あたし、ツインテールをまもります。   作:シュイダー

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タグのオリジナル装備は、いま現在のブルーの装備のことです。

二〇一四年十二月四日  初稿
二〇一五年八月二十二日 修正
二〇一六年四月十七日  微修正
 


1-3 青の初陣 / 蜥蜴の信念 / 感謝の想い

 怪物たちの方にむかって走る。予想していたよりもずっと早く怪物たちの姿が近づいたことに驚くが、意識を切り替えて怪物たちの数メートル手前で立ち止まると、まず声を張り上げた。

「そこまでよ、変態!」

「む、何者だ!? ――――むうう、幼女ではないのか。いや、しかし、なんと見事なツインテールなのだ!!」

 ふりむいて愛香の姿を見た怪物は最初に失望の混じった声を漏らしたが、ツインテールを見たところで感激の声を上げた。高揚を隠さず、怪物が言葉を続ける。

「先ほどのお嬢様幼女のツインテール属性もかなりのものであったが、それ以上のツインテールの持ち主がすぐに現れるとは! この地を最初に選んだ、隊長殿の予感は正しかった! 磨きに磨かれた究極のツインテールッ! 我らのものとさせてもらうぞ!!」

「モケー!」

 怪物の言葉が終わるあたりで、黒ずくめたちが声を上げ、愛香に飛びかかってくる。

 その黒ずくめたちを見据え、愛香は構えをとった。

「ツインテール、か」

 構えながら、小さく口の中で呟く。

 こいつらが現れなければ。あの少女から、ツインテールへの想いによって変身できるブレスレットを渡されなければ。自分は、少しずつでも総二に想いを伝えようとする勇気を出せただろうか。出せたとしても、ずっと先だったかもしれない。そう考えると、不謹慎だろうが、少し感謝してやってもいいかもしれないなどと思ってしまう。

「究極だか、なんだかしらないけど」

 だが、ツインテールを奪い、総二を悲しませるなら、容赦する気はない。

 自分以外の女の子のツインテールを、総二に見てほしくはない。それでも、総二の悲しむ顔は見たくない。

 なにより、総二と誓ったのだ。必ず無事で帰ると。

「あんたたちなんかに、誰が渡してたまるもんですか!!」

 吼えると同時、襲いかかって来た黒ずくめに愛香は拳を叩きこんだ。

 

 

 飛びかかってきた黒ずくめに、変身した愛香が拳を叩きこむ。殴られた黒ずくめは、吹っ飛んだかと思うと空中で光をまき散らし、跡形もなく消え去った。

 愛香の動きを止めようと黒ずくめたちが次から次へと襲いかかっていくが、まったく捉えることができないようだった。遠くから見ている総二にも、愛香の動きはまったくと言っていいほどわからない。

 攻撃を躱したかと思えば、次の瞬間には黒ずくめの姿が消えている。そう説明するしかなかった。

 水影流柔術。亡くなった愛香の祖父から、総二が愛香とともに教わった武術。彼女の才は凄まじく、総二は愛香に稽古で勝てたことがない。愛香が言うには、総二の才能は自分以上とのことだが、持ち上げ過ぎだろうと総二は思っている。

 少なくとも自分が、生身で熊を倒せるとは思えない。

 愛香は、やった。

 祖父に連れていかれた山で熊と遭遇した愛香は、その熊を生身で倒している。わずか十歳のころに。

 儂はただ、上には上がいることと、野生動物の怖さを教えたかっただけなんじゃ、と総二と一緒に体育座りで夕焼けを見ながら、哀愁を漂わせてそう語った愛香の祖父の姿を、総二は未だに忘れられない。

 それからも愛香は鍛練を続けている。変身して身体能力も上がっているだろう彼女に敵うわけがない。そういうことなのだろう。

「愛香」

 それなのに、総二の心は晴れない。

 なにをするにも一緒だった大切な幼馴染みを、ひとりで戦わせている。

 さっき、愛香にツインテールを触ってほしいと頼まれた時、ありったけの想いをこめて触れた。無事に帰って来るように、と。そしていまは、戦っている愛香を応援している。

 それだけしか、そんなことしかできない。

「少年、これを」

「え?」

 少女から声をかけられてふりむくと彼女は、総二の掌に収まるくらいの、トランシーバーらしき物を渡してきた。

「通信機だ。少女に伝え忘れていたことがあってな。おぬしが伝えてやるとよい」

「え、あ、ああ、わかった」

 この少女のツインテールを見ていると、妙な気分になる。

 コレは、違う。

 自分でもよくわからないが、コレはツインテールではない。そんな失礼なことを考えてしまうのだ。だが同時に、不思議な対抗心や共感も湧きあがってくる。

 そのことに気になるものを感じながらも、いまはそんなことを考えている場合ではない、と思考を切り替える。

 少女から、奪われたツインテールのことと、武器の取り出し方の説明を受ける。

 あの強さなら武器なんていらないのではないか。そう思わなくもないが、あるに越したことはないのも事実である。自分にもできることがある。そう思うと、気休め程度ではあっても、少し気分は楽になった。

 少女は、こちらに気を遣ってくれたのかもしれない。総二はそう考えると、愛香に呼びかけた。

 

 

『愛香』

「ん、そーじ?」

 十何体か黒ずくめたちを倒すと、連中は愛香の様子を窺うように間合いを取りはじめた。その様子を見て、今度はこちらから仕掛けようと愛香が考えたところで、総二の声が耳に届いた。

 黒ずくめたちから眼を離さず、彼の声に耳を傾ける。

『いま、通信機渡されて、伝言頼まれたんだけど』

「うん」

『まず、奪われたツインテール、属性?は、一時的にあの輪っかに保管されているだけだから、あの輪っかを壊せば元に戻る。それと、頭のリボン型のパーツに触って武器を念じれば、武器が生成される、らしい』

「わかったわ。教えてくれて、ありがとう」

『ああ』

 総二の声は、まだ沈んでいるように思えた。いや、彼の性格を考えれば、当然かもしれない。さっさと片づけて、安心させてあげなければ。そう考えたところで、なぜ少女が直接通信してこないのか気になった。気を遣ってくれたのだろうか。

「ぬうう、これほどの戦闘員(アルティロイド)たちを難なく倒すとは。ツインテールが素晴らしいだけではないっ。貴様、いったい何者だ!」

「何者、って聞かれてもねえ」

 怪物から問いかけられ、ひとまずそちらに意識をむける。さすがに本名は名乗れないが、なんと名乗るべきだろうか。

「名乗るつもりはない、と言うことか。だが構わぬ。改めて、そのツインテール、奪わせて貰うぞ!」

 おまえに名乗る名前はない、とでも言ってやろうか。投げやり気味に愛香がそう考えたところで、怪物は吼えると大仰な構えをとった。

 愛香もそれを見て、再び構えをとる。黒ずくめの横やりも含め、なにをしてきても対応できるように周りも警戒する。

 怪物が口を開き、朗々と声を上げた。

幼女(しょうじょ)の手の中に抱かれたドールが、その持ち主の幼女(しょうじょ)と交わりし時の如く――――」

(なげ)えわああああああーっ!!」

「グオアアアーッ!?」

 長い口上にしびれを切らし、愛香は言葉とともに拳を怪物の顔面に叩きこむ。大きく吹っ飛んでいった怪物は顔を押さえながら起き上がると、座りこんだまま非難の声を上げてきた。

「なにをするっ!? そんな立派なツインテールを持っていながら、(いくさ)(なら)いも知らぬのか!?」

「長いのよっ! もっと、チャッチャッと来なさいよ! だいたい、一方的に侵略しに来てるくせに、自分の流儀に従え、みたいな勝手なこと言ってんじゃないわよっ!!」

「っ!」

 怪物に愛香が怒鳴り返すと、彼はなにかを思い出したかのように突然動きを止めた。

 怪物のその様子に愛香が訝しんだところで、再び総二の声が届く。

『なあ、愛香。こんな時になんだけど、変身した時の名前、テイルブルーとかどうだ?』

「テイルブルー?」

『いまのおまえのツインテール、きれいな青色に見えるからさ』

「安直ねえ。でも、わかりやすくていいか」

 苦笑しながら、総二の提案を受け入れる。

 改めて名乗りでも上げてみようか。そう考えると、怪物の方に眼をむけた。

「ん?」

 怪物の雰囲気が、さっきまでとは違って見えた。

 立ち上がった怪物が、堂々と声を上げる。

「我が名は、アルティメギルの斬り込み隊長、リザドギルディ。少女が人形を抱く姿にこそ、男子は心ときめくべきという信念のもと戦う者。ツインテールの戦士よ、貴様の名は?」

「あたしは、テイルブルーよ!」

「―――しかと聞いた!!」

「あんたみたいな変態に覚えられても嬉しくないわね!」

 総二のためにも、絶対に負けない。

 そう考えると、愛香は頭のリボンに手を伸ばした。

 

 

 未熟。

 リザドギルディは先ほどの己の醜態を思い起こし、それを痛感した。

 自分たちアルティメギルは、人間たちから見れば、紛うことなき侵略者なのだ。堂々と戦う者もいれば、自分たちの属性力(エレメーラ)を守るためなら形振(なりふ)り構わず戦う者もいるだろう。

 それを失念し、隙を見せておきながら、攻撃してきた相手を糾弾するなど、それこそ武人として恥ずべき行為ではないか。

 相手がどのような戦い方をしてこようと堂々と受け止め、叩き潰してこそ、自らの目指す武人の、師であるドラグギルディの姿ではないのか。

 もはや慢心はしない。目の前のツインテールの戦士を倒し、属性力(エレメーラ)を奪う。そして自分は、戦士としてのさらなる高みを目指す。

 立ち上がって青きツインテールの戦士を見据えると、決意をこめて自らの名を告げる。

「我が名は、アルティメギルの斬り込み隊長、リザドギルディ。少女が人形を抱く姿にこそ、男子は心ときめくべきという信念のもと戦う者。ツインテールの戦士よ、貴様の名は?」

「あたしは、テイルブルーよ!」

「―――しかと聞いた!!」

「あんたみたいな変態に覚えられても嬉しくないわね!」

 先ほどは返されることのなかった名を、返された。

 それは、自身の慢心を見抜かれていたということではないのか。名乗るほどの相手ではないと判断されていたのではないのか。

 そして、いま、認められた。

 不思議と心が昂る。溢れんばかりの高揚に身を委ね、雄叫びを上げる。

「いくぞ、テイルブルーよ!」

 その声に応えてか、テイルブルーはツインテールを留めるリボンのような物を叩くと、どこからともなく取り出した、三つ又の槍を手に持った。

 本気を出す、ということか。そう考えると、リザドギルディの心がますます震える。

 自らの拳に加え、尻尾を振り回し、掌から光線を放ち、そして自身の背中のヒレを分離させ、攻撃する。ヒレは、言うなれば爆弾そのもの。さらには、リザドギルディの意思でその軌道を制御できる。

 すべてを駆使し、攻撃する。しかし、目の前の戦士に致命打を与えることはできない。

 それどころか、攻撃の隙間を縫って、拳や蹴り、槍による攻撃をこちらに()ててくる。

 最善を尽くしても届かない。それほどの強敵。

 ならば、この戦いの中でさらなる高みに至るまで。リザドギルディは、そう決意した。

 それまでの戦法を続けながら、先ほど不発に終わった技を放つため、力を溜めはじめる。

 これまで、できたことはない。いや、やろうとしたことがなかった。

 強敵との戦いの中、いままでにない手応えを感じると同時に、己の不甲斐なさに思い至った。

 俺は、自分に満足してしまっていたのだな。そう自嘲する。

 しかし、それを悔やむのはあとだ。いまは、目の前の戦士を倒す。

 そしていつか、師であるドラグギルディをも超えてみせる。

 それが武人の在り方であり、師への恩返しとなるはずだ。リザドギルディはそう信じる。

 力が、溜まった。

 テイルブルーの槍をあえて避けず、ヒレによる攻撃で彼女の体勢を崩す。

「くっ!」

 テイルブルーが、焦りを含んだ声を漏らした。

 この間合いならば、避けられまい。

「受けよ、テイル」

「スプラッシュスピアー!!」

 力を解き放とうとした瞬間テイルブルーの声が響き、凄まじい踏み込みとともにその腕から槍が放たれた。

 

 慢心は、しなかった。

 自らの限界を超えてなお、相手がその上を行っていた。

 ただ、それだけのことだ。

 こちらが力を解き放とうとした瞬間、テイルブルーはダメージを受けることを覚悟し、己の最大の技でもって、リザドギルディが技を放つ瞬間の隙を狙ったのだろう。

 なんと、凄まじき戦士か。

 胸を貫いた槍によって致命傷を受けたことを悟りながら、リザドギルディは目の前の美しき戦士に呼びかけた。

「感謝するぞ。俺はようやく、ツインテールのほんとうの強さと美しさを知ることができた。――――最期に、ひとつだけ頼みがある」

 彼女を見つめると、最期の力をふり絞り、叫ぶ。

「お前のツインテールで、頬をスリスリさせてくれええええいっ!!」

 叫び終わった瞬間、世界が闇に包まれた。

 これが、死か。

 恐怖は、なかった。武人として生きてきたのだ。戦いで死ぬ覚悟は、常にあった。

 悔いも、なかった。自身の限界を超えた上で敗れたのだ。悔いなど、あるわけがなかった。

 だが、未練はあった。生涯をかけて追い求めた、ツインテール、ぬいぐるみ、ソファーにもたれかかる姿。その黄金比が間違っていなかったことを、いま一度確認したかった。

 最期まで未練がましく、なんと無様なのだ、俺は。

「む?」

 膝をつき、うつむいて自嘲していたリザドギルディの頬に、なにかが触れた。

 顔を上げると、麗しくも可憐な幼女が、その美しいツインテールを触れさせていた。

 なぜかはわからない。だがリザドギルディは、目の前の幼女は、さっきまで戦っていたツインテールの戦士の、幼きころの姿なのではないかと思った。

 思わず眼を見張ったところで、幼女がリザドギルディから離れた。

 追いかけようとするが、なぜか足が動かない。

 行かないでくれ。情けなくも、そんな懇願が心に浮かぶ。それでも、その思いが口を衝いて出る。

「ま、待ってく――」

 制止の言葉をかけようしたところで、目の前の光景にリザドギルディは言葉を失った。

 いつの間にかそこにあった大きなソファーに、幼女がもたれかかった。それも、大きな、子犬のぬいぐるみを抱えているではないか。

「お、おおっ!」

 なんとすばらしい姿だ。

 己の理想とする、黄金比を体現した姿。感動に身が震え、思わず声を上げてしまう。

 間違っていなかった。俺の一生は、間違っていなかったのだ。

 視界が、明るくなった。自分の躰が、光に包まれていた。

 上を見ると、祝福するかのように一筋の光がリザドギルディの躰を照らしていた。

 躰が、光の射す方に引っ張られていく。

 待て。まだ、待ってくれ。

 強くなってしまった未練からそんなことを考えてしまい、慌てて幼女の方を見る。再び、リザドギルディは眼を見張った。

 幼女が、微笑みながら手を振っていたのだ。

「お、おお」

 未練が消えていくのを感じる。

 男として、あんな可憐な幼女の前で無様な姿を晒してよいのか。そう思ったとたん未練は消え、穏やかな気持ちが湧きあがった。

 微笑んで手を振り返し、光の射してくる方を見る。

 至福の喜びと、不思議と柔らかく感じる光に包まれ、意識が光に融けていった。

 

 

「誰が、あんたみたいな変態に触らせるかあああああーーーーーーっ!!」

 叫びとともにブルーは、全力の拳をリザドギルディに叩きこんだ。殴り飛ばしたリザドギルディが、(ひら)けた駐車場の真ん中で盛大に爆発する。

 激戦の中ブルーは、躱せそうもないタイミングで放たれようとした攻撃に対し、死なばもろともの思いで一か八かの全力の刺突を放った。技の名前は、不思議と頭に浮かんできたものを使っていた。

 予期していたダメージがこなかったことで、なんとか賭けに勝ったことを確信する。しかしそれでも倒れないリザドギルディを、ブルーは油断なく見据えた。

 相手は人外の存在。まだ動ける可能性はある。

 そう考えていたブルーに、リザドギルディが言葉を告げてきた。

 感謝の言葉。そして、最期の頼み。

 よほど酷いことでもなければ聞いてあげてもいいけど。警戒心を解かないままそう考えたブルーに放たれたのは、ツインテールをスリスリさせろ、という絶叫(ヒドいこと)だった。ブルーがそれに怒りの叫びと鉄拳で応えると、その拳によって吹っ飛んでいったリザドギルディは、彼自身の手によって拓けた空間となった駐車場の中心で、派手に爆発した。

 髪は女の命。よほどの関係でなければ、女は異性に髪を触られることを嫌がるものだ。

 それに、ブルー、いや愛香にとってこの髪は、たったひとりの大好きな人(ツインテール馬鹿)のために、ずっと大事にしているものなのだ。

 家族を除けば、総二以外の誰にも触られたくはなかった。

「――――」

 気持ちを落ち着けるために、深呼吸をする。

 それにしても、殴り飛ばしたリザドギルディの顔がずいぶんと安らぎに満ちた笑顔になってた気がしたが、走馬灯でも見てたのだろうか。

 なんとなくそう思ったが、答えられる当人がもういない以上、考えても無駄だ、と思い直すと、リザドギルディのことを頭から追いやり、ツインテールを奪った輪っかに目をむける。

「ふっ!」

 槍を振るう。思ったよりずっと脆かったそれは、ただの一撃で両断された。

 粉々になっていく輪から、光が散っていく。その光がツインテールを奪われた少女たちに降り注ぐと、何事もなかったかのように、少女たちは元の髪型に戻っていった。

 これで一安心。あとは、早くこの場を立ち去ろう。

 そう考え、足を踏み出そうとした時、リザドギルディが爆発したところから、光る小さななにかが飛んできた。

 反射的に受け止め、掌に収まったそれを見る。(きらめ)く、(ひし)形の石だった。爆発したりする様子はない。

 とりあえず持ち帰ろう。なんとなく気になり、愛香はそう思った。

「あの」

「――――?」

 遠慮がちな呼びかけが耳に届いた。声のした方に顔をむけると、そこには神堂慧理那生徒会長がいた。いや、いることには気づいていたが、声をかけてくるとは思っていなかったのだ。

「助けていただいて、ありがとうございます」

「いえ、お気になさらず。たまたま居合わせただけですから」

 慧理那の感謝の言葉に、ブルーはあえて突き放した言い方をする。

 総二に比べればアドリブ力にはそこそこ自信があるが、ボロが出ないとは言い切れない。

 慧理那に背をむけて、歩き出す。

「と、とても素敵な戦いぶりでしたっ。わたくしと同じぐらいなのに、ほんとうに勇敢で、強くて、豪快で。わたくし、感動しましたわっ!!」

 背中にかけられる慧理那からの称賛の言葉に嬉しいものを感じるが、表には出さずにブルーは歩を進める。

 少し悲しそうな声が、耳に届いた。

「あの、せめてお名前を教えていただけませんか?」

「――――テイルブルーです。それでは」

 答えを返し、駆け出す。

 それとほぼ同時に現れたリムジンが、猛スピードで慧理那のそばまで来る。その中から大勢のメイド達が飛び出し、彼女に駆け寄っていった。

 そのあと、慧理那の指示によるものだろうか、メイド達が、ツインテールを奪われて気絶していた少女たちの介抱をはじめていく。それを見たところで、今度こそブルーはその場を離れた。

 

 人目につかないように壁伝いに歩き、気配を消して移動してきたブルーは、先回りしていたらしき総二の姿を見て、安堵の息を漏らす。なにかに耐えるような、少女の姿もあった。誰かを悼むような雰囲気に思える少女の様子に気になるものを感じながらも、愛香は気配を探り、周りに自分たち以外はいないことを確認する。自然と力が抜け、変身が解けた。

「愛香!」

 倒れこみそうになったところで、駆け寄ってきた総二に抱き留められる。

「愛香、大丈夫か?」

「うん。ちょっと気が抜けちゃっただけ」

「そう、か。よかった」

 総二の安心した声が聞こえ、彼の腕にこめられた力が少し強くなる。総二の体温を感じ、愛香の躰が熱くなった。

「見事だ、少女よ」

 頭も熱くなり、意識が遠のきかけるが、確認しておきたいことがあった。どうにか意識を繋ぎ止め、声をかけてきた少女に視線をむける。

 彼女には、いろいろと聞きたいことがある。

「あんた」

「恥を忍んで、頼みがある」

「は?」

「え?」

 愛香の言葉を遮った少女の真剣な声を聞いて、愛香は総二とともに、思わず間の抜けた声を出した。

「少年、我のツインテールを、結んではくれぬか?」

「っ!?」

「えっ、俺っ!?」

「うむ、おぬしだ。頼む」

 自分以外の女の子の髪を総二が触るなど、できることならほかの女の子を見てほしくないと考えている愛香にとって、看過できることではない。だが少女の真剣さが、邪魔することをためらわせた。

「で、できないっ」

「え、そーじっ?」

 辛そうに顔を歪めながら、絞り出すように言葉を返した総二に、愛香は戸惑う。少女の申し出を断ってくれたのは嬉しいが、彼女の切実な様子に、喜んでいいのかわからなかった。

 総二が、悲痛な叫びを上げた。

「結ぶってことは、ツインテールをほどかなくちゃいけないってことだろっ!? そんなこと、俺にはできないっ!!」

「―――はい?」

 なにを言っているのか、わからなかった。

 愛香が呆然と声を漏らしたあと、(かぶり)を振った少女が、重々しく言葉を紡いだ。

「言いたいことは、わかるっ。だが、これはツインテールではない。おぬしもそう感じたはずだ。―――情けなど、不要っ!!」

「それでも、ツインテールには変わりないだろうっ!? おまえだってそう思ってるから、そんな辛そうなんじゃないのかっ!?」

「そ、それはっ」

「あんたたち、なんの話をしてんのよ」

 親を殺せ、とでも言われたような悲痛な様子で言い合うツインテール馬鹿二人に、口から魂が出ていくような脱力感に襲われる。

 さっき愛香が戦いにむかおうとした時と悲痛さが大して変わらないように感じ、気絶したくなった。なったが、我慢する。愛香は溜息を吐くと、少女に声をかけた。

「あのさ、そーじじゃなくて、あたしが結ぶんじゃだめなの?」

「む、それは」

「あ、愛香っ、ツ、ツインテールをほどくってことが、どういうことかわかってるのか!?」

「あんたねぇ」

 半眼になって総二の顔を見る。再び溜息を吐くと、少女に声をかけた。

「で、どーなの?」

「む、むう、確かにおぬしでもよいかもしれぬが、ツ、ツインテールを、ほどくのだぞっ?」

「なんで、言い出してきたあんたまで及び腰なのよ」

 実際にやろうとしたところで腰が引けてしまうというのは、確かにある。だが、なんでツインテールをほどくだけでそんなふうになるのだ。うつむいてなにかを考えはじめたらしき少女を見ながら、愛香はそう思った。

 少しして少女が、意を決したように顔を上げた。

「わ、わかった。頼む」

「お、おいっ」

「案ずるな。さっき我が言ったであろう。これは、ツインテールではないのだ、とな」

「くっ」

 震えながらも決意を感じさせる少女の声に総二が慌てて声をあげると、彼女はきれいな微笑みのような表情を浮かべ、静かに言葉を返した。その言葉に総二は目を固く閉じ、(かぶり)を振る。

「いや、だから、あんたたちね」

 頭がどんどん痛くなってくる。ほんとうに気絶したくなるが、目を覚ました時にまだこの言い合いを続けていたら、また気絶しそうな気がした。というか実際にそうなりそうな気がする。それを思えば、耐えなければならない。

 そういえば、総二から少女に対する呼びかけが、『おまえ』になっていたな、と思った。なぜか、『きみ』よりもしっくり感じることに不思議なものを感じながら、愛香は総二から離れ、少女の後ろに立つと、彼女のツインテールを結ぶリボンに手をかけた。

 

「ああああああぁぁぁぁぁぁ―――」

「オオオオオオォォォォォォ―――」

「二人して死にそうな声出してんじゃないわよっ、このツイン・ツインテール馬鹿!」

 少女のリボンを解いてツインテールをほどいたところで、総二と少女が、嘆きと悲しみを感じさせる呻き声を上げはじめた。それに対して愛香が怒鳴ると、二人は愛香の方をむくと同時に眼を見開いて口を半開きにし、驚いたように突然動きを止めた。なぜか二人の背景に稲妻が映った気がした。気のせいだろうが。

 そのまま二人が、呆然と呟いた。

「な、にっ?」

「ツ、ツイン・ツインテール、だってっ?」

「お、おおっ、な、なんと心踊る言葉なのだ」

「い、いや、だけどそれじゃ、髪の房が四つになっちゃうんじゃ」

「麗しきツインテールの、持ち主が二人いると考えるのだっ!!」

「なるほどっ!!」

「あんたら」

 総二が二人いるようだ。いや、同類がいるためか、総二も普段より生き生きしているように思える。もし総二に妹がいて、その子もツインテール馬鹿だったら、毎日こうなっていたのだろうか、とわけのわからないことが思い浮かんだ。

 愛香はますます痛くなる頭に手を当て、今日、何度めになるかわからないため息を吐くと、少女の髪を手にとる。

 なんとなく、髪の毛という感じがしない。髪の毛のようななにか、まるで人形のそれのようだ。そんなことを愛香は思った。

 少女の髪の長さから、どのあたりで結ぶのが一番きれいなツインテールになるか、少し考える。少女の、もともとのツインテールと同じくらいでいいだろうが、ほんの少しだけ上の方で結んだ。

 バランスはキチンととれている。悪くはないだろう、と愛香は思った。

「これでどう?」

「す、すごい。さすが愛香だ」

「お、おお、これはっ。か、鏡を持っておらぬか?」

「コンパクトでよければあるけど。――――はい」

「感謝する。おおっ!!」

 なぜかはわからないが、さっきまでと違って、ツインテールだと感じられるものになっていた。

 感動の声を上げた総二の反応に複雑な気持ちが湧きあがるが、ツインテールに触れて感激した様子の少女の声にいったん気を取り直し、鏡を渡す。鏡にツインテールを映したところで少女が、感動の声を上げた。

 持ち上げたツインテールを嬉しそうに眺め、撫で、鏡に映しては、やはり嬉しそうな様子を見せる。

「――――」

 少しして、少女はなにかに気づいたように動きを止めると、ツインテールから手を放した。

「どうしたの? なんか気に入らないところとかあった?」

 おかしなところでもあったのだろうか、と少女の様子から考え、問いかける。

 少女がゆっくりと首を振り、口を開いた。

「いや、すばらしいツインテールだ。アレを、これほど見事なツインテールにしてもらっておいて、不満などあるわけがない。ただ」

「ただ?」

 言葉を止めた少女に愛香が聞き返すと、彼女は笑みを浮かべた。すがすがしさとともに、どこか寂しさを感じる笑みのように思えた。

 フッ、と笑った少女が、言葉を続ける。

「ただ。我らには、やはりツインテールを作ることはできぬのだな、と。そう思ってしまっただけだ」

 その声はやはり、なにかをふっきったようで、それでも隠し切れない悲しみがこめられているように感じた。

 

「気にすることないんじゃない?」

「なにっ?」

 愛香の言葉に、少女が反応した。声の調子から、少し怒らせてしまったかもしれないと思ったが、そのまま言葉を続ける。

「ツインテールが好きだって言うけど、そーじ、ツインテール結べないと思うわよ」

「む?」

「え、い、いや、確かに結んだことないけど」

 キョトンとした少女が目を(しばたた)かせると、総二は言い訳をするように慌てて答えた。

 少女は少しの間なにを言われたかわからないようだったが、気を取り直した様子のあと、口を開いた。

「いや、男ならば、結んだことがなくとも不思議ではな」

 そこで少女が、なにかに気づいたように言葉を止めた。

 少女は、少し考えこむ様子を見せると総二に視線を戻した。そのまま、確認するように問いかける。

「おぬしは、なぜツインテールが好きなのだ?」

「ツ、ツインテールが好きなことに、理由が必要なのか?」

「確かに()らぬ」

「言い切ったわね」

 開き直ったようでどこか恥ずかしそうな総二の答えに、打てば響くといわんばかりの早さで少女が納得し、愛香はげんなりと声を漏らした。確かに、なにかを好きだということに理由など要らないかもしれないが。

 少女は、なにかを見極めるように総二を見つめる。

「世界が美しいのは?」

「ツインテールがあるからだ」

「そーじ」

 少女の問いへ即座に返された総二の言葉に愛香が呆れて声をかけると、彼はハッとした様子で口を抑えた。

 少女は総二の答えに満足そうに頷きかけるが、なぜか途中で眉をひそめた。

「おぬし、ほんとうにツインテールを結んだことがないのか?」

「あ、ああ」

「彼女のツインテールを結んだこともないのか?」

「か、かのっ、あ、あたしは、ずっと自分で結んでるわよっ」

 『彼女』という言葉に思わず過敏に反応しかけるが、気持ちを落ち着かせて愛香が答えると、少女が改めて愛香のツインテールを見た。

 いったん納得した様子を見せながらも再び考えこんだ少女が、むう、と声を漏らしたあと、彼女は自分に言い聞かせるように言葉を続ける。

「まあ、男ならば確かに結んだことがなくとも不思議ではないであろうが、しかし考えてみれば、そもそもアレをほどくことにまで抵抗を覚えるほどでは、まるで、――――いや、少女のツインテールは、そのためか?」

 愛香と、いや、愛香のツインテールと総二を見ながら、少女はブツブツと呟き続ける。納得したようでなにかが引っかかるらしく、腕組みをして、なにかを考えはじめた。

 総二と顔を見合わせてから少女に視線を戻すと、彼女は首を(かし)げて、うーむ、と唸りはじめる。

「あー、とにかくね」

「む?」

 愛香が声をかけると、少女が顔をむけてくる。

 少し気恥ずかしいが、意を決して言葉を紡ぐ。

「『あんたたち』がツインテールを結べないって言うんだったら、あたしが結んであげるわよ」

「――――おぬし」

「愛香?」

 少女があっけにとられた様子で呟き、総二が不思議そうに声を漏らした。おそらく、そういうことではないのだとは思う。なぜかはわからないが、少女――あるいは少女たち――がツインテールを結んでも、ツインテールと感じられるものにならないことが悲しいのだろう。そんな相手にこんなことを言うのは、当てつけに思われてしまうかもしれない。

 それがなくとも、下手をすればライバルを増やす行為になるかもしれない。それでも、伝えたいと思ったのだ。

 総二に想いを少しずつでも伝える勇気を出すきっかけをくれた少女に、感謝を。

 これからも自分のツインテールを見ていてほしいと、総二に。

 上手く伝わるかはわからないが。

「フ、ハハハ、ハッハッハ!」

「ど、どうしたんだよ?」

 突然、少女が笑いはじめた。馬鹿にしたような感じはまったくせず、ほんとうに楽しそうな笑い声だった。

 少しして笑いが収まった少女が、総二に顔をむける。

「少年」

「な、なんだ?」

「彼女のことを、大切にしてやれ」

「え、ああ。それはもちろん。って、愛香っ?」

 戸惑いながらもはっきり答えた総二の言葉に愛香の躰が熱くなり、意識が遠のきかける。気がつくと、再び彼に抱き留められていた。

 総二の言葉を聞いたこともあるが、すでに疲労が限界にきているようだった。

「すまぬな。疲れているところに、長話まで付き合わせてしまったせいだろう。ゆっくり休むといい」

「待ちな、さいよ。あんたには、いろいろ聞きたいことが、あるのよ」

「我のことについては、いま明かすつもりはない。そのほかのことについては、少年に渡してあるデータバンクで確認するといい」

「これのことか?」

 総二が紙切れのような物を取り出すと、少女が、うむ、と頷く。

 少女はため息を吐いてから、言葉を続けてきた。

「すまぬ。恩を受けておきながら、我は、それを返すこともできぬのだ」

 そう言って少女が(きびす)を返し、愛香たちから離れていく。

属性玉(エレメーラオーブ)。おぬしの受け止めた菱形の石だが、なにかの役に立つ物ではない。だが、できることなら、持っていてほしい」

「なによ、それ」

 愛香の言葉に答えることなく進んでいく少女の前に、光の門のようなものが現れた。自分たちをここまで連れてきたもののように、転移させるものなのだろうか、となんとなく思った。

 視界が、ぼやけていく。

「それにしても」

 薄れていく意識の中、少女がふと思い出したように、誰にともなくといった調子で言葉を漏らしたのが、聞こえた。

 

「やはり乳がない方が、ツインテールが()えるな」

 

「――――――あ?」

「お、おい、愛香っ?」

 少女の言葉に、愛香の意識が覚醒した。総二からゆっくり身を離そうとしたところで、彼から心配そうに声をかけられるが、確認しなければならないことがある。

 いま、乳がないと言ったか。

 そう思ったところで、残像が見えそうな速さで少女がこちらにふり返り、驚愕の叫びを上げた。

「こ、この気迫っ、わ、我が、気圧(けお)されているだとっ!?」

「いま、なんて言ったの?」

 殴るつもりも、怖がらせるつもりもないが、愛香の口から思わず低い声が出る。少女は後ずさりながら、焦ったように返事をしてきた。

「い、いや、我の旧友がな、巨乳にツインテールこそ完璧なものだ、と言っておったのだが、ツインテールが似合うのはやはり幼女。その幼女と対極と言える巨乳よりは貧乳の方が似合うのではないか、と我は思って」

「誰が幼児体形ですってええええええええええ!?」

「そこまでは言っておらぬううううううううう!?」

「落ち着け愛香ああああああああああああああ!!」

 慌てた様子の総二に掻き抱かれ、愛香の顔が彼の胸元に押しつけられた。

「ふぇっ!?」

 いまにも倒れそうなほどの疲労、意識が遠のく寸前に聞こえた言葉によって目を覚ましたものの、無理やりの覚醒だったため、実際にはすぐにも眠りにつきそうなほどだった。

 その状態で愛する総二に抱かれ、思いっきり彼の(ぬく)もりと匂いを感じたことで、幸福感やらなにやらが湧きあがり、意識が飛んでいく。

 少女の慌てた声が、耳に届いた。

「おぬしたちがツインテールを愛するかぎり、再び逢うこともあるだろうっ! その時まで、さらばだっ!!」

 なんとなくあの少女らしさを感じる言葉が聞こえ、愛香の意識が闇に包まれた。

 

 

 なんて可愛らしい。

 強いツインテール属性を持つ者を探すかたわらで見つけた、三人の元気な(よう)、いや幼い少女たち。認識攪乱装置を使い、十メートルに満たない距離で彼女たちを見る。この世界で見たなかでも、最高級の可愛らしさと言っていい。もっとも、可愛らしい幼女に貴賤はないが。

 時折、自分の足元を見ると、口から垂れた液体で濡れているが、気にすることではない。

 三人ともお持ち帰りしたくなるが、耐える。YESロリータ、GO、いや、NOタッチ。それが淑女であるべきだ、と自分に言い聞かせる。拳が、強く握りすぎて血の気がなくなり青くなっているが、大した問題ではない。

 気を取り直して、少女たちに眼をむける。輝くような笑顔に、自然と心が弾む。

 これだ。この笑顔を見るために、自分は戦っていたのだ。

 もう、自分の故郷で見れることはない。そのことに、心が沈む。

「あれ? あっ、あすかちゃーんっ!!」

 三人の内のひとりである、栗色のツインテールの少女が、むこうからやってきた同い年くらいのツインテールの幼、いや少女に元気よく手を振って声をかけていた。

 声をかけられた幼、――幼女が手を振り返し、元気よく駆けてくる。

 三人に勝るとも劣らない、ツインテールの可愛らしい幼女。ツインテールに心が動くことがないことに胸が痛むが、いまはこの幼女たちを見ていたい。そう思った。

「ぁ、ぁぁ」

 そろった。世界(ロリコン)に光をもたらす、(あかつき)の四幼女がそろった。押しとどめていた欲望が、理性を押し流していく。

 天を見上げ、空へと掲げた拳を強く握りしめる。

 ロリコンのなにが悪い。犯罪だと。国家権力(警察)など怖がってどうする。YESロリータ、GOタッチ。それが、淑女というものではないか。

 さっきと考えていることが違う、と聞こえた気がしたが気のせいだ。再び四幼女に眼をむける。

 息が荒くなり、口から涎がどんどん垂れていく。両手が自然と肩の高さまで上がり、わきわきと手が動く。

 もう、我慢できない。

 少しずつ、幼女たちに近づいていく。

「ん? どうしたのよ、あすか。なんか楽しそうね?」

「なにかあったの?」

「うんっ!」

 長い金色の髪の、勝気そうな幼女の言葉に、紫がかった長い髪にカチューシャをつけた、おとなしそうな幼女が続ける。

 その言葉に元気よく返事をした、あすかと呼ばれた幼女が言葉を続けた。

「テイルブルーっていう人がね! トカゲのお化けから助けてくれたの!」

「うん? なにそれ?」

「テイルブルー?」

「トカゲのお化け?」

「――――。――――。――――。――――へ?」

 あすかちゃんの言葉に、三人の幼女が困惑していた。

 幼女たちの間近に迫ったところでその言葉を聞いて数秒ほど硬直したあと、属性力(エレメーラ)の探知装置を急いで取り出し、確認する。

「しまったあああああああああああああああああーーーーーーーーっ!?」

 叫び声が、空に響いた。

 

 




 
防犯ブザー。

総二に対する献身っぷりから、個人的に愛香さんのイメージは犬だったりします。異論は認める。


八月八日に、総二×愛香のR-18の話を新作として投稿しております。十八歳以上でご興味のあられる方、よろしければご覧下さい。続きもいずれ書くつもりです。
 
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