魔法教師の不本意な英雄譚   作:gp真白

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7時限目: 準決勝、理論の代理戦争と、光と闇の激突

 

 

1.理論の代理戦争、師弟の激突

特級魔法大会の準決勝。第一試合は、カイト・アステル対リリアーナ・ヴェルトという、レオンの二人の弟子による理論の激突となった。観客席のレオンは、冷めた紅茶を啜りながら、この試合を**「最も面倒だが、最も効率的な実験」として見つめていた。

 

「カイト・アステル!あなたの『拡散理論』が、机上の空論でしかないことを証明して差し上げます!」リリアーナは、王族の血筋に刻まれた光と闇のマナを同時に解放し、闘技場の中央に『調和の連環術式』を展開した。

 

「フン。あなたの『血筋依存』の理論が、僕の『普遍性』を前に脆く崩れる様を、先生に見せてあげましょう」カイトは、極限まで圧縮されたレオンの『集中術式』を、自身の『多層拡散理論』で包み込み、術式を闘技場全体に均等に散布した。

 

リリアーナの術式は、「光と闇」の対の力を螺旋状に集中させ、相手の術式を内部から破壊する、レオンの『最終定理』の「理想形」だった。一方、カイトの術式は、その「集中」の術式核を、「拡散」によって外部から切り崩し、暴走を防ぎつつ無力化する、レオンの理論の「安全弁」だった。

 

2.「集中」を巡る、理論家たちのプライド

両者の術式が激突した瞬間、闘技場全体に凄まじい轟音が響いた。リリアーナの光と闇の螺旋は、カイトの多層拡散によってエネルギーを奪われ、中心へと収束できずに不安定に震動し始めた。

 

「馬鹿な!私の『調和』が、なぜ安定しない!」

 

リリアーナは焦燥した。カイトは、その一瞬の隙を見逃さなかった。

 

「先生の『集中』は、究極の効率を求める。あなたの『調和』**は、血筋という非効率な要素を根幹に据えたから、真の『集中』には耐えられない!」

 

カイトは、レオンから受け継いだ『集中』の理論を、リリアーナの『調和』を否定するために使ったのだ。彼は、「代用品」と罵倒されるプライドを懸け、レオンの理論を最も純粋な形で実践していた。

 

3.レオンの理論的収穫と、次の課題

試合は、リリアーナの術式が暴走寸前となり、聖女アストレイアが介入する直前で、カイトの勝利となった。リリアーナは、理論の敗北に打ちひしがれ、意識を失って運び出された。

 

レオンは、冷めた紅茶を飲み干し、静かに目を閉じた。

 

(レオン内心):「カイトの『拡散』は、リリアーナの『調和』という理想形を、効率的かつ安全に打ち破った。『最終定理』の「安全弁」としての機能は証明された。しかし、カイトの拡散が、霍乱の『無限の論理』を前に、どこまで通用するかは未知数だ」

 

レオンの視線は、観客席で静かに試合を見つめていた霍乱に向けられた。霍乱は、カイトの勝利にも表情を変えず、静かに「無限の論理」が描かれた巻物を広げ、その理論の優位性を確信しているようだった。

 

「チッ、面倒だ。次の試合は、『無限』と『有限の集中』の衝突か。私の安寧を回復させるには、最も非効率で、最も危険な理論をぶつけるしかない」

 

レオンの「理論の証明」は、いよいよ最終段階の決勝戦へと進む。

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