ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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エピローグ 黄金の日常

雪菜から吹き出し、荒ぶっていた霊力は収まった。そんな雪菜に、明久は近寄り

 

「大丈夫、雪菜ちゃん?」

 

と声を掛けた。そこに、次々と沙矢華や唯里達が駆け寄ってきては、雪菜を抱き締める。

雪菜は何故自分が助かったのか不思議そうにしているが、明久は

 

「で、あの指輪はどういう物なんです?」

 

と縁とニーナに問い掛けた。

 

「あれは、古代の希少な金属をベースに、お主の肋骨を混ぜて作った指輪だ」

 

「肋骨? そんなの何時……最初に会った時か」

 

縁の説明に、明久は納得した。

最初に縁と交戦し、縁に脇腹を抉られた時に、縁は明久の肋骨を削っていたのだ。

それを、ニーナの錬金術で混ぜて指輪にしたようだ。

 

「それを、雪菜に嵌める事で霊的な経路(パス)を繋ぎ、雪菜を血の伴侶にした……それしか、救う方法が無かったからな」

 

血の伴侶

それは、永遠に近い年月を生きる真祖の吸血鬼の嫁にして、同じように永遠に近い年月を生きる者を指す名前。

つまり、雪菜も明久と同じように永遠近い年月を生きるようになったという。

だが、確かにそれならば膨大な霊力に耐えられるだろう。

雪菜が人造天使になり、消滅寸前になったのは、人間という生物の身体が、膨れ上がった雪菜の霊力に耐えられなかったからに他ならない。

ならば、吸血鬼に近い身体になる血の伴侶ならば、膨大な霊力に耐えられる身体になる。

 

「間に合うかは、紙一重だったがな……若者に先立たれるのは、中々に堪えるものよ……」

 

「……特に、目を掛けた愛弟子ならな……」

 

ニーナの言葉に同意するように、縁は頷いた。

そして縁は、まだもみくちゃにされてる雪菜を見ながら、明久に近寄り

 

「あの子を頼んだよ、第四真祖……いや、吉井明久……あの子を、幸せにしてやってくれ」

 

と囁くと、姿を消した。

するとニーナが

 

「さて、今日は大盤振る舞いだ。色々と、治してあげるとするかの」

 

と明久の身体に触れた。

すると、冥賀によって与えられていた内臓のダメージが回復。それだけでなく、戦闘で損壊していた第0層の壁やら何やらを次々と直していく。

確かに、大盤振る舞いだろう。錬金術師達の間では伝説的な人物による錬金術による修繕。

もし他の錬金術師達が見たら、卒倒する事間違いなしだ。

その後全員は、キーストーンゲートから離れた。

 

「んー……! はあっ……久しぶりにあの狭い潜水艦の中から出たから、身体がバキバキよ……」

 

「二週間近くもだからね。身体、大丈夫?」

 

浅葱が伸びをしながら言った言葉に、明久が問い掛ける。すると浅葱は、肩をぐるぐると回しながら

 

「まあ、何とかね? まず御飯食べたいけど……私のせいで迷惑掛けただろうし……全員でカラオケ行かない? 私が払うわよ?」

 

と一緒に歩いていた雪菜や唯里達に問い掛けた。

 

「え、良いんですか?」

 

唯里が問い掛けると、浅葱は

 

「良いの良いの。どういう形であれ、私を助ける為に、キーストーンゲートの第0まで来てくれたんだし……ね? 雪菜さん?」

 

「……ご無事で何よりです、藍羽先輩」

 

雪菜の言葉に満足そうにした浅葱は、携帯を取り出して

 

「モグワイ! あんたのせいで、こっちは二週間近くあんな狭い場所に居たんだから、良いカラオケ屋を教えなさい!」

 

『アレは、俺であって俺じゃないんだが……まあ、良いけどよ。相変わらず、AI(ヒト)使いが荒い嬢ちゃんだぜ』

 

とモグワイにカラオケ屋探しを命じた。

その時、沙矢華が

 

「雪菜! 本当に大丈夫? 身体に違和感は無いの?」

 

「大丈夫ですよ、沙矢華さん。むしろ、今までの不調が嘘みたいに、身体が軽いんです」

 

と雪菜と会話していた。

どうやら、雪菜の体調も快復してきているらしい。それを安堵しつつも、明久は

 

「そういえば、皆ってカラオケ知ってるの? ほら、修行の高神の杜だっけ? あったの?」

 

と獅子王機関組に問い掛けた。明久の想像だが、そういう修行場所に娯楽関係の施設があるとは思えなかったからだ。

 

「あ、カラオケ自体はあるんですよ」

 

「ただ、古い曲ばかりでね。新しい曲は、外に出てから。特に、絃神(この)島に来てから知った」

 

明久の問い掛けに、唯里と志緒が答えた。

その時、浅葱が

 

「おーい! この近くに、食事も出来るカラオケ屋が有ったから、行きましょ!!」

 

と浅葱が告げた。

それに明久は手を振って答えつつ、雪菜に手を差し伸べて

 

「ほら、行こうか。雪菜ちゃん」

 

「はい、先輩!」

 

と駆け出した。

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