ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

188 / 204
すいません、短いです


気付く時

那月達が去った後、四人は別れて雪菜を探す事にした。

早く見つけて、少なくとも雪霞狼を回収しなければ、雪菜が消えてしまうかもしれない。

四人はそれぞれ、東西南北に別れた。

しかし、そんなのは広大な砂漠に落ちている小石を探すようなものだ。中々見つからず、焦燥だけが募っていく。

 

「何処に居るんだ、雪菜ちゃん……」

 

明久は汗を拭きながら、一生懸命に視線を巡らせて雪菜を探していた。

ふとその時、近くのビルの壁面モニターに浅葱の新作MVが流れている事に気がついた。

 

「浅葱もどうにかしたいけど……」

 

と明久が汗を拭い、自販機で買った飲み物を飲んでいた時、周囲に居た一般人達が何やら騒ぎ始めた。

視線を追ってみると、先ほどまで新作MVが放送されていた壁面モニターに砂嵐が表示されている。

珍しいが、そんなに騒ぐ程ではない。そう考えた明久は、雪菜を探す為に移動しようとした。

その時

 

『明久……助けて……』

 

と聞こえて、明久はバッと振り返った。

既に壁面モニターは砂嵐から、《少々お待ちください》と表示されている。

 

「……待ってて、浅葱……!」

 

明久はそう言って、駆け出した。

場所は変わり、電脳世界。

 

「はぁ……この世界、イメージすると直ぐに出てくるし、太らないのは便利なんだけど……味気無いわね」

 

そこで浅葱は空中に浮いた状態で、ラーメンを食べていた。そのラーメンどんぶりは、絃神島で出店している有名店のものだ。

だがどうやら浅葱からしたら、不満らしい。

 

「やっぱり、料理は本物を食べてこそよ……そう思わない?」

 

そう言いながら視線を向けた先には、身体中に痛々しい縫合痕だらけの巫女が居た。

その巫女の服は血で赤黒く染まっていた。

巫女は浅葱からの問いかけに、何も答えない。

そんな巫女に浅葱は肩を竦めて、残っていたラーメンを啜り

 

「はぁ……明久、私が仕掛けたメッセージに気付いてくれたかしら……」

 

と呟いた。

電脳世界に閉じ込められた浅葱は、どうにか明久や誰かにメッセージを送ろうと色々と試し、その結果として、明久の近くの携帯や壁面モニターに、MVが流れた時にメッセージを流すようにプログラムした。

そもそも、電脳世界でプログラミングするのは初めてだったので、本当にプログラムが上手くいっているのかすら分からず、流れていたとしても、明久が気付くかは分の悪い賭けになっていた。

ラーメンを食べ終わった浅葱がラーメンどんぶりを投げ捨て(空中で消えてる)、どうしようか、と考えていた時

 

『収まらぬ……!』

 

「え……?」

 

初めて聞く声に、浅葱は電脳世界に居るもう一人に視線を向けた。視線を向けた先の巫女は、怒りからか目を真っ赤にし

 

『我が怒りは収まらぬ! この身に詰まる恨みを晴らすまでは!!』

 

と怒声を上げた。

その声音から分かるのは、並々ならぬ恨みを抱えているということ。

それを理解した浅葱は、驚いた様子で

 

「貴女、一体……!?」

 

と呟いた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。