どうか、あなたの物語が見つかりますように。
Ep.23 依頼/厄介な仕事
カラカランとベルの音が鳴り響きながら、ドアから6人の人物が冒険者ギルド〝ブルック支部〟に入っていく。
……なんだかカッコイイ風に言ってみればそれなりに様になると思ったが、やめておこう。
ハジメ君と僕ら一行は、ブルックの街でも特にお世話になったこの冒険者ギルドの受付の方であるキャサリンさんにお礼を言いに来たのだ。僕の方は、しっかりと御礼品を持ってきている。
「おや、今日は六人一緒かい?」
「ええ。明日にでも街を出る予定で、お世話になりましたから一応挨拶に。あとアキラがどうしてもお礼がしたいと言っても聞かなくて」
「素直じゃないなぁ。あ、キャサリンさん!これお礼の紅茶のお手製パックになります。カップにこれを入れてお湯を注ぐだけで暖かい紅茶を、冷たい水を入れたら冷えた紅茶が飲めます」ニコ
僕はこの世界には広まっていないであろう、パック式の紅茶が入った紙袋を渡す。
キャサリンさんは少し穏やかな表情を浮かべながら「ありがとねぇ」と口ずさみながら受け取ってくれた。贈り物が受け取られるととてもいい気分になる。
「そうかい、もう行っちまうのかい。そりゃあ寂しくなるねぇ……あんた達が戻ってから賑やかで良かったんだけどねぇ……」
「勘弁してくれないかなぁ……宿屋の変態覗き魔もそうだけど、フィリップ君に
うんざりとした表情のハジメ君が愚痴をこぼすように語った内容は全て事実である。あそこの宿のソーナさんは言わずもがな、僕達が街の中で会う人たちはなんだかんだ全員話しかけてくる。人気者……と言うにはあまりにも街の人の頭のネジが外れている気はする。
また、ブルックの町には五大派閥が出来ていた。一つは「ユエちゃんに踏まれ隊」、「シアちゃんの奴隷になり隊」「ファタールさんの奴隷になり隊」「アキラ君とお茶会し隊」「お姉さまと姉妹になり隊」……もう僕は何も突っ込まなくなった。文字通りの願望を抱え、実現を果たした隊員数で優劣を競っているって聞いた時には本気でE.G.Oを発現しそうになった。
「まぁまぁ、何だかんで活気があったのは本当だけど」
「嫌な活気だなぁ……」
「で、何処に行くんだい?」
「フューレンに向かう予定です」
そんな風に雑談しながら、今回の向かう場所について話す。
フューレン、中立商業都市。
僕達の次の目的地は〝グリューエン大砂漠〟にある七大迷宮の一つ〝グリューエン大火山〟だ。
そこに向かうなら大陸の西に向かわなければならないのだが、その間に【中立商業都市フューレン】がある。
大陸一の商業都市に一度は寄っておき、情報収集をしておいた方がいいという事になった。
そして〝グリューエン大火山〟の次は大砂漠を超えた更に西にある海底に沈む大迷宮〝メルジーナ海底遺跡〟となる。
「フューレンねぇ。……おや、ちょうどいいのがあるよ。商隊の護衛依頼だけど、ちょうど空きがあるよ。
……どうだい?受けてみる?」
キャサリンさんにより差し出された依頼書を受け取り内容を確認するハジメ君。確かに、依頼内容は、商隊の護衛依頼のようだ。中規模な商隊のようで、十五人程の護衛を求めているらしい。僕とハジメ君は冒険者を登録しているが、ユエさんとシアさん、ファタールとリチャードは冒険者登録をしていない。まぁ亜人が冒険者になれるのかとか、魔人と人間は今バチバチにやり合ってるのもあってやってあげたいけど出来ていないという形だ。
「連れを同伴するのはOKなの?」
「ああ、問題ないよ。結構な大人数だと苦情も出ると思うけど荷物持ちを個人で雇ったり奴隷を連れている冒険者もいるのさ。ましてや、ユエちゃん、シアちゃん、ファタールちゃんにリチャードちゃんも結構な実力者だろう。一人分の料金でもう四人優秀な冒険者を雇えるようなもんだ。断る理由もないさね」
「そうかぁ。皆はどうする?」
ハジメ君は少し考えた後、僕達に意見を求めるように振り返った。正直な話、僕からしても断る理由はない。こうやってある程度の依頼を達成しておくと、後から色んな人が僕達を支持してくれる事もある。いわゆる〝スポンサー〟というものだ。聖教会とはいずれぶつかり合い、その時にハイリヒ王国とも相対するだろう。なら味方は多い方がいい。
「そんなに、急ぐ旅じゃない」
「そうですねぇ~、たまには他の冒険者方と一緒というのもいいかもしれませんし!」
「僕も同意見です。色んな見方もありますからね」
「まぁ、いいんじゃない?」
ハジメ君は僕達の意見に「ならいいかぁ」と頷くとキャサリンさんに依頼を受けることを伝える。ユエさんの言う通り、七大迷宮の攻略にはかなりの時間がかかるだろう。
それに、僕達の問題はそれだけじゃない。大迷宮に向かうのはきっと僕達だけじゃない。ハイリヒ王国にいる光輝君達もいずれはこちらに進出してくる可能性は大きい。
更に〝残響楽団〟も関わってくるとなればやはり……泥沼の合戦になっておかしくもない。
「あいよ、先方には伝えとくね。明日の朝一で正面門に行っとくれるかい?」
「了解しました」
ハジメ君が依頼書を受け取り、内容を確認するとキャサリンさんがハジメの後ろの僕達に目を向けた。
「あんた達も体に気をつけて元気でおやりよ? この子に泣かされたら何時でも家においで。あたしがぶん殴ってやるからね」
「……ん、お世話になった。ありがとうございます」
「はいっ、キャサリンさん。良くしてくれてありがとうございました!」
「これくらいでしかお礼を渡せなくて申し訳ないんですが、是非ともご縁があった時は御礼させてもらいます」
「……ありがと」
キャサリンさんの人情味あふれる言葉に僕達の頬も緩む。特にシアさんとリチャードは、この町に来てからというもの自分が亜人族であるのを一切感じさせない様な関係として付き合ってくれている。
もちろんこの街の人達の全員が亜人に対して友好的という訳ではない。
それでもキャサリンさん筆頭にソーナさんやクリスタベルさんと……あの熱烈?なファンだという人達は亜人族という点で差別的扱いを感じさせない。ここの土地柄かそれとも変な物好きな人達が集まるからかは分からないけれど、いずれにしろ亜人族にとっては故郷の樹海に近いくらい温かい場所であるのは間違いない。
「あんたらも、こんないい子達を泣かせるんじゃないよ?精一杯大事にしないと罰が当たるからね?」
「世話焼きな人だなぁ、言われなくても分かってます」
「はい!」
キャサリンさんの言葉に苦笑いで返すハジメ君と、対照的に僕は明るく返事をした。
そんなハジメ君と僕に、キャサリンさんが一通の手紙を差し出してきた。いきなり差し出されたそれに首を傾げながら受け取る僕達。
「これは?」
「あんた達、色々厄介なものを抱えてるだろう。
町の連中が迷惑かけたお詫び……にしては全然返せてる気はしないけどねぇ。他の町や別のギルドと揉めた時、その手紙をお偉いさんに見せな。少しは役に立つかもしれないからね」
パチンとウインクするキャサリンさんに、思わず頬が引き攣っていたハジメ君。多分、手紙一つでお偉いさん達に影響を及ぼせるキャサリンさんは一体何者なんだ……という事を考えているに違いない。
実際、僕も気になるが……
「おや、詮索はなしだよ? いい女に秘密はつきものさね」
「……はぁ、分かりました。これは有り難く貰っておきます」
「ありがとうございます!」
「素直でよろしい!色々あるだろうけど、死なないように頑張りなよ」
片田舎の町のギルド職員キャサリン。謎多きこの方に僕達は大いに助けられ、そんな彼女の愛嬌のある魅力的な笑みと共にこの街を出た。
――――――――――――――――――――――――
翌日の早朝になった。
とても賑わっている?ブルックの町から、個性的な町民達かはの感謝と怨嗟の言葉を思い出にしつつ、正面門へやって来た僕達を迎えたのは商隊のリーダーと他の護衛依頼を受けた冒険者達だった。どうやら僕達が最後のようで、リーダーと十二の冒険者がやって来た僕達を見て一斉にざわつき始めた。
「お、おい、まさか残りの六人って〝スマ・ラヴ〟と〝紅茶の貴公子〟なのか!?」
「マジかよ!嬉しさと恐怖が一緒くたに襲ってくるんだが!?」
「見ろよ、俺の手。さっきから震えが止まらないんだぜ?」
「いや、それはお前がアル中だからだろ!」
ユエさんとシアさんの登場に一喜一憂してる人、股間を両手で隠し涙目になっている人、手の震えを僕達のせいにして仲間にツッコミ入れられる人など様々な反応が見えた。
ハジメ君が嫌そうな表情をしながら歩み寄ると、商隊のリーダーが声をかけてきた。
「君達が最後の護衛かね?」
「ええ。これが依頼書です」
ハジメ君はコートの襟裏にある隠しポケットから取り出した依頼書を見せる。それを確認して、商隊のリーダーは納得したように頷いて自己紹介を始めていった。
「私の名はモットー・ユンケル。この商隊のリーダーをしている。君達のランクは未だ青だそうだが、キャサリンさんからは大変優秀な冒険者と聞いている。道中の護衛は期待させてもらうよ」
「もっとユンケル?……商隊のリーダーって大変なんだな……」
「……ユンケル〇帝かぁ」
僕達の日本のとある栄養ドリンクを思い出させる名前をしていた。きっと苦労が耐えないんだろうなぁと僕らの眼が同情を帯びていたのを感じたのか、そんな眼を向けられているのか不思議だったモットーさんは首を傾げながら、「まぁ、大変だが慣れたものだけどね」と苦笑い気味に返した。
「まぁ、期待は裏切らないと思います。僕はハジメです。こっちはユエとシア」
「アキラです。ファタールとリチャードになります」
「それは頼もしいな……ところで、この兎人族と、君の虎人族……売るつもりはないかね?それなりの値段を付けさせてもらうが」
モットーさんの視線が値踏みするようにシアとリチャード。シアさんは兎人族の中では青みがかった白い髪をしていて更に魔力を直接操れる。
リチャードの方は、重力魔法が使えるのは知らないとはいえ、見た目もとても人受けがいいとは思う。
戦闘能力も高いしこういう亜人を奴隷として欲しがる人は少なくいかもしれない。きっとモットーさんは商人の性、珍しい商品には交渉してみたくなるというものなのだろう。
首輪から奴隷と判断し、即行で主であるハジメ君と僕に売買交渉を持ちかけるあたり、きっと優秀な商人に違いない。
そして、値段を定める様なモットーさんの視線を受けてシアさんうっと嫌そうに唸りハジメ君の背後にそそっと隠れていった。ユエさんはモットーを見る視線が厳しめであり、リチャードに関しては攻撃しかねない目線だった。
……一般的な認識として樹海の外にいる亜人は、すなわち奴隷である。珍しい奴隷の売買交渉を申し出るのは商人としての血が騒いでもおかしくない。
こんな世界にした神に物申したくなるが、一概にモットーを攻める訳にはいかない。
「随分と懐かれていますね…中々、大事にされているようだ。ならば、私の方もそれなりに勉強させてもらいますが、いかがです?」
「まぁ、モットーはそこそこ優秀な商人のようだし……答えは決まってますよね?
―――例え、どこぞの神が欲しても手放す気はない。
…理解してもらえましたか?」
「値段なんて付けれないものもありますからね。僕からも、お断りさせてもらいます」
ハジメ君の瞳は、完全にNO。もちろん僕もである。
「成程……それはもう、仕方ありませんね。ここは引き下がります。ですがその気になったときは是非我がユンケル商会をご贔屓に願います。
それと、もう間も無く出発です。護衛の詳細は、冒険者側のリーダーとお願いします」
「ありがとうございます」
「了解しました」
……中々危ない橋を渡った気がして、背中に汗が伝う。
今の強めの発言で亜人反対の冒険者がハジメ君に喧嘩を売りに来てもおかしくないし、それを買った場合とんでもない事になったりする。
モットーさんが商人としての良さがあったり、冒険者の人達が比較的いい人ばかりなのが非常に命拾いとなったのが良かったか。
それに、周囲はモットーさんが馬車の方に戻っていくと同時にざわついていた。
「すげぇ……女二人のために、あそこまで言うのか……!痺れるぜっ!」
「流石、決闘スマッシャーと紅茶の貴公子……自分の女に手を出すやつには容赦しないなんて……流石漢達だな」
「いいわねぇ~、私も一度くらい言われてみたいわ!」
「いや、お前男だろ……?」
僕達は護衛仲間の愉快な発言に頭痛を感じたように手で頭を抑えた。やっぱりブルックの街の人達は結構おかしい人ばかりだった……今更か。
さて移動しよう、とハジメ君が呼びかけようとすると振り返ると、急に肩に顎を乗せたシアさんの顔が至近距離に見えた。その顔は紅色に染まっており、実に嬉しそうに緩んでいた。
「……いい?特別な意味はないからね?勘違いしないでね?」
「うふふふ、わかってますよぉ~、うふふふ~」
ハジメ君自身、あれだけ共に助け合ってきた身内を捨てるような真似はしないという意味合いなのは間違いない。
周りで騒いでいる人達が言うように〝自分の女〟だからという意味ではないとはっきり告げていたハジメ君だが、シアさんには全く伝わっていなかった。まぁ……惚れた男から〝神にだって渡さない〟と宣言されているのだ。どのような意図で為された発言であれ、ハジメ君に惚れているであろうシアさんにとっては嬉しいものは嬉しいのだろう。
手っ取り早く交渉を打ち切るための発言が、いろんな意味で〝誤解を招く発言〟だった事に、やっちまったなぁとハジメ君が肩を落としていた。そんなハジメ君をユエさんはトコトコと傍に寄って、袖をクイクイと引っぱっていた。
「どうしたのユエ?」
「ん……カッコよかったから大丈夫」
「……慰めありがと」ハハ
ハジメ君の心情を察したのか、慰めてくれるユエさんにハジメ君が感謝の言葉を告げながら優しく頬を撫で始めた。
……僕達がいることを忘れているらしい。
別に怒りがある訳ではないが、目の前で惚気られると少しうん……ああ……という感じの思いが溢れてきた。
これがきっと日本にいた時に、ハジメ君に声をかけていた白崎さんとハジメ君を見ていたクラスメイト達の心情だと思うと気持ちはほんの少しだけ分かった。
「ねぇ」
「うん?」
しかし、うげぇと感じていた僕にリチャードが話しかけてきた。
「感謝だけはしておくから」
「……???まぁ、ありがとうって事かな?」
リチャードは素直に感謝を伝えて、ハジメ君達が馬車に向かっていくと共に一緒に向かっていった。
彼女があまり上手く言えないような形なのは、やはり彼女のあの発言が強く響いているのだろう。
――――――――――――――――――――――――
僕達が大迷宮から帰り、リチャードがギルの事に踏ん切りを付けたのか部屋に戻ってきた事だった。
僕はマサカの宿でオズワルドから契約して譲渡された幻影操作を練習しながら、事細かくメモに記している最中だった。
「あ、リチャード……大丈夫?
「大丈夫に見える?」
「……見えませんね。すいません」
流石に恩師を失った状態で大丈夫、という言葉はダメだったと反省して謝罪した。
僕が同じ事をされた時に嫌な気持ちを抱くだろうと察せなかった事に自戒の如く自分に言い聞かせた。
「今聞くような事じゃないけど……樹海に戻るの?」
「……それは、まだ迷ってる」
リチャードはベットに座り、行き場のない手をもう片方の手に添えて体操座りの要領で僕に背を向けながら壁に視線を送っていた。
ギルがいないからか、自然と敬うような言葉は消えて今の歳相応の言葉遣いに直っていた。
「迷っているなら、ゆっくり考えればいいよ。僕は君の人生にとやかく言うような人じゃないから」
「……言ったら殺し合いになる所だった」
「失言だったね……ごめん」
「いや、大丈夫」
何とも言えないような空気が続き、僕は頭を少し掻いて彼女にひとつ提案した。
「もし良かったらさ、他の大迷宮……潜ってみる?」
「……なんで?」
「生きる為なら、力は必要だと思う。亜人は未だに奴隷として見られている事が多いから尚更……ハイリヒ王国が亜人を異端みたいに扱ったらそれこそリチャードも大変だと思う」
「生きる為……」
「ギルが、君に生きろと命じたのなら。それをしっかり守るべきだし……生きる事に専念するのならやっぱり強くなるべきだと思うよ」
「…………」スッ…
僕の発言に、リチャードはゆっくりと僕の方に体を向けた。
しかし顔は俯かせたまま、彼女の尾はゆっくりと揺れていた。
「あれだけの事をしてまで、どうしてそこまで世話を焼いてくれるの?」
リチャードは、純粋に僕に質問してきた。
しかしその質問は想定済みだった。
「君が助けを求めたからだ」
助けを求めるのなら、限りなく叶える事の出来ない助け以外は受けるつもりだ。
僕一人の労力で済むのなら、それこそお金が掛かってもだ。
人を助ける事が僕の罪の贖罪となるのならいくらでもやってやろう、今はそう思える。
世界を救うのも大切だが、こうやって別の意味で人を助け救う事も必要であると……理解しているからこそ、行き先が分からないリチャードも助けるべきだと思っている。
「助け、か……」
「うん」
「それが今も続いてるって、見てもいいの?」
「それはお好きに」
微妙な距離感の、どうも掴めないような言葉のキャッチボールが繰り広げられる。掴みたいとは思っていないが、喉の奥につっかえる様な会話は長く続かない。
少しの沈黙が広がっていくが、話を切り出したのはリチャードだった。
「それなら、私は君の冒険についていく」
「……いいの?まだハルツィナ樹海の方に戻れるけど」
「いや……どうせ事情を伝えた所で変わりはないし」
「ゼルが上手いこと周りに言ってそうだから?」
「そう。だから……ギル様が信頼し背中を任せたアキラについて行く」
そう言って、やっと顔を上げたリチャード。
憑き物が取れている訳ではないが、以前よりマシになった。
少し前までまるで怒りに飲まれた怪物の様な眼をしていたのに、今では儚い一人の女の子らしい目線で僕を見ていた。
きっとギルはこんな彼女を、見ていきたかったんだと思う。
自分では親の代わりになれなかった。例えそれが本人が認めていても、ギルは本当の親になれる訳ではないと分かっていた。
親になれなくとも、親として教えれる事を。
導き手がいない彼女に、方向を教えて生きる術を。
彼女にありったけを教え、彼は偉大なる死を以て彼女の生き方をもう一度作り直し、そして押し上げた。
「なら、出来るだけ。僕も君の期待に応えながら共に強くなるとするよ」
彼の犠牲に対して、僕を哀悼の意を込めてそうするしかないのだから。
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