オリ地方でポケモン達と旅をする主人公vsボカロ達VSダークライ   作:LEIKUN0227

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第10話

 

 

 

 

─────

 

─ショサイタウン─

 

リン「うん!よろしくね!!」

 

ミク「よろしくね、ハル。」

 

賑やかな声が落ち着いたところで、

俺はふと視線を横に流す。

 

ミク達の後ろに立っていた研究員──

白衣を纏い、どこか気だるげな空気を纏った女性が一歩前に出た。

 

その顔を見た瞬間、思考が一瞬止まる。

 

ハル(……今度はハクかよ。)

 

内心で小さく呟く。

見覚えがあるどころじゃない、

前世で知っていた存在がまた一人増えた。

 

弱音ハクは初音ミクから生まれた…言わば派生キャラクター、ボーカロイドというより、ボーカロイド亜種と表した方が適切だろう。

弱音ハク自体は当時の歌わせられる少女、

初音ミクの調声をやろうとしてその調声が上手く出来ず、弱音を吐いていた当時のボカロPと呼ばれた人達が絵として描かれたのが始まりのキャラだ。

 

ハク「えっと……私は"ヨワネハク"。ここの研究員やってます……」

 

少しだけ視線を逸らしながら、

控えめに頭を下げるその様子は、

どこか自信なさげで、一抹の不安が残る。

 

ハル「ハルです。よろしくお願いします。」

 

ハク「……う、うん、よろしくね。」

 

短いやり取りを終えたところで、

隣にいたナシさんが「コホン」と一つ咳払いをする。

 

ナシ「さて……改めて自己紹介といこうかのう。」

 

先程までポケモン達に向けていた柔らかな表情のまま、

しかしどこか場を締めるような雰囲気で俺達全員を見渡す。

 

ナシ「ワシはナシ。このテイセツパークの管理を任されておる者じゃ。」

 

リン「管理って……偉い人ってこと!?」

 

ナシ「まぁ、そういう事になるのう。」

 

軽く笑いながら答えるナシさん。

だがその次に続いた言葉に、

その場の空気が少しだけ引き締まる。

 

ナシ「そして──伝説のポケモン、スイクンのトレーナーでもある。」

 

ミク「スイクン……!?」

 

レン「伝説って、あの……!?」

 

ナシ「うむ。あやつとは長い付き合いでのう。」

 

その言葉に嘘は感じられない。

むしろ、ポケモン達との距離感や接し方を見ていれば納得しかない。

 

ナシ「ワシのモットーは簡単じゃ。ポケモンに対して、愛情を分け隔てなく与えること。」

 

ナシ「強い弱い、珍しい珍しくない……そんなものは関係ない。ただ、共に生きる存在として接する。それだけじゃ。」

 

その言葉と同時に、

周囲にいたポケモン達が自然とナシさんの方へと寄っていく。

 

ピカチュウやアーマーガア、

さっきまで大人しくしていたファイアローですら、

その近くで落ち着いた様子を見せていた。

 

ハル(……だから逃げなかったのか。)

 

このパークに残ったポケモン達。

その大半がナシさんに懐いている理由を、

改めて実感する。

 

ナシ「……さて。」

 

一拍置いて、

ナシさんは少しだけ真面目な表情になる。

 

ナシ「まずは謝罪させてほしい。」

 

リン「え?」

 

ミク「謝罪……?」

 

ナシ「本来であれば、これから旅立つはずのお主達の足を止めてしまっておる。」

 

ナシ「それに加えて、このテイセツパークの失態……その後処理を、お主達にも手伝わせてしまう形になっておる。」

 

ゆっくりと、しかしはっきりと頭を下げるナシさん。

 

ナシ「本当に、すまぬ。」

 

レン「ちょ、ちょっと待ってくれ!頭上げてくれよ!」

 

リン「そうだよ!私達、別に無理やりじゃないし!」

 

ミク「うん……むしろ、力になれるならって思ってる。」

 

3人が慌てて声を上げる。

 

ナシ「……そう言ってもらえると助かる。」

 

ゆっくりと頭を上げたナシさんは、

少しだけ安心したように微笑んだ。

 

ハク「……今回の件、かなり大きくて……」

 

横からハクが静かに口を開く。

 

ヨワネハク「テイセツパークのポケモン、ほとんどが外に出ちゃってるの。」

 

ヨワネハク「管理システムも一部壊れてて、位置の把握も完全じゃないし……」

 

レン「そんなに……」

 

ハク「うん……正直、人手が全然足りてない。」

 

ナシ「だからこそ、お主達の力を借りたいのじゃ。」

 

ナシ「既にハルくんには手伝ってもらっておるが……」

 

ナシ「改めて、正式に頼ませてもらう。」

 

ミク達の方へと視線を向ける。

 

ナシ「逃げ出したポケモン達の回収。これを手伝ってはくれぬか?」

 

少しの沈黙の後、ミク達は口を開く。

その沈黙は迷いなのかそうじゃないのか、

それは行動を見れば分かる。

 

リン「もちろん!」

 

レン「断る理由なんてないな。」

 

ミク「うん……やろう。」

 

三人の答えは、揃っていた。

 

ナシ「……ありがとう。」

 

その言葉は、先程よりもずっと深く、

重みのあるものだった。

 

俺は少し離れた位置でそのやり取りを見ながら、

静かに息を吐く。

 

ハル(……これで、完全に同じ土俵か。)

 

同期として。

同じ目的を持つ者として。

 

視線を上げると、

ミク達もこちらを見ていた。

 

リン「ね、ハル!」

 

ハル「ん?」

 

リン「これから一緒に頑張ろうね!」

 

ハル「……あぁ。」

 

短く答えながらも、

その言葉の重さを、

どこかでしっかりと受け止めていた。

 

─────

 

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