どうか、あなたの物語が見つかりますように。
※Library of ruinaの著しいネタバレを含みます。ご容赦ください。
ボールの雨が終わり、僕はゆっくりと翼の盾を払いすぐにリチャード達の方へと駆け出す為に前を見た。
僕の目に映ったのは……リチャードを守る為にゴーレムの破片をその一身で受け止め、抉り取られた体から血を流してリチャードを抱きしめるギルの仁王立ちだった。
「あ、ぁぁぁぁぁぁあ!!!!!ギル様、ギル様っっっ!!!!!!!」
「オズワルドォォオオオオオオ!!!!!」
僕の怒号がライセン大迷宮に響きながら、傷付いたギルを抱き締めるリチャードと怒りに震える僕を地面に降りて見つめてくるオズワルド。
最早僕の怒りは、抑えきれないものになっていた。ギル以上に、僕の心がこいつを殺してしまえ!とがなり立てていた。
「フィリップ君!カラーボールの雨は楽しんでくれましたかぁ〜?」
「〝煌燃剣〟ッ!」ザァッ!
「おぉっと〜!フィリップ君はお客様ですよっ、喧嘩は行けません!」
「黙゛れ゛ぇ゛っ゛!!!」
ギラギラ燃える剣を振り払い、僕はオズワルドに対して攻撃を仕掛けていった。
――――――――――――――――――――――――
リチャードの肉体を大切に抱き締めながら、体から大量の鮮血を零すギル。
そんな彼を、同じ様にリチャードは抱き締めていた。
「そんなっ、そんな、ギル様っ!どうして私など庇いなさったのですか!」
「フッ……あたり、まえだろう……俺は、お前の隊長であり、親なのだ…………!」ガボッ
口から赤黒い血が零れながら、ギルはリチャードから体を離し肩に手を置く。
「リチャードッ……寂しい、思いをさせてきたな……」
「そんな事ッ、そんな事ありませんっ!私は、ギル様が育ててくれた事を……っ貶してっ、助けていい恩師を演じる為だと……私は貶してしまった恩知らずをっ……寂しい思いをさせたなどっ……!」
「何……お前の、寂しさは……俺では、埋められなかった……それだけだ」
しっかりと肩を掴み、目を見てリチャードに語りかけるギル。
親として遺せる事を残す様にギルはリチャードに言葉を尽くしていく。
「リチャードッ、お前は、強い!」
「私はっ、弱いです!」
「いや、いいや……!お前は、強い!俺は、信じている!」
「しかしっ!」
「お前が弱いとなれば、今までの、お前を否定している!あれまで強さに固執したお前は、何処へいったっ!?」
「っ……」
激励と叱責する様に言い放つギルに対して、リチャードは押し黙る。しかし、血は無造作に流れながら現実が非情であることを知らしめてくる。
「私はっ……私等が、強くなっていいはずが、ありません!私は傲慢で、誰よりも人に見られ認められたいという愚かな思いを抱く獣なのです!こんな私が、強さに固執した所で……何度も獣に堕ちるだけなのです!」
「ならば、それ以上獣に堕ちぬ様にっ、お前が立ち上がらねばならぬのだ!」ガッ!
「!?」
「このままでいいのかっ!お前は、このまま獣に堕ちただ死を待つだけの獲物か!?お前の種族はなんだ、言ってみろ!」ガハッ……!
そして、肩を強く叩いて強い眼差しを送ってくるギル。リチャードは狼狽えながら、ゆっくりと言葉を捻り出した。
「私はっ、私は………」
「声が小さいッ!」ビチャッ
「私は!私はっ!」
「お前は何だ、リチャードっ!お前は何なのだ!」
「私はっ……ギル様虎人族の部隊が一人!誉れ高き虎人族の戦士の、リチャードでありますっ゛!」
リチャード言葉を聞いたギルは、微笑んだ。
誰よりも優しく子を見守る親の様に、彼女の頬に手をかけながら。
「よく言った……」
「も、もうっ、喋らないでください……!血を流しています、それ以上無理をなさっては!」
「何を言う……この先俺が、どうなるのか……分からないか……?」
「しかしっ!」
「もう、遅いのだ……リチャード。もう、手遅れになったのだ……」ポン
そう言いながら、リチャードに言い放つ。
辛い現実を押し付けられるリチャードに対して、またあの
〚リチャード、あなたの強さは私が認めてる。あなたの辛い現実を変えるための力が必要でしょ?また私が力を貸してあげる〛
「私は……あなたが、いなくなっては……」
〚大切な人を守る為に、私の手を取って?〛
「私は―――」
リチャードが、その声を聞き受け入れようとした時。
リチャードの手を掴んだのは、ギルだった。
「はぁっ、はぁ……リチャー、ド……一つだけ、命令する……」
「ギル、様……」
「生きろ。俺の命を、お前に背負わせる」
「っ……!」
「お前は、死なせない……お前の事を、俺はずっと……見守っている……だからこそ、生きろ……俺の命を、俺達の命を、無駄にしないように……!」
リチャードの体をしっかりと掴みながら、ギルは血眼で見つめてくる。
それは
リチャードにとっては、それはより彼女を悩ませるものでありながら彼女を縛り付ける罪でもある。
〚その言葉を受け入れたら、あなたがまた辛い思いをするよ?〛
「―――」
リチャードは、ギルの手を掴んだ。
「私が……ギル様の、御力になっても良いのですか……!」
リチャードは、ギルに答えを求める。
それはギルの思いを胸に、戦っていいのかと。
例えそれが呪いの言葉であってもリチャードにとっては、自分が変わる為の唯一の救いであり希望であった。
親の思いを胸にリチャードが、もう一度立ち上がる為に……
「リチャード、お前なら……力になって、くれると、信じてる……」
「は、はい゛っ……!」
そして、リチャードが握っていた手から力が落ち……
ギルはもう目を瞑っていた。
「……」
〚…………〛
リチャードがゆっくりとギルの体を地面に寝かせ、立ち上がった。
彼女の瞳には、怒りと強い覚悟の意思が混じっていた。
「私が
彼女には目まぐるしく、とても暖かく優しい声が聞こえてくる。しかし何一つ、響かない。
「私は獣だろう。最早尊大であり続けた自尊心は獣のプライドのソレだ。それでも私の欲しかったものと周りの差に当てられて吠え続けた私は、やはり獣だろう。
ならば私は、獣であり続けよう。罵られようと、蔑まれようと、憐憫の目で見られようとも……」ザッ、ザッ……
彼女の体から、ゆっくりと木々が生え出す。
それはもう彼女を隠す木叢ではなくなっていた。
孤独をまやかし、多くを誤魔化し……
何処までも愚かであり続けたその体を、草木が包み込んでいく。
「私はまた獣になるだけだ。何処までも愚かしく、そして何処までも気高く。
虎の尾を踏むお前へ……ただ、推し潰そう」
リチャードは、己の
――――――――――――――――――――――――
「はぁっ!」
「おっとぉ!」ダッ!
オズワルドは軽快な身のこなしで、攻撃を回避し続けていた。
本当に頭にくる男だと思いながらも、人の感情を即興劇で操る姿は流石道化師との褒めたくなる程の強さだった。
だが僕には、通用しない!
「〝煌燃剣〟!」ザンッ!
オズワルドから飛び出してくる大量の幻影をギラギラ燃える炎と共に蜜蝋の剣で切り裂いていく。
しかし数は減るばかりか増えている……一応見分けはつくにはつくが、幻影が壁となって見えない時もある。
そういう時は基本、全体に攻撃を飛ばして幻影を全部掻き消せばいい!
「うぅ〜ん!フィリップ君の強さはいいですが……そろそろ限界じゃありませんかぁ〜?」
「……」ダァッ!
「沈黙、ですか。何処までも頑固ですねぇ〜」
「〝茜示剣〟」
三連撃で一気に距離を詰めながらも、オズワルドに対して攻撃を仕掛け続ける。
限界に関しては……オズワルドの言う通りだ。かなり体を無理強いしている。
僕はリチャードのねじれの解除の前にもエゴを起動させていたりする。消耗はしているし、僕自身限界がかなり近いのは分かっていた。
「お前こそ、そろそろ飽きてきたんじゃないか?」
「何を言いますか!フィリップ君とまたこうやって戦える事に私とぉっても大喜びですよぉ〜!」
「お前が期待していた反応があまり得られていない時点で、楽しむもないと思うが」ダッ!
その瞬間、オズワルドの雰囲気が変わる。
「!」
「フィリップ君、期待なんて必要ありません……よぉっ!」ドゴォッ!
「……!」
唐突に足蹴りが飛んできて、すぐさま両翼の盾が起動して守り出す。その間に僕は蜜蝋の剣に魔力を注ぐ。
外から零せば霧散してしまう為魔力は針の穴に糸を通すように、この剣の中に魔力を流し続けなければならない。それも外に出さないように。
僕自身が〝茜示剣〟や〝煌燃剣〟を使っても大きく魔力を消費しないのはこれがあるからだ。
ミレディ・ライセンがこの場所に迷宮を作ってくれた事を境に、魔力を制限してくる敵への新たな戦いのやり方を考えた。
魔力を自分自身だけでなく、武器やエゴに流し込む。
そうする事でより魔力で武器とエゴをコーティングするだけでなく、一種の保管場所としても使用することが出来た。
これはハジメ君が僕やユエさんに渡した〝神結晶〟の装飾品のそれに近い。
だからこそ、ここまで何度も攻撃を使うことが出来ている。しかしそれにも許容量がある。
僕はそれを理解しつつ―――プルートの時に使った煽りの技術をしっかりと彼にお返しする。
「期待なんて必要ない?何を言うんだか」ガァンッ!
「期待して、なりたい自分に対してなれなかった事を外野でぐちぐち言う方の言葉など聞く必要はありませんからねぇ。結局自分達は叶えて欲しい人が欲しいだけで、叶えたとしても満足しません。
ならば、叶えたあなたを見せてあげましょう!どんな姿でも私ならば是非!
フィリップ君、あなたのなりたい姿はなんで」
「結局、お前もそういう奴か」フッ
そう言いながら、蜜蝋で塗り固められた篭手の拳でオズワルドの胸を殴りつけて吹き飛ばした。
おぉっとっとっと言いながらわざとらしくやるオズワルドを見つめながら、僕は声を大にして言い放つ。
「お前は結局、期待することをしないと諦めていくる癖に―――サーカス団員と共に人々が笑い合う世界を作るという目的の為に多くの人をサーカス団員にしたが。
それもやはりお前が自分の志を理解してくれる、自分の目的に同調してくれる人がいてくれる事を
「……」グラ…
「哀れな怪物だよ。お前も所詮はそれ程の存在であっただけだ」
僕がそう言い残すと、オズワルドはばっと立ち上がりながら―――
「はぁーっはっはっはっは!!!!!!」
笑った。
「なるほど、なるほどなるほど!プルートさんが負けた理由が何となく分かりましたよぉ!フィリップ君!あなたは人を怒らせる天才のようですねぇ!」
「……」
「だからこそ、あなたの怒りに免じて―――サプライズを送りましょう!」
そう言ってオズワルドが出してきたのは、大量の虎人族のピエロ達。あの時変化させたサーカス団員達は僕に向けて怨嗟の声を放ちながら近付いてくる。
『助け……て……くれ……』
『痛い……痛いぃ……』
『苦しい……殺して、くれぇっ』
搾り取ったような声でそう呟く彼らを僕は一切の躊躇なく切り捨てた。
「あんらまぁ!お仲間の大切な人を殺してしまいましたっ!助けれる可能性もあるというのに!」
「それで僕が揺らぐとでも?」
「なるほどぉ。ではこちらでは?」
そして、他の虎人族のサーカス団員がこっちに迫ってきていたリチャードに向かって兵士を仕掛けていく。
彼女は止まらず、サーカス団員を受け止めるようにぶつかりに行く。
「!」
「驚きましたね?そういう所が詰めが甘いのですよぉ!サーカス団員の皆様、リチャードさんに全員攻撃を―――」
「邪魔だ」
しかし、次にオズワルドが見た光景は。
リチャードが他の虎人族の亜人達を、鉤爪で引き裂きながらオズワルドの肩を瞬速で抉った光景だった。
「うぐぉっ……!?」ドシュゥッ……
「淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に―――」
リチャードが詠唱を始めながら、身体強化をより高めていく。
そして僕はそれに合わせるように、そしてその詠唱の不足分を補うようにリチャードの隣に縮地で追い付く。
「幾夜寝覚めぬ 須磨の関守!」
「!―――
鉤爪と剣戟が重なり、一気にオズワルドの胸に爪痕と剣筋を残しながら引き裂いた。
「がぁぁぁぁぁっ!?」
「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は!」
「龍田の川の 錦なりけり!」
お互いの息を合わせ、幻影を出して逃げようとするオズワルドの体に向かいながら剣と鉤爪を構え……放つ!
「決字百首〝嵐龍〟!」
灼炎と風の龍の一撃が、合わさった。
それは最早防ぎようのない、なぎ倒して行く一撃。台風のような風の螺旋ににオズワルドの幻影は飛ばされながら消えていく。
そしてただひとつ残るオズワルドの本体が、流石に不味いと理解し始めた。
だが遅い。
「忘らるる 身をば思はず 誓ひてし」
「人の命の 惜しくもあるかな……」チャキッ
「決字百首〝忘人〟」
加速、そして技から連撃と共にオズワルドの肉体にどんどんとダメージが増えていく。
更に烙印と極炎が追加で爆発しながら、より傷と血を叩き付ける。
まだ終わらない、いやまだ終われない。
オズワルドにしてやられた者達への怒り、悲しみ、痛み、苦しみ。全てをぶつける為に……!
「ぐぅぉぉぉおおっっっ!!!!!!!」ゴゴゴゴゴ……!!
「!」
「……来ましたか」
そして、オズワルドも遂に本来の姿を取り戻した。
肉体は巨体になり、新しく4本の腕が生える。2本の腕には赤色のナイフを持ちもう2本にはサーカス劇場の幕を持っていた。
「フィリップ君〜!あなたのお陰で、私強くなれました〜!ではそろそろクライマックスと、行きましょう!!!」バッ!
そして、また展開されるカラーボール。
しかし今回は違う。残ったサーカス団員達を握り潰し、赤黒いカラーボールとしてこちらにぶつけてくる。そこにそこら辺に散らばっていたゴーレム騎士達の破片を使う。
今度こそハジメ君達は助けるのが難しいだろうが……
「今度こそ、これでおしまいですねぇ!さぁ、落ちなさ―――」
「俺を…………忘れるなよ、ピエロ、頭……」
「ご、はっ……?」ガボッ
しかし、次の瞬間オズワルドの腹には穴が空いていた。虎人族特有の鉤爪がオズワルドの腹から出ていて、その犯人は……ほぼ瀕死の肉体を、謎のオーラを放ちながら動かしていた。血は大量に零れていて、もはや今すぐにでも死にそうであった。
「ギル様!」
リチャードのその声と共に、ギルは笑みを浮かべていた。
そして僕に対して……声が出なくなったのか、何かを喋った。
「リチャード!」
「っ……!はぁぁぁっ!」ドゴォッ!
リチャードが足を地面に撃ち込むと、彼女の体から植物が伸びる。更にオズワルドを縛り付けながら植物の弦がオズワルドをより縛り付ける。
「な、んですとぉおおお!?これでは脱出できませんではありませんかぁ!?」
「我が剣よ、この乞い願いし想いを、激情と知れ」
「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ……」
「この激情を以て、全てを燃やし尽くそう。
そして……夜明と共に消え去ろう」
「わが衣手は 露にぬれつつ……」
お互いの詠唱が、終わり僕とリチャードは手を取って飛び立った。
その偉大なる死の覚悟を以て、全ての仇を打たせてくれる
ギル……本当に、ありがとうございました。
「〝
「
「がぁぁぁぁぁっ!!!!!!!????!?!?」
そして、全ての激情を込めて放たれた剣戟と研ぎ澄まされます爪撃が放たれ、オズワルドの肉体は炎上しながら三分割に引き裂かれた。
「はぁっ、はぁっ、う、ぁ―――」
「……大丈夫ですか?」ザッ
そして、全力の攻撃と……おそらく開花したエゴの力を全てを使って縛り付けたリチャードが倒れ込む所を何とか支えて……リチャードは気絶した。
僕がゆっくりとリチャードを地面に寝かし、そして指を鳴らしてファタールを呼び出すとすぐに現れた。ハジメ君の方に支援していたようだ。
「精算を行うぞ」
「はっ」
そして、僕はまだ
「オズワルド……今回は本当によくもやってくれたな」
「ふ、フィリップ君!もしや助けてくれるのですか!?」
「誰が生かすか。お前は殺す」
「な、なんと!仲間の交で助けてはくれませんかっ!」
「………………」チャキッ
しかし、僕の強い意思を完全に感じ取ったオズワルドは諦めた様にははっ!と笑みを浮かべながら僕を見つめてくる。
「フィリップ君も、とても成長しましたねぇ!本当にいい子になりましたっ!」
「契約しろ」
「うぇえ!?急に何を!」
「
その一言と共に、オズワルドは堪忍したように「やれやれですねぇ」と言いながら僕を見つめてくる。
「フィリップ君。人は何故多くを求めるんでしょうかねぇ」
「それが人の性だからでは?」
「私、そうは思いませんねぇ。寧ろ人は多くを求める癖に多くを直せとうるさいのですよ」
「……何が言いたいんですか」
「あなたも結局は、それの一人に成り下がるのです。ですから私は何も期待しません。何も期待しないからこそ、期待しない誰かに向けられた私への声が……私だけに向けられる声が!……最も生き甲斐なのですよ」
オズワルドの理屈は分からない。何を言っているかも、定かではない。
だがねじれになる前は何かしらの理由があったのだろう。僕もそこは知らないし、彼自身もきっと誰にも話していないだろう。知ってるとすればアルガリアさんくらいか。
「では、多くを求め直す人間にならない方法とは何か。それはそう!自由になる事です!」
「……」
「自由になれば何者にも縛られません!ですから私、務めていた翼も全て辞めて私は私がしたかったサーカス団を開いたのですよっ!私の演目ならまぁちがいなく誰かを笑顔にする事が出来ますからねぇ〜!」
「大層な自信だ事」
「だからこそ、フィリップ君―――私から力を貰うとなればお覚悟しますよねぇ!そう、誰も泣かせないことを!」
「……!」
「プルートさんから力を貰った事はよく理解しております。ですので私、一人のピエロとしてここは啖呵を切らせていただきましょう〜……どうか、私の力で誰かを泣かせる事のないように!」
「……保証はできませんね」
「うぅむ、手厳しい!しかしあなたらしい答えが聞けて満足ですよぉ!」
そう言いながら、オズワルドはどういう理屈で離れていた腕を動かしてファタールが持っていた契約書にサインした。
「フィリップ君!」
「なんですか?」
「私のショー、いかがでしたか?」
その解答は常に一つだった。
「出直してこい」
「あんらまぁ!手厳しい〜…………!」
そう言ってフィリップの前から、オズワルドが消失していくと共に。
背後の方で戦っていたハジメ君達がミレディ・ライセンが撃破された事により……この大迷宮が終わった事を知らせていた。
開花E.G.O/草叢の高虎
草木に縛られた金色の虎の自我。
それはとても誉れ高き、そして傲慢さを押し出す獣だろう。
しかしその獣は理解していた。
己が愚かしくも浅ましい獣であることを。
しかしその愚かさはついには獣の強さを表していた。
愚かしくなるのならそのまま進むがいい。
愚かしくを止めるなら、そのまま去るがいい。
この獣に相応しい末路は、ただ独りのままなのだから。
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フィリップ君のヒロイン、誰にするか?
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八重樫雫
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園部優花
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その他原作組女子
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都市の女性組