの土下座が始まったからだ。
「すまなかった……っ……!」ザッ!
ギルは地面に頭を付け、誠意を指し示す様にハウリア族と僕達に対して土下座をしてきた。
しかし反対にリチャードは何一つ誠意はなく、寧ろギルに対して「どうして土下座をしているのですか!ましてやハウリア族に……」と歯噛みしながら怒っていた。
こういう時にプライドを大切にするのはリチャードの傲慢な性格が出ていた。
「追放された身ではあるが、君達がいてくれたからこそゼルによって同胞を見殺しにした責任を斬首で取る事にならずに済んだ。私は、その分生きなければならないのだ……私が不甲斐ないばかりにっ、オズワルドとやらに我々の仲間は皆殺しにされたのだっ!あの場所で死ねたものではない……!」ギリィッ……!
悔し涙を流しながら、怒りと憎しみを孕んだ声を上げながら拳を握り締めていた。
この怒りは、真っ当に理解できる。何も出来なかったギルとしては、その怒りは晴らしたい事が伝わってきた。
「そして、そして……この様な事を無礼で頼むのは分かっているが……お願いしたい……!
私を、私をあなた方のお力で鍛えさせてもらえないだろうかっ!」
「鍛える?」
「私は、無惨に死んでいった者達の分まで……そして彼らの怒りと憎しみを抱いて生きていかなければならない!その矛先は……あのオズワルドにぶつけなければならないのだ!
その為なら私は強くならなければならない!あなた方の力なら、私もきっと強くなる!簡単に教えてもらおうとは思わない、その為なれば私の身分など関係ない!
どうか、その力を以て鍛えていただけないか……!」
その声は悲痛さを込められたものであり、純粋な気持ちである事を理解した。
ギルのオズワルドに対して気持ちを理解した。そして、ハジメ君が出した判断とは―――
「うん、いいよ。どの道ハウリア族の人達も鍛える予定だったから」
「……!いい、のか……?」
「同じ事を受けた時、僕もそうした。それだけだよ」
「っ……!ありがとう、ありが゛とうっ……!」
ギルは涙を流しながら、この返答に人生の感謝を伝えように喜んだ。
しかしリチャードの方は、納得いかないような表情で爪を噛みながら怒りの視線を向けていた。
僕達はそれをスルーしながら、十日後に開くハルツィナ樹海の大樹に向けて鍛錬を始めた。
―――――――――――――――――――――――――――
そうして、ハウリア族とギル、一応リチャードを含めての戦闘訓練を開始した、
ギルは僕が鍛える事にし、彼と一戦交えてみた結果。
ギルは直剣を使った虎人族特有の強力な一撃と素晴やさを活かした剣戟が得意なのはよく分かった。
「ふぅっ!」
「はぁっ!」
剣戟の威力は、『誓約』で縛られている僕のステータスに追いつける程だった。
やはり腐っても亜人族の中では身体能力は熊人属の次に来るほど高いと言われているだけはあり、しっかりと鍛え抜けば4級フィクサーは目指せる強さなのは間違いない。
ギルに関しては怒りで我を忘れないように、集中訓練をさせることで上手く戦闘を続けることを意識させた。
その中でも効果的だったのが、ファタールの『魔法』から出すオズワルドの幻影に対して何処まで平静として戦闘できるかの戦闘方法が高い効果を出すことが出来た。
まず最初は、怒り狂いながら剣戟を繰り放った事が原因で疲労が溜まりファタールによって後ろから蹴り飛ばされた。
次に、オズワルドの口振りを真似たファタールの幻影によってすぐに冷静さを無くしてしまい、また蹴り飛ばされた。
これを何回か繰り返し、数分程度なら怒りに耐えるようになった事にファタールは「おめでとうございます」と棒読みの祝福を言っていた。ギルはなんとも言えない顔をしていたが、訓練は再開した。
一方ハジメ君の方は、ハウリア族を鍛えると言って顔を出してない。しかしユエさんの魔法の一撃や何処からか聞こえてくる轟音に対して僕は何も言わなかった。
「ぐ、ぉぉっ!」
「ん……」ギャリ……
サルヴァドールさんが僕を鍛える時も、きっとこうだったに違いない。
僕は別に、強い剣士ではない。
剣の才能はからっきしだし、僕自身の強さは本気のハジメ君にとってはきっと敵わない。
しかしそれでエヒトや他の残響楽団と戦う事を諦めるかと言われてしまえば、NOと答える。
僕はこんな所で負けていられないし、中途半端に投げ飛ばす訳にもいかない。
この世界を救う為に、僕はギルに教えていけることを教えていけばいいと感じながら、剣を上手くいなして弾き返した。
「ぐっ!?」
「〝闇剣〟」
暗黒の刃が散らばり、ギルに向かって間隔をあけて飛んでいく。速度や強さもマチマチの闇の斬撃がギルの肉体の姿勢を崩していき、そのを一気に『縮地』で距離を詰めた僕が首に刃を添える。
荒い息を吐きながら、ギルは「参った」と手を上げる。
「これで手加減されているのだから、本当に強いと改めて感じさせる」
「いえいえ、大丈夫ですか?」
「ああ。少し休憩したら、もう1戦と行こう」
ギルは、意外と話してみると彼の人となりが分かった。
ゼルに虎人族の兵士の隊長を任命された時から、仲間達を支える為に尽力してきた。ゼルに盲信している訳では無いが、彼の強さには納得していたし長老としての彼の指示は多く聞いてきた。
そんな彼は、ある時にゼルから一人の娘を育てて欲しいと言われる。それが、リチャードさんだった。
リチャードさんは非常に優秀な兵士であり、中でも『詠詩』という特別なスキルを使う。
歌と共に舞いながら、剣や槍を振るうことで身体能力を強化して一気に攻め込むことが出来る特別なスキルだそうだ。
僕もそんなスキルは初めて聞いたので、かなり興味が出た。
「しかしな、リチャードは……こういうのもなんだが傲慢でな。自分の才覚に自信を持ち過ぎるが故に、他人を見下しているのだ」
「そうなんですか……」
リチャードはそのスキルの力を過信している。だからこそどんな敵であってもこのスキルで倒せる、と慢心している。
実際そのスキルを使っている彼女は相当に強く、ギルもその強さは評価している。しかし周りを見下した態度や発言は敵を生みやすく……亜人族の部隊は群れて行動するのに、彼女はただ一人のソロの部隊なのだそうだ。
そんな彼女を気遣っているのがギルだった。
ギルは彼女を自分の娘の様に気遣い、彼女の愚痴や彼女に嫌気がさしている他の虎人族の相談を引き受けながらリチャードさんの更生を目指していた。
なんだかんだ心は開いていたのか、それなりに言う事は聞いてくれるそうだが……今でもその態度は崩してない。
これでも前よりはマシで、昔の彼女はそのうるさい小言で部隊の半数が怒り心頭のまま任務にあたるというとんでもない珍事があったそうだ。
彼女の傲慢さは相当で、最早手を付けられないのはギルも理解しつつはあった。
それでも、信じている理由がある。
「リチャードはな、寂しいのだ」
「寂しい?」
「あいつはあんな態度になったのに理由があってな。あのスキルは生まれ持っていたものではないんだ。成長途中で発現したものでな、周りはそんなスキルをバカにしていた。両親も気を使って『そんなスキルがなくても出世できる』と宥めたが、リチャードは周囲のバカにしたような、舐め腐った態度に嫌気がさしてあんな性格になった。ただ、自分の頑張り屋や才能を両親に認められていなかったからか、認められたい欲求が高くてな。何かと、暴れたりもした」
傲慢で、せっかち。しかしスキルに掛けてきた時間や努力は本物であり、その力に絶対的な自信を持っている。
更に誰よりも認められたい気持ちが強く、その為に暴れることもあるリチャードを止めるにはギルも苦戦したらしい。
しかし彼女が何かと文句を言いながらもギルの部隊に残ってくれたのは……そう言ったギルの優しさから残ろうと思ってくれているのか、果たして別なのか。
そこに関しては僕から答えを出せる訳ではなかった。しかし、お互い信頼しているというのは見えた。
「なんだかんだ、面倒見がいいんですね」
「付き合いは一年程度だが、もう慣れたものだからな。他の仲間もそうだった」
この言葉に、ギルが多くの兵士を連れていることに納得がいった。
ほぼ小規模の部隊の数を連れて、多くの信頼される仲間と共にフェアベルゲンの警備を行っている。
そう聞けば非常に優秀であり、ギルの才覚が現れている所でもあった。
そんな中、あの出来事が起きた。
ギルは失った仲間達の事を思い出しながら、拳をギリギリと音を立てながら握り締めていた。
あのオズワルドの惨劇に対して、何も出来ず仲間が散ることを見ていることしか出来なかった自分自身と、
そんな仲間を、自分で楽にしてやれなかった無力感を感じているギルの苦悩は相当なものだった。
だからこそ……この鍛錬の為に頭を下げるギルの覚悟と、強い意志を無視できない。
「鍛錬、再開しましょうか」
「ああ!頼む、アキラ!」
お互いのケジメの為に、共に戦う事を決めた僕らは刃を構え直して一気に駆け出しながら剣の金属音が周囲に響き合わせながら、強くなる為にその時間を有用に使ったのだった。
―――――――――――――――――――――――――――
数日後、ギルとの鍛錬中に乱入してきた人が出てきた。
それはリチャードさんだった。
「む……リチャード」
ギルは驚いたように僕と鍛錬していた最中、タンマのサインを送ってお互いの戦闘が止まった。
「ギル様、本気でオズワルドと戦うつもりですか…… 」
拳に力を込めながら、怒りを剥き出しにするリチャードさんに対してギルは「そうだ」と淡々に答える。この一瞬一秒も見逃したくないのか、すぐに剣を構えるので僕もそれに対して真剣に答えようとする。
しかし、間合いにリチャードさんが割り込んでくる。
「それなら!私も行きます!」
「何……!?」
「それに、ギル様は仲間と共に戦うから強いのです!私のスキルなら単騎で行けます、無理に行かなくていいんですよ!全部、全部私でアイツを倒すんですから!」
そう言い放つリチャードさんの表情は、余裕綽々のものだった。
あの時は怖気付いたが今度こそは、というものでもあり彼女の傲慢さと楽観さが垣間見え、ギルはこういう事を言っていたんだなと僕は心の中で納得した。
しかしギルの答えは、当然。
「ダメだ」
「え―――」
「今のお前は未熟過ぎる」
ギルはばっさりと切った。
当たり前だが、今のリチャードさんの態度や実力から考えてもギルは懸命な判断したと思う。彼女のステータスやスキルでは全くと言っていいほど足りていない。
だからこその判断、キツイ物言いにはなってしまうがギルとしては彼女をなるべく傷付けさせない為、そしてリチャードさんまでもを失う訳にはいかない並々ならぬ覚悟から放たれた言葉は、彼女の琴線に触れたように虎の肥大化した鉤爪のようなものを僕に突き立ててきた。
「勝負しろ!アキラ!」
「僕なんですね」
「お前を負かせれば、オズワルドも倒せる!お前を打ち倒して私はオズワルドを倒すんだっ!」ダァッ!
そうして、突然の戦いが始まった。
早速の駆け出しからの切り込みは左に避けながら『ナハト』と『ディアモンド』を抜き、すぐに距離を詰めてくるリチャードさんの攻撃は簡単に避けていく。
単調、相手を見ない、速さだけか取り柄の一撃には剣士としての強さも、ギルのような怒りや憎しみを晴らしたいという気持ちは感じない。
ただただ『羞恥心』と『自尊心』が含まれた攻撃に、僕は呆れながらもナハトを構えながら相対する。
「そんな攻撃じゃ当たりませんよ」
「うるさい!」フォンッ!
そして、振るわれる虎の爪に対して見てその場で回避していく。ここまで単調だと非常に分かりやすく、寧ろ本気で戦っているのかと気力を感じさせない。
「くそっ、当たれ、当たれっ!」
リチャードさんの攻撃は結局、百のカウントが終わるまで当たる事はなかった。
しかし、筋は悪くないと感じた。まるで昔の僕を見ているみたいで。
心の中に何かを燻らせている頃の僕を見て、なんだか呆れているのに彼女との戦闘に何かを見出せそうだった。
しかし彼女は、攻撃が当たらないことに対して非常に腹を立てながら息を切らしていた。
「はぁっ、はぁっ、はぁ……!」
「そろそろ学びましたか?」
「うる、さい……!どうして当たらないんだ!」
「どうして、当たらない……?いいですか、分かりやすい攻撃なんて当たる気ないですよ。自分の足で相手の間合いに踏み込んでからやっと当てれるんですから」
「私に、そんな説明はいらない!」
そう言いながら鉤爪を振り抜いてくる姿を見ていられなくなったのか、リチャードさんの攻撃をただ一人腕を掴んで止めてきたのは……ギルだった。
「リチャード、もうやめろ」
「な、ギル様!?」
「お前のその惨めな攻撃では一生アキラに当たらん。それに、お前には得意技があるではないか。それを使って何故攻撃しない?」
「うるさい、うるさい!お前に何が分かるって言うんだ!」バッ
手を振り解き、怒りのまま駆け出していくリチャードさんの姿をギルは引き止めたが、結局それは叶わずに姿が遠くなっていくリチャードさんを見つめるだけの結果になってしまった。
受け止めたくない現実、自分の力に対する絶対的な自信。
彼女は確かに、虎人と言うにはあまりにも掛け離れている気がする。最早フェアベルゲンで襲ってきた熊人族の奴らと変わらない。
そんな姿を晒してもなお、彼女が僕に対して攻撃を仕掛けてきたのは……彼女が羞恥心を抱いていたから。
変態趣味とかではなく、おそらく努力し仲間の仇を取りたいギルと今の自分を見比べたのだろう。
仲間を殺され、本来は激昂するはずのリチャードさんにはそんな感情はなく。
かと言って自分の上司であるギルは仲間に対する信頼や家族の様な深い愛情を持っていたからこそ。
この先も生き続け、彼らの無念を抱いたまま強くなろうと努力するギルと……自分自身の情の無さとただ一人見つめる他なかった無力感に苛まれているのだろう。
だからといって、僕がどうこうする気はなかった。
ああいうタイプはおそらく何処かできっと折れて、その時にやっと助けを求めてくるタイプに違いない。
そんなリチャードさんの思惑があるかは知らないが僕はそれに乗る気はない。
助けを求めてきた時にボコボコにする、それくらいに無慈悲でなければならない。
「すまないな、アキラ」
「いえ、問題はないですよ」
「しかし……これから樹海に向かうとなると感慨深いな」
「十日間もお互いに実力を高めてきましたからね」
僕達はこの時の為に、鍛錬を怠らずにオズワルドを倒す為に命を懸けてきた。
オズワルドはきっと手強い。そしてそれと相対する為にライセン大迷宮はもっと難しいはず。
そんな思いを胸に抱きながら、僕達はハジメ君の成果を見る為に今でも魔法の攻撃が鳴り響く方向へギルと共に向かうのだった。
―――――――――――――――――――――――――――
その方向に向かった時、正直ドン引きしたのは言うまでもない。
「へへ、ボス……例の獲物、狩ってきましたぜ」
「凄いね。僕が鍛えただけはあったと思うかな」
「有り難きお言葉」
ハウリア族は、元の面影を感じさせない程の怪物になっていた。いや、まだ人の姿は残っているんだけど……筋肉隆々、まるで狩りをする獲物の血肉に興奮を覚えるタイプの笑みを浮かべながらハルツィナ樹海の魔物を殺していた。
最早あの時のビクビクしていた頃のハウリア族は何一つ残っておらずライ〇ップの結果にコミットするような結末では到底説明出来なくなっていた。
「ハジメ君」
「アキラ君!ギルさんとはどうだったの?」
「順調、って所だけど……その前にシアさんは?」
「今戻ってきた所だよ。ほら」
そういって指さした方向には、項垂れたシアさんと「残念ウサギ、がっくし」とシアさんのショックを嘲笑うように弄り倒すユエさんがいた。ユエさん……それは死体蹴りです。
「ハジメ君……これは、一体どういう事なんだ?」
「えーと、実際鍛えるのに効率的な方法を探したら……フルメタ〇・ジャ〇ットを参考に」
「どうして」
僕が言葉に詰まらせていると、シアさんが立ち上がって最早面影が顔ぐらいしかない筋肉隆々のカムさんに向かって文句を言っていた。それよりもなんな、今「ただ、この世の真理に気が付いただけだ」と嫌な予感のする言葉が聞こえた。シアさんは恐る恐る聞いていたが「この世の問題の9割は暴力で解決できる」とヤクザ顔負けの理論をぶつけてきた。
最早あの頃の優しい父親の姿が無くなっていたことに、シアさんはハジメくんに泣きついていた。
これに関しては完全にハジメ君が悪いと思う。というか、何故あんな作品を参考にしたのだろうか。ハジメ君がそんな映画を知っていることにも驚いたが軍曹を参考にするのはだいぶ不味い事に気が付かなかったのか。
そんな時、ボウガンを持った一人のハウリア族の男の子が飛び出てきた。名前を必滅のパルトフェルドと言うそうだ。
……もう何も言うまい。
「ボス、手ぶらで申し訳ないですが報告があります!」
「うん?何かな」
「任務で討伐予定の魔物を追いかけていた時に、完全武装した熊人族を見つけました!大樹のルート付近で待機していたので仇討ちかと!」
「へぇー、やっぱりあれで済ませる気はないって感じかな」
ハジメ君は冷静に戦況を分析し、自分が行くことを提案したがカムさんがここに割り込んできた。
「ボス、奴らの相手は我らハウリア族にお任せ下さい……我らの力、奴らに見せてやりたいと思っている所存です」
「出来るんだね?」
「肯定であります!」
「よし……聞けハウリア族諸君!お前達はもう淘汰されるだけの逃げて怯える様な存在ではない!今日を以てお前達はクソ蛆虫を卒業するのだからな!お前達には最高の兵士という言葉を与えてやろう!私怨に駆られ己の状況すら理解できないやつを力と知恵でねじ伏せてやるのだ!だが慢心するな!奴らは所詮ひとつの種族の強さの端くれ!つまりクソ蛆虫野郎共だ!奴らの屍で死屍累々を築き上げその上に己の種族の誇りという証を立ててやれ!ハウリア族は以前の姿と違う事をな!」
「「「「「「「「Sir.yes,Sir!!」」」」」」」」
その後に続くハジメ君の軍曹セリフに歓喜の声を上げながら喜びと力の限り叫ぶハウリア族に対して、もはや軽蔑の目線しか当てることが出来なかった。シアさんも「優しかった皆がいなくなっちゃいました〜!」と泣いていた。これに関してはハジメ君の責任なので僕は一切合切手を出すことはないだろう。
「アキラ、これが君達でいう……鬼畜という奴なのだろうか?」
「……間違ってないからなんとも」
どうやら今日、頭を痛めながら大樹に向かう事になりそう。
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