オリ地方でポケモン達と旅をする主人公vsボカロ達VSダークライ   作:LEIKUN0227

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第1話

 

 

 

─────

 

「お──い─ハル─!」

 

 

…声が聞こえる。

 

「起きな──!ハルー!」

 

女性の声だろうか、呼んでいるのは……ハルト?知らない名前だ。

 

近所の子供を呼んでいるのだろうか?

 

そんな風に思考を凝らしていく内にだんだんと意識がハッキリしていくと共に、その声が自分を読んでいた事に気がついた。

 

どうやら自分は"ハル"と呼ばれているらしく、

呼んでいるのは母親だったようだ。

 

まぁそもそもな話、

自分の名前はハルじゃないし、

ハルと呼んでいる母親も全く知らない。

 

目を開けた時に広がる家の内装も全く違うし、

前日は布団で寝ていた筈なのに、

起きてみればふかふかのベッドの上だ。

 

枕元には見知らぬデフォルト化されたであろうキャラクターのぬいぐるみが置かれていたが、

この様な見た目の生物やキャラクターは見た事が無い。

 

タグがぬいぐるみに付いていたので見てみたが、

見知らぬ文字…少なくとも日本語や英語では無い文字が書かれていた。

 

この文字に似ている文字といえば韓国のハングル文字に形状が少し似ている位だろうか?

まぁ、自分はその韓国語すら1割も理解していないのだが。

 

「起きてるのー?ハルー?」

 

……今は情報が足りない、

とりあえず母親らしき人が呼んでいるし、

降りる事にしよう。

 

─────

 

「あら起きてたのハル。」

 

降りると中肉中背の女性がいた。

 

この人が母親で間違い無いようだが、

やっぱり知らない女性だ。

 

とりあえず不審がられないようにと、

俺は平然とやり過ごす事にした。

 

ハル「おはよう」

 

母親「おはようハル、今日から旅に出るのに…お母さん、幸先がちょっと不安だわ」

 

旅……旅だと?

 

え、俺旅に出る事になってるの?

 

ハル「…今日だったっけ」

 

母親「そうよ〜?この日の為に父さんに頼んで"ケロマツ"をゲットして来てもらったんだから!」

 

え?ケロマツ?

 

─────

 

あれよあれよという間に、

俺はこの"ショサイタウン"と呼ばれるそこそこ大きな街の中にある施設、"コテン研究所"に連れられていた。

 

"書斎"か"最初"をもじった名前のタウンで、

このコテン研究所は名前からして"古典"、

推測するに、ここは本にまつわる街なのだろう。

 

何ともシンプルな…と思いはするが、

この世界の世界観的には普通だと感じた。

 

俺は母親に車でこのコテン研究所に連れられる最中、

空を飛ぶ"ポッポ"やその進化系の"ピジョン"を見たり、

まるで絵に描いた様な綺麗な花畑を"フラべべ"や"フラエッテ"、"フラージェス"が仲睦まじそうに飛び回っていたりとする光景を見た。

 

言うまでも無いが、

ここはどうやら"ポケットモンスター"の世界の様であり…

…自分は名前も知らないモブトレーナーとして転生?してしまっていた様だ。

 

何故転生したのかは分からないが…まぁ前世、と言うべきか?

前の人生では良い思い出も無いし、

特に思い入れもなかった訳でも無い為、

元の世界に戻りたいとかそういった気持ちは湧かなかった。

 

ので、せっかくこの世界に転生したのだから、

自分のポケモンを連れて旅を楽しもうと思う。

 

…そうだ、今までの人生…それと、

これからの人生をレポートに記録しよう。

 

ゲームでもレポートは良くしていたからな。

 

─────

 

ハル

図鑑0匹

所持ポケモン

 

─────

 

ハル「広いな…研究所。」

 

目の前に建っているその建物を見た瞬間、思わず口が半開きになった。

本を開いて逆さにしたような──そんな形をした屋根を持つ建物。二階建てで、家に二軒分はあるだろう大きさだ。無骨な造りではあるが、どこか重厚な雰囲気を纏っている。

 

木製の壁には蔦が絡み、入口上の看板には金属のプレートで何かが書かれていた。

 

残念ながら俺には読めないが、

何となく施設名を書いてるプレートだと思う。

 

ライラ「そうよ。お父──あ、博士が待ってるから、行きましょ」

 

母親は俺の背中を軽く押すと、

正面の自動ドアのようなガラス戸を開けて中に入っていったので俺もそれに続く形で入っていく。

 

─────

 

─コテン研究所─

 

母親の後を追って、

俺はコテン研究所へと足を踏み入れた。

 

中に入った瞬間、鼻をくすぐる紙とインクの匂い。

本棚が壁一面に並び、

ぎっしりと詰まった本の背表紙が視界を埋め尽くす。

 

床には絨毯が敷かれ、部屋の中央には丸い木製の机。

 

その上には何冊かの開かれた本が置かれ、

書きかけのメモが散らばっていた。

 

視線を奥へ向けると、部屋が二つに分かれているのが分かる。

 

一方はこの書斎とも呼べるほどの本だらけの空間。

もう一方は、白を基調とした実験器具やパソコンが並ぶ研究エリア。

 

二つに分かれているのが、ここ、コテン研究所の特徴な様だ。

 

ハル「ほぉ〜…ん?」

 

俺が書斎とも呼べるエリアを通り過ぎ、

研究エリアに足を踏み入れた時、

奥の部屋から白衣を着た一人の男性が出てきた。

 

年の頃は三十代半ばほど、

ややくすんだ茶髪を後ろで束ね、眼鏡を掛けている。

 

胸元の名札は他と同じで読めない。

 

白衣の袖を軽く払うようにして現れたその男性は、俺の姿を見ると一瞬だけ眉を上げた。

けれど、すぐに口元を緩めて柔らかく微笑んだ。

 

???「やぁ、君がハル…君だね」

 

ハル「え、あ、はい。そう、です」

 

俺は少しだけ緊張して答える。

この雰囲気、研究者って感じだ。

 

ショウキチ「ふふ、そんなに固くならなくていい。私はこの研究所の責任者──コテン・ショウキチだ」

 

あ、やっぱり博士だったんだ。

コテン研究所って看板の名前のまんまじゃん。

でもフルネームで名乗るのちょっと堅いな……と思っていたら、横から母親が軽く笑いながら言った。

 

ライラ「も〜ショウキチったら、また博士モード入ってるわよ」

 

ハル「えっ、博士モード?」

 

ライラ「そうよ〜。ハルを旅に送り出すからって、"博士として"って張り切ってるの。ねぇ、コテン博士?」

 

ショウキチ「……む、ライラ。せめて今くらいは真面目にやらせてくれ。ハルの門出だぞ?」

 

ライラ「はいはい、分かってますよ〜」

 

ショウキチ「さて…仕切り直して、君が十歳になった今、ポケモンと共に旅立つには最適な時期だ。君自身が世界を知り、学び、育つためにもな」

 

十歳、か。

どうやらこの体は、前世の俺がもうとうに過ぎた年齢の少年らしい。

 

──旅。いよいよ始まるのか。

 

ショウキチ「改めて。ようこそ、コテン研究所へ。ここでは主にポケモンの生態、そして“人と本の記録”を研究している。書物の街、ショサイタウンに相応しいだろう?」

 

ハル「……本とポケモン、ですか?」

 

ショウキチ「そう。知識は人を育て、ポケモンは心を育てる。どちらも欠けてはならない、我々の大切な“ページ”だ」

 

(うわ、博士っぽい事言う〜……)

 

でも、嫌いじゃない。

言葉に少し熱があって、ちゃんと信念がある感じがした。

 

ショウキチ「さて、ハル。君に渡したいものがある」

 

博士はそう言うと、研究机の奥にある引き出しを開けた。

カチリという音と共に、銀色の小さな金庫のような箱を取り出す。

蓋を開くと、そこには光沢のあるモンスターボールが1つ。

 

机に置かれた3つ──恐らく他の新人トレーナー用のボール──とは別に、大事そうに布に包まれていた。

 

ショウキチ「これが君の、最初のポケモンだ」

 

博士は丁寧にボールを掲げた。

ボタンを押すと、白い光が部屋に広がる。

 

──ポンッ。

 

床に現れたのは、水色の小さなカエルのようなポケモン。

白い泡を首元に巻いて、つぶらな瞳で俺を見上げている。

 

ハル「……ケロマツ!」

 

ライラ「可愛いでしょ?お父さん──あっ、博士がハルのために育成施設で特別に受け取ってきたのよ」

 

ショウキチ「“げきりゅう”の特性を持つ個体だ。危険な場面でも、水の力を最大限に発揮してくれる。頼れる相棒になるさ」

 

ケロマツ「…ケロッ!」

 

ハル「ありがとう、ショウキチ博士!」

 

ショウキチ「うむ、立派なトレーナーになってくれ。だが──これで終わりじゃない」

 

博士は再び机の方を向き、

今度は黒く縁取られた四角い端末を取り出した。

 

液晶が光り、真新しいスマートフォンのように見える。

 

ショウキチ「これは“スマホロトム”。旅を記録し、地図を示し、ポケモン図鑑の機能も備えた最新の端末だ」

 

ハル「ロトムが入ってるんですか?」

 

ショウキチ「おや、知っているのかい?」

 

ハル「え、まぁ……その、何となく」

 

(やば、転生前の知識バレると面倒だ)

 

ショウキチ「ははは、勘がいいようだね。そう、ロトムは電子機器に宿る特性を持つポケモン。今はこの中で静かにしているが……」

 

博士はスマホロトムを背面を見せ付けるようにして軽く振る。

 

すると、青白い火花が一瞬だけ走り、

背面に青い目のような…いや、ロトムの顔が現れた。

 

ショウキチ「彼は君の旅を陰ながら支えるサポート役だ。必要な時は、こうして自力で出てくる」

 

ショウキチ「さて、ハル」

 

博士は俺の目をまっすぐ見た。

真剣な、けれど優しい眼差し。

 

ショウキチ「このスマホロトムは君に託す。地図、記録、通信──旅のすべてを支えてくれるだろう。そして、君自身の経験も、きっとこの中に刻まれる」

 

ハル「……はい。ちゃんと、大事にします」

 

ショウキチ「うむ。それと──」

 

博士は少し声の調子を和らげ、

白衣の両ポケットから鞄に入るサイズの救急箱の様な物を取り出した。

 

それを博士が開けると、

中にはポケモンフーズらしきパッケージが数袋と、

ゲームでよく見たキズぐすりが数本。

 

ショウキチ「最初の旅では、こういう道具が大事になる。特にケロマツは敏捷だが、大きい攻撃を受ければ大ダメージを負いやすい。戦うだけがトレーナーじゃない、ということを忘れるな」

 

ハル「分かりました」

 

ショウキチ「君の旅は、きっと多くの出会いと発見で満たされるだろう。ポケモンも、人も、本も、世界の一部だ。ページをめくるように、一歩ずつ前へ進め」

 

ハル「……はい!」

 

博士から差し出されたケロマツのモンスターボールとスマホロトムを受け取り、俺は小さく頭を下げた。

 

ライラ「ほら、ハル。鞄も忘れないで。お弁当もちゃんと入ってるんだからね」

 

ハル「ありがとう、お母さん」

 

鞄のベルトを肩にかけるついでに受け取った救急箱を鞄に入れる。

 

─胸の奥がほんの少しだけ震えた。

少しの不安があるが…それ以上のワクワクと期待でそれは掻き消される。

 

ショウキチ「行け、ハル。君の物語を、ページに刻むんだ」

 

ケロマツ「ケロッ!」

 

ハル「…うん!行ってきます!」

 

踵を返して研究所の扉を開けた瞬間、

ショサイタウンの風が頬を撫でた。

 

そうだ、もう1回レポートを書こう。

 

─────

 

コテンハル

図鑑 1匹 捕まえたポケモン 1匹

所持ポケモン

ケロマツ ♂ Lv5 特性げきりゅう

たいあたり なきごえ (通常技)

 

 

─────

 

 

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