転生したらCパルス変異波形だったので、ガンダムを作ります。 作:コレクトマン
ダガーの特徴であるストライカーパックシステムを生かすためにクラフトチェンバーで各ストライカーパックを製造していた。
元をたどればダガーはGAT-X105ストライクの制式量産機でストライカーパックで様々な状況に合わせた装備で対応できる。
基本のストライカーパックと後の新ストライカーパックを合わせた7つのストライカーパックを製造していた。
高機動戦闘用のストライカーパック:エールストライカー
白兵戦用ストライカーパック:ソードストライカー
砲撃戦用のストライカーパック:ランチャーストライカー
対艦攻撃用のストライカーパック:ドッペルホルン連装無反動砲
大気圏内用の高機動空戦型のストライカーパック:ジェットストライカー
有線式のガンバレルユニットを四基装備したストライカーパック:ガンバレルストライカー
エール、ソード、ランチャーの3つのストライカーパックの機能の同時運用を取った統合兵装型ストライカーパックの試作型:マルチプルアサルトストライカー
これらのストライカーパックを製造し、より戦力増強に繋がるとレイはクラフトチェンバーで製造していた。
なお、本来のダガーの装備では両腰部にビームサーベルが取り付けられているが、日本兵の刀への執着があるためNダガーNの格闘兵装であるGES-D07G+ 対装甲刀をビームサーベルの代わりに取り付けられている。
……一応日本兵はビーム兵器を好まないわけではないが、一部の物好きだけの様だ。
【やれやれ……ガンダムシリーズの量産機も、日本兵たちによってほぼ魔改造されてるな。絶対各企業の技術者たちから「こんなものを作って何が楽しいというんだ、変態め!」って言われそう】
苦笑しながらもレイは次の製造リストのデータに目を通す。
STTS/F-400:ムラサメ改
GAT-04:ウィンダム
この二機の量産機はそれぞれ違う役割がある。
先ずムラサメ改は、映画”機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM”に登場するオーブ国防軍の主力量産型可変モビルスーツ「MVF-M11C ムラサメ」を原型とする改良型。
武装に関してはこんな感じ。
頭部に装備されている近接防御機関砲”M2M5DE 12.5mm自動近接防御火器”
中距離射撃用のビームライフル”73式高エネルギービーム砲「ホノイカヅチ」”
左腰部に1本装備されているビームサーベル”72式ビームサーベル「カナヤゴ」”
背部のテールスタビライザー基部に1門装備される単装式ビーム砲
”73式改攻盾ビーム砲「イワツツノヲ」”
左右の腰部フロントアーマーに2門ずつ計4門内装された発射筒に装填されている小型ミサイル
”71式短距離誘導弾”
対ビームコーティングが施された実体シールド
後退翼に取り付けられる爆装オプション”70式空対艦誘導弾”に”68式空対空誘導弾”
この機体をちょこっと改造すればムラサメのバリエーション機である”ムラサメ偵察型”のレドームを取り付けられるはず。
そうなれば偵察兵たちにとって仕事は増えるが、情報収集に大いに貢献できる。
そして残すウィンダムはストライクの完全量産機として作られた機体だ。
両腰アーマーに1基ずつマウントされている”ES04B ビームサーベル”
両腰アーマー内に格納される短剣型の投擲弾”Mk315 スティレット投擲噴進対装甲貫入弾”
頭部・胸部に計4基搭載された近接防御火器”M2M5 トーデスシュレッケン”
ちょっと変わった形状の大型ビームライフル”M9409L ビームライフル”
耐ビームコーティングが施されている細い三角形のシールド”A52 攻盾タイプE”
先述のシールドにマウントされるミサイル”Mk438/B 2連装多目的ミサイル ヴュルガーSA10
”
このウィンダムはストライクの完全量産機ではあるのだが、肩部のコンポジットウェポンをそのままでは装備できないが、主に大気圏内の空戦主力機として活躍するだろう。
【いずれこの星を離れてルビコン3に向かわなきゃならないからな】
レイが小言を呟き、次のデータを見た。そのデータは戦艦の設計図だった。しかもただの戦艦ではない。レイや日本兵たちにとっての旗艦になる戦艦なのだから。
艦籍番号:LHM-BB03S
スーパーミネルバ級MS惑星強襲揚陸艦”ミレニアム”
武装
陽電子破砕砲QZX-1/D「タンホイザー」
2連装高エネルギー収束火線砲XM47/D「トリスタン」
リニア砲 Mk.162「クルヴェナール」
CIWS×多数
誘導砲塔 Mk4クワール機動連装砲
ミサイル発射管×多数
宇宙用ミサイル「ナイトハルト」
迎撃用ミサイル「ディスパール」
アンチビーム爆雷
艦首ラム ASBX-2042 熱放射貫抉装備「ゴウテン」
そして一回きりの秘密兵器であるジェル状の特殊装甲「耐熱耐衝撃結晶装甲」
いずれこの惑星から出るときに必要となる要の旗艦として機能するだろうと考えていると、日本兵がレイに告げた。
【司令、報告します!観測班から未知の反応を検知しました!】
【何っ?未知の反応】
その日本兵曰く、ファクトリーの作戦司令室にて異常反応が確認されたとのこと。
レイは日本兵に連れられて作戦司令室に向かった。
作戦司令室には閣下と観測班がその異常反応の確認していた。
【閣下、観測データ確定しました!】
通信兵が立ち上がり、投影ホログラムを展開する。
赤い砂嵐の奥、三つの機影が封鎖機構基地を急襲していた。
【映像、拡大……ACが三機、明らかに通常機とは異質です】
【……企業に雇われた独立傭兵たちか。座標は?】
【セクタ・グレイ西部、封鎖拠点No.07】
レイは無言でデータを覗き込む。
その波形のひとつに、見覚えのあるコードがあった。
【C4-617……!? それに、619と620も……ということは、ウォルターの
その名を口にした瞬間、空気が張り詰めた。
赤い光点たち──日本兵たちがざわめく。
【……ハウンズだと……?】
【あり得ぬ。621以外のナンバーはすでに……】
【“我ら”が消えた時、すべて終わったはずだ!】
【……まさか、別の621が生きているのか?】
彼らの言葉に、レイは静かに頷いた。
【ああ。こいつは──“俺の知っている世界”の後に存在する、“何周目”かの621たちだ】
【な、何周目……?】
【そう。あの世界では“621”は何度も戦いを繰り返し、世界線を超えてなお、生き続けてる。
俺はその最後を……“ゲーム”として見届けた。日本兵たちも経験したはずだ】
日本兵たちは沈黙する。
彼らもレイヴンの火、ルビコンの解放者、そして賽は投げられたエンドを周回する形でコーラルリリースによりこの世界に来たことを思い出した。
しかし、問題はそこではなかった。自分たちこそ“621”でありながら、別の世界にも同じ番号が存在するという事実に、誰もが動揺を隠せなかった。
【……司令。貴殿はつまり、我々以外の“621”を知っていたと?】
【ああ。お前たちは、別世界線で“コーラル・リリース”に巻き込まれた621群なんだ。でも、あの617達は──この世界線の“本物のハウンド”だ】
【本物……】
【おいおい、じゃあ俺たちは……コピーってことか?】
【違う。記録の断片だ。コーラルが“別の621の記憶”を再構成した結果、お前たちはこうして存在してる】
その説明を聞いた日本兵たちは、言葉を失う。
だが、大本営だけは静かに頷いた。
【……なるほど。あり得ぬことではない】
【閣下……?】
【コーラルとは“記録”を超えるものだ。意識を複写し、時空を超えて写す。ならば、別の世界線の621が存在しても不思議ではない】
【だが閣下、それでは──】
【案ずるな。つまり我々は、“かつての自分たち”を助けに行くことになる】
司令室の空気が一変する。
日本兵たちは驚愕の後、次第に笑い始めた。
【なるほど、我らが“過去の自分”を救う……それもまた一興だ!】
【(^q^)ワー! メタい!】
【黙れ!】
レイは苦笑を浮かべながらも、拳を握りしめた。
【封鎖機構は、ハウンズを危険因子として排除するだろう。でも──俺にとっては、“まだ人間として生きてる”仲間だ】
【司令……】
【救うぞ、ハウンズを】
【了解!】
レイが振り返ると、閣下がゆっくりと頷いた。
【作戦名は?】
【“揺籃(ようらん)”──この世界の人間たちを再び揺り起こすための作戦だ】
【よかろう。ファクトリー12、全班に通達。我らの次なる目標は、“人間の救出”である!】
【【【了解っ!】】】
そうしてレイはガンダムAC、日本兵の金田、菊池、吉田、(^q^)アイツは対艦刀装備のM1アストレイでハウンズの救援のために出撃する。
【こちら管制塔、離陸を許可する】
【了解した。ガンダムAC──レイ、出るぞ! 金田たちも続け!】
【【了解っ!】】
【(^q^)リョウカイ】
【只今参ります!】
ガンダムACを筆頭にM1アストレイ4機がファクトリーから出撃した。ハウンズを救い出すために……
◇◆◇
砂嵐が地表を削る。風に乗った砂粒が金属に叩きつけられ、視界は常に揺らいでいる。廃墟となった前哨基地の残骸が断片的に地平に散らばり、そこを三機の影が滑るように動いた──青、白、黒。ハウンズ、C4の刻印を胸に持つ三つの“AC”である。
『ハウンズ、作戦領域到達。フェーズ2に移行』
617、619、620。ハウンズのACはウォルターの指示で惑星封鎖機構の拠点にある大型レーザー砲を破壊するために強襲していた。
《ALMA:データ照合完了。独立傭兵部隊“ハウンズ”を捕捉。危険因子と認識。優先排除対象——》
封鎖機構の監視網が予測を発し、赤いログ文字を吐き出す。だが砂嵐はそれをかき消すように吹き付ける。実戦の合図はいつだって、突発的に来る。
──617(青)が先陣を切る。右腕に装着されたガトリング砲が低い唸りを上げ、左のパルスブレードは鞘から滑り出す。左肩のパルスシールドが柔らかく展開し、右肩の拡散バズーカが微かな熱を放った。
《……接敵、開始》
617の声は少女口調だが、感情の色は薄い。機体が砂を蹴って一気に伏せ、ガトリングを振り回す。回転する銃身から火柱が吐かれ、砂の幕の向こうでSENTRY群が断続的に崩れていく。弾丸は金属を焼き、二脚のSENTRYの脚部を削り落とし、プラズマの蒸気が荒野を赤く染める。
──619(白)は遠距離支援。両肩の12連装ミサイルが唸り、アサルトライフルの照準が微動だにしない。
《目標、群集の高密度箇所。ミサイル、全弾発射》
619の声も冷めている。彼女は俊敏に位置を取り、ミサイルパネルを開いて斉射する。すると封鎖機構の拠点の大型レーザー砲塔がミサイル発射後の619を狙い、レーザーが放たれる。
回避行動をとると斉射中のミサイルが途切れる仕様なため、撃ち切るまで避けることはできなかった。その結果、回避機動が遅れてしまい、619の機体に直撃、右半身がレーザーの熱よって蒸発し、爆散した。
《619……!》
『619、生体反応ロスト』
COMから告げられる619の死亡。617はそれでも執行部隊の包囲網の突破を試みる。そこに620のACが援護に入る。
──620(黒)は機動重視。両手のハンドガンが早射し、背面のレーザーライフルが狙撃補助を行う。加えてウェポンハンガーのARを左手ハンドガンと入れ替え、中近距離での火力が瞬時に上がる。
617と620は敵の包囲網を最小の被弾に抑え、619が斉射したミサイルが銃器配備防衛陣地へ直撃により半壊したところを通過する。
基地内に侵入すると執行部隊のMTとLCが待ち構えていた。617はパルスシールドで防御するも、耐久限界を迎えてパルスシールドが破損。シールドが消えた瞬間、砲撃を受けて肩部シールド、ブレード装備の左腕を相次いでもぎ取られた。
617のヘイトを自分に向けさせるように620は敵MTとLCを撃破していった。
《ドローン消去、継続。敵機体反応無し》
620の声は短く、機体の動きは流麗だ。二つの銃口が鋭く光り、砂塵の合間に見える砲座や射点を次々と潰していく。彼女の機動はACの足さばきを巧みに使って、爆風を背に受けながらも体勢を整え、瞬時に角度を変えて次弾を撃ち抜く。
三機は連携して前哨の掃討を進める。617が真正面の突破を作り、619が遠隔で制圧し、620が挟撃点を潰す。これが彼らの“やり方”だ。効率的で、無駄がない。封鎖機構の前哨は短時間で崩壊していく。
だが、砂嵐の向こう──ヘリテージの残骸の陰に、警報が新たに赤く点滅する。ALMAの解析が即座に警告を吐いた。
《ALMA:外周迎撃ネットワーク、補正。特務機体カタフラクトの出撃》
《増援……》
617が視界の端でミリ秒単位の変化を拾う。目の前の大型レーザー砲台の左の格納庫から封鎖機構最強の地上兵器”特務機体カタフラクト”が出撃した。
「コード23、敵性AC2機を確認。これより交戦を開始する」
《カタフラクト……!》
617が封鎖機構最強の地上兵器の名を口にする。だが表情に変化はない。彼女たちは戦闘を、淡々と続ける。
カタフラクトはその巨体に似合わず機動力はACよりも上回る。正面から撃ちあえばダブルガトリングキャノンの超絶弾幕で一気に衝撃値を溜められてしまい、機敏に稼働するガトリンググレネードや追尾性能の高い多連装面制圧ミサイル、そして極めつけなのが左砲塔上面に搭載される、本機の本命と言える武装”可変式多機能レーザーキャノン”。
617達にとって厄介な敵であるが、立ちはだかる以上倒すだけだった。
カタフラクトがキャタピラを最大稼働させ、617の機体に質量的体当たりを決行する。
617は機体を動かして躱すも、右肩の拡散バズーカが当たり、機体から外れてしまう。
そんなこと関係なしに617は残されたガトリング砲でカタフラクトに攻撃するも、ダブルガトリングの弾幕に阻まれる。
《弾幕、厚い》
《617、囮になる……!》
620が声を出す。彼女は垂直の軸で短く跳躍、二丁のハンドガンによる早射でカタフラクトの注意を引き、攻撃のチャンスを作ろうとする。
しかしカタフラクトの武装の弾幕に阻まれ、左砲塔上のレーザーキャノンが620を捉えていた。
《レーザー……! 620、回避……!》
《間に合わない。……617、貴方が──》
その620の言葉は続かなかった。カタフラクトのレーザーキャノンの拡散レーザーの連続射撃を受け、撃破される。
『620、反応ロスト』
《62……0。……っ!》
「敵ACの僚機を撃破。だがこいつ等はいったい……? コード44、優先排除対象ハウンズの情報を回してくれ。こいつらは、企業に雇われた傭兵とは違う」
カタフラクトを駆る封鎖機構の特務上尉からALMAにハウンズの情報を要請した。
《ALMA:コード44を受領。情報を送信します》
「了解、確認す……なっ!?」
戦闘しながら情報を確認しようとした矢先、617は前へと突っ込み、カタフラクトと正面から張り付き、アサルトブーストでカタフラクトと張り合った。
「マズい、この位置は……!」
《ハウンズの……仇!》
617は残されたガトリング砲でカタフラクトの弱点であるコアMTに押し付けながら射撃。
機体ダメージが蓄積され、特務上尉は生還は不可能と悟ってALMAに増援を要請した。
「くっ……もはやここまでか! コード78……増援、要請……!」
そして機体耐久が限界を迎え、カタフラクトは爆散した。
しかし、今の617の機体は戦える状態ではなかった。ガトリング砲は今ので弾薬を全て使い切ってしまった。
《カタフラクト……撃破。残すは……》
617の前に大型レーザー砲が617に照準を向けていた。
打つ手がない状況だが、617にはACのコア拡張機能の一つ”アサルトアーマー”を使えば目標のレーザー砲を破壊できる。しかしそれは、捨て身の攻撃でもあった。
それでも617は半壊した機体を動かし、アサルトアーマーの起動準備に入る。
『ターゲット情報更新。フェーズ3、パターンE』
COMの音声を無視し、617は自分を含めたハウンズをウォルターが意味を見出してくれたことに感謝した。そして……
《……ウォルター。……ありがとう》
機体が光を纏い、青い閃光が砂原を裂く。
爆音が轟き、巨大なレーザー砲台が白く膨張しながら崩壊した。
爆煙の中、C4-617の姿は消える。
──本来なら、ここで彼女は死ぬはずだった。
しかし、その光の中で微かに脈打つ生体反応があった。
◇◆◇
◆ 惑星封鎖機構・監視拠点E-13/観測ログ No.1121
《ALMA:観測モード起動。セクタ・グレイ外縁に高エネルギー波検出。識別信号——不明》
「不明? また例のホワイト・ゴーストが出たのか?」
「違います。これは……三機のACです」
解析官リィナが指を走らせる。
モニタには三つの光跡が交錯していた。
爆炎の閃光が砂嵐を貫き、前哨基地のシールドを叩く。
《ALMA:波形照合開始。——結果取得》
「識別結果を」
《データ照合完了。対象コード:C4-617、C4-619、C4-620》
《所属:独立傭兵部隊“ハウンズ”》
《ステータス更新——危険因子(CRITICAL THREAT)》
「……危険因子、だと?」
《補足:第四世代強化人間の可能性大。精神構造不安定、交戦判断自律。封鎖機構秩序への脅威と判定》
「第四世代……てことは脳脊髄コーラル管理デバイスが埋め込まれた骨董品か」
「命令は?」
《命令:ハウンズの撃破。即時排除を推奨。交渉は非推奨》
室内が一瞬、冷えた。
ALMAは感情など持たない。だがその言葉には、明確な“敵認定”の冷酷さがあった。
「奴ら、様々な企業に対する下請けの傭兵だったはずだ」
「それが今じゃ、“害獣扱い”ですね……」
リィナは小さく息を吐く。
ALMAの声が淡々と続いた。
《観測継続。前哨基地12-Bにおいて交戦確認。味方損害率、予測82%》
「12-Bが? あそこは装甲要塞だぞ! まさか、ハウンズの目的は、レーザー砲台か!?」
《前哨基地12-Bよりコード78要請。要請を受諾。速やかなる部隊の派遣》
「了解。特務機体カタフラクトと高機動型LC4機を前哨基地12-Bに派遣させろ!」
「了解、部隊を編成。派遣いたします」
◇◆◇
風が鳴いていた。
砂嵐の止んだルビコン1北部、旧封鎖機構前哨基地12-B跡地。
赤い空の下、焼け焦げた装甲片が無数に散らばり、地面には黒い焦痕が幾重にも重なっている。
そこは、数時間前まで“戦場”だった場所。
そして、ハウンズが最期を迎えた場所だった。
『目的地に到着。生体反応あり』
ファクトリー12所属、第一遊撃中隊。
先頭を飛ぶのは白い巨体──RX-78F/AC “ガンダムAC”。
レイが搭乗するファクトリー12製AC版モビルフレームだ。
背部スラスターが青白い光を引き、砂原を照らす。
その後方を、四機の量産型M1アストレイが僚機として追随していた。
金田機は腰の対艦刀“村雨”を装備、二号機の菊池は狙撃型センサーを搭載、三号機の吉田は補給ユニット搭載型、そして四号機の通信支援担当——通称(^q^)アイツ。
【司令、反応微弱。ですが確かに“生体信号”が確認できます】
【範囲を絞れ。スキャンを駆使して周辺警戒を怠るな。金田機は右回りで索敵開始! 菊池機、左翼から展開! 吉田、電波障害を掃除してくれ】
【【【了解っ!】】】
【(^q^)リョウカイ! 急いで走れ!】
【……頼むから真面目にやれ。(^q^)アイツはオレと一緒に行動だ】
【(^q^)ハイッ! ワカリマシタ!】
通信に苦笑しつつ、レイはガンダムACのセンサーを広域に展開した。
微弱の生体反応、コーラル管理デバイスから発する波形が、砂の底から揺らめくように反応を返す。
【……間違いない。C4-617の波形だ】
【司令、C4? ……まさか、例の“ハウンズ”か?】
【ああ。正史なら全滅しているはずだが……この波は生きてる】
レイの声が低く響く。
コクピットの中、HUDには青い光点がゆらりと点滅していた。
それは確かに“生命”の証だった。
四機のアストレイが円を描くように着陸する。
対艦刀を引き抜き、警戒態勢を取る。
地面には焦げ跡とACの残骸。
爆散したSENTRY、潰れたMT、そして大破した大型レーザー砲の残骸。
【……ひでぇな】
金田が呻く。
菊池が周囲をスキャンし、溶けた装甲を検出。
【こりゃ……ガトリング焼き付きの跡ですね。近接戦で押し込んだ痕があります】
【AC一機で、ここまで……】
【(^q^)センメツ―!】
【黙れ】
【(^q^)ワー!】
その時だった。
菊池のセンサーが、瓦礫の影に微弱な発熱反応を拾う。
【司令、ここです! 熱源、大型レーザー砲の下!】
【(^q^)ソコニヤツガイルゾ。ミエタカ?】
【あそこか……! 全機、集結!】
レイがガンダムACを駆け、進み続けると617の機体らしき物を目視で確認した。
それは、C4-617のACだった。
片腕と脚を失い、胴体を砂に沈めながらも、頭部EYEがわずかに点滅していた。
【……生きてる】
【司令、本当に……?】
【コクピット、損傷は甚大だが、生命波形はまだ残ってる。急げ、救出準備!】
ガンダムACの両腕が慎重にコクピットブロックを掴み上げる。
焼け焦げた装甲の隙間から、弱い電流が走る。
レイのHUDに「C4-617/生命活動:維持中」の表示が浮かんだ。
【間に合う……! 今ならまだ──】
その瞬間。
低い重低音が大地を震わせた。
【……!?】
砂嵐の向こうに、赤い光点が複数出現する。
索敵レーダーに、機影が五つ。
【敵反応、五! その内一は大型──っ、カタフラクト級!】
【はぁ!? よりよって増援!? しかもカタフラクトか!?】
カタフラクトの増援がやって来たことに緊張が走る中、管制班からカタフラクトのことをこう命名した。
【超巨大二段高速巡洋戦艦”ヴォルケンヴィント”接近!】
【何だって?】
【超巨大二段……】
【いやっ、そんな名前じゃないだろ!? 普通にカタフラクトでいいだろ!?】
レイのツッコミが炸裂し、カタラクフトの随伴機と思しきLC機体が来た。しかも全機が高機動型だった。
【高機動型LC四、随伴中!】
【(^q^)ワー! オッテキタゾー! ウテ! センメツ―!】
【全機、防御陣形! 617の機体を守れ!】
砂嵐の向こうで、封鎖機構の新型カタフラクトが姿を現した。
両肩のガトリングキャノンが回転し、背部の多機能レーザーが唸りを上げる。
「コード23、現着。……っ!? あの機体は! コード5、未登録兵器群”ホワイト・ゴースト”を確認! 優先排除目標がこの基地にいる!」
《ALMA:コード5を受領。優先排除目標ホワイト・ゴースト及び随伴機の未確認機の殲滅を推奨》
「了解。排除執行する! ……くそ、こういう時に嫌な予感ほど当たる……!」
ALMAの制御音声が無機質に響き、四機の高機動LCが砂を蹴った。
その動きは、まるで“狩人”のように静かで速い。
【司令! 我々はどうするのでありますか!?】
【(^q^)モウコレイジョウテキヲオサエラレナイ! テッターイ!】
(^q^)アイツが冗談抜きに言ったが、管制班にも聞こえてたらしく管制班から冷たい声が飛ぶ。
【警告する! お前は戦いから逃げようとしている! 逃亡者は銃殺される!】
【(^q^)ワー! ワー! ヤメテ!】
【……どの道、逃げても奴らを基地に招き入れるだけだ。ここで奴らを抑える!】
【了解ッ!】
【了解!】【了解!】【(^q^)ハイッ! センメツ―!】
レイは白鬼の頭部を上げ、燃えた空を見上げる。
その視界の片隅で、砂に埋もれたC4-617のEYEがわずかに光った。
【待ってろ、617。……今、助けてやる】
白鬼の背部スラスターが爆発的な光を放つ。
四機のM1アストレイが対艦刀を構え、陣形を広げた。
次の瞬間、空と砂が交錯した。
——封鎖機構 vs 幽魂帝国。
かつての戦場に、再び“光”が落ちた。