ストライク・ザ・ブラッド おバカな第四真祖   作:京勇樹

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買い物へ

 

 

 

「すみません、先輩……私の買い物に付き合わせてしまって」

 

モノレールの中、眠そうな明久に雪菜が頭を下げた。

昨日の夜に浅葱を助けた後、明久は十二時間近に帰宅し、シャワーを浴びて寝たのが夜の一時近く。

そして、今現在9時。

寝不足というわけではないが、明久はかなり眠そうである。

 

「いいよ、雪菜ちゃん! だって明久くん、休日は昼過ぎまで寝てるからね! たまには外に連れ出さないと!」

 

「ダルいけども……ところで、買い物の目的はなに?」

 

「私の服です。高神の杜には、服屋が無かったので私服が無いんです」

 

「ああ、だから制服なのか」

 

どうやら目的は、雪菜の服を買いに行くためらしい。

確かに考えてみれば、雪菜が出かける際は殆どが制服だった。

 

「ふっふっふ……雪菜ちゃん可愛いから、色んな服が似合いそうで楽しみ……」

 

「凪沙……顔と手の動きが、完全におっさん化してる」

 

そんな会話をしてる内に、目的の駅に到着。

モノレールから降りて駅を出ると

 

「ここが、リディアン絃神……ですか」

 

超巨大ショッピングモール入り口で、雪菜は呆然としていた。

リディアン絃神

人工島西地区(アイランド・ウェスト)のほぼ一つの増設島を用いた超巨大商業施設で、総店舗数は脅威の366店。

ガラス張りのドーム型屋根に覆われたモール内には、各種飲食店と小売店、病院、美容院、家電量販店、果てにはホテルも完備している。最早独立した街のような堂々とした威容の絃神島屈指のショッピングモールである。

 

「テティスも品ぞろえは良いんだけど、ちょっと高いし、キーストーンゲート前のは論外に高い。その点、リディアン絃神はお手頃で色んな服が買えるから、時々来るんだ」

 

凪沙はそう言いながら、携帯のマップを雪菜に見せた。

余りに広大な敷地かつ様々な店舗がならぶリディアン絃神だが、慣れない人が来ると迷子になってしまう。

そこで、リディアン絃神は独自にマップアプリを配信しており、何処に何が分かるか、更にはクーポン情報や何か事件が起きた際には最適な避難ルートも教えてくれる優れたアプリだ。

 

「さて、最初は何処から……」

 

「あ、限定ネコマたんTシャツが売ってる!? もう買えないと思ってたやつ……!」

 

凪沙がアプリで何処から行こうか悩んでいると、雪菜は入り口付近の古着屋に一目散に駆け寄っていった。

それを見た凪沙は、明久に

 

「ねえ……雪菜ちゃんのセンスに任せて、大丈夫かな?」

 

「……監視はしといた方が良さそうだね……雪菜ちゃんの為に」

 

因みに明久は、入り口付近の喫茶店で待つつもりだったりする。

その後、中央広場に来たら、何やらヒーローショーみたいなのをしていた。

 

「あ、魔法少女マスクドバニーだ」

 

「マスクドバニー?」

 

「テレビでやってる特撮番組だよ。あ、あそこに居るのはマスコットキャラのタルタルーガ君。主人公の中学生。三月堂ありすが魔法少女になって、世界征服を狙うポリコレ帝国のキセイ獣と戦う子供向け人気作なんだよ」

 

明久が首を傾げたら、凪沙が軽く説明した。

その説明を聞いた明久は、観客席に座っている客層を見て

 

「子供向け人気作って割に、むさ苦しい男衆が多いね。しかも、カメラ持ち」

 

「あー……あの人達は……あ、ほら、彼女目当て」

 

凪沙が指差した先には、フリルのミニスカートに胸元を強調したタイトなヘソ出し衣装にベネチアンマスクと大きなウサギ耳が特徴の女性が居た。

 

「……あれが、魔法少女?」

 

大分コンセプトが迷子な衣装である。

 

「そう。マスクドバニー・ストーカーフォーム。執着心と嫉妬に目覚めた主人公が手にした新しい強化形態だよ」

 

「子供向け番組にあるまじき題材だね!?」

 

明久渾身のツッコミである。

そして明久がそんな主人公が戦っているのを見て、首を傾げていると

 

「随分見てますね、先輩……?」

 

「明久くん、ああいうのが趣味だったの?」

 

「違うよ。魔法少女なのに、なんで格闘戦重視なのかって思ったんだよ……それに、やけに霧があるなって」

 

「霧……?」

 

明久の言葉に、雪菜は周囲を見回した。

確かに、やけに霧が漂っていた。

 

「んん? スモークでも出してるのかな?」

 

凪沙も周囲を見回していると、雪菜が何かに気付き

 

「あれは、完全受注生産の黒ネコマたんスパッツ!?」

 

とある店に向かっていった。

 

「ゆ、雪菜ちゃーん……」

 

「……取り敢えず、追いかけるか」

 

そんな雪菜を、明久と凪沙も追い掛けた。

そんな三人の足下に、霧が立ちこめていた。

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