ありふれた職業で世界最強に転生したと思ったら檜山だった件(再投稿版)   作:ホームズの弟子

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進行の関係で、オリキャラが出てきてしまう……
まぁいっか


4話 至る所にフラグが建っている

 知らない天井だ……布団が掛かっているなんてサービスいいな。

 死ぬ経験を2回もするなんて、全人類で俺が初だろうな、そう言うなら転生経験したこともそうだな。

 死後の世界の匂いってのは、消毒液みたいな匂いがするな……こっちに転生した時もそうだった。

 そろそろ起きて、周囲の状況を確認しないとな、

 俺が手を使って起きようとすると、右手を誰かが引っ張るのを感じ、その方向を見てみるとそこには、

 

「ん……だいすけ……いっちゃだめだよ……すぅ…」

 

 俺が寝ているベットに、俺の手をこれは自分の宝物なんだと主張するように大切に握りしめて寝ている恵里が居た。

 

―――――――――――――――――――――――――

 いやぁ~恥ずかしい

 完全にあの時死んだものだと思ったが、背中の右肩辺りに刺されたナイフの傷は大したことなく、ギプスも1週間程で取っても大丈夫との事だ。

 病院の先生にそれを聞いた、父さんと母さん、恵里と恵里のお母さんは、嬉しそうにしており、母さんは仕事先に俺が入院の間は仕事を休む連絡を入れようとした時に

 

「僕が大介の面倒見るから大丈夫だよ!」

 

「えっ……いや恵里ちゃんの気持ちは嬉しいけど、流石に悪いわ」

 

「私もいるから大丈夫ですよ、杏子さん」

 

 母さんが、やんわりと恵里の提案を断ろうとした所に、恵里のお母さんが、恵里の助け舟を出した。

 恵里のお母さん、確か恵里のお父さんのお姉さんだったか?しかしかなり美人だよな

 くせっ毛なのか、少し外ハネ気味の姫カットで、目尻が垂れ気味で『おっとり』の言葉が似合う人だ。

 

「聖さんまで……。貴方だって仕事があるのに私だけ甘えるわけには……」

 

「丁度、お料理教室も生徒さんが今週休むって連絡来たからいいのよ」

 

「でも……」

 

「この子が助けてもらったお礼よ。気にしなくていいのよ杏子さん」

 

 恵里のお母さんが、ふんわりとした笑顔を浮かべ、母さんの手を握ると

 

「……でしたらお願いするわ。聖さん、恵里ちゃん、大介の事よろしくね」

 

―――――――――――――――――――――――――

 俺の入院生活は、こんなにも嬉しいもので良いのだろうか?

 恵里と聖さんは、毎日のようにお見舞いに来てくれ、まるでライトノベルの主人公になったような気分だった。

 美人の友達の母親と、可愛い女の子のお見舞い……こんないい思いをしてよいのだろうか?

 いつかバチが当たっても文句は言えないな……

 そんな事を思っていると、恵里が俺に向かって、剝いてくれたリンゴを笑顔で差し出してくれていた。

 

「大介!はいあーん」

 

「恵里、それはちょっと恥ずかしいって……」

 

「利き腕使えないんだから気にしないの。ほらあーん」

 

「あ…あーん」

 

「どう大介?美味しい?」

 

「うん……うまい。とってもうまいよ恵里」

 

「えへへ。もう一つどーぞ。あーん」

 

 可愛い女の子のあーんがこんなにもテンションが上がる物だったとはな。

 今俺は、転生した喜びをリンゴと一緒に嚙みしめている。

 しかし、恵里もいつか、天之河に恋をするんだよなぁ……

 俺の心の中に、何と例えたらいいのかわからい薄昏い気持ちが芽生えるが……いけないけない俺は、せめて恵里の恋を応援しないとな

 こんなことを考えてしまう様じゃ、原作檜山と変わらない!死亡フラグ回避など夢のまた夢だ!

 

「どうしたの大介?」

 

「いや、気にしないでいいよ恵里。ちょっと汗かいたから着替えようと思っただけだから、ちょっと部屋の外で待っててくれ」

 

 俺が誤魔化す様に、恵里に外で待つように伝えると、恵里は不思議そうに顔を傾け、そして笑顔で俺のパンツを手に取り

 

「僕も手伝ってあげる!」

 

 そう言って、俺のズボンに手を伸ばして……

 

「ちょっとお待ちになって中村さん!?女の子が異性の下着を笑顔で持って来てはいけませんわよ?!」

 

 俺は慌てたせいか口調がおかしくなりながらも、ズボンを下げられない様に押さえる。

 

「大丈夫だよ大介。僕は気にしないし、いざって時のためだから!」

 

 いざって時ってなんだよ。

 俺は、恵里を無理やり部屋の外へ出し、着替え始める。

 全く……あれ?このパンツやけに新しいような?でも俺のパンツだよな?この柄見覚え有るし?気のせいだよな

 着替え終わったタイミングで、部屋の外から優しそうな声が聞こえてきた。

 

「大介君。入ってもいいかしら」

 

「聖さん。いいですよ」

 

「大介……もう着替えちゃったの……」

 

 聖さんとあからさまにムスッとした恵里が部屋に入って

 

「そんな不貞腐れないでくれ」

 

「あらあら恵里ったら。大介君、はいこれ、洗濯してきたからここに置いておくわね」

 

「いつもありがとうございます」

 

「いいのよこれくらい。それも今日までね」

 

「ようやく退院出来るか。うれしいっす」

 

「退院したらまた遊ぼうね大介」

 

 俺の退院も決まって、明日には出来るとの事。

 若干この母娘のお見舞いが無くなるのは寂しいが、健康が一番だ。

 

「そういえば大介君って何か習い事とかしてるの?」

 

「いや何もしてないっすね」

 

「何か趣味とかあるの?」

 

「大介はね、手芸が得意なんだよお母さん」

 

「あら意外」

 

 手芸、前世の母の影響でハマった趣味の一つ

 推しキャラのあみぐるみから、ビーズアクセサリー作成、今世でもその腕は鈍って無かったんだよな。

 恵里にも何体か作ってあげたら大層喜んでくれたんだよな。

 

「スポーツとか、武道とかしないの?」

 

「見るのは好きなんですけどね……」

 

 前世では生粋のインドア派だったからスポーツはな……

 

「大介君空手とか剣道とか似合いそうだけどね」

 

「いや俺に武道なんて……剣道?」

 

 何か頭に引っかかる単語だな。『剣道』何か大切な事を忘れているような?

 

「剣道に興味あるの?私の生徒さんのお子さんが、八重樫道場って所に通っているらしいから聞いてみよっか?」

 

「八重樫道場……」

 

 八重樫道場……八重樫……八重樫雫!?

 原作キャラだ!

 そういえば、雫の実家が道場って話があった!

 

「大介どうしたの?」

 

「いやなんでもないぞ恵里。聖さん、その道場ってどこにあるんですか?」

 

 これは使える情報だ!

 

―――――――――――――――――――――――――

 退院した当日、ギプスはまだ取れないが、昨日聖さんから聞いた八重樫道場に向かっている。

 うろ覚えの俺の原作知識だが、確か八重樫雫と、白﨑香織は親友だったはず。

 つまり、ここで八重樫さんと知り合っておけば、白﨑さんとの繋がりが出来るし、恋の応援もしやすくなるはずだ!

 丁度小学校の帰宅時間なのか、ちらほら小学校が見えるが、さて、聖さんから聞いた住所だとこの辺りのはず……ん?

 俺が道場を探していると、目の前にショートカットというより、ベリショと言っても過言ではないぐらい髪の短い女の子が俯いて歩いているのが目に入った。

 なんか雰囲気がおかしいような?……おいおい信号を見ていないのか!

 赤信号に気付いてないのか、そのまま渡ろうとした女の子の腕を左手で掴み

 

「何やってんだ!危ないだろ!」

 

「へっ……う……うぇ……」

 

 女の子の泣き出した……えっなんで俺のせい!?

 周りの小学生たちがひそひそと俺を見てくる……まずい!?

 俺は女の子を連れこの場所から逃げるように後にした。

―――――――――――――――――――――――――

 俺って何か事情を持った女の子に絡まれる運命でも背負ってんのか?

 近くに公園があり、人目に付きにくそうなベンチがあったのでそこには女の子を座らせ、俺のハンカチを渡し、しばらく泣き止むのを待つ。

 女の子は泣いて少しスッキリしたのか、ようやく話しかけてきてくれた

 

「あの、ごめんなさい急に泣き出したりして……あっ!ハンカチは洗って返すから!えっと……」

 

「いや気にしないで。こっちこそいきなり大声だしてごめん」

 

「私も急に泣いちゃったから……」

 

「何かあった?」

 

「えっと……あなたに関係ない事だし……気にしないで……」

 

「関係無い奴だからこそ、相談に乗れるかもよ?」

 

「…………あの、その、」

 

「ゆっくりいいよ、自分のタイミングで話してみて」

 

 女の子は自分に何があったのかを教えてくれた。

 いじめ合っている事、好きだった男の子が自分より、いじめた相手を信じてしまった事。

 

「最低だなそいつら」

 

「私何を信じたらいいかわからなくなっちゃって……聞いてくれてありがとう。ハンカチありがとうね」

「そのままでいいのか」

 

 俺は、話しを切り上げ帰ろうとしたその子を止める。

 

「きっと明日には」

「断言してやるよ。このままじゃいじめは続くぞ」

「じゃあどうしたらいいの!」

 

 女の子の悲痛の叫びが公園に響く

 

「家族に相談出来ないし、誰も助けてくれない。アイツは私を信じてくれなかったから、家族も信じてくれないかもしれない……私……私……」

 

 俺は、女の子の肩に手を置き、目を見て宣言する。

 

「俺が何とかする」

 

「……どうしてあなたは私の為にそこまで?」

 

「ここまで聞いたら他人事じゃないし、君にはハンカチを笑顔で返して欲しいからさ」

 

 俺が笑うと、その子はようやく少しだが笑顔を見せてくれた。

 八重樫道場の件はあるが、今は目の前の困っている女の子を助けないとな!

 

「俺、檜山大介。君は?」

 

 …………あれこの流れ前にも?

 

「あ、私、八重樫雫です。……その、檜山君。よろしくね」

 

 ――――――

 ―――――

 ――――

 

 うそーん

 こんなところにも俺の死亡フラグが転がっているとはな。

 

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