アークボルトを後にし、ダーマ神殿に戻ってきたバーバラは、魔法の盾を使いこなすための練習をした後、かまいたちの試験に挑んだ。
現在の彼女のレベルを考慮した場合、ダメージの期待値は60台だったが、結果は40ちょっとだったため、不合格になってしまった。
「うーん、何とかして威力を今の1.5倍にしないといけないわね。でも、これをマスターすればさらに攻撃のバリエーションが広がるし、メラミの消費MPをセーブ出来るわけだから、絶対ものにしてみせるわ!」
彼女はチームの主力という立場を確かなものにするために、その後も努力を続けた。
その頃、求司は家庭教師の仕事をしながら、足に負担をかけない範囲で料理やトイレ掃除も担当していた。
彼の頑張りぶりを見ていたビアンカとフローラは、ご褒美としてこれまでの金策で手に入れたアイテムを1品格安で販売することにした。
「それでは、ちょっと恐れ多いですけれど、身かわしの服を買いたいです。よろしいでしょうか?」
「いいですよ。それでは1200ゴールドでお譲りすることにしましょう。」
「もし、あなたの鉄の胸当てを下取りするなら450ゴールドにしますよ。」
「本当ですか?それならぜひそうさせていただきます!」
求司は喜びながらビアンカとフローラにお礼を言った。
そして、部屋から鉄の胸当てと450ゴールドを持ってきて彼女達に手渡し、身かわしの服を手に入れた。
(よし!これで欲しかった防具が手に入った!)
彼は早速その場で装備して、動きやすさや足への負担などをチェックした後、自分の部屋に戻って次なる作戦を考え始めた。
一方、スラリンはその日の夕方には甘い息をマスターしたため、これからはMP消費無し、さらにマホトーン無視で相手を眠らせることが可能になった。
そして、金策に同行していたホイミンは踊る宝石狩りで得たお金と、くさりがまやちょうネクタイを売却したお金を合わせて、5000ゴールド近いお金を持って戻ってきた。
「キュウジさん、これでこん棒とうろこの盾を下取りすれば魔法の盾の2つ目が買えますよ。」
「ええっ!?ホイミン、そこまでしてもらって本当にいいんですか?」
「ぜひどうぞ。僕は明日も金策に出かけますので、お金なら気にしないでください。」
「どうもありがとう!本当に助かりますっ!!」
求司はホイミンにお礼を言った後、ありがたくお金を受け取った。
翌日。求司(盗賊)は左足にテーピングを巻き、両足にサポーターをつけた後、バーバラ(武闘家)、スラリン(まもの使い)と再度アークボルトにやってきた。
入り口ではアモスが門番の仕事をしており、求司はレック達に会ったかどうかを聞いてみた。
「いえ、彼らはあれからここには来ていないですね。」
「そうですか。僕達では自力で会いに行けないですし、困りましたねえ。」
「まあ、それは長い目で考えるしかないです。ところで、みなさんはどのような用事で来たんですか?」
「買い物と金策のつもりで来たんですけれど…。」
「ということは、魔法の盾を買うつもりですか?」
「はい、そうです。ホイミンのおかげでお金がたまりましたから。」
2人が会話をしているとここでホリディと交代の時間になったため、アモスは求司達と一緒に中に入っていき、お店で魔法の盾を購入した。
買い物を済ませた彼らがお城の中を進んでいると、途中でテリーとすれ違った。
「ん?何だ?お前らは、…と思ったら、あの時一緒だった女がいるな。」
「それってあたしのこと?」
「そうだ。レイドックの井戸での金策で世話になったな。ところで、今日は何をしに来たんだ?」
テリーの質問に対し、バーバラは仕事を探しに来たことを話した。
「そうか。それなら、さっき俺が王様から猛獣の駆除を頼まれて、今から行くところだ。」
「じゃあ、ちょうど良かったわ。あたし達も一緒に行かせてくれる?」
「フンッ!断る。あの時は氷のやいばをお前に譲って、俺は安いアイテムで我慢してやったが、今度は手柄を全部もらうつもりだ。お前らにやるものはねえ。」
テリーの態度は明らかにぶっきらぼうだったため、バーバラは思わず頭に血がのぼりそうになった。
「まあまあ。ここは落ち着いて。」
求司は彼がこういう人だと把握しているため、間に入って止めた。
するとテリーはこちらに背を向けて歩き出し、城の外へと出ていった。
その後、王様にえっけんした求司達はテリー同様に猛獣の駆除を頼まれたため、旅人の洞くつへと向かっていった。
入り口ではかくとうパンサーとホラーウォーカーが待ち構えており、「ここを通りたければ俺達との勝負に勝ってから行くがいい!」と威嚇してきた。
「分かったわ!ケガしても後悔しないでね!」
バーバラはその気迫に負けずに言い返した。
勝負が始まると、アモスはとっさに変身のモーションに入ったが、相手2匹は何か嫌な予感でも感じ取ったのか、彼に集中攻撃を浴びせてきた。
すると、それを見た求司が「おい!ちょっと待て!今のやり方はずるいぞ!いいか!変身が終わるまでは攻撃しないってのが暗黙のルールだろ!」と、メタいことを言いながら説教を始めた。
(しめた!チャンスだわ!)
(この隙を逃しませんよ!)
バーバラはかくとうパンサーに氷のやいばの通常攻撃と追加攻撃(※以降はこれらを合わせて通常攻撃と表記します。)を浴びせ、スラリンは甘い息でホラーウォーカーを眠らせた。
一方、アモスは求司が時間を稼いでくれたおかげで無事にモンストラーの姿になった。
求司の説教は次のターンになっても続いたため、かくとうパンサーは行動が出来ず、その隙にスラリンのメラミ、バーバラの通常攻撃でのびてしまった。
一方のホラーウォーカーはアモスの攻撃でダメージを受けた上、次のターンでさらに甘い息にさらされた。
そのため、バーバラの通常攻撃を受けても目を覚まさず、さらに求司のギラ(破邪の剣)とアモスの攻撃を受けて、こちらものびてしまった。
「ま、まいった。ここは通してやる。」
「だが、無事でいられると思うなよ。」
起き上がった2匹は捨て台詞のようなことを言った後、あわてて退散していったが、その際、鉄のツメを落としていった。
そして元の姿に戻ったアモスは、自分でホイミを複数回唱えてHPを全回復させた。
洞くつに入るとバーバラは即座に聖水を使い、極力エンカウントを防ぎながら奥へと進んでいった。
それでもエンカウントが無くなったわけではなかったが、相手がデビルアーマーとどれい兵士の時にはそれぞれメラミとニフラムで決着をつけ、おおイグアナの時にはスラリンの甘い息、ポイズンキャロットの時には求司の1ターン休みとスラリンのメダパニダンスで動きを封じ、バーバラのグループ攻撃とアモスのブーメラン攻撃で乗り切っていった。
(その中で、こん棒と580ゴールドを手に入れました。)
しばらく進むと、彼らは宝箱からバトルアックスを手に入れて、アモスがその場で装備したため、彼が求司に貸し出していたは破邪の剣は正式に求司のものになった。
それから間もなく、彼らは卵からいきなり飛び出してきたヘルバイパーと戦闘になった。
先制で毒攻撃を受けた求司はダメージこそ少しで済んだものの、気持ち悪さで動けなくなってしまった。
しかしバーバラ、スラリン、アモスの通常攻撃でダメージを与え、さらにアモスがしっぷう突きで決着をつけてくれたため、それ以上の攻撃を受けることはなかった。
戦闘後、バーバラはキアリーを唱えて求司の治療をしてくれた。
「どうもありがとう。助かったよ。」
「どういたしましてよ。役に立ててよかったわ。」
2人が照れながら会話をしている姿を、アモスとスラリンはニヤニヤしながら見つめていた。
その後はエンカウントすることなく進んだ一行は、ついに洞くつの一番奥にたどり着いた。
すると、そこにいたのはテリーで、彼は気が狂ったように興奮しているごうけつぐまの群れに遭遇したところだった。
「フンッ!本気で俺を倒す気か!だが、相手が悪かったな。これからアークボルトの王にお前らの無様な姿を見せてやるぜ!やられたければかかってこい!」
彼の挑発を真に受けたのか、くま達は一斉に襲い掛かってきた。
(危ない!)
(助けなきゃ!)
スラリンとバーバラが思わず飛び出しそうになる中で、アモスと求司はとっさに手を伸ばして制止した。
戦闘になるとテリーは素早い動きで相手の力任せの攻撃をかわし、イオラを叩き込んだ。
彼は全くひるむことなくその後も攻撃を続け、ほぼノーダメージでカタをつけた。
「ハハハハ。バカめ。この俺にかなうと本気で思っていたのか!?そのみじめな姿をこれから城の奴らに見せてやるぜ!」
彼は高らかに笑うとその場でリレミトを唱え、ごうけつぐま達とともに洞くつを脱出していった。
「あの少年、口はともかく、実力は確かなものがありそうですね。」
「確かにそうね。以前、レイドックの井戸で大活躍していたから。」
アモスとバーバラが会話をしている中、求司は彼が後に不名誉な称号を与えられないか気になっていた。
すると背後からストーンビースト3匹が「誰だ!」と言わんばかりに姿を現し、戦闘になった。
幸いバーバラとスラリンは素早さで大きく勝っているため、それぞれ先制でマホトーンと甘い息を使い、AのベギラマとBの通常攻撃を封じ込めた。
(※Cはアストロンを唱えたため、攻撃してこなかった代わりにこちらの攻撃も無効になりました。)
続いて求司はギラ、アモスはもろばぎりをAに浴びせ、次のターンでバーバラが不完全ながらもかまいたちを使って、ようやくAを降参させた。
するとBがうめき声をあげたため、スラリンは再度甘い息を浴びせて動きを封じた。
そして求司は再度ギラを浴びせた後、アモスは大きく息を吸い込み、しっぷう突きを浴びせた。
Bはその衝撃で目を覚ましたが、バーバラのかまいたちで残りはCのみになった。
そのCはまもなくアストロンが切れそうな状態だったため、みんなは背後にまわり込んでから総攻撃を浴びせ、勝負にカタをつけた。
求司、バーバラ、スラリンがほっとしている一方、アモスは少し離れたところに石のオノが落ちていることに気づいたため、その場所に向かっていった。
しかしその時、背後から足音が聞こえてきたため、求司は思わずはっとした。
(またモンスターか?正直、もう戦闘はあまりしたくないけれど…。)
彼が身構えていると、そこに現れたのはレック、ハッサン、ターニアの3人だった。
「あっ、バーバラ、ここにいたんだね。会えてよかった。君と話がしたかったんだ。」
レックをはじめ、3人は安どの表情を浮かべて思わず駆け寄ろうとした。
するとバーバラは「ええっ?あの…。」と言いながら動揺してしまい、思わずその場でリレミトを唱えて求司とスラリンと一緒に洞くつから脱出してしまった。
「バーバラさん、どうして…。手紙、読んでくれなかったの?」
「何だよ。俺達はもうあんな目には合わせねえって誓ったのに。」
「もしかして、もうバーバラとやり直せないということなのか?」
ターニア、ハッサン、レックは仲直りが一筋縄にはいかないことを実感させられていた。
「ごめんなさい…。あたし、手紙でレック達の気持ちを理解したはずなのに、思わずこんなことをしてしまって…。」
「大丈夫。時間がかかってもいずれ前向きな答えは出るよ。」
「今が全てではありません。どうか気にしないでください。」
泣きそうな表情になりながら自分を責めるバーバラを、求司とスラリンは優しく見守りつづけた。
その後、バーバラは気持ちが落ち着いたため、ルーラでアークボルトに戻ってきた。
すると、2人と1匹が見た光景は、らいめいの剣を持って付近のモンスターと戦うテリーの姿だった。
「ハハハハ…。お前ら!1匹残らず黒こげにしてやるからかかってこい!」
まるで狂ったかのようにライデインをぶっ放しまくる姿を見た求司達は、遠目から「何もそこまでしなくても…。」と言いたげな表情で見つめていた。
その後、彼らがダーマ神殿に戻ると、求司はサポーターとテーピングを外してから自分で念入りに足をマッサージをした。
バーバラは再度かまいたちの試験を受けて今度こそ合格を勝ち取った後、僧侶に転職して求司にベホイミを唱えてくれた。
そして、スラリンは神殿周辺でアイテム探しに出かけていき、お金に加えて薬草、皮の帽子、聖水、キメラの翼を持って戻ってきた。
今回、洞くつの奥深くで待ち構えていた相手はドランゴではなく、ごうけつぐまにしました。
理由の1つとしては、ここ以外でドランゴを出す場面が思いつかなかったためです。
人気もあり、実力も申し分ないキャラだけに、ファンのみなさん、ごめんなさい。