ありふれた職業で世界最強に転生したと思ったら檜山だった件(再投稿版) 作:ホームズの弟子
「どーすんだよ!よりにもよって原作ヒロインの一人じゃねぇか!」
「八重樫雫さん……こんないじめに合っていたなんて知らなかった……」
「ここに来て~うろ覚え原作知識があだになったね~」
強気檜山の発言から始まった脳内会議
議題は『さっき助けるって言った子。原作のヒロインの一人なんですけど!?』だ。
「どうするもなにも……助ける以外の選択肢ないんじゃ……」
「そうだよね~『助けてやる!』って大見得切って言った以上、助けるのが人としての責任じゃない~」
「そうですな。ここで助けないなんてあり得ませんな」
弱気檜山達が発言を受け、ここは満場一致で助ける方向で舵を切る事にする。
「しかし、問題はその方法です」
「貯金はまだあるんだ!防犯カメラなりなんなりで、いじめの現場を撮るんだよ!」
「でもどうやってやるの~八重樫さんにカメラ渡して~いじめられてくれ!とでも言うの~?」
「それは……あまりにも……現実的じゃないよね……学校も違うのにどうやれば……」
真面目檜山の発言を聞き、強気檜山が大声を出し言い切ったが、各々がその意見の反対意見を出す。
確かに、考えてみれば、別の学校のいじめ問題を他校の生徒が解決するのはあまりに現実的ではない。
「……ここは大人の力を借りるしかないのでは?」
「どういう意味だ真面目!?」
「言葉通りの意味です。ここは、八重樫さんのご家族に相談するしかないと私は考えます」
真面目の発音に他の4名がざわざわと顔を見合わせている。
「いくらなんでもそれどうなんだ?!いじめられている事を親に知られたくないだろう!出来るだけこの件は、内密に済ませるのがベターだろ?!」
「しかし、事態は一刻も早く解決しなければなりません。時間をかけてしまうといじめが悪化する可能性は大いにあります」
「それは……!」
「なら他に案はありますか?この件を早急に解決する方法は?」
「僕も……ここは真面目さんの意見に賛成かな……」
「僕もだね~強気の気持ちも分かるけど~ここは真面目の意見で進めてみよう~」
「……そうだな!ここは、さっさと解決してやって八重樫を助けてやろうぜ!」
「「「「おー!」」」」
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俺は、恵里の義母さんから、八重樫道場の連絡先を教えてもらって早速電話を掛けた。
電話に出たのは、事務の方?ぽい人が出たのだが、八重樫雫さんの件で話があると伝えると、暫し保留音の後に、荘厳な声が聞こえてきた。
『もしもし、雫の祖父の八重樫鷲三と言う者だが。檜山君でいいかな?」
「はい。えっと、八重樫……だとややこしいですね。雫さんの事で少しお話を――」
俺は、八重樫さんから聞いたいじめの話を伝える。
鷲三さんは話に割り込まず、黙ったまま俺の話しを聞いてくれ、俺が最後まで話し切ると、重く重圧のある声で一言
『こちらでも調べてみる。後日電話させてもらうが、よいか』
「あっはい!いきなり信じられないとは思いますが、よろしくお願いいたします」
電話した、翌日、改めて鷲三さんから電話があり
『檜山君。先日の件ありがとう。儂は恥ずかしい。孫のいじめを気付けずに、のうのう生きていた自分を殺してやりたいぐらいだ!』
「えっと……あんまり自分を責めない方が……」
『いや!家族の事であるのに、気付けないなど家族失格だ!』
なんかこのままだと、本当に死んでしまいそうな勢いだな。
「家族であるからなんでも知ってるなんて無理ですよ」
『何?』
「自分は思うんです。家族である前に人なんですから、言葉にしないと伝わらないのは当然です。ましてや、自分がいじめられてるなんて、家族に伝えるなんて、恥ずかしい事と思うのは仕方のない事じゃないですか」
『……言葉にせんと伝わらんか』
「ええ。今後はもっと雫さんと話せばいいんですよ。他愛のない事でいいんですから」
これは前世の父親に言われたことだ。
『言いたいことは直接言葉に出して言え』我が家訓その1だな。
『はっはは。君は本当に子どもか?』
「これでも、小学4年生のつもりです」
『雫と同い年なのか。…………檜山君』
「なんですか?」
『これからも雫と友達でいてやってくれ」
「えっ……もちろんです!」
これで、いじめ問題は解決かな?
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それから数日後
俺は八重樫さんの家へと向かい、雫さんに会うと、これまでの事を話し、勝手にいじめの事を家族に伝えたことを謝った。
「えっ?別にいいよ檜山君」
「でも……知られたくなかっただろうに俺は勝手に……」
「気にしないで。それにね香織――いじめられてた時に助けてくれた子が居たの」
「そうなんだ!よかったな雫さん!」
「うん……本当に嬉しかったんだ」
「その友達は絶対に大切にした方がいいよ」
その人絶対に白﨑香織さんやん!
これは勝った!
「檜山君もそう思う?」
「当たり前だよ。それから、これ俺の携帯電話の番号。何かあったら直ぐ電話してくれ。相談に乗るよ」
「あ、ありがとう檜山君!これ私の電話番号」
こうして俺は八重樫雫の電話番号を手に入れた。
それから、八重樫さんとは、多少は仲良くなれたと思う。
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それから、俺は何事も無く高学年へとなった。
今の時点では、特に問題無く行けていると思うが、何があるか分からないから今後も気を引き締めて頑張っていくか。
八重樫さんとは、あの後も電話でのちょくちょく電話が掛かってくる。
『この前学校でね』
「へぇ。俺はこの前なんて」
他愛のない学校での出来事であったり
『光輝が幼馴染、幼馴染って……もう疲れちゃうよ』
「あんまりそんな言葉に囚われる必要ないと思うけどな」
『でも……いいのかな』
「気にしないでいいさ。そんな言うなら、俺と八重樫さんだって傍からみたら幼馴染かもしれないだろ」
『あはは!そうかも、私と檜山君も幼馴染になっちゃうね』
「だろ?大事なのは言葉じゃないだろ」
天之河の愚痴だったり
『檜山君って何か趣味とかあるの』
「あみぐるみとか得意だけど」
『あみぐるみって……ぬいぐるみ作れるの!』
「ああ、今度教えてあげようか?」
『いいの!教えて欲しい!』
趣味の話であったりと、原作では悩み溜め込む性格ぽいし、話してそれが少しでも晴れるなら安いものだ。
話してて一番傷ついたことと言えば、俺八重樫さんからずっと年上だと思われてなんだよなぁ……
『それじゃあ檜山君。また今度ね』
「おう。おやすみ八重樫さん」
さて、次の行動指針を決める為の脳内会議でも始める
「だ~いすけ!」
声と共に俺の背中に抱き付いてくる人が……
「って恵里どうしたんだ?」
「どうしたのっていうか……」
なんだいつもの恵里らしくない歯切れの悪い?
「ねぇ。八重樫さんって誰?」
ぞくっ!?!?
なんだ!周囲の気温が体感下がっきがする。
「大介の会話が聞こえちゃって気になっちゃった!」
「えっ……ああさっきの電話の子?」
「そうそう!いつも気になってて」
「ほら前言わなかったけ?学校でいじめられてて、ちょっと相談乗った子だよ」
前はベリショだったが、今では髪を伸ばしているらしい。
「そうなんだ……ねぇ!僕にその八重樫って子紹介してよ!」
「紹介って……」
しかし、いいのか?原作開始前に出会わせるのは問題があるような?
「ねぇーいいでしょ。僕も友達欲しいんだよぉー」
うっ……俺恵里の上目づかいに弱いんだよ。
しゃないな
「わかったよ。今度電話した時に伝えてみるよ」
「やったー!大介、だーいすき!」
「はいはい。女の子が簡単に異性に抱き着いてはいけません」
「ねぇ。大介?」
恵里は急に、砂糖を煮詰めた様な甘い声を出し
「僕は幼馴染かな?」
「どうしたんだ急に?」
「ちょっと気になっちゃって……」
「まあ、幼馴染かもな」
「……もっとハッキリ言って欲しいな」
恵里はどうしたんだ?
幼馴染って言葉が最近流行ってんのか?
「恵里と俺は幼馴染だ!……これでいいか?」
「――えへへ。うん僕達は幼馴染!」
俺は、先ほどの件を八重樫さんにメールを入れ、恵里と一緒に遊ぶ。
何気ない日常だが、これがきっと幸せなんだろうな。
「八重樫雫ちゃんか……君が、大介の事を異性として好きなら……僕も本格的に行動しないとな。大介は人たらしが過ぎるよもぉ~……そんなところも好きなんだけどね♡」