レック、ハッサン、チャモロと仲直りしたバーバラは翌日、魔法使いに転職してからゲントの村にやってきて彼らに会い、ベホマを唱えた。
その結果、レックは左腕がすっかり完治し、右腕も通常攻撃や戦士の特技を使わなければ問題が無くなった。
ハッサンは鼻の骨折こそまだ治っていないものの、ようやく仰向けになれるようになり、体を動かしても痛みをあまり感じなくなった。
そして、チャモロはスラリンが持ってきたパデキアをはじめとする特殊な薬草のおかげで症状がいくらか改善し、ベホマとキアリーが徐々に効果を発揮するようになった。
「みんな良かったわね。これから仲良くしていきましょうね。」
バーバラはMPこそ大きく減ってしまったものの、その表情は晴れやかだった。
しかし、チャモロはセリーナの意向により旅に出られなくなったため、しばらくはリハビリをしながらラリホーマやベギラゴンの勉強に専念することになった。
「バーバラさん、一緒に行けなくて本当にごめんなさい。」
「大丈夫よ。気にしないで。」
「でも…。」
「そんな顔して落ち込まないの。あんたはベホマが使えるから回復役として貴重な存在よ。周囲にケガした人がいたら遠慮なく治療してあげてね。そして、必ず魔法使いをきわめて、あたしが覚えられなかったイオラやラリホーマ、ベギラゴンで活躍してね。約束よ。」
「はい、分かりました。みなさんとはしばらく別行動になりますが、いずれそうなれるように頑張ります。」
チャモロは悔しさを抱えながらも、懸命に気持ちを切り替えた。
一方、バーバラは部屋を出た後、ダーマ神殿に向かっていき、今度は武闘家に転職した。
宿屋の一室では求司がレック達から(アモス経由で)自分達の能力も開花させてほしいという依頼を受けて、彼らの状態やレベル、熟練度などを考慮しながら今後の作戦を考えていた。
一行の状態は次の通り。
・求司 … 呪文はインパスなどわずかで、戦士と武闘家の特技も無いが、盗賊のはなを覚えた状態。
・バーバラ … 僧侶から一旦離れて、これから武闘家メインで活動する予定。
・レック … すでにはやぶさぎりが使える状態だったが、代わりにメラミと武闘家の特技を使う予定。
・ハッサン … まもなく遊び人の熟練度が8になるが、レベルの関係上、伸ばせる場所がかなり限られた状態。
・チャモロ … 上記の通り。
・アモス … ほとんど戦士一筋で、ちょうどはやぶさぎりを覚えた状態。
・スラリン … バーニングブレスのバブルから火炎の息を学んでいる状態。
・ホイミン … 賢者を目指すため、魔法使いと僧侶の勉強中。
・ターニア … 商人の熟練度をかなり伸ばした状態。
(※ミレーユは最新情報がないため、割愛します。)
(まだまだチーム状態は万全ではないし、同行出来ないメンバーもいるけれど、だからこそ監督としての手腕が問われるところだな…。あと、ハッサンを早く遊び人から卒業させなければ…。)
彼が色々考え事をしていると、そこに転職を済ませたバーバラがやってきた。
「キュウジ、どう?次の目的地のホルストックに行くメドは立ちそう?」
「何とかね。ハッサンはどうしても行きたいだろうし、さらに行けるメンバーを全員戦力として起用するための策は立てているよ。」
「そうなんだ。じゃあ、ぜひ教えて。」
「もちろん。」
求司はバーバラに自分の考えを色々話した。
「あら、キュウジは盗賊の状態で星降る腕輪を装備したいのね。」
「まあね。なるべくターンの最初に行動して、こちらに有利な状況を作りたいから。」
「でも、足は大丈夫なの?」
「多分大丈夫。もう反復横跳びも出来るし、下手に全力疾走しなければ怖くないよ。」
「分かったわ。でも、無理だけはしないでね。もし故障しそうになったらあたしがベホマで治療してあげるからね。」
「ありがとう。ただ、チャモロとホイミンが来られない以上、ベホイミ以上の回復呪文を唱えられるのは君しかいないから、残りMPには気を付けてね。」
「うんっ!」
2人は楽しく会話をした後、レック、ハッサン、アモス、ターニアに会いに行き、合計6人でホルストックに向かうことにした。
(※はやてのリングはバーバラが装備。)
「あの、キュウジさん。私は戦士のままでいいんでしょうか?正直、行動する順番が気になるんですが。」
「アモスさんはしっぷう突きを使えば先制攻撃出来ますし、その場合でも炎のツメの追加攻撃が発動しますので、その腕力と合わせれば結構いけると思いますよ。」
「あっ、なるほど。そういう狙いですね。」
「はい。何より、アモスさんには高いHPをいかして、前線で積極的に活躍してほしいですから。」
「分かりました。では、期待に応えられるように頑張ります。」
求司とアモスが会話をしているかたわらでは、ターニアとバーバラが話し合っていた。
「あの、私はお世辞にも素早くないですし、商人のままだと余計に行動順が遅くなってしまうんですが、いいんでしょうか?」
「それはやり方次第で長所にもなるわよ。」
「どういうことですか?」
「キュウジの話では、わざとターンの最後にホイッスルを吹いて、次のターンの動きを封じるという手があるんだって。あと、ゲントの杖を使ってHPが減った人を回復させる手もあるわよ。」
「でも、それだと私がターンの最後まで持ちこたえないといけないんですが、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫よ。あたしやキュウジが何とかするから、心配しないで。」
「そうですか。確かにあなた達はジャミラスの城の時、息の合った連携を見せてくれましたから、今回もよろしくお願いします。」
「任せといて!」
ターニアはこれまで行動順が後手になることに劣等感を抱いていたが、バーバラのおかげで気持ちにも変化が現れた。
求司はその後、レックとハッサンにも話し合いをして、彼らにも出番を与えるつもりのため、状況を見ながらしっかりと準備をしてほしいことを伝えた。
「分かりました。僕は通常攻撃や戦士の特技の代わりに、武闘家の特技や炎のツメのメラミで頑張ります。」
「ターン開始時に相手が行動してこないと分かっていれば捨て身も遠慮なく使えるから、やってやるぜ!」
彼らは求司からアイデアを教えてもらい、戦力になるために気合を入れた。
そしてバーバラが魔法の聖水で減っていたMPを回復させた後、ルーラでカルカドに向かっていった。
ひょうたん島を使ってホルコッタ北の関所にやってきた一行は、目的地であるホルストックに向かって歩き出した。
しかし、それからすぐにウインドマージ3匹とエンカウントした。
「君達、ここは我らのアジトだぞ。」
「ここを通り抜けていくつもりなの?」
「それなら、我らと勝負に勝ってみよ。」
彼ら(Bは女性)は3対3の勝負を申し込んできた。
「分かりました。では僕が3人をチョイスしましょう。」
相手の要求を受け入れた求司は自分に加えて、バーバラとターニアを指名した。
そして戦闘になると、彼は即座にせいけん突き(のまね)のモーションに入った。
すると、それを見たウインドマージ達が止めに入ってきた。
「君!そのどこがせいけん突きだ!」
「武器を使うなんてヒキョウよ!」
「剣を置いて、こぶしを使いなさい!」
彼らが不満を並べても、求司は武器を手放そうとはしなかった。
「残念だな。これは正当なやり方だ。なぜなら、この特技は『聖剣』突きだからだ!」
「エエーッ!?」
「ウソーッ!?」
「ホントーッ!?」
3匹「信じらんなーい!!!」
彼らは思わぬ発言にビックリ仰天だった。
「あっ、そう言えば、確かに俺もその剣を使いながらせいけん突きしていたな。」
「これまでひらがな表記だったのはそういうことだったのか。」
「うp主も言葉のあやをうまく使いますね。さすがです。」
ハッサンが苦笑いをする一方、レックとアモスは途端にメタいことを言い出した。
(※実際は漢字変換が面倒だったからだなんて、彼らには言えませんが…。byうp主)
何はともあれ、ウインドマージ達は隙だらけになってしまったため、バーバラはその間にムチでのグループ攻撃を浴びせ、ターニアはホイッスルを吹いて次のターンの行動を封じた。
「それじゃ、ここで3人まとめて交代します。」
求司の指示を受けて、今度はレック、ハッサン、アモスが参加した。
彼らは攻撃されるリスクがないことを利用して、まずハッサンが捨て身でCを、アモスははやぶさぎりでAをKOさせ、レックはメラミでBのHPをあと少しにした。
「あ、あわわわ…。私、降参します。どうかこれ以上攻撃しないで。」
残ったBはその場にひざまずくと、風の帽子を差し出してきた。
「ウソじゃないわよね?」
「私、ウソつかないので。」
「分かりました。では、今から受け取りに行くわね。」
バーバラは「ピ○クパ○サーのテーマ」のような足取りで一歩ずつ近づいていき、帽子を受け取ると、即座に装備した。
戦闘が終了した後、Bは自分の名前をメルビーと名乗り、何らかの形で協力を申し出てきた。
「では、ハッサンの熟練度を早く8にしたいので、彼の相手をしてくれますか?」
「はい、よろこんで。では仲間のヴァンとヴィント(それぞれAとC)と合わせて、協力させていただきます。」
求司の依頼に同意した3匹はバーバラにHPを回復してもらい、移動しながらハッサンの臨時コーチを担当することになった。
しばらく歩いていると、今度はマッドロン4匹が現れた。
すると、バーバラが先制マホトラでAのMPを奪い、求司は「空を見ろ!鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーサ○ヤ人だ!」と叫んで彼らを振り返らせた。
その隙にアモスは「アホが見るー。」と言わんばかりにはやぶさぎりを浴びせてDをKOさせた。
「君ねえ。何もいないじゃないですか!」
BとCが未だに気を取られている中、素早くこっちを向いたAはツッコミを入れる形で求司に通常攻撃を浴びせた。
そして最後に行動したターニアはホイッスルを吹いて3匹を全員ひるませたため、それを見た求司はレックと交代することにした。
次のターンではバーバラが再びマホトラでBのMPを奪い、レックのまわしげり(※武器の攻撃力は乗っていません。)とアモスの通常攻撃で残りをAとCにし、ターニアのホイッスルでAを再びひるませた。
次のターンではバーバラがCにマホトラをかけた後、再び交代で入った求司がお返しとばかりにAを突き飛ばし、アモスがはやぶさぎりで戦闘を終了させた。
「結果的にあたしはMPを15補充出来たわ。キュウジ、作戦大成功ね。」
「どういたしまして。この敵はマホトーンをかけないと危ないけれど、マホトラと1ターン休みで切り抜けられて良かったよ。」
求司は内心ハラハラしていただけに、心の底からホッとしていた。
次の戦闘はカメレオンマン4人だったが、求司のバスターのサインに反応したバーバラがメラミでAを一発で倒し、それを見たレックとアモスもメラミで続いた。
一方、相手はレックとアモスの行動の間に2人ではやぶさぎりを仕掛けてきて、アモスがかなりダメージを受けてしまったため、最後に行動したターニアがゲントの杖で回復をした。
そして2ターン目に求司はバーバラの代わりに入って突き飛ばしを仕掛けたが失敗し、続いてレックのかまいたちで無事に決着がついた。
(その際、求司はどさくさにまぎれてくさりがまを手に入れました。)
その次の相手はくものきょじん単体で、彼は1対1での勝負を申し込んできた。
するとレックが自ら名乗り出て、勝負はノーガードの打ち合いになった。
そのため、お互いHPがどんどん減っていき、ついにはほとんどダブルKOになってしまったが、レックが先に立ち上がったため、彼に軍配が上がった。
勝負がつくとバーバラはすぐに彼のところに駆け寄り、ベホマで回復をしてくれた。
するとそれを見たくものきょじんは「おい!こっちにもケガ人がいるんだぞ!何とかしろ!」と不満をぶつけてきた。
「そうか。なら、薬草だ。使え。」
求司は薬草の入った袋を投げつけ、相手の顔にバフッと命中させた。
「くっそう…。何なんだこの扱いの違いは…。」
くものきょじんは悔しそうな表情をしながら袋を開け、葉っぱをバリバリとかじった後、ターニアの説得により、いつもより余計に賞金を置いて退散していった。
それから10分後。メルビーの話ではハッサンの遊び人の熟練度がついに8になったため、修業はここまでになった。
「メルビー、ヴァン、ヴィント。修業の相手をしてくれてありがとよ!」
ハッサンは礼を言うと彼らと別れ、ダーマ神殿に行きたいことを求司に申し出た。
「分かりました。では、バーバラ。その風の帽子を彼に渡してくれる?」
「うん、いいわよ。はい、これ。」
彼女は笑顔で賛成すると、かぶっていた帽子を外してハッサンに渡した。
「ありがとよ。では、早速行ってくるぜ。」
彼は即座に道具使用してルーラの効果を発動させ、1人で飛び立っていった。
「とはいえ、彼はこれからどういう職業に就くんでしょうか?」
「そういや、上級職との兼ね合いについて聞いてなかったような…。」
「さらに、この後私達とどうやって合流するつもりなんでしょうか?」
アモス、レック、ターニアは考えもせずに行動してしまった彼にツッコミを入れていた。
「ねえキュウジ、あたし達、どうすればいいの?」
「そうだなあ…。じゃあ、今から僕が忍び足を使うから急いでホルストックに行こう。そして現地に着いたら、バーバラがルーラで彼に合流してくれる?」
「いいけれど、あたし1人で行くの?」
「ま、まあね。」
「ええっ?みんなで行けばいいのに。」
「実は、風の帽子を複数手に入れるために、この辺りで金策をしたくなっちゃって…。」
「あっ、そういうことなのね。確かにあれは守備力もありそうだったし、さらに誰でもルーラが使えるようになるから。」
「というわけで、頼んだよ。」
「うんっ!分かったわ。」
バーバラはさらにハッサンがどのような職業に就けばいいのかを問いかけ、アドバイスをもらった。
そして一行はエンカウントを避けながら一目散に目的地に向かっていくことにした。
幸い、求司は足に故障を発生することはなく、無事にホルストックに到着するとバーバラは即座に1人で飛び立っていった。
その後、ハッサンはホイミとニフラムを覚えてから踊り子に、バーバラは盗賊に転職して戻ってきた。
名前の由来
・ヴァン(Vent)、ヴィント(Wind)
それぞれフランス語とドイツ語で「風」という意味です。
ウインドマージということで、このような名前をつけました。