You're my hero   作:地球の星

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25. ジャミラス戦、決着

 ジャミラスの城にやってきた求司達一行は、何度か相手と対峙しながらも無事に切り抜け、先に進むことが出来た。

 そして、途中でスラリンが加わったことを受けて、求司は自身が持っていた氷のやいばを彼に渡し、彼に攻撃役を頼むことにした。

 刻一刻と迫ってくるボス戦を前に、求司、バーバラ、ターニア、スラリン、さらにはアークボルトの兵士4人は一段と気合を入れた。

 しかし、その矢先、求司はまたしても左足に故障を発生したため、バーバラのリレミトで彼女とともに無念の離脱となってしまった。

 

 一方、すでにジャミラスと戦っているレック達は、唯一ベホマを使えるチャモロが集中攻撃された末にユニコーンの一撃で倒れてしまい、さらにハッサンも鉄仮面を壊されるほどの強烈な一撃を受けてKOされてしまった。

 残されたレックとアモスは攻撃力こそあるものの、彼らのホイミやゲントの杖でのベホイミでは回復が追い付かなくなり、後はやられるのを待つだけの状態になってしまった。

「ケーッ、ケッケッケッ!勇者レックよ!その絶望感、とても似合っているぞ。まさに今日が命日になることを確信した表情だ。さあ、苦しいか?悔しいか?だが、安心しろ。今楽にしてやる!お前の持つ希望を全て食い尽くしてやるぞ!そして今からゆっくり休むのだ。永遠に目を開けずにな。ケーッ、ケッケッケッ!ケーッ、ケッケッケッ!!ケーッ、ケッケッケッ!!!」

 もはや血も涙も心もない、冷酷な悪魔としか言いようのないジャミラスは、勝利を確信しながら高らかに笑った。

 するとその時、横から突如テリーが現れ、素早い動きで炎のツメを奪い取っていった。

「誰だ!?俺様の大事な武器を盗む奴は!」

 それまで冷酷な笑みを浮かべていた彼の表情は、一瞬にして険しいものになった。

「おのれ許さん!ウインドマージ!ダークホーン!お前達、犯人をここに連れてこい!殺しても構わんぞ!」

「はっ、かしこまりました。」

「期待に応えてみせまする。」

 彼らは気合を入れながらテリーの走り去っていった場所へと向かっていった。

 一方、ジャミラスはレックにとどめをさすためにわしづかみのモーションに入りながら、火炎の息を吐くために大きく息を吸い込んだ。

 すると次の瞬間、何者かが姿を現し、炎によるダメージを受けながらもわしづかみを受け止め、おきて破りの攻撃力で強烈な反撃をヒットさせた。

「ぐああああっ!まさかとは思うが、お前はもしや!どうしてお前が人間の味方をしているんだっ!裏切ったのか!?」

「ワレ、テリーサマニシタガウ。コウドウ、トモニスル。タダ、ソレダケ。」

 大ダメージを受けたジャミラスが傷口を押さえながら相手をにらみつけた一方、機械は相手が人間でもモンスターでも関係ないと言わんばかりに冷静だった。

 一方、テリーと機械と一緒にやってきたホイミンは即座にチャモロとハッサンの治療にあたった。

 するとその時、壁の向こうから「ライデイン!」という声がこだまし、ウインドマージとダークホーンをはじめ、そこに居合わせた多くのモンスター達が大ダメージを受けた。

「テリーサマ。ソコニイルノデスネ。」

 機械はそうつぶやくと、助太刀のために彼のいる方へと向かっていった。

 彼らがその場にいたのは少しの間だけだったが、それでもレックは窮地を救われた形になり、彼は驚いたままその場で呆然としていた。

 するとそこに「お兄ちゃん!」という声が響き、ターニア達が姿を現した。

(えっ?ターニア?どうしてここに?まさか、助っ人を呼んできてくれたのか?)

 レックは想像すらしたことのない光景を目の当たりにして、ただただ驚くばかりだった。

「お兄ちゃん、大丈夫?今治療をしてあげるからね!」

「僕も回復役として参加させていただきます。」

 ターニアとスラリンは危険を顧みず、ホイミを唱えだした。

「何だ、その小娘どもは!ちょうどいい。お前らをまず始末してやるぞ!」

 ジャミラスがしめたとばかりに攻撃をしようとすると、そこにスコットとホリディがやってきて立ちはだかり、ダメージを肩代わりした。

 すると、そこにじごくのたまねぎとマドハンドが4匹ずつ、さらにこうもりはくしゃく2匹が助太刀という形で参戦した。

「うおっ!これは数が多いな!1匹ずつでは対処しきれんぞ。」

「ならば、私は全体攻撃を駆使することにしよう。」

 ガルシアは通常攻撃をこうもりはくしゃくAにヒットさせ、ブラストはしんくうはで全体攻撃をしながらAをKOさせた。

 しかし、じごくのたまねぎの甘い息でアモスとスコットが眠ってしまい、こうもりはくしゃくBのベホイミ(対象は自分)、マドハンドの仲間呼びといった行動のせいで、状況はさらに悪化してしまった。

(こうなったらこれを使うしかないわね。)

(どうかうまくいってください!)

 腹をくくったターニアとスラリンはそれぞれホイッスルによる1ターン休みとメダパニダンスを駆使して、ジャミラスを除く相手全員の動きを一気に封じた。

「これは願ってもないチャンスだ。」

「ありがたく利用させてもらおう。」

「僕だってやってやりますよ!」

 ガルシアは通常攻撃をこうもりはくしゃくBに浴びせ、ブラストは再びしんくうは、ホイミンは不完全ながらもイオラ(消費MPは10で、威力は火炎の息と同程度)を放って一気に部下のモンスターを追い払い、相手はジャミラスのみになった。

(みんな…。僕達のためにそこまで…。こうなったら、僕もやってやる!)

 一時は絶望の淵に立たされていたレックだったが、みんなのおかげで再び立ち上がり、大きく息を吸い込んだ。

「頼みます。どうか次で決めてください。」

 ホリディがダメージを一身に受ける中で、ガルシアとブラストは通常攻撃を、スラリンはヒャダルコを浴びせた。

(ターニアはレックにホイミ。)

 そしてレックは祈るような気持ちで強烈なもろばぎりを浴びせ、HPを大きく減らした上に、肩、ひじ、手首を痛めながらも大ダメージを与えた。

「ぐああああっ!ま、まさか、俺様が負けるとは!こんな下等な野郎どもにやられるとは!こんなことがあっていいのか!ウソだウソだウソだウソだ!グギャギャギャギャッ!体が…、体が石になる…。俺様の野望は…、終わる…のか…。」

 HPを削り切られたジャミラスの体は見る見るうちに石化していき、とうとう彼は完全な石像になってしまった。

「僕達…、勝ったのか…。」

「どうやら間違いないわね。」

「本当に勝ったんですよ。」

 レックが信じられないと言いたげなのに対し、ターニアとスラリンは勝利を確信したこともあって、次第に笑みがあふれていった。

 

 一方、テリーはライデインを何度もぶっぱなしながら、機械の強烈過ぎる攻撃と合わせてウインドマージやダークホーンをはじめ、ジャミラスの演説を聞いていたモンスター達を次々と倒していった。

 そして、ジャミラスから奪った炎のツメに加えて風の帽子、まふうじの杖といったアイテムと555ゴールドを手に入れた状態で姿を現した。

「フンッ!つまらん奴らだったな。おい、キラーマジンガ、ここはもう用無しだ。行くぞ。」

「ハッ。テリーサマノオオセノママニ。」

 キラーマジンガと呼ばれた機械は完全にテリーの家来として行動していた。

「ええっ!?何だ、その機械は!?」

「そんな見るからに怖いものと一緒に?」

「そうなんですよ。僕もビックリしたんです。」

「ボス顔負けのものすごい攻撃力なんですよ。」

 レックとターニアがビックリ仰天の中、すでに同行していたスラリンとホイミンは至って冷静だった。

 するとテリーは「俺はこれで失礼する。あばよ。」と言い残してリレミトを唱え、キラーマジンガとともにその場を後にしていった。

「あの、僕達もいるのに、置いていってしまうんですか?」

「どうやらことが済めば、僕達は用無しだったんですね。」

 スラリンとホイミンは不愛想な彼の態度にどこか不満げだった。

 しかし、レックはテリーとキラーマジンガに窮地を救われた形になったため、痛みに襲われる中でも心の中で感謝をしていた。

 

 その頃、城の外ではバーバラが求司の左足に何度もベホイミを唱え続けていた。

「バーバラ、どうして僕のためにリレミトを唱えたの?あと少しでレックのところにたどり着けたのに。」

「だってだって、あのままだったらキュウジがまた大ケガをして、また歩けない体になってしまうところだったから!あたし、そんなの耐えられない!あたし、アンと約束したんだもの。絶対にキュウジを元気な体にして元の世界に送り届けるって!だから…。」

「……。」

 求司は途中棄権となった駅伝大会の無念を晴らすために、絶対にジャミラスのところまで行くつもりだったが、それがかなわず、しかもバーバラがレック達と会って仲直りする機会までも奪ってしまったため、悔しさと自責の念でいっぱいだった。

 しかしバーバラはそれでも一切そのことを責めたりはせず、がっくりとうなだれる求司を励まし続けた。

(ごめん…。迷惑をかけてしまって…。でも…、ありがとう…。)

 求司は言葉で言い表せなかったものの、心の中で感謝をし続けた。

 そして、彼がどうにか1人で立ち上がれるようになると、バーバラはルーラを唱えてマーズの館に向かっていった。

「おお、お前さん達、今度はここにやってきたのか。」

「はい。あたしはまだベホマを唱えられないから、ミレーユのおばあちゃんに頼ろうと思って…。」

「そうか。分かった。では、今からわしがキュウジの治療をすることにしよう。」

「本当に?」

「うむ。」

「ありがとうございますっ!」

 バーバラの頼みをグランマーズは喜んで引き受けてくれた。

 そして彼女は求司のところに歩み寄ると患部にベホマを何度も唱え、足の状態を回復させていった。

「本当にその呪文ってすごいのね。あたしも早く覚えたいなあ…。」

「お前さん、それは本気かね?」

「うん。あたし、ベホイミを覚えてから、ずっとそのための努力をしてきたの。でも、なかなか思うように成果が出なくて悩んでいたの。」

「そうか。ならば、わしが熟練度を効率的に稼げるように特訓をしてやろう。」

「えっ?いいの?」

「うむ。お前さんの気持ちは痛いほど分かるし、以前から何とかしてやりたいと思っていたからのう。」

「わーい!ありがとう!」

「じゃが、今のお前さんは職業を解除した状態じゃから、まずは僧侶になる必要があるがのう。」

「分かったわ。じゃああたし、今からダーマ神殿に行ってくる。そして、転職して戻ってくるわね。その間、キュウジの治療をお願いします。」

「承知したぞい。」

「じゃあキュウジ、行ってくるわね。」

「行ってらっしゃい。」

 グランマーズと求司の了解を受けて、バーバラは館の外に飛び出して行き、ルーラを唱えて飛び立っていった。

 

 一方、ジャミラスの居城では、ボスが倒されたことを受けて、残った部下のモンスター達は総崩れになって撤退していき、操られていたカルカドの人達も正気を取り戻した。

 その中で、ハッサンとチャモロは即座に治療が必要な状態だったため、ガルシアとブラストが彼らを抱えながらブラストのリレミトで一足先に城を脱出し、ルーラでゲントの村に向かっていった。

 残ったレック達は、カルカドの人達を集めながら出口に向かって歩いていった。

 

 外に出るとターニアは痛みで呪文を唱えられないレックに代わってキメラの翼を使い、カルカドに向かっていった。

 町にたどり着くと、住人達は今まで甘い言葉にだまされていたせいで大変な過ちを犯してしまい、家族や友人達の前で多大な迷惑をかけてしまったことを謝った。

 そして彼らは自分達を助けてくれたお礼として、レック達に今後はひょうたん島を自由に使えることを告げた。

 

 その頃、キラーマジンガをデュランに引き渡し、1人になったテリーはアークボルトにやってきて、手に入れたアイテムを売ってお金を手に入れた。

「フンッ!全部売って12,525ゴールドか。まあ、今の俺にとってはこんなアイテムなど換金以外に使い道がないし、当面の生活費にはなりそうだから、これでヨシとするか。」

 彼は現地を後にするとホルコッタ北の関所に向かっていき、そこを経由してホルコッタへと向かっていった。

 




 というわけで、テリーとともに行動したキャラは、キラーマジンガでした。
(個人的には「キラーマジンガが倒せない」からのゲストという形です。)
 一時はドランゴも考えましたが、旅人の洞くつの回の後書きで書いたことが引っ掛かって出せなかったため、こちらを起用しました。
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