このデスゲームはR18に指定されました ~冒頭でモニターにA◯を放送事故ったせいで全員がエッチなスキルに目覚めてしまった!~   作:笠本

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第3話 VS『筋肉キャラ』&『残忍キャラ』&『かませ』

 廃ビルの内部―――――――

 

 侵入したクランメンバーたちの前に99期生の新人たちが()()で立ちはだかった。

 そして各所で戦闘が開始する。

 

 【1階南側】

 

「いくぜ筋肉増強(マッスルパワー)!」

 上半身をさらした筋肉質な男。岡本オズ。上着を脱ぎ捨てたときは貧相な身体であったが、突如その身体がふくれあがったのだ。

 

 筋肉の強化。戦闘においてシンプルながら最強にして最適解。

 それは殴る、蹴る、体当たり。人が行うあらゆる攻撃が致死性をおびるということである。

 

 目の前の99期生。自分よりも背は低く小太りな男、二海フウタに向けて岡本はタックルを仕掛ける。

 

 体重差は明らか。

 

 大型バイクとの衝突に等しい衝撃がフウタを襲ったが、その身を守ったのは脂肪であった。突如膨れ上がったフウタの腹部。カートゥーンアニメのごとく、粘土状の生き物であるかのように岡本のタックルを包み込んだのだ。

 

 そして一瞬にしてその腹部は元に戻った。

 

「んだテメエ! デブるスキルなんざ笑えねえ――ブファ!」

 岡本の言葉を遮ったのはフウタの右腕。

 

 だがその腕は胴体よりも膨れ上がっていた。力の乗らない一撃であったが、質量の大きさにより岡本は頭を揺らされ、ふらついた。

 

「勘違いするな。俺のスキルは局部の肥大化。本来はおっぱいを巨大化させるためのものだが、応用すればこんなこともできる」

 

 フウタの右腕がさらに肥大化。まるで人が二人繋がったようなサイズ。それを岡本に叩きつけた。

「ブハァ!」

 

 続いて左腕がさらに膨らむ。殴りつける。右腕がより肥大。横なりに振るう。

 

「や……止め……オゴォ……」

 

「これが巨腕! こいつは爆腕! 超腕! 魔腕! そして――――奇腕だあああ!」

 最後には自動車ほどに膨れ上がった両腕。天井にまで達したそれをフウタはただ振り下ろす。その一動作が凶器となって岡本を襲った。

 

「あ……がっ……が……」

 

 地面に横たわり意識を失った岡本に向けて、フウタが語りかけた。

 

「お前の筋肉を肥大化させるスキル。決して悪くはなかった。だがな、その能力でなぜ筋肉を均等に強化した? パワーやスピードのバランスを取ったのだろうが、それで得られる力は現実の枠内。異能力(スキル)とは無限の可能性を引き出すもの。そう、二次元にしかありえなかった理想をこの身に現界させた俺のようにな。

 

 お前の敗因は筋肉を戦闘の手段と捉えたことだ。もっと己の魂と向きあい、真に強化したい筋肉(パーツ)を吟味しろ。その偏り()がお前を強くするだろう」

 

 

◇二海フウタ

 スキル名『栄養が全部胸に(クッキング)いくタイプのあの娘(モンスター)

 人体の局部を肥大化させる。元々膨らみやすい脂肪のある部位ならば8畳の部屋を埋めるほどの拡大もできる。

 他者に対しては料理を提供するなどの育成というプロセスが必要だが、自分の肉体であれば瞬時に変化させられる。

 いずれ金級位(ゴールドクラス)に至れば◯首のみを伸ばすなどより繊細な操作も可能になるだろう。

 

 

 

【2階北側】

 

「キヒヒヒヒ。まさかこんなところで先輩に会えるなんてなあ」

 金髪の柄の悪い安スーツの男と裸足で道着姿の男が対峙する。

 

「菊地か。お前が道場を破門になって以来、3年ぶりか」

「懐かしいなあ。あのくそジジイ、ちょいと新人をぶっ壊したくらいで追放とかひでえよなあ。キヒヒ」

 

「その性根、まだ直ってなかったようだな。弱者をいたぶるなど武人にあるまじき所業。ここで再会したのが縁、叩き直す!」

 

「相っ変わらず上から目線できやがんなあミョウジン先輩。だがな、ひとつだけ訂正しとくぜ。俺が好きなのは弱いものイジメじゃねえ。本当に好きなのはアンタみたいな強者を這いつくばらせて泣かせることなんだよなア!」

 

 叫びながら金髪が意外や鋭い突きを繰り出す。避けられるが間髪入れずに裏拳、肘、足払いと繋げていく。

 

 受ける道着姿の男、三國ミョウジン。とある古武術道場にて師範代理を務める彼は、かつての弟弟子の攻めをなんなく躱し、流し、腕やスネで止める。

 

「受けの型、静流雲水」

 鍛え上がられた肉体は金髪の攻撃など何ら通じていないように見えたが、全ての攻撃を受けきったミョウジンはわずかに眉をひそめた。

 

「……なんだ、これは!? いつのまに?」

 

 ミョウジンが握った拳を開く。その中指の爪が切れ、血がにじみ出ている。

 

「キヒッ。教えといてやるぜ。俺のスキルは衝撃移動(インパクトチェンジ)。これがどういうことか分かるかア? 先輩。十数年鍛え上げたアンタの腹は鉄骨をぶつけても壊れねえ。スネはバットで殴ったってびくともしねえだろうがよ。だが爪は鍛えられるか? キンタマは? 目玉は? 内蔵は?

 

 俺はアンタのどこを打ってもその衝撃を好きに移動させられるんだぜ。キヒヒッ、つまり防御は無駄ってわけだ。面白いよなあ。鍛えてるやつ程、痛みの耐性がなくてピーピー泣きわめくんだぜ。先輩も俺を楽しませてくれよオ!」

 

「かまわん。弱者が強者の(弱点)を突き災をはらうことこそ武の本質。それに俺のスキルもまた、人には抗えぬ急所を攻めるものであるからな」

 

「いいねえ、んじゃ先輩も俺をイジメてくれよなア!」

 

――――ハーイ、今夜もサキュバスお姉さんのお食事タイムがやってまいりました~

 

「キヒョッ!?」

 菊地の耳元に突如さしこまれた艶やかな女性の声。

 

――――そうそう。今夜も頑張って寝たフリしていてね。そうすればお姉さんがアソコをシュッシュしてあげちゃいますよお~

 

「な、なんだこの声は!」

 

「これが我がスキル娃手摩婀(あずまあ)。耳という人が鍛えることの出来ぬ急所に直接叩き込まれるサキュバスお姉さんの淫語搾精ボイスと舌の感触。人間に抗う術は無し!」

 

 ミョウジンは言うなり手刀を菊地に叩き込んだ。

「ぶほあア!」

 

 さらにミョウジンの猛攻が炸裂していく。

 菊地は必死に防御するが、同時にサキュバスお姉さんの蠱惑的なポイスがその精神をイジメぬく。

 

――――あれえ、今日のお姉さんのごはんが足りないと思ったら、ゴミ箱にいっぱい捨ててあるぞお。食べ物を無駄にするイ・ケ・ナ・イ・子、だーれだ?

 

「はあっ!」

 ミョウジンの膝が菊地のみぞおちにめり込んだ。

「うごォ!」

 

 必死に構えを取ろうとする菊池であるが、サキュバスお姉さんのボイスが精神の構えを砕いていく。

 

 ミョウジンとサキュバスお姉さんのタッグ攻撃はさらに続く。

「葉突き!」「曲掌!」「雷菱!」

 

――――うふふ、いつまで我慢できるのかなあ?

 

 歴史の裏、実践で磨き上げられた古武術の技の数々。菊池も知るその技がより高い完成度で彼の身体に叩き込まれた。

 

「がはァ!」

 

 膝をつく菊池を見下ろしながらミョウジンは言う。

「どうした。スキルのない三年前のお前の方がまだ強かったぞ」

 

「舐めるなあああアアア!」

 菊池の反撃。それは手のひらをミョウジンに伸ばし、ただ触れただけの攻撃力などないはずの一手。

 

 しかしミョウジンは突如、大きく弾き飛ばされ地面を転がった。

 

「どうだ! これが俺の切り札。衝撃移動(インパクトチェンジ)の派生技。俺がこれまで受けた衝撃、ためこんどいたそいつを全て放った! いくらあんたでも―――――」

 

 絶句する菊池。

 トラックがぶつかったかのような衝撃を喰らわせたはずのミョウジンが震えながら、だがたしかに立ち上がろうとしているのだ。

 

「馬鹿な! 何で立ち上がれるんだ!」

 

―――――あれれ? もう降参なのかなあ? でもだーめ。お姉ちゃんはまだまだおなかペコペコなんだから。ほうら、がんばれ、がんばれ! おっきだよ、おっき!

 

 それはミョウジンの耳に届くサキュバスお姉さんのはげましボイス。その甘い吐息がミョウジンが意識を失うことなど許しはしない。

 

「セイッ!」

 ミョウジンの十数年の鍛錬の極み。基本形ながら美しささえある正拳突きが、サキュパスお姉さんの攻撃に身悶える菊地に叩き込まれた。

 

 うめき声を漏らし倒れ込んだ菊地。ミョウジンはその姿を哀れむように見ると、踵を返し立ち去った。

 

「ま……待てよ……先輩」

 まだ意識のある相手に背を向けるなど、残心を重視する実践派武術にはありえない。だがミョウジンは知っている。

 サキュバスお姉さんの攻撃は倒れてからが本番なのだと。

 

――――あれ、ほんとに限界なの? でもダーメ。食べ物の恨みは恐ろしいんだから。うふふ、知ってるかなあ? 男の子にも、気持ちいい穴があるんだよ。そう、このお耳。んー、ジュル。

 

「キヒョハアアア!」

 

◇三國ミョウジン

 スキル名『娃手摩婀(あずまあ)

 耳にエッチなボイスを届ける能力。派生能力として耳舐めの感触も与えることができる。遠隔攻撃で敵の思考能力を奪う他、仲間内では離れた相手への連絡手段としても使われている(CV:桜庭杏奈)。

 

 

 

【一階倉庫区画】

 

 三人のクランメンバーが一人の中年男性を痛めつけていた。

 生み出す炎で肌を炙り、地面から伸び上がった石柱で腹を打ち、斬撃を足元に打ち込み怯える様を笑う。

 

「やめて……くれ。もう耐えられないよ」

 

「おい、どうしたおっさん。少しは反撃しろよ」

「こう無抵抗だとつまんねえぜ」

「さくっと潰して他の獲物で遊ぶとするか」

 息もたえだえにうずくまる中年男を取り囲み、侮蔑の言葉を浴びせる三人。

 

 男はうめきながら小さく言葉を漏らした。

「はぁ……はぁ……こんなの、ひどいよ―――お姉さんたち」

 

「お姉さんだあ? てめえ頭うっていかれちまったか? …………ああんっ!? なんだ、俺の身体が!」

 

 中年男性の不可解な言葉に失笑していた三人は絶句した。己の身体が女性のものへと変化していたのだ。

 

「なんだよコレは!?」

「ね、無え! 俺のタマがあああ!」

「こ… これが私…?」

 

「ひどいよね、お姉さんたち。こんなあどけない少年をいたぶっちゃってさ」

 うずくまっていた男が立ち上がる。その顔に浮かぶのはさきまでの怯えた表情ではなく、どこかふてぶてしいニヤつき。

 

「あん!? キモいおやじが何ガキぶってんだ!」

「それより俺たちを元にもどしやがれ、ぶっ殺すぞ!」

「待って、もう少し遊んでやってもいいんじゃないかな」

 

「違うよそれはあのお兄さんの力さ」

 

 中年男が指差すのはロビーの入り口。そこには腕を組み、ドアにもたれかかってニヒルに笑う男。

 

 彼は言った。

「これが私のスキル『すべてをFにする』。どうだい、生まれ変わった肉体は? ああ、分かるよ。困惑しているだろう? 自分の身体じゃないって違和感があるんだろう? それでいいんだ。君たちは女としてまだ未完成だ。これからその精神も女性だと理解(わか)らせてあげなくちゃならない。――――とはいえまだ目覚めを待つ人たちは大勢いるからね。少年、ここは君に任せるよ」

 

「まかせといてよ」

 中年男性は片手を上げて応えた。

 

 男は「では私はさらなる布教に向かうとしよう」と言い残して立ち去る。

 

 追いかけようとする三人に立ちふさがった中年男性。ゆっくりとズボンの裾を巻き上げて丈を短くする。

 

「さあ、ボクの番だよ。ここから下剋上の時間だよ、いままでいじめられた分、たっぷりお返しするからね、お姉さん」

 

 すっかり雰囲気の変わった中年に気負わされた三人。そこへ近寄ってきた人の姿に、さらなる絶望が。

 

「おいおいぼうや。こんなキレイなお姉さんを独り占めなんていけないなあ」

「俺たちも混ぜてもらおうか」

 恰幅のいい男性と細身の初老男性。にこやかな笑顔を浮かべるが、その眼は獲物を見据えた捕食者のそれであった。

 

「ふふふ、二人はボクのお友達さ。"校長先生"と"用務員"さんだよ。さあみんなで一緒に遊ぼうよ」

 

 女たちは彼らの纏う強者のオーラを感じ取り、悲鳴をあげた。

 

◇四條ショウタ

 スキル名『子供は何で(ブレイク・ザ・)も知っている(コマンドメント)

 相手に圧倒的有利に立っていると認識させ、一方的に攻撃させることで発動できる能力。それまでに与えられたダメージを倍にして返す。これは肉体へのダメージだけではなく、快楽というダメージであっても倍にする。ズボンを半ズボンにするのはその精神的なスイッチにすぎない。おねショタ逆転シチュを渇望しながら中年に至ってしまったショウタの執念により会得したスキル。

 

◇五島ゴウヘイ

 スキル名『The Perfect(すべてを) Integrity(Fにする)

 対象を女性に変化させる。但し恒久的な変化ではなく一時的なもの。これはゴウヘイのストライクポイントが女性化への戸惑いにあるからであり、何度でも再現し楽しむためである。そのため精神が女性化を受け入れるとその時点で肉体が元に戻ってしまうという弱点がある。また逆に女を男にすることはできない。

 

◇校長先生

◇用務員さん

 本名、スキルは現時点で不明。その二つ名からかなりの強者(つわもの)であることがうかがえる。

 

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